第二章

第10話

私の日常は、地獄へと堕ちていく。



「え……?」



「聞こえなかったか? 耳悪ぃんだな、お前。全部脱いで、俺のが入るように自分で解せっつったんだよ。何回も言わせんな」



意味が、分からない。



そんな事、した事もないのに、どうしたらいいんだ。



「ど、どう、やって……」



「あ? まさかお前、自分で弄った事ねぇの? マジかよ……ちっ……処女はこれだから面倒くせぇ……」



そんな事言われたって知らない。



でも、この男に逆らえない自分にも腹が立つ。



「教えてやっからとりあえず脱げ」



この男は、ここが何処か分かって言っているのか。



学校で、しかも保健室だ。いつ、誰が来てもおかしくないのに。先生だって帰って来るだろうに。



「トロトロすんじゃねぇよ、さっさとしろ。それとも、俺がひん剥いてやろうか?」



耳元で低く唸る声に、怖くて震える。



首を振って、震えが止まらない手で制服を脱ぎ始める。



涙は滲んで、でも泣くのは嫌で必死に堪えて、唇を噛んで耐える。



何とか全てを脱ぎ終わり、言われるままベッドに座る獣織君の開く脚の間に座らされ、彼に背を凭れさせて身を任せると、震える脚をゆっくり開く。



「いい眺めだな……。おら、手貸せ。何回も言わねぇから、しっかり触って、見て、覚えろよ」



低い声が耳に触れ、ぶるりと体を震わせる。



「さすがにまだ濡れてねぇな。おい、口開けろ。指舐めて濡らせ」



おずおずと口を開いて、自分の指を控えめに舐める。



「どの女も、ココ触るといい声で啼く。お前みたいな敏感な淫乱女は、特に弱ぇんじゃねぇの?」



「んっ……ぅっ……」



「アイツに舐められてた時も、お前よがり狂ってたもんなぁ。あれでも思い出してたら、濡れてくんだろ」



指に触れる、自らの性感帯をクリクリと撫でさせられ、脚に力が入り、閉じそうになるのを獣織君の太い腕に阻止される。



「そのまま攻めてろよ。もう片方で、下の穴広げてやらしい汁指に絡めて、指入れてみ」



手を添えてるとはいえ、ほとんど自分ですると言うのが、恥ずかしくて、それが気持ちいいと感じるのが本当に嫌で、やりたくなくて、でも断る事が出来なくて、涙がどんどん溢れてくる。



「んな、チンタラ触っててもしゃーねーだろーが。もうちょい早く触れんだろ。指、増やしていいとこ探して動かせ」



そんな事を言われても、分かるわけない。



今でも十分体が痺れるように、熱くて恥ずかしくてたまらないのに。



私のトロさに痺れを切らしたのか、小さく舌打ちが聞こえる。それを聞くだけで、怖くて体が固くなる。



「次俺が呼ぶまでに、しっかりお勉強してろよ。おら、指抜け。目ぇ逸らすなよ、俺の指がどう動くかちゃんと見てろ」



「ん、あぁっ!」



自分の指とは比べ物にならないくらい、太くて長いゴツゴツした指が中に二本一気に入れられ、圧迫感で獣織君の腕にしがみつく。



「いっちょ前に感じてんじゃねぇよ。おら、しっかり見てろ」



片方の指で、ヌルヌルになった突起を擦られながら、中に指が激しく出し入れされ、それを涙で滲む目で必死に記憶する。

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