肥前ロンズ

世の中、落としちゃいけないものがある。 モノ？　仕事？　試験？ いいえ。そんなものは、落としていい。 代わりのきかない、たった一つのもの。 落とさないで欲しい。それだけは、自分で…続きを読む

大切な人が死んでも、私たちは海のそばで生きている。 残された人たちの生活は少しずつ変化しながら続いていく。 元気ですか。こっちは元気です。あなたに会いたいです。 そんな思いを込め…続きを読む

淡い初恋の象徴であった、マグカップが割れた。 それをきっかけに、麻木はかつてのデート場所であったむさし野深大寺窯へ。 すると彼女に待っていたのは、とある奇跡。 何も残らず、消えて…続きを読む

エルヴィーネは他人からは恵まれた人生を送っていると思われるだろう。 しかしそれは全て他人の欲しいものであって、エルヴィーネが欲しいものでは無かった。 そんな彼女が出会ったのは、「…続きを読む

物語冒頭、その髪と唇の描写の対比、そして堰を切ったように話しかける（地の文で語られる）その様子に、読んでいるこちらも一緒になるような感覚。 この物語はしおりの死から始まり、しおり…続きを読む

選ばれた人だけが入れると噂の、『真夜中のティータイム』。 一見おでん屋さんのような暖簾が掛けられたそこのメニューは、どれも変わった名前ばかり。 そこにたどり着いた千鶴は、自分が置…続きを読む

ほんの些細なことで仲良くなることもあれば、 積み重なって大切になっていくこともあるのに、 たった一つのことで壊れてしまう。 そんな不安定な感情は、けれどどれだけ時間が経っても色褪…続きを読む

親にも見せることが恥ずかしい箱を、見てもらいたい。見せて欲しい。 その箱は、満たされても、まだ足りないと言っている。 ところが、彼女は「怖い」と言った。僕は彼女を大切にしたかった…続きを読む

お気に入りの廃墟に、人が立ち寄っていることを知る女子高生。 「あのドア、開くんだ？」 女子高生は好奇心のままに、そのドアに手を触れる。しかし、開く気配はない。 ところが２日後、な…続きを読む

何も持たなかった奴隷の少女は、生まれて初めて「楽しみ」を見つける。 悪竜と出会い、好きになった彼女は、彼に問いた。どんな女が好きかと。 10年後。彼女は飛行艇を携え、女帝となった。…続きを読む

新しく出来た家族とともに、蕎麦屋さんにやって来た大地。そこにいたのは… 緑豊かな自然、風が運ぶ蕎麦湯の匂い、慌ただしい厨房の音、蕎麦の味。ほのかな恋心とともにある、瑞々しい風景で…続きを読む

皇帝から、胡妃を描けと命じられた宦官・洛雪。 家族を奪われ、自分の全てを奪った男に娶られ、言葉が通じない場所に押し込められた胡妃。 傷つけられる名誉も誇りもなく、「欠ける」ものなど…続きを読む

「『いい子』にしていればサンタがやって来る」 『いい子』が何かかわからないまま、サンタさんを信じていた頃。 けれどいつまでも『いい子』ではいられません。 大人になるたび恥ずかし…続きを読む

憧れのお兄さんでもあり、初恋であったユウくんと再会した藍。 ただし、かつての姿のままの幽霊として。 ユウくんと同じ高校生になった藍は、かつて彼が所属していた軽音部に入り、軌跡を辿…続きを読む

「運命だって思いました。わたしはハルのお嫁さんになるんだって」 花瑠（ハル）にしか見えない存在は、そう言って微笑んだ。 愛らしくて、一途で、健気で、だけどおぞましくて、悲しくて…続きを読む

恋愛感情が「成熟された感情」「友情の上位変換」と謳われがちなこの世界で、ただ一緒に暮らす人と、一緒に休日を過ごす。 どんなふうに過ごそうか。どんなことをしようか。 目の前の人が喜…続きを読む

と、私と同じ考えの人がいるからこそ、カクヨムなどで公開されて来たのではないかと思う今日この頃。 あまりにも重いものは子宮内膜症などの疾患が疑われるようになった今日。 ところが産婦…続きを読む

心当たりが多すぎて……！！！ 物語は物語なので、筋やテーマに関係ない情報は削る必要がある。あと起承転結とか序破急とか、読者を引き込むために構成も必要。 けれど「あらすじ」や「世…続きを読む

もし、あなたが今、人生の岐路に立たされて、「ここで失敗したら後がない！」と言う時に、泣かせるような問題が出てきたらどうしますか？ 効率的に、無駄なく、最短で行える道の前に、 心を…続きを読む

大爆笑しながら読んでいました。 いやだって、メロスとロミジュリのコラボは笑いが止まらない……!! 食欲の秋ですね……。 皆さん、体重と体型が気になるかもしれませんが、食べられる…続きを読む

このエッセイを読んで思い出したのは、米津玄師のインタビュー。 ぼんやりとしか覚えてないので検索をかけたら、「難しい言葉は、意味が多岐にわたってない。それだけのために使われてる（要約…続きを読む

様々な憶測を持たれる、『夜間勤務者』。
果たして、彼らの真の姿は一体。
作者は、身バレしない程度に明かしてくれた――。

メンテナンスいつもありがとうございます!!

大きなものに圧倒され、自分がちっぽけと思うようなあの感覚。幻想的で、神秘的な描写に没入しました。 「まあこういう事情があるんだろうなー」という客観的な視点も入っているのですが、だか…続きを読む

ごめんなさい。不幸なことだということはわかっていながら、ものすごく笑ってしまいました。
そして最後の一文にトドメを刺されました。

――このプロジェクトに失敗は許されない。 使命に燃える二人の前に、次々と立ちはだかる困難。 はたして二人は、「昔ながらの喫茶店でクリームソーダを飲む」ことが出来るのか。 途中で…続きを読む

ライチ、皆さんお好きでしょうか。私は大ッ好き。食べたのは生ライチじゃなくて冷凍だけど。 海外産のライチは、植物検疫で冷凍以外の運搬方法が禁止されているそう。広州の生ライチ……めっ…続きを読む

「あ……困るかも……」と、このエッセイを読んで思いました。 でもリアルタイムで生きる推し作家なら、「もっと沢山の新作が読めたのかも……」とも思ってしまいます。 読者とはわがまま…続きを読む

見えるものから見えない意味を見出すのは、生きている人間にしか出来ない。 私たちは全く別のものを誰かと結びつけて、そこにいない人をたどることが出来る。 だから死者の沈黙は、生きてい…続きを読む

子どもの時、ひたすら「禁止」されていたものが……え、いつ解禁されていたの…？ そんな理不尽と思えるような、拍子抜けというような感覚。 何はともあれ。 憧れや思い出は、味以上に食…続きを読む

「作品を世に出すために、良いファンを一人でも増やしましょう」 ついに受賞して作家デビューした叶夢沙織は、担当さんのアドバイスを受けて、旧友と連絡を取ることに。 その相手は、八年前…続きを読む

ゴールデンレトリバーのハチミツと、カスミちゃんのお話。
二人はずっと仲良し。いつまでも、これからも。

二人はそれぞれ頑張って、そして。

鼻がツンとする、優しいお話です。

今日も今日とて悪党をとっちめる『鬼姫』こと華（と、三獣士）。彼女たちは妖怪を先祖に持つ人間族だ。 そんな強い彼女に、烏天狗の末裔である烏丸は、出会って早々プロポーズする！ とりあえ…続きを読む

『一番槍』 率先してもっとも死線に近い場に自ら赴き、自分の命と引替えに借金を返す竜追いのこと。 竜追いとしての生を捨てた八神と、ひとりきりのイサナ。 使命もあてもない中、薬師の鶴…続きを読む

鬼をも殺す酒『神便器毒酒』を作る里に、毒となる血を持つ槐（えんじゅ）はいた。 彼女は一人格子の中に閉じ込められ、血を取られ続けていた。 「助けてくれないか。血が必要だ」 そんな…続きを読む

「この子を、貴方の子として育ててほしいのです」 神を依り憑かせる巫として生まれながら、『忌み子』として間引きされかけた咲耶。 百年ぶりの巫による神楽を見に行ったことで、彼女の運命…続きを読む

「もし静殿の亡霊が本当にいたとしたら、あの方は何を願い何を成そうとするのでしょうね？」 一つ、謎の答えが出てくれば、もう一つの謎が深まるばかり。 わかることは、無念であった人々…続きを読む

二代目怪盗ファントムが狙うは、ナリルの涙。 そして消えた令嬢。 大衆の目がある中で、ファントムはいかにして狙うのか――？ 給料を革靴やスーツに注いでしまう金欠系名探偵エリック。…続きを読む

その存在を知ってしまったなら、多分ここまでワクワクするような描写にはならない。 何も知らないからこそ、似ている身近なものと重ねて、そこに物語を見出す。 とてもワクワクして、懐かし…続きを読む

突然、二の皇子の正室候補に決まった弱小貴族の糸季。 大切に育ててくれた家族と、穏やかな故郷に別れを告げた糸季。 彼女の前に現れたのは、『雨神様』の偽者と蔑まれる二の皇子・澪だった。…続きを読む

「まったく。人間たちは余計な事しかせぬな。いつの世も」 逢魔師。 人ならざる〝魔の者〟たちと取引し、魔に関する問題事を取り扱う仕事をするもの。 しかし男しかなれない職のため、結…続きを読む

「お前の嫁ぎ先が決まった。――お前は、春までに死ね」 『宝石病』にかかった桜花院当主の代わりに死ねと命じられたやちよ。 ところが夫にあたる唯月は、彼女の接触を拒む。彼は呪いを誰か…続きを読む

「二人じゃないわ。一人よ。だって青燕、荒事はからっきしなんだから。――だから私が一人でやるって言ってるのよっ!!」 悪は見逃さない貧乏公主・凛華。 ドジっぽいけど、なんか腹に一物…続きを読む

生々しい足音。床に残る足跡。
しかもそれは、裸足でもゲソ痕でもない。

これは……靴下だ。

はたして、その正体はいかに？

みんな「つまらない日常」だと考えるかもしれない。 けれど、あなたと私が、同じものを見ているとは限らない。 あるいは、時間や空間を隔てて、同じものを共有することが出来るかもしれない。…続きを読む

聖女リアナによって、破滅を迎えるはずだったアリシアを助けたのは、大天使ラミエルだった。 「お前には、使い魔ならぬ『お使い天使』となってもらおうか」 かつてリアナに聖女の力を授け…続きを読む

エーレアンヌ・リットヴァルデン・リジオという貴族名を失い、新たに下働きのエルとして、元の敵国の将軍であるリディス・ルキソエールに仕えるようになって半年。 継母にいじめられ、自分のこ…続きを読む

工作が得意な「ぼく」。 傑作はハムスターのグーちゃんの豪邸。 ところがある日、グーちゃんがハウスからいなくなって… 自分にとっての大切と、相手にとっての大切。 どちらも大切にした…続きを読む

僕にとって女の人は恐怖だったし憧れでもあった。 でも京香さんはそのどれでもないようだった。 妊娠したい僕と、生殖医療を研究する京香さん。 自分が自分であるために、自分を他者に差し…続きを読む

これ以上の言葉は、物語を台無しにします。
これは最初から最後まで読むからこその衝撃。
1500字で淡々と綴られた物語。「脳みそ」ごとお食べ下さい。