「運命だって思いました。わたしはハルのお嫁さんになるんだって」花瑠(ハル)にしか見えない存在は、そう言って微笑んだ。愛らしくて、一途で、健気で、だけどおぞましくて、悲しくて、切ない。それでも彼女は、ハルのために、たった一枚の隔たりを超えないのです。
小説を書くことが好きな花瑠が、ある日夕立の中で出会ったかみさまとのお話。思春期特有の友達とのやりとりと、無邪気なかみさまとのやりとりが恐ろしくも透明感のある文章で綴られます。特に最後の締めくくりが好きでした。すぐそばにいて、手もつなげるけれど、圧倒的な隔たりも存在する。この先も〝忘却〟は続いていくのか、これでふたりは幸せなのか。考えさせられます。切なくも狂気的な純愛。短編ながら、とても綺麗にまとまっているので、ぜひおすすめです!
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