第25話

その間も、獣織君はこちらを無言で見ている。



甘酸っぱいイチゴの味と、練乳の甘さが口に広がり、イチゴの香りが鼻に抜けて、水分が喉を潤す。



「お前、何か食い方エロいな」



意味が分からず獣織君をチラリと横目で見ると、獣織君がイチゴを手で摘む。



「口、開けろ」



「じ、自分でっ……」



「何回も言わせんなっつってるだろーが、ひん剥くぞ」



恐ろしい事を何でもないように言われ、おずおずと口を開く。



イチゴを口に入れられ、獣織君の指が同時に少し口に入る。



「んぅ……っん……ンっ……っ……」



いやらしくキスをされながら、口の奥にイチゴが押し込まれ、潰されて喉を下って行く。



「はぁ……甘ぇな……美味いか?」



唇をペロリと舐められ、自らの唇も舐める獣織君に聞かれたので素直に頷くと、獣織君はフッと一瞬だけ笑った。



「指、舐めて綺麗にしろ」



差し出された指を口に含み、イチゴの果汁と練乳を舐めしゃぶる。



「ふっ、くすぐってぇ……」



指が少し口内で動き、満足そうにしている獣織君を見上げる。



「んっ、ぅ、はぁ……」



指が引き抜かれ、獣織君が突然立ち上がる。



呆気に取られていると、体が浮き上がる。



次は抱っこではなく、肩に担がれた。



意味が分からず困惑して、獣織君に声を掛ける。



「あっ、あのっ、何っ……」



「勃った」



「っ!?」



そのままソファーに沈められ、上から獣織君の大きな体が覆い被さると、ブルーの入った綺麗な目が私を捉える。



妙に熱の篭った視線に、体が金縛りに合ったかのように固まり、ぶるりと身を震わせる。



「……キスの時は、どうするんだっけ?」



言われ、彼が不機嫌になる前に、控え目に口を開いて舌を出す。



「んっ、んっ、ンぅっ……はっ、ふぅ……んっ……」



舌に食らいつき、口内全てを念入りに味わうみたいに、乱暴で激しいキスが襲って来るのを、自らが出来る範囲の方法で必死に応える。



獣織君の腕辺りの服を握る手に力が入る。



いつもはこんなに長く、むしろキスすらしない人が、どういう心情の変化なのだろう。



困惑しながら疑問で頭をいっぱいにしている私を知ってか知らずか、獣織君が私の下着を素早く剥ぎ取った。



私の腰を両手でしっかり掴んで、自らの昂りを取り出して、私の秘部の割れ目に擦り付ける。



やっぱりおかしい。



普段はもう既に乱暴に挿入されているはずが、まるで入口を慣らすみたいにするなんて、ありえないから。



「何だ。何か言いたい事でもあんの?」



急いで首を何度も横に振る。



余計な事を言って、機嫌損ねるのは得策じゃない。



「マジでお前……変な女っ……」



「っ、ぅ、んンあぁっ……」



今の自分が一番変なのだと言う事を、彼は気づいていなんだろう。

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