第33話 外?

視界が真っ白になりどこかに飛ばされる。



ふ〜ついたか?


「ん?何か既視感があるよね」


「おいおいまたどっかのダンジョンか?」


まあこの風景はそうなるよな。誰もいないし。

外に一気に飛ばすのじゃダメだったのか?

あの胡散臭いやつやっぱり気が利かないな。


「あれ?あの入口みたいなの入口じゃね?」


「何言ってんだ?あ!本当に入口じゃね?」


急げ。夢に見た異世界!

長かった二年間を取り戻すために、なんか知らんやつ倒せとか言ってたけど

寿命など俺にはない!だからスローライフでゆっくり楽しんでやる。

俺には箱庭もあるんだ!嫌になったらずっと避難してやるぜ!


「うお!眩しい........え?」


待て待て待て、この目の前の奴らはいいよこの際。

その後ろの建物に見覚えがあるんだけど....

いつも曲のランキング流れてるとこやん。

てか!西武新宿かよ!

しかも異世界じゃね〜じゃね〜か!


ああ、俺の夢に見たスローライフは?

スタンピードがあるとか言ってたから休む暇あるのか?

現実世界がファンタジーに侵食されてるじゃん!

ダンジョン作ったとか言ってたけど必要だったの?

くっそ〜色々考えてた俺の完璧な計画が!


「やあ、新たな超越者くん。暴れないでこちらの指示に従ってくれるかな?

こちらとしても手荒な真似はしたくないのだよ。

この世界に何が起こったか詳しく話そう」


「よろしくお願いします。こちらとしても助かります」


「猫被りにも程があるだろ。てっきり暴れまわっ痛って」


「黙ってろヤタ」


なんでこんなに野次馬がいっぱいいるんだ?

俺がここから出てくるのがわかってたのかな。

ダンジョンは資源だとか言ってたし、中に人がいないのもおかしいしな。


「こちらの車で移動するから乗ってくれるかい?」


「どこに行くんですか?」


「移動中に話すよ。大丈夫、君に危害は加えないよ」


なんだっけこの車?よく映画とかで偉い人が乗ってる黒い車だ。

俺がこれに乗るなんて、ちょっと感激。

え?切り替えが早い?気持ちの切り替えは得意分野だぜ!

それに異世界かと思ったら現代だったなんて逆だと頭パンクするかもだけど

一様2年前まで普通に暮らしていたんだから、

2年のブランクがあるだけで普通に適応できるだろ。

外国に住んでたみたいな感じだよ。行ったことないけど。


いや〜聞いてないよ。異世界だと思ったじゃん。

文明が発達してないと思ったから、

適当に回復薬とか果物売って過ごそうと思ったのに。

適当にやったら捕まっちゃいそうだよ。

流石に2年行方不明だった家族が逮捕されたら家族に顔向できないよ。

ん?家族の話なんて聞いたことなかった?

会えないと思って割り切ってたからね。

そりゃ聞かれてもないから言わないよね!


「で、どこに向かっているんですか?」


「ダンジョン協会と呼ばれる場所の本部に向かっているよ。

そこで詳しい話をしよう。この2年の間に何が起こったのかと

君の今後についてね。」


ダンジョン協会?異世界あるあるの冒険者組合的な?

日本人だな〜名付けたやつラノベとか呼んでるやつだろ。

わかりやすくて助かるけど。

てか、俺の持ってる余分な魔石売れば一生暮らせるんじゃね?



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