第78話 ジリ貧

そばにある業物であろう魔力を帯びた刀を抜く

空間に殺気が満ちる


「龍宮院 彰、推して参る」


初めて聞いたよ名前!

だが、まだ許容範囲内!避けれる

武器がないと思った?ずっと腰から下げているよ。

アスラをね。


「魔力なしでついてくるか。

差し詰めレベル差ということかな。

しかしこれについて来れるかな?

”ヴァリアス μ”」


龍宮院が急加速する。

首を分つ勢いで刀が振られる

急にはや....

クソしてやられたか。

左手の先を持って行かれたか。


「腕を切ってその反応か。

本当に人間か....次は仕留める」


オルフェがない以上再生は使えない。

回復薬を使わせてくれる余裕も無い

ジリ貧だな、出血多量で死んじまうな


「魔法の兆しがあるのなら、対応してみせる」


「む!.....もう対応するのか。

いやその眼、魔眼か。また珍しいものを

魔力封じでは魔眼は封じられないのか。」


「そうみたいだな。まあせいぜい足掻いてみせるさ」


右に切り払い、...っく。反撃できない

スピードはあっちの方が上、パワーもあっち

大ピンチだな。


「どこまで避けることができるかな?

身体強化なしで、味方が来ることもないのだろう。

魔力なければ超越者もただの人か」


くそ、ここまで苦戦するのか魔力が使えないだけで

アスラのスキルすら使えないなんて。

どうすれば....


「”ヴァリアス η”」


ぐ...お...もい、立て...ない

クソそういう仕組みか

重力操作かよ


「残念だ、翡翠練。

ここで君を殺さなければいけないなんて。

君と隣で戦って見たかったよ」


がっ...くそ

蹴られて、仰向けにされる。


「ああ....そうかよ。

じゃあ次会うときは隣で戦うか?」


「君に次はない。さよならだ

”ヴァリアス δ”」


くそ、ここまでなのか

胸に穴が開く。

心臓を穿つようにぽっかりと

意識....が....


まだ俺は何も...

死ぬわけには


ここで終わるわけには行かないんだ。

まだ、、まだ、まだ、まだ、まだ、

死ぬわけには、死ぬわけにわ


いやだ、いやだ、いやだ、いやだ

死が近づいてくる。違う俺は

まだ家族の場所に行くわけには

まだ約束も果たせていないのに


気づいていたんだ、あの鎧は普通じゃないことくらい

でも人を辞めてでも死ぬわけにはいけないんだ!!!


オルフェ!!!!!!

俺に力を!!!


『俺を受け入れるか力なきものよ』


なんでもいい!!

力がなければ!!俺は何も!!


『ふむ、宿主を死なすのもなんだ

久しぶりの適応者だ一時的に本来の力を貸し与えよう

全てに抗う力を、また会おう力を欲すものよ』


-------------------------------------

「こんなものか超越者も、このまま他の奴らも....

な...んで、その傷で立ち上がれる...

その再生はなんだ!!なぜまだ生きている!!」


「全てを闇に.....我、冥府なり

オル・ファウスト」




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