「ライチとの出会い、そして再会」 学校給食での何気ないライチとの初遭遇から20年。中国・広州への出張で「本物のライチ」との運命的な再会を果たした筆者は、その驚きと感動を生き生きと描き出します。チャレンジ精神旺盛な給食の思い出から始まり、広州での異文化体験、そして「ライチ病」予防のための塩水という思いがけない試練まで。 等身大の視点で描かれる体験を通じて、私たちの「先入観」がいかに新しい発見を妨げているかを、さりげなく問いかける味わい深いエッセイです。
ライチ、皆さんお好きでしょうか。私は大ッ好き。食べたのは生ライチじゃなくて冷凍だけど。海外産のライチは、植物検疫で冷凍以外の運搬方法が禁止されているそう。広州の生ライチ……めっちゃ気になる。子どもの時には「んー」と思ってた食べ物との再会。そしてホームじゃない場所での、謎の慣習。その理由を実感する経験。ワクワクしました!
とにかく、素晴らしく、みずみずしい文体で展開しています。ライチの歴史、味覚、経験、訪れた中国の景色が、描かれていて、本当に食べているような臨場感もあって、可愛さも相まって、作者の独特の世界が読み取れました。素敵です。こんな感覚や透明感のある書き方や実体験のある作者の才能に、読む者は誰でも好感を持つに違いない。正直に、面白かった作品でした。びっくりです!
中国出張の成り行きで、本場の生ライチを食べることになった筆者。 傾国の美女が愛食したとされ、現地ではあまりの美味さで中毒になるまで食べる人もいるらしい。 昔の経験もあり、あまり期待していなかった筆者であったが…… ライチに関する認識が変わる食べ物エッセイ。・ 手本にしたい食エッセイでした。 ライチの知識や、美味しそうな描写もそうなのですが、 そこに至るまでの過程に「人の温度」があるのが、何とも愛おしい。 何度も読み返したくなる魅力があります。