第13話
顎を指で摘まれて口が自然と開くと、柔らかい感触が唇に触れて、水が喉に流れていく。
「んっ、ぅんンっ……ふぁ……」
「はぁ……うん、上手に飲めたね。いい子」
触れるだけのキスをチュッとされ、また頭を撫でる。
「頭……」
「ん?」
「撫でるの、好きなんですか?」
私の質問に、呆気に取られた顔をする。
「あー、うーん、何だろうね。何か君見てると、撫でたくなるっつーか、愛でたくなるっつーか?」
言った彼の目が、艶を増したように見えて、体を固くする。
「甘やかしたくなるんだよね……。はい、お口あーんして」
意味が分からないまま、口をゆっくり開く。
「は、ぅんンっ、んっ、ふっ……」
「舌、もうちょい出して……そう……んっ、はぁ、上手だよ……ンっ……」
キスを何故受け入れているのか、自分でも分からない。
私は、おかしくなってしまったんだろうか。
「あー、やば……あんま君のエロい声聞いてると、ヤりたくなって来るわ」
熱っぽい表情で言われ、体がビクっとする。
また、アレをやるのか。
彼との行為は、獣織君とは違って酷く優しいし、何処がと言われたら分からないけど、獣織君とはまた違う怖さがある。
「そんな怯えなくてもシないよ。まだ君、体辛いっしょ?」
また頭を撫でて、彼は何かを思い出したように言う。
「そうだ。君の名前、聞いてなかったよね。俺は
私は名前を言うと、微笑んで「可愛い名前だね」と言った。
その後は、体が気持ち悪かったのもあり、お言葉に甘えてお風呂を借りて、琉依君の手料理までご馳走になってしまった。
お礼にとは言えないけど、洗い物だけでもと言うと、気にしなくていいと言われたけれど、さすがに何もしないというわけにはいかないからと食い下がり、琉依君が折れてくれた。
わざわざ洗ってくれた制服が乾くまで、琉依君が服を貸してくれて、琉依君にお姉さんがいる事を知った。
明らかに着た事がない高い服だろうから、少し借りるのに抵抗があったけど、裸でいるわけにはいかない。
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