第五章

第26話

久しぶりの我が家は相変わらずで、父が布団に寝転んで、イビキをかいて眠っている。



襖を閉めて、今のうちにお酒の缶や瓶を片付けてしまう。



ついでに買い物をしておいた食材を使って、作り置きを作ろうとエプロンを付けて包丁とまな板を取り出した。



特に何か手の込んだ特別な物を作るわけじゃないから、時間はさほど掛からない。



父の好きな煮物を煮ている間に、洗い物を済ませる。



「狭過ぎんだろ。これ、家って言えんのか?」



「っ!? な、な、なななっ……」



何故ここに、獣織君がいるのか。



言葉にならず、口をパクパクしてしまう。



「アホ面してねぇで、続きすれば?」



呆然とする私をよそに、獣織君は私に歩み寄って来る。



「ふーん。エプロンねぇ……何か、いいな」



「あ、のっ……」



シンクと後ろに立つ獣織君に挟まれ、身動きが取れない。



獣織君は私の付けているエプロンに興味を持ったのか、裾を摘んで捲っている。



「あの……何で、ここに?」



「あ? 俺がここにいちゃいけねぇのかよ」



「そうじゃ、ない、ですけどっ……ちょっ……」



「あぁ? まさか、お前、抵抗しようとしてんの?」



エプロンで遊んでいた獣織君の手は、いつの間にかスカートの中に入って来ていた。



脚を撫で、お尻を揉む。



「エプロンなんて、今まで何とも思わなかったけど、何か、お前が付けてるとエロく感じるわ」



獣織君は何かにつけてそう言うけど、私にはさっぱり理解が出来ない。



何より、何故今ここで私は獣織君に体をまさぐられているのだろうか。



「隣にっ、父がっ……」



「知ってるけど? お前が声抑えてればいいだけの話だろ。もう俺スイッチ入ったし、エロい格好して誘うお前が悪い」



「誘ってなっ……っん……」



後ろからうなじを舐められ、その舌で耳を攻められながら、両手でエプロンの中に手を入れて胸を揉まれる。



服の上から胸の突起を摘まれ、出そうになる声を必死で抑える。



突起を遊びながら、もう片方の手が脚に移動してまさぐり、スカートの中に入る。



「ん? お前、もう濡れてんの? 準備万端かよ。ヤる気満々じゃねぇの」



「やっ、違っ……んぁっ……」



獣織君を覚えてしまった体は、囁かれ、少し彼に触れられるだけで、悦び、濡れるようになっていた。



「しっかり声抑えてろ……よっ……」



「……ーっ!!?」



一気に突き入れられ、声にならない声が出て、脚がガクガクするのを必死で耐える。



「はぁ……はっ、最近はっ、入れただけで、ぁ……んっ……イクようになって……イキ癖ついたんじゃねぇの? ん? はぁ……」



「はっ、はっ、ぁっ、ふっ……んっ……」



「お前もう、普通のセックスじゃ満足出来ねぇんじゃね?」



「そ、んなっ、事……ぁ、それ、やっ……ぅ……」



声が出ないようにするにも限界があり、漏れる声がいつ父に聞こえてしまうか、気が気じゃなくて、落ち着かない。



「お前は、奥のココをグリグリされんの、好きだもんなぁ……っ、中っ、締め過ぎっ……はっ、ぁ……」



腰を固定していた手が離れ、片足を上げる体勢にされ、更に深く獣織君が入ってくる。

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