第19話 停滞
情報収集の日々が始まった。
つうか、これしかすることがない。
「う~ん。後、大物って言ったら、
「人材登用……、いけっかな~」
とりあえず、3人との接触から計ってみるか。
密偵を送り込むことから始めた。
◇
「う~ん、
現時点で、内乱を起こさせるのは、無理があるよね。
登用も難しそうだ。一族連れて来てくんないといけないし。
「陛下……。焦り過ぎかと。それと、どんな人選ですか? 特に
「そうよね~。兵士も物資もあるけど、動いたら失いそうなのよね~。こちらも防衛が最適かな~」
蜀漢国は、長安と襄陽、太原とってんだし。
攻めることはできるけど、勝てるとは思えない。
無意味に戦端を広げたら、物資の浪費になってしまう。
「雍州と涼州は~? どんな感じ?」
「良好な関係にあります。隴西地方も安定しております」
「成都は~?」
「
ああ、そうだった。もうそんな時期か……。
国葬を指示したんだけど、全員が辞退の書を残していた。
葬式は、質素にって……。全員、最後まで国を想ってくれる忠臣だったのね~。
若い芽も出て来てるけど、人の命数は変えられない。
ちなみに費禕を殺害する
彼等は、曹操
ちなみに、父劉備時代の人物は選ばないよ~。
後世の歴史家たちが文句言っても聞かない。俺は、諸葛丞相が成し遂げられなかった、長安陥落まで達成したのだ!
あ……、でも諸葛丞相と五虎大将軍は入れないと、歴史家にアホと言われそうだな。陳寿は、生まれていそうだけど、まだ若いはずだ。
まあ、その時になったら、考えよう。
……話が逸れたので、現状に目を向けよう。
「誰か、反乱でも起こしてくんないかな~」
「それでなのですが、公孫淵が止まっております。渤海郡までは進んだらしいのですが。なんでも物資不足なのだとか」
ほう?
◇
俺は、公孫淵に使者を送った。
『冀州を落としてくれれば、資金援助します。劉禅より』
すぐに返事が返って来た。
『食料が足らんとです。公孫淵より』
う~ん……。渤海郡までは遠いな~。
呉国なら、船で送れるけど、公孫淵君って、呉国に不信感を持たれているんだよね~。
魏国についたり、呉国に尻尾振ったりしてるからね。
「呉国は……、動かないだろうな~」
呉国は、防衛に徹していれば、まだまだ持つ。
何度か魏と交戦しているけど、守りきっている。
賢いとも言える。孫権がボケる前までだけど。
「匈奴との交渉は、嫌だな~」
歴史的に、良く裏切るし。信用できない。
「しばらくは、北伐を停止させるか~」
「それが賢明かと、今の内に内政の充実と、人材の発掘を行うべきでしょうな」
今の時代に、在野に誰かいたっけ?
もう人気ある武将って、皆死亡してんのよね。
◇
また数年が過ぎた。
魏国は、危機感を持って、内政を行っているらしい。本来であれば、反乱を起こす4人が中枢を握っているんだし、つけ入るスキがない。
曹爽みたいなのがいてくれないと、攻め込めないな~。
呉国は、まだ孫権がボケない。もうちょっと待とう。
とりあえず、若い
ここで、匈奴が動いた。
太原に攻め込むのかなと思ったのだけど……、迂回して魏の西河、晋陽に攻め込んで来た。并州だな。李牧で有名な雁門の南だ。
そんで、蜀漢国には、貢物として、羊千頭を送って来たよ?
「どうしたら良いと思う? どんな意図があるのかな?」
「受けちゃっていいのでは? 暫く静観してましょうよ。蜀漢国にしてみれば、どちらに転んでも負けはありません」
司馬師君は、静観か~。
「我らが蜀漢国も攻めるべきばい! 今しかござらんたい!!」
さ~て、どうすっかな~。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます