第22話 洛陽攻略
蜀漢軍が、洛陽に攻めかかる。
そうすると、魏軍は一戦しただけで、逃げて行った。
「追わなくていいよ~。それよりも、城の中を確認してね~」
将兵は、不満みたいだけど従ってくれる。
一日かけて、場内を調査した結果、宝物も食料もない事が分かった。
住民も飢えているらしい。
「今入城するのは、危険だよね~」
「魏函谷関に向かわれますか?」
「うん、そうだね~。それと、長安から船で食料を運ぶように指示を出しておいてね~」
「委細承知。住民を救います」
食料支援として、司馬昭君が長安に向かってくれた。
飢えた住民の住む都なんて、危険地帯だ。それならば、食料を施して手懐けてから入城したい。
無人の城も同じだな。落城させても維持は難しいと思う。
結局は、人なんだよね~。
◇
魏函谷関も、将兵が少ない。
前後より攻めると、逃げて行った。
「こうなると、陸抗君が苦戦していそうなのね~」
南陽は、兵士で溢れていそうだな~。
魏国は、北は匈奴と公孫淵君に攻められている。南は呉国だ。
趙統君に中央の陽動も行って貰っている。
中央に兵がいなくなったのを確認して、鄴と洛陽に攻め込んだので、蜀漢はほぼ無傷だった。
戦わずに勝ったんだ。
長安から食料が運ばれると、洛陽の住民に感謝された。
住民が飢餓に陥るほど、徴発したんかね?
太守は、誰だったのかな?
「そんじゃあ、洛陽に入ろっか~。もう安全っしょ」
「「「はっ!」」」
◇
中央の道を進み、本殿を目指す。
道の左右から、住民が歓声を上げてくれる。
「これが、漢の本来の姿なのね~」
「やっと、
玉璽だよね~。
神殿は残されていたけど、玉座はなくなっていた。
俺が何時も座っている椅子を設置して座る。
「ふう~。やっとここまで来れたのね~。司馬師君、司馬昭君、廖化君、
今は、4人の将軍しかいない。俺の護衛だな。
「「「はっ! ありがたき幸せ」」」
「それと、各地を守っている将兵にも、感謝の言葉と恩賞を与えないとね~」
魏国は、まだまだ強大だ。
気を抜けば、洛陽なんてすぐに取り返されてしまう。
それに、呉国も健在だ。
「陛下の徳と善政、神采配により中華の地の西半分を統治できました。ここまでの成果だけでも、歴史に名を刻む名君と、誰もが認めるでしょう」
司馬師君はそう言って、俺の記録を作ると言って来た。劉禅伝?
正史三国志外伝になりそうだな。
「少し腰を落ち着けつつ、兵士を集めよっか~。魏国はまだ健在だもんね~」
「はっ!」
今考えると、成都から大分遠くに来たもんだね~。
一度凱旋するのもいいかもしんない。
◇
魏国は、南陽を放棄して、洛陽に攻めかかって来たよ。
でもね~、遅過ぎだよ。住民を手懐ける時間があったのが大きい。
しかも補給のない軍隊だ。それも、数十万人規模。
「何時もの防衛戦で行こうか~」
「「「はっ!」」」
魏軍は、数日で干上がって、東に逃げて行った。
情報戦で、兵糧がないと分かっていたから、防衛戦に徹した結果だ。魏国は、被害だけ拡大させた結果になってんな。
「殆ど、戦わないで勝っているね~」
敵の弱い所を探して攻めているだけだしね。魏軍は、右往左往して撤退を繰り返している。だけど、バカだった頭は、入れ替わったんだ。曹芳は、もう指揮を執っていないし。今後も続くとは言い切れない。
「孫氏以上ですな。兵法書でも書かれてみては?」
曹操の『
劉禅の、
『公嗣新書』?
調子に乗り過ぎだよね~。謙虚に、謙虚に行きましょう。
「魏国と呉国はまだ健在だし、これからだよね~」
「その隙のなさ……、名君以外の言葉がありませぬ」
とりあえず、諸葛丞相の北伐の目標は達成した。
だけど、ここからが本番とも言える。
「魏国は、土地を奪い返しに来ると思うけど、防衛よろしくね~」
「「「はっ!」」」
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