二代目怪盗ファントムが狙うは、ナリルの涙。
そして消えた令嬢。
大衆の目がある中で、ファントムはいかにして狙うのか――?
給料を革靴やスーツに注いでしまう金欠系名探偵エリック。彼の師匠は、怪盗ファントムと何度も対決していた。
ある日、ファントムの名を継ぐものが、豪商ボゴール家から宝を盗み出すことを知る。事件の捜査に乗り出すエリック。いろいろと欠点が多い探偵を、幼なじみのジョンはカバーしていく。
一方、慎ましく孤児たちと暮らしていた女性アデルは、養子縁組が決まったジェシーからSOSの暗号を受け取る。
ジェシーを引き取ったレーボルク家は、自分の工場で子どもを強制労働させていた。その工場は、非認可で酒造をしていた。
レーボルク家に懐柔され、弱者を助けてくれない警吏。衛兵を動かすためお金が必要だとわかったアデルは、亡き恩師の後を継ぎ、二代目ファントムとなることに。
そしてその仲間のティナは、ボゴール家の令嬢クラリスの侍女として潜入した。
それぞれの師匠の跡を継いだ二人の、騙し合いと謎解き。
謎と革靴とスーツにしか興味のない探偵×孤児たちを守るために日陰者となった怪盗の対決はいかに?
そして、令嬢クラリスによる、ある"賭け"の行方は――。
舞台は19世紀を彷彿とさせる異世界のとある町。とある富豪のもとに二代目ファントムと名乗る怪盗から「毎年娘の誕生日会にお披露目されているお宝を頂戴する」という予告状が届く。そこで富豪は「初代ファントムと対決したことのある探偵」の弟子に怪盗対策を依頼するが、この事件には複雑な事情が隠されていて……?
まず、二代目ファントムの正体がとてもかっこいい!
ファントムを支援する多彩な面々の活躍も楽しい。
探偵とワトソン役の幼なじみとのやりとりは軽妙で笑えます。
しかしなんといっても、怪盗と探偵の駆け引きが見事です!
ホームズや黒蜥蜴のような、クラシックな雰囲気の「怪盗VS探偵」ものをお探しの方はぜひ!