憎しみと恐怖。排斥と無理解。人間と妖怪。あらゆる境界を超える逢魔師。

「まったく。人間たちは余計な事しかせぬな。いつの世も」


逢魔師。
人ならざる〝魔の者〟たちと取引し、魔に関する問題事を取り扱う仕事をするもの。
しかし男しかなれない職のため、結人は「男」として逢魔師となった。そのため櫛笥家の〝夜叉っ子"と呼ばれる。
 
女であること、妖怪と契約していることで蔑まされる結人の前に現れたのは、死にかけていた鬼だった。
人間を敵視する鬼に会った結人は、彼を保護し、葉桜丸と名付ける。
葉桜丸は、火中の杜に収められていた神器〝六火の錫杖〟を探していると言っていた。結人は怨霊跋扈の事件を追っており、葉桜丸の助けを借りるためにも"賓の契約"をする。
苛烈だが優しい鬼と、境界を超える逢魔師は事件を解決することが出来るのか。

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