第20話

獣織君に私の声は届いていないのかと思うくらい、彼の動きは止まらなくて。



「ぅ、ぁ……はっ……はぁ……」



「あぁ、はぁ……おら、全部入った……ははっ、嫌がってる割に、案外簡単に入んじゃねぇかよ……」



物凄い質量のモノにお腹が苦しくて、入口がビリビリして、なのに、獣織君が容赦なく動くから、中が熱くて、変だ。



「くっ……っ、はっ、すっげぇ締まるっ、はぁ……」



「あぅっ……あぁ……」



「まさかお前、あんなに嫌がってたのに、気持ちよくなってんの?」



何も答えられず、ただ呻いて喘ぐ。



違和感はあるのに昂りが出し入れされる度、奥が押されて壁が擦れ、前に入っている玩具の振動が響いて、背中がゾクゾクして鳥肌が立つ。



この感覚は、絶対駄目だ。



「自分でいいとこ、擦れよっ……んっ……あ? ここがいいのか? 今締まったなっ……」



「っう、あぁあっ! あっ、やっ、ダメっ、やだっ、やぁあっ……」



こんなの、知りたくないのに。



こんな経験、したくない。



思考が全く働かない。



目隠しをされて視界が塞がれているから、もちろん何も見えなくて。



揺さぶられて、突き上げられて、あられもない声で喘いでいる私には、目の前に人がいるなんて、分かるわけがなくて。



突然、耳が塞がれる。



そこで、私には聞こえない会話があった。



「何……やってんだ、お前っ……」



「自分が誰のモンかわざわざ体に教えてやってんだけど? 優しいだろ? 俺」



「予想外過ぎるだろ……お前、正気かよ……」



「本人も喜んでんだしいいじゃねぇの」



「何、言ってっ……」



「おらっ、ここがいいんだよ、なっ……」



「ひ、ああぁっ! あっ、あぁっ……」



麻痺した私には、獣織君の与える全てが快楽になる。



もう、痛みなんて、何もない。



「いい加減にしろよ虎牙。お前一体、颯夏の事何だと思ってんだよ」



「あ? 女なんて、所詮みんなただの“穴”だろ」



こんな会話がされていたなんて、快感に支配されていた私は知る由もない。

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