第11話

声を我慢しながら、止まない涙を拭う事すら出来ない。



耐える私をよそに、指が抜かれ、獣織君の腕から解放される。



ベッドに倒され、肩で息をする私の目の前に、入っていた太い指が差し出される。



「舐めて綺麗にしろ」



断る事は当たり前に出来ず、指を口に咥えて舌を動かす。



「ははっ、くすぐってぇ……口も舌も小せぇな……」



言われ、そのまま口の中を指で遊ばれ、舌を指で愛撫される。



「口ん中弄られて、エロい顔してんじゃねぇよ……」



そんな顔、してるつもりはないのに。



楽しそうに見下すこの男は、何がしたいんだ。



早く、解放して欲しい。



「四つん這いになって、ケツこっち向けて穴広げろ」



早く終わって欲しい一心で、言われた通りにする。



恥ずかしい格好をさせられ、情けなくてまた涙が出る。



「ビービーよく泣く女だな。泣くならいい声で啼けよ」



「ぅっ、くっ、ひっ、ああぁぁああぁっ!」



「っ……あぁ……はぁ……ほぐしてもっ、キッツい穴だなっ……」



自分のが大きいという意識はないのだろうか。



いくら慣らされても、彼の昂りの大きさに、圧迫感と容赦ない突き入れのせいで、少し痛む。



痛みと多少の疼きを我慢する為、枕を抱きしめて顔を埋める。



彼が乱暴に腰を打ち付ける度に、保健室のベッドが激しく軋んで、立てている膝がズレて痛んで来る。



それでも何も言えない私は、ただ乱暴な彼の行為を受け入れ、必死に終わるのをベッドの柵に掴まりながら耐えるだけ。

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