概要
セン・ペルはこのメロンスター社のシュレッダーマネージャーとして働いている。主な内容は書類をシュレッダ
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- ★★★ Excellent!!!懐かしき宇宙時代/眩々する様な不条理コメディ
例えば、特定の文化や視点、生活様式を基とした倫理や誠実さは、汎的な物質社会において若干非合理的とも言えますから、文化の発展や融合の過程でそれらをオミットすることは自然ですし、そう長くはなく広くもない地球人類の歴史においても間々あったことです。
そのまま合理性を突き詰めて不条理に行き着いてしまうことも、少なくはありません。
物語の舞台は宇宙規模のブラック企業。
他人事だから笑えるブラックジョーク、小気味良い説明過多、理不尽な権力を持つ上司、面倒臭い同僚、度々妙な思想に染まるロボット。
不条理で命懸けの業務命令に翻弄される、閑職社員が主人公のコメディです。
ダグラス・アダムス著『…続きを読む - ★★★ Excellent!!!銀河で一番ブラックな企業のSF社畜苦労譚
利益のためならばどんな違法行為でも平然とまかり通るのが主人公のセン・ペルが働く汎銀河企業体メロンスター社の実態だ。
自社製品の故障やシステムトラブルは当たり前、顧客からのクレームは大量の申請書類で煙に巻き、納税を巡って税務署と宇宙戦争を繰り広げる。
底辺社員であるセンが上司の命令に振り回され、毎度のごとく危機的状況に巻き込まれる姿が滑稽で不謹慎ながらも笑いがおさえきれない。
ブラック企業を越えたダークマター企業ぶりにドン引きだが、さらに宇宙規模でも常軌を逸した文化や風習が偏在する独特な世界観を構築していて、物語全体に星屑のごとく散りばめられたブラックユーモアの数々に腹筋が重力崩壊する。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「誰が話しても面白い話」×「何を話しても面白い人」=最強
世の中には「何を話しても面白い人」がいます。
平凡な日常の出来事を漫談として成立させてしまう人たち。小説でいうと文体や比喩などを含む語り口に該当する面白さです。「この人は日常会話も面白いんだろうな」と思わせる文章を書く人、いますよね。個人的には作品より近況ノートに顕著に表れる部分だと思います。
対して「誰が話しても面白い話」というものがあります。
そんなの誰が話しても面白いに決まっている、いわゆる「ズルい」話。小説でいうと設定やストーリーに該当する面白さです。小説においてその面白さだけで最後まで読ませるのは至難の業ですが、それでも「自分風に解釈したいから骨組みだけ貸してくれない…続きを読む - ★★★ Excellent!!!いろんな事件が巻き起こる、ドジでかわいい物語!
まだ読んでいる途中ですがとてもおもしろいので我慢できずオススメさせてください。
文明が成熟し宇宙へと広がった人間社会。その中でも名のある大企業に就職した主人公ですが、その就職までの意外な流れがまずは好きだなぁ……と感じました。
そして就職した主人公の業務もこれまたユニーク。
人を描きつつも、しっかりと社会や企業の合理性も描く。そしてその合理性というものがなんとも間抜けなものでおもしろいし、そのうえで社会や企業や登場人物たちはその間抜けな作業に真面目に取り組むので、そこになんとも言えない可愛らしさがにじみ出る。
SF作品として非常に魅力的な物語です。ぜひ読んでみてください。 - ★★★ Excellent!!!mostly perfect!
いやperfectでも全然いいんですが、度し難い点が一つだけあり、それはこの話が無限に続いていないことです。終わりがあることがその完全さを阻害している。この宇宙には「もったいないからちょっとずつ読もう」と決意するのにその決意に抗えず気づけば読み終わってしまっているという類のある種麻薬的な物語が存在しますが、これもその一つです。
ごく簡単に言うとセン・ペルちゃん(料理上手)が不条理に巻き込まれ、しかし強かにサバイヴする話ですが(読み返して気づいたのですが、きちんと解決方法に対する「伏線」も張られています。これをしれっと書いているのが凄い)、悲壮感はゼロですげー楽しいです。()で語られる物語の…続きを読む