──大丈夫だ。前を向け。

淡い初恋の象徴であった、マグカップが割れた。
それをきっかけに、麻木はかつてのデート場所であったむさし野深大寺窯へ。
すると彼女に待っていたのは、とある奇跡。

何も残らず、消えてしまったと思っていた縁。
けれど確かに、自分を応援してくれる人がいて、きっと見えなくてもどこかにいる。
無くなったと思っても、捨ててしまいたいと思っても、それを拾ってくれる人がいる。

全部どうでもいいと思えるほど悲しくて、それでも頑張るしかないと思わせてくれる。そんなお話です。