第4話
ここまで力の差があるなんて、信じられない。
男女で多少の差があるとはいえ、この人は規格外だ。
部屋に入るなり、ベッドに投げられ、腕の掴まれていた部分がジンジン痛む。
「ったく、お前はほんと乱暴だな。自分が怪力ってのを自覚しろよ」
ベッドに倒れたまま、腕を撫でる私の上に影が出来る。
ベッドが揺れて沈み、私の視界は学ランの上着を脱いだ大きな体の男でいっぱいになる。
「ゃ……」
「あ? ここまで来て今更嫌がったって、遅ぇよ」
「いゃ、だ……許して、下さっ……帰してっ……」
「黙れよ……いきなり突っ込まれてぇの?」
低くてズシンッと脳に響くような声で凄まれ、私の喉からな小さく「ひっ」と声が出る。
「可哀想に。あんま怖がらせたら可哀想じゃん」
「ちっ、面倒くせぇ……」
涙が溢れ、怖くて震える私を見下ろし、大きな男は眉を寄せて舌打ちをした。
「予想だけど、君、処女だよね? あ、もしかして意外と経験あったりする?」
質問に首を振る事でしか答えられず、もう一人の男が私の頭を撫でた。
「そっかぁー、じゃぁ、俺等が最初の男かぁ。やば、めっちゃ興奮してきたわ。ほら、見てよ、俺のがもうデカくなって来てるの、ズボン越しにでも分かるっしょ?」
ズボンを持ち上げるみたいに浮き上がる、男性のそれを生ではないにしろ、初めて目にして体が冷える。
「大丈夫だよ。俺はこいつみたいに、女の子相手に酷くはしないから、安心してね」
「かぇ、りたぃ……」
「ごめんねぇ、それだけは聞いてあげらんないからなぁ。俺もヤる気満々だし」
私が願うこんな小さな願いすら、目の前の二人の男には無意味で、届く事はない。
私に残された選択肢は、我慢して、耐えて、今を乗り切るしかないのだ。
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