「竜追いが畳の上で死んでどうすんだよなあ」

『一番槍』
率先してもっとも死線に近い場に自ら赴き、自分の命と引替えに借金を返す竜追いのこと。

竜追いとしての生を捨てた八神と、ひとりきりのイサナ。
使命もあてもない中、薬師の鶴乃から預かった薬をある竜追いに届けようとした八神は、竜追い見習いの寅治という若者と出逢う。
そのある竜追いは寅治の師匠であり、既に病で亡くなっていた。

彼の死を背負い、一人前の竜追いとして生きて死のうとする寅治。

そんな中、八神は寅治と花札を打つことになり…

遺す者、遺される者。
果たして命を賭けるほどなのか、悔いのない死とはなんなのか。