第27話 魏国攻略1
密偵を放つ。
「燕国と、寿春が同盟? 最前線を放棄して、南北より徐州を攻撃?」
楚王の
それもそうだよね、独立を宣言しても、数年間放置だもんね。
魏国も相手してやれよと言いたい。
戦況を聞くけど、芳しくないらしい。
魏国は、徐州にも多少は兵を残していて、防衛はできるらしい。
数ヵ月後、連絡が来る。
燕国軍と寿春軍は、小沛と下邳を落とせなかったみたいだ。辿り着けたのかも怪しい。
「そんじゃあ、寿春に進軍しよっか」
「「「はっ!」」」
楚王の
そのプライドの高さが、命取りだよね。
◇
寿春は、城を閉ざして防衛の構えだ。
「そんじゃ、姜維君お願いね~」
「お任せを!」
城攻めが始まる……。
そして――あっさりと落城した。
まあ今回は、追わない。
火種になって貰おう。
「姜維君、ありがとね。君は優秀だね~」
「ありがたきお言葉」
姜維君には、寿春太守と揚州の州牧に任命する。
それと、兵を休めて貰う。隴西地方から連れて来た彼の部下も一時帰国を許した。
少し休んで貰おう。
「陳留は、どうなってるの?」
「羅憲より、変化がないと連絡を受けております」
地図を広げる。
「鄴と陳留は、放置にして、徐州攻めよっか……」
司馬師君が、考える。
「総大将を誰に据えるかですね……」
ああ、そうだった。
古参の人は、州牧に任命したりしていたので、駒が足らない。降将は、有名な人でもまだ使えない。
そうなると、小物しかいない。
どうすっかな~。
とりあえず、
俺の秘書になって貰う。
そんな時だった。
「楊儀君が来たの? 襄陽はどうしたの? なにかあったの?」
とりあえず、会ってみるか。
「楊儀――参上いたしました」
「ご苦労様。そんでどうしたの?」
「徐州攻めに加えて頂きたく……。襄陽は、暇です」
「魏国が終わったら、呉国攻めの総大将だよ? 練兵を頼んでたよね?」
「もう、
う~ん。荊州って重要な地なのにな。州牧に任命しても、不満なのか~。
でも兵権を任せるには、不安な人材なんだよな~。
「よろしいのでは? 十万の軍勢でもって徐州を攻めて貰いましょう」
司馬師君は、何か考えがあるんかね?
「もしくは、丞相の地位を望みます……」
強欲だな~。
本来であれば、その性格で処されるのにな~。
でも、ここで背かれても困る。
出陣を許可した。
楊儀は、陳留を横目に真っすぐに徐州に攻めかかった。
補給路を断たれそうなんだけど? 大丈夫?
司馬師君は、黄河を使って補給路を確保してくれる。
楊儀が、小沛と下邳に襲いかかる。
密偵の話では、順調なんだとか。諸葛丞相が作った、攻城兵器を大量投入しているらしい。
「大丈夫なんかね?」
「兵法書通りに攻めるのでしょうな。時間はかかりますが、城は落としてくれると思います」
司馬師君は、楊儀を凡将と捉えているんだな~。
そんで今回は、奇策は必要ないと言っている。
「先手の大将もいないのよね~。今からでも羅憲君を派遣する?」
「楊儀は、襄陽で多数登用しておりました。将兵は足りております」
司馬師君は、楊儀の動向も注視していたのね……。
心配していると、魏国が動いた。
「青州兵が、徐州に移動したの?」
楊儀が、挟み撃ちにあってしまうな。
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