第23話

体中を優しくて甘い愛撫で散々蕩けさせられ、私は朦朧としながら、仰向けになる流依君に跨って突き上げられている。



「だいたいさっ、虎牙はっ、こんな可愛い子の乱れる姿をっ、んっ、はぁ……じっくり見ないとかっ、勿体ないよねっ、ほんとっ……あー、すっごっ……」



下からグリグリと奥に押し付けるみたいに、ゆったり動かれて、ゾクゾクが止まらず、背中が粟立つ。



「俺のを離したくないってっ……はぁ、ギューって締め付けるの、可愛過ぎっ……あっ、んっ……」



「あぁっ……ぁああっ……」



「思いっきり、ガンガン突かれるのもいい、けどっ、んっ……こういうスローセックスも……たまには、いいでしょっ……はぁ……颯夏も気持ちよさそっ……」



腰を押さえつけられ、奥を執拗に擦られる度に、体をビクビクと痙攣させて何度も達する。



私が必死に息を整えていたその時、背後に気配がしたと思ったら、ベッドが更に深く沈む。



カチャカチャとベルトが外される音が聞こえ、首だけで振り返ると、鋭い視線に見下されてゾワリとする。



「ちょっと、虎牙っ、邪魔すんなっつったろ」



「うっせぇ。コイツの所有者は俺だ」



耳に近づき、低い声で囁かれる。



「お前は俺専用の“穴”だもんな?」



言われ、頷くしか選択肢がなくて、悔しくて涙が出た。



「またお前は……ったく、ほら、颯夏泣いちゃったじゃんか……可哀想に……」



「でも、お前女の泣き顔好きなんじゃなかったか?」



「失礼だな。気持ちよすぎて泣く顔を見るのがいいんじゃん」



言った流依君が小刻みに腰を揺らすから、奥に響いてまた体を震わせる。



「今のでまたイっちゃったの? あー、もうマジで颯夏可愛過ぎ……ずっと入れてたいよ……」



「っ!? あっ、やっ、ダメっ!」



「あ? お前に拒否権なんかあったか?」



急に後ろの何も準備をされていない場所に、獣織君の昂りがあてがわれる感触に、体が一気に冷える。



「虎牙、さすがにいきなりお前の凶器入れんのは駄目だ、裂けたらどうすんだよ」



「前がこんだけ濡れてりゃいけるだろ」



「鬼畜過ぎんだろ……ちょっと待って。ごめんね、一回抜くよっ……んっ……」



中からズルリと流依君のモノが抜かれ、体から力が抜けて手をついて座り込む。



流依君がベッドサイドにある、ミニテーブルの引き出しから筒のような物を出して来たのを、ただボーッとみているしかなかった。

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