第17話 太原攻略
戦車が、予定数でき上った。蜀漢国って何気に工作が得意よね。諸葛丞相の『木牛流馬』や『連弩』とか作ってるし、『軍船』は常に必要になる土地だ。
後は、タイミングだな~。匈奴が隙を晒してくんないかな~。
史記を思い出す。
戦国四大名将の李牧は、匈奴を油断させて深入りして来たところを、打ち破ったんだよな~。
地図を見る。
「雁門は残ってるのね~」
俺が魏国の皇帝なら、雁門から西進して、包囲すんだけどな~。
地図を見ながら、戦略を練っていた。
そんな時だった。
「うん? 匈奴が攻めて来たの?」
「はっ。魏国と組んだみたいです。東の洛陽と南の襄陽からも攻められるかと。進軍の兆しがあります」
三方向からの攻撃か~。長安攻防戦になりそうなのね。
「まず、呉国に出兵を促してね~」
「はっ!」
その後、軍議を重ねて城門を閉じて守ることにした。
今回は、長安での防衛戦だ。
◇
「総勢、30万人の軍勢かな~」
城壁から敵軍を見下ろす。人で地面が埋まっているよ。
うん、大軍勢だ。でも、長安には同数くらいの味方がいる。甘く見られているね。
魏軍の総攻撃が始まった。
でも守るのは、難攻不落の長安なんだよね~。魏国の兵士の損耗率が激しい。
匈奴は、見ているだけだな~。まあ、計算のうちなんだけど。騎馬民族に攻城戦は無理だよね~。なにもしなくても、兵糧は消費して行く。それが、30万人ともなれば、膨大だ。
「一応、予定通りかな~。待ってれば、その内撤退してくれるっしょ」
「こちらから、撃って出ないのですか?」
まあ、そうだよね~。蜀漢国の本気はここからだ。
疲れるまで、攻めて貰おう。
◇
一ヵ月程度、防衛を続けた。
地下道とかの仕掛けは、全部潰してある。城門も簡単に開かないように、封鎖してある。食料の備蓄も十分だ。
魏軍が、正攻法でしか攻められないようにしていた。
予定外だろうね~。
そして、命令を下す。
まず、楊儀君が動いた。襄陽に攻めかかったんだ。二度目の居留守戦法だよね。しかも今回は、廖化君にも手伝って貰っている。参謀に杜預君だ。
荊州北部までを、攻め落としてくれた。
ついでに、
そうすれば、
まあ、そこまでは進ませないけど、脅しとしては十分だ。
魏軍は、攻撃を中止して軍議を重ねる様になっていた。
そして、安定城だ。長安から見て北西だよね。
一ヵ月間、なにもせずに陣取っていた匈奴が、背後を取られて、慌てて撤退を始める。兵糧の無駄にしかなんなかったね~。
その背後を戦車隊が撃つために、出陣する。俺も指揮車に乗って出陣だ。
魏国は、見て見ぬふりだ。まあ、将兵の半分を失っているんだし、動けないと言った方がいいかな。
匈奴軍は、反転して来て蜀漢軍と激突した……。
「武器が違うんだよね~。ランチェスターの法則って知ってる?」
如何に平地と言えど、騎兵と戦車では、戦車に分がある。それと、弓兵で削って行く。
足の止まった騎兵など、歩兵の餌食だよね~。
匈奴軍は、一日の戦闘で総崩れだ。
バラバラに、太原に帰ろうとする。
ここで登場、関羽と趙雲の孫たち。
包囲殲滅までは行かないけど、大いに匈奴軍を撃ってくれた。
「三人共、ありがとうなのね~」
「「「はっ! ありがたき幸せ!」」」
俺は、長安の半分の兵士を率いて、北の太原に向かった。
長安は、司馬昭君を太守に任命してあるので、大丈夫だろう。
◇
「う~ん。太原は……結構抵抗してくるのね~」
「まあ、最終防衛線でもありますし。この城があるから、この一帯の平野を匈奴が支配できていたのでしょう」
大人しく、北に帰ってくれれば良かったのにな~。
ここで登場、
戦車と共に作らせていた。
匈奴に支配された、太原城は、大混乱だ。
そうだよね~。この時代の遊牧民族に、工作技術なんて持っているわけがない。予想外だよね~。
そうすると、あっという間に城門が開いたよ。
こうして、匈奴に奪われていた、太原城を奪うことができた。
匈奴の捕虜は、北へ逃がす。虐殺はしない。国境は、万里の長城までとした。
長安の北に関所でも作ろうと思ったけど、太原城が手に入るのであれば、不要だよね。
◇
太原城を見回る。もうね、中華とは違う文化だよ。匈奴に長く支配されていたのかもしれない。
「この城は、秦の
これで、戦略的に幅が広がった。
魏国の北側……、
「
「「「承知っす。お任せください」」」
さて、長安に戻るか。太守は……、くじ引きで
そんじゃ、長安に帰ろうか。
ここで、司馬師君から待ったがかかった。
「
あれだ。劉邦の部下の韓信が、趙国を攻めた時の山道だね。
ほうほう……。これで、魏国の北と南、そして中央から攻めることができるな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます