第28話 管理人

「お〜真っ白な世界。まじでなんもね〜」


「お!俺も一緒に入れるんだな」


ヤタも一緒に入れるってことは接触が条件かな?

それにしてもなんもないな。真っ白だからどこまであるのかもわかんないぜ。

いや、もしかしたらどこまでもあんのかな?

どっかでみた1億年ボタン?みたいな部屋みたいだね


「ここまで自由だと逆に何していいかわかんないよね。

どうするのがいいかなヤタ?」


「とりあえず、ここを管理するためにゴーレムでも作るのがいいんじゃないか?」


出ました!ファンタジー定番なんでもできるゴーレム!

やっぱそれだよな。魔力は不思議物質だからななんでもできるだろ。

じゃあ指揮官的なゴーレムだし奮発してこれを使いますか!


「ミスリル鉱石〜」

鑑定結果はこんな感じ

_____

ミスリル鉱石


魔力を内包した銀鉱石

魔力伝導率が非常に高い

_____


まあ、ようは魔力に適性が非常にある鉱石ってわけ

やっぱ王道だよね。

剣に使ったアステルクス鉱石はめちゃくちゃ貴重っぽいんだよね。

まあだからあんなに強い武器になるんだろう。

これを元に、精錬した風魔法を核に使ってあとは魔力で補う。

喋れるといいんだけど、それに風魔法を使って親機と子機みたいに

指示をかわりに出してもらえると個々の発展にも繋がるんだけど。


「おいおい練、俺はゴーレムがいいんじゃないかって言ったんだぞ

なにアーティファクト級のもの作っちゃってるんだよ。」


「え?完成間近で言うなよ。作ったことないんだから懇切丁寧に教えろよ!」


まあ、いいもん作れるならそれはそれでありだろ。

お!できたぞ。

女のメイドみたいなのを想像した?

チッチッチ、イケメンの執事でした〜

なんか、イメージとしてここの支配人?的な人になって欲しかったから

やっぱ老紳士みたいな感じだよなって思うじゃん。

で、最初に作るのがおじいちゃんなのはどうかと思って

イケメン執事になりましたとさ。

魔力の具現化で作ったから服までイメージ通りだぜ、我ながらいい仕事だね。


「初めましてマスター」


「やあ、体の出来はどうだい?我ながらよくできていると思うんだけど」


「ええ、大変満足しています。

このミスリルでできた燕尾服も大変着心地が良いですよ」


ん?服はミスリルなのか?

てっきりゴーレムだから核にミスリルがあるのかと思ったな。


「だから言ったろ練。そいつはゴーレムじゃねーよ。

ホムンクルス?クローン?まあそんな呼び名の何かだよ」


「あれ?ゴーレム作ろうと思ったのに喋れればいいな〜とは思ったけど。」


「僭越ながら私から申し上げますと、魔力の具現化が原因と思われます。」


「そう言うことだ。あと魔力を込めればいいってもんじゃねーんだよ!

そもそも、ゴーレムは土魔法で作る土塊のことだよ。

普通喋れないし、単純な命令しかできないんだよ。」


ああ、そっかそりゃそうだよな。ファンタジー知識が先行しちまったぜ。

まあ結果オーライだよ。そう考えよう。

それに、絶対喋れる方が楽しいもんね!


「開き直るな練。

だいたい、考えてるようで全然考えずにあれこれノリでするなよ。

幸運があるからっていつか痛い目見るぞ」


「そうだな、もうちょい相談するわ。

じゃあ名前をつけなきゃな。これからよろしくってことで」


「光栄ですマスター」


う〜ん。やっぱ俺より落ち着いているから年上っぽく感じるんだよな。

俺が父親なはずなんだけど。


「じゃあこれから琥珀だ!よろしくね!」


「はい。よろしくお願いしますマスター。それにヤタ様」


「俺は様付けしなくていいぞ。地位的にお前と一緒だからな」


「俺も名前でいいぞ。マスターはなんかちょっとむず痒いし」


「わかりました。練様それにヤタこれからよろしくお願いします」


「まあ様付けは妥協点な気がするから甘んじて許そう!」

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