第49話 一区切り

「斎藤支部長、今回のスタンピードの被害はどうなっているんですか?」


「被害道路の破損のみで、死傷者も重症者もいません」


「特Aランクが出現したと、

言われていましたがそれは翡翠さんが討伐したからなのですが?

重症者もいないなんて一体どうなっているのですか?」


「特Aランクの討伐は翡翠君がなしたことです。

我々では太刀打ちできなかったと思われます。

それに、重症者がいないのはこちらも翡翠君に回復薬を

譲ってもらっためです。」


「翡翠さん!その回復薬を、恵まれない人や過去に怪我を負った

探索者にあげないのですか!」


「こちらから無償で与えることはありません。

回復薬を悪用されるとも限りませんから。

今回のような際であったら、出し惜しみするきはないですが」


「なぜです!あなたが持っている薬で助かる命があるんですよ!」


「それでも。無償で与える気はありません。

それに無償で与えてしまったらどこかしらで問題が起こるのは

明白ではありませんか。その責任をあなたは背を得ますか?」


「翡翠さん!あなたはあの惨劇の出身なんですか!」


「ええ。この目で荒れ果てた土地を見てきました。

ですから、あのようなことが起きないようにスタンピードの際は

私が必要な際は必ず向かいます」


「海外には行かずに、日本の事に殉じするという事ですか?」


「いえ、どの場所でも危機的状況なら、何をしてでも向かいます」


「今回の報酬を全て復興のために寄付するというのは本当ですか?」


「ええ。少し贅沢しても一生過ごせるお金は義務をしていればたまりますから。

少ないかもですが、全て復興資金にしてもらえるなら

喜んで寄付しますよ。少しでも早く、復興できることを祈ってます。」


「翡翠さん!今回のスタンピードの掃討がライブ映像で流れていて、

それがバズっているのですがそれに関して、これからどうしていくんですか?」


「へ?えっと、自分から配信等をする予定はないですけど...

まあ、自分の強さを皆が知ることができたなら、

何かが起きた時に、

私がいるということを心に留めておいてもらえると幸いです」


「今後、誰かの配信などに出る予定はありますか?」


「え〜と、まあ機会があれば」


「そろそろ、皆も疲れていると思うので

このくらいでおながいします。では、翡翠君」


「はい」


あ〜あ〜

これから忙しくなりそうだな

ゆっくりできると思ったのに、

スローライフと思いきや、現実にファンタジーがあるし。

過酷異世界転移かと思いきや、めちゃくちゃファンタジーに侵食されてるし。

物語の勇者みたいなの苦手なんだけどな〜

これでいいんだよな。


「ヤタ、これからもよろしく頼むぜ」


「なんだよ改まって、任せろ。

どこまでだってついてってやるよ相棒」


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