第15話

何度絶頂しても、ベッドへ移動してもなお、長い愛撫は終わらない。



「さすがに言いたくなった?」



「はぁ……ぁ……っ、ぅ……」



「気持ちよすぎて飛んじゃったかな? クスっ、可愛いなぁほんと、たまんないよ……」



頭がふわふわして、体の力が入らず、言葉は出なくて喘ぎしか出ない。



「泣き顔もいいけど、やっぱり女の子は、可愛くいやらしく啼く方がいいよ、ねっ……」



「ん、あぁああっ! あっ、はっ……」



予想すらしてなかった圧迫感が、下腹部を襲い、入口をゆるゆると出入りして刺激する。



「はぁ……キツっ……ん、ぁあ……」



「ぁ……や……ぃやぁっ、入れるのだめっ……ぬ、抜い、てぇっ……」



「ちょ、どうしたの? そんなに泣かないで……」



「ひっ、ぅ、ふっ、ひ、くっ……他の、人はっ、ダメっ……なのっ……」



頭が痺れて、涙で言葉が上手く出なくて、もどかしさでまた泣く。



思考が上手く働かない。



両頬を大きな優しい手で包まれ、涙を唇で拭われる。



あやすみたいに抱きしめられて、琉依君は私の頭を優しく撫でてくれる。



「虎牙が原因なんだろうけど。アイツは相手が男女関係なく鬼畜だからな、まったく……」



額、瞼、頬、唇にキスが落ちる。



「泣かないで……君が泣くと、俺まで悲しくなる。俺は君の笑顔が見たいな……まぁ、初対面から犯してる俺が言うのは変だけど。今も……入ったまんま全然萎えてないしっ……んっ……」



「あっ……やっ、動いちゃ、ダメっ……」



「ん? 何で? んっ、はぁ……これ、いいの?」



「やっ、違っ……」



抜いて欲しいのに、ダメなのに、体が快感を逃したくないと言っているみたいで。



座る琉依君の膝に跨り、下から突き上げるみたいにゆるゆると優しくねっとりと腰を動かされ、歯痒いのに妙にゾクゾクして、琉依君にしがみつく。



「君はどこまでも可愛いね。そんな事されたら、優しく出来なくなっちゃうよっ……」



「あああぁっ! あっ、やっ、激しっ、ダメっ、あっ、やぁあっ……」



揺さぶられて乱されて、何も考えられなくて、キスをされて頭が働かない。



「んっ、はっ、ンんっ、ぅ、ンっ、んんっ! んっ!」



「ん? はぁ……イクの? いいよ、イって……俺の名前っ、呼びながらっ、イって……ほらっ、呼んでっ……イってっ……」



背中がゾクゾクして、お腹の奥から熱い何かが上がって来るみたいで、力が入る。



「琉依っ、く、琉、依っ……あっ、イっちゃ、んっ、あぁあぁっ!」



「っ、ぁ、クソッ……ヤバッ……くっ……そんな締めたらっ……あっ……俺もっ、イクっ……んっ……」



先程より、更に律動が激しくなり、二人の息も荒くなっていき、また絶頂を促される。



「イクよっ、はぁはぁっ、ぁ、颯夏もまた、イク? 一緒に、イこ、かっ……んっ、ぁあっ、イクよっ、出るよっ……」



喘ぐしか出来なくて、激しく揺さぶられながら、また達してしまう。



呼吸もままならないのに、琉依君に唇を塞がれ、舌を絡め取られる。



クラクラする。



約束を、破ってしまった。



写真を晒されるのだろうか。



もう、考えたくない。どうでもいい。



意識を手放す瞬間、また頭を撫でられた気がした。

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