第25話 ボス戦

「なんだよ。3階層ずつじゃないのかよ

ここはヤギのボスだよな。じゃあ40階くらいかな」


「気合い入れろよ」


よし、開けるぞ!

てか階段降りて、わざわざドア作るってどうなん?

こちらとしては、わかりやすいからいいんだけどいらなくね?

まあいいか、よいしょ!


「おっ〜と〜さっきまで洞窟ぽかったのに、

やっぱり緑があるのね。でもちょっと怖いんだけど」


「ボスがいね〜ぞ。もっと奥にいるのか?」


「そんなことあんのか?周りが見えるわけじゃないけど

てか、霧があって奥見えないぞ。さっきまであったか?」


「いやなかった!索敵には引っかからない、相手にバレてるぞこれ」


だよな、ドアが開いたのでもうバレてて、この霧が相手の攻撃だよな。

は〜勘弁しろよ。脳筋じゃなくて絡めて使ってくるやつか。

後ろ!避けきれ..


「グワァァアアアア」


痛ってーーーー

右腕が、くっそ冥鎧で守りきれないのかよ。


「大丈夫か練!今ので敵は見えたぞ

個体名”狡羯(こうかつ)”レベルは60気を付けろ。索敵に引っかからないぞ」


こうかつね〜字のまんまなら狡猾か?

それなら、ぴったりの名前だな。

ふ〜腕は治った。あいつは攻撃する時に俺にも姿は見えたってことは

攻撃する時は姿が見えるのか。

ん?なんで腕が戻ったって?超再生を忘れたかい?

嫌だな〜忘れっぽくなってしまったかい?

レベル上げ中に確認しないわけないじゃないですか。


まずはこの霧が原因なのは間違いないだろ。

どういう原理で消えてるかはわからんけど、

風で全部吹っ飛ばしてやるよ


「吹っ飛べや!」

ブォォォォォォォォン


おいおい簡単な原理だな。

この霧で姿が見えなくなっていただけかよ


「よう狡猾くん!調子はどうだ?

俺の調子は絶好調だぜ。お前に腕切られた時から」


霧が晴れ、狡羯の姿が露わになる。

悪魔のようなヤギの顔で二足で立ち、手には刃渡りが長い2丁の肉切り包丁を

足には魚のような鱗がついている魔獣が。


「思ったより、見た目が怖いな。肉切り包丁が良い味出してるね」


「練、こいつお前の天敵じゃないか?

霧自体にも魔力があるせいで魔力で索敵できないぞ」


そりゃ見ればわかるんだけど、天敵ってほどでもない気がするんだよな。

あれの試運転にはちょうど良い気がするんだけど。

相手のHP削り切れるかどうか。

霧がまた立ち込めてくる。流石にずっと飛ばすには魔力が持たないな。

吸収しつつこれを避け続けられるか?


「ふ〜来る!」


ブン!


あっぶね〜姿が見えないのが来るってわかってたら避けられるけど

反撃に出れないな、やっぱり。

このフロア全体に風を送りつけるのは現実的じゃないな。

吸収したところで間に合うか?

オートで反撃できれば最高なんだけど


いた違うな。反撃で相手にダメージを与える必要はない。

一瞬でも怯めばそこに差し込める。

最大出力で身体強化をして、反撃に出れれば。

こう言う時の雷魔法だ。


「全方位雷魔法だ!」

バチィィィィィィィィィ


「そこか!」


「ガァァ」


くっそ浅い。当たる瞬間に下がりやがった。

でも正気はある。


「おいおい!狡猾くんよ〜やばいんじゃないの

負けるって思ったんじゃないの〜」


「いちいち煽りすぎだろ練。これで終わるほどやわじゃね〜だろ」


それはわかっていってるんだよ。

は〜煽っても返事が返ってこないとただのやなやつじゃね〜かよ


ピチャ、

は?マジかよ

そうやって封じてくるのかよ


ザーーーーーーーーーーー


雨が降ってくる、雷を嫌うかのように

そして霧まで濃く立ち込めてくる


「ふざけろ。ここに来てステージギミックかよ」


「いや、雨にまで魔力がありやがる。

こいつが意図的にやってやがるぞ」




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