概要
◇ ◆ ◇
埼玉県警察の巡査部長、中洲川篤志(なかすがわあつし)には、語りたくない経験があった。大学時代、交際相手が監禁事件に遭い、なにをすることもできなかった。
満足に慰めることもできず、関係の終わった恋人。未練を抱えても、今さらどうにもならない。
そんな折、山中へ遺棄された死体が発見された。捜査を進めるたび、亡霊の影が見え隠れする。
あの監禁事件の犯人が、また蠢いている。
●中洲川篤志(なかすがわあつし)27歳
埼玉県警察本部、捜査第一課へ所属する巡査部長。気の回しすぎ、と周囲から逆に心配される気遣い屋。
●牧添結愛(まきそえゆあ)27歳
大学時代、篤志と交
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- ★★★ Excellent!!!その苦みと寂寞感の後味に、心を囚われる
執着という言葉から、皆さまはどんな感情を思い浮かべますか? 私は、諦めても諦めきれず、何としても手中に収めずには気が済まないような、一筋縄ではいかない情念を連想しました。
そんな感情に、「殺人」という不穏なワードが結びつけば――ドロリとした粘性の重々しさに緊張しつつ、どんなドラマが展開されていくのだろう、とミステリ好きとしてわくわくせずにはいられません。
本作の主人公・中洲川篤志が、大学時代に付き合っていた同級生・牧添結愛には、篤志との交際期間中に「ある男が起こした監禁事件の被害者になった」という過去があります。結愛の命こそ取られなかったものの、篤志は彼女を上手く慰められず、二人は破局を迎…続きを読む - ★★★ Excellent!!!誰の、何への執着か——ある刑事の過去の苦い結び目は如何にして解けるのか
身元不明の男性の惨殺死体が発見されたところから物語が動き始める本作。
過去、恋人がストーカーに監禁されたことを機に関係が切れてしまった経験を持つ、若手刑事が主人公です。
その遺体発見現場近くで、例のストーカー男の姿を見かけたことから、過去と現在とをつなぐ細い線が見えてきて——
終始シリアスで緊迫感のある物語です。
捜査の展開などにリアリティがあり、まるで刑事ドラマを見ているようでした。
ストーリーが進むにつれて明らかになってくる真相と人物相関は、意外性とともに深い納得感もあり、ヒューマンドラマとしても優れた作品だと感じます。
ミステリーの要素があるためあまり多くは語れませんが、因縁のスト…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あなたは誰かを好きですか?
読み始め当初、「執着」が際立っているタイトルで、どのような展開が待っているのか、もしかしたら、読むとどろどろなのか、もしかしたら、タイトル負けなのか、わくわく感もありながら、先入観を持ってはいけないのでしょうが、ミステリーとして楽しむ気持ちで一日の楽しみとさせていただきました。
本作で気を配って読んでいたのは、愛の行方です。
過去、現在、そして未来に亘って。
隠れたテーマとして、「あなたは誰かを好きですか」というのがあると思いました。
できれば血の通う人間がいいのですが。
愛がないと血も凍ってしまうでしょう。
「好き」、それの度合いが増すと、「執着」なのでしょうね。
これだけの…続きを読む