第51話 三国平定
建業は、平定された。それに伴い旧呉国の城も降伏して行く。杜預君と賈充君の電撃作戦が功を奏した。短期間で旧呉国が平定できたよ。
孫権は捉えて、洛陽へ送る。
捕虜にして、俺も一緒に帰るのだ。荷造りをしてる時だった。
「待って~、陛下! こいつ玉璽を隠していました!」
「ありがとうなのね。
実は、忘れていた玉璽。だけどさ、もう必要なくない?
シミュレーションゲームだと真っ先に欲しいアイテムだけど、最後に手に入ったのか……。
諸葛丞相が、見つけたんだか作ったかした玉璽を、俺は持っているし。
まあ、蜀漢国の正統性を示すためにも持っておくか。
俺は、玉璽を受け取って懐に仕舞った。
孫権を見ると、睨んでいるよ……。
「貴様~! この俺にこんなことして、ただで済むと思っているのか~!!」
……本格的にダメだね。
国が滅んだのも理解していないっぽい。マジにボケてるよ。
孫権の子と孫の、孫亮と孫休及びその一族も捉えた。孫家全員とはいかないけど、まあ大丈夫だろう。
それと、呉の四姓だな~。一応降伏している。
「とりあえずさ、呉の四姓は独立自治でいいよ? ただし、侵略はしないでね。今の土地で満足してね」
「「「えええ!?」」」
涼州とか隴西地方は、ほぼ独立状態だ。だけど、物資の援助で臣従させている。
結局のところ、土地を持っていても、売り買いする商人がいなければ、単独での自治は不可能っぽい。
少しずつ、資産を削って行って、呉の四姓は、自然消滅させようと思う。
建業の太守には、
反発も多いけど、実力で黙らせて貰おうと思う。才能はある。俺はそれを知っている。
それと、司馬炎君が柴桑に残った。荊州と揚州を纏めて貰おうと思う。次期、丞相候補だね。
◇
洛陽に帰って来た。
もうね、お祭り騒ぎだよ。住民まで浮かれてんじゃん。
宮殿に入り、玉座に着く。
「「「陛下! 天下統一おめでとうございます!」」」
「あ~、まだね。交州が残ってんじゃん? それで、天下統一ね」
「「「えええ? あんな、遠くまで遠征するつもりですか?」」」
交州刺史の
そうすると、貢物を差し出して来た。
俺の密偵に反乱起こされて、苦し紛れの策に出て来たか。
『シミュレーションゲームだと、払えるモノが無くなった時点で降伏すんだよな~』
益州と荊州の兵を南部に集結させて、威嚇する。
それと、月一回の手紙だ。
段々と、貢物がショボくなって来た。
そして、三ヶ月後に
「
「「「えええ!?」」」
お土産の兵糧は、多かったかもしんない。
反乱は、頑張って沈めて貰おうか。それと、俺の名もなき密偵君にも褒美を与えないとね。彼が、陰の功労者なのを知っているのは、俺だけだ。
「終わったね~。これで本当に天下統一だ」
「……陛下。これからですぞ!」
そうだよね……。これから、内乱と戦わないといけない。
そうそう、陳寿を見つけたよ。そう言えば、蜀の人だったね。
陳寿には、洛陽に呼んで『三国志』の編纂に励んで貰う。
特に、父の劉備時代だな~。
資料がない部分があるので、追記して貰おう。
それと、俺の都合の良いように改ざんしたい箇所もある。問題なのが、俺の名もなき密偵君だな~。ちょいちょい、活躍して貰っている。どう説明しようかね?
◇
今日は、禅譲の儀だ。
一年間、各地の平定に忙しく働いていた。やっと行えるよ。
延熙14年(251年)。三国志演義だと、司馬懿の死亡した年だね。因果とかないと思うけど、まあこじつけかな。
孫権の死亡より、1年早い。晋国設立よりも20年以上早いな。
1,000人を超える文武官、それと張皇后が参列してくれている。張皇后は、後宮を纏めてくれていた。
蜀漢国は、身内が腐敗しなかったから、統一を成し遂げられたんだと思う。
それと久々に旧臣を呼び寄せた。張翼君、王平君、廖化君、趙統君だ。呉国討伐には参加させられなかったけど、俺の腹心であることに変わりない。
州牧に任命していたけど、もう老人もいる。彼等の手を取る。
「君たちがいてくれたので、後顧の憂いなく魏国と呉国を討てたのよ~。感謝しかないのね~」
全員が、涙を流して喜んでくれた。
特に廖化君だ。大泣きだよ。俺が関羽将軍の仇を討つとは、思わなかったよね。本当は、呉国討伐に呼びたかったけど、李厳君の失敗もある。上庸で待って貰った。
後漢の献帝、魏の曹芳、呉の孫権から、皇帝の位を譲り受ける。
献帝は必要なかったかもしれないけど、これで蜀漢国の正当性を証明できた。
国号は、『漢』でいいかな? 前漢と後漢があるから……、新漢? まあ、後から考えよう。
俺が両手を上げると、100万人の兵士が歓声を上げてくれた。
「ふう~。戦国の世が、終わったのね~。でもこれからは、匈奴に備えないとね~」
司馬炎君の晋国は、北から攻められている。
【八王の乱】は起きないだろうけど、これから内乱は起きると思う。
できるだけ国力を消費せずに、匈奴に備えないとな~。
献帝時代は、長安のすぐそばまで土地を取られているんだし。
ここで、相国に戻した司馬師君が答えてくれる。彼は、皇帝の一番の相談者だった。
「陛下の徳と善政による賜物です。采配も神采配としか言いようがありません。古の覇者にも劣りません。市政では、『救国覇王皇帝』と呼ばれており、天下統一だけでなく匈奴討伐も望まれております。古の春秋五覇や、始皇帝、楚の覇王、漢の高祖に並び称されています! 私が断言します。陛下は、この戦国の世の『誰よりも優れた名将』と呼ばれるでしょう」
おう? 仇名が変わってますやん?
三国志で一番の知将ってこと?
俺が?
劉禅だよ?
陳寿は、この時代をどう書くのかな?
―了―
長編:転生したら【阿斗】かよ~諸葛丞相いないんだけど、どうすっかな~ 信仙夜祭 @tomi1070
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