東海の覇者、桶狭間で没落なれど

作者 楼那

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★★★ Excellent!!!

 戦国時代、関東・東海に武功・武門でその名を馳せた今川家。桶狭間で義正が織田信長に討ち取られて以降<歴史から消え去った>訳ではなく、<歴史の表舞台から消えた>存在。表舞台から去ったとはいえそこは、名家今川家。その血統はそこで途絶えた訳ではなかった。華やかな歴史の表舞台ではないが、その裏で脈々と受け継がれていく名家の血統。
 祖は「足利義氏」。清和源氏の家系。いわゆる桓武平氏と双璧を為す二大<武家>の血脈のひとつ、<源氏>の流れを汲む家系。時代がくだり、江戸時代元禄の赤穂浪士の討ち入りで有名となる敵役吉良上野介(こと源義央(みなもとのよしなか))家の祖。そしてさらに今なおその血統は続く名門。
 さすが、日本。途絶することなく脈々と1300年存続しつづける国家。その中に在って国を社会を支える銘家のひとつ。
 そんな銘家を支える一色家に現れた現代の知識・記憶を持つひとりの男、一色正孝が桶狭間にて信長に義正討ち取られて混乱した今川家を影日向となり支え、建て直し、英雄、剛勇、知将、名将相居並び顕ち、各々天下統一・覇業を為さんと武に智謀策謀巡らし鎬を削りあう中、彼らとある時は対峙、またある時は、手を結び共闘し、一色家を差配しつつ、主家・今川家を支え、日本の激動期である戦国・安土・桃山時代をともに生き抜いていく仮想歴史ものがたり。
 現代の知識・記憶をもつ一色正孝が存在、歴史に介在することで、戦国・安土桃山・江戸に至る時代の流れが、どう変化し、その中で一色家の主家・今川家がどんな役割を果たしていくのか。そしてそれは、現代を生きるわれわれの社会にどう影響を及ぼすことになるのか、興味あるところである。
 
 信長が好んだとされる「敦盛」。「人間50年 下天の内をくらぶれば 夢幻の如くなり」。令和の現代、もはや人の寿命は100歳をゆうに超えようとしているわけで、そんな社会を生きるわれわれは、… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

主人公が戦国武将として成長するのも楽しめるし、安易にチートしないのも私的に凄く刺さりました。

ただ登場人物が多過ぎて残念だが300話でドロップアウト
一応 人物紹介はあるものの主人公の登場人物対する名前(諱)呼びが、名字を含まないためメインキャラクター以外は覚えきれず……
さらに戦国ものでよくある取っ付きにくい要素として、似たような名前のキャラクターがたくさんで 私には合わなかったみたいです。

他の方のレビューの通り、戦国もの好きな方に超オススメです。

★★★ Excellent!!!

今川家の誤った低評価を長年悲しんできた駿河民なので、実に嬉しく楽しく読ませて頂いています♪

義元は随分と見直されつつありますが、氏真に関しては未だに散々ですからね。
歴史は勝者によって作られますので、徳川にとって都合の良いように改編・誇張されたのは仕方ないですが…。

実際は決して暗君ではなかった氏真、こんな風に支えてくれる有能な腹心がいたら、もしかしたら、こういう展開もあったのかも?とワクワクしています^^

今後の展開に期待です♪^^

★★★ Excellent!!!

自分の領地を発展させ、生活環境を整える所は単純に面白かったです。
大名になるのでは無く、部下として今川家家中に気を配りながら、歴史上の人物に対峙したり、同僚や部下として付き合っていく様子も面白いです。
主人公は頭良いのですが、超人では無い所が好きです。

★★★ Excellent!!!

個人的に戦国、三国志系は読みづらい作品が多い印象ですが、この作品は作者さんが工夫してくれていて、分かりやすく伝えようと努力しているのが分かります。

登場人物が多いのは仕方ないのですが、紹介用のページも作ってくれているので、読者への誠実さはびんびんに伝わります。

え?ストーリー?

最高かよ。

Good!

第36話 織田信長、その人となり。武田信玄、その思惑
で、主人公が家臣に今後進出すべき国を検討してた時
家臣が「三河尾張が無理なら美濃」みたいなこと言ってたけど遠江と美濃は隣接してないよね。どうやっていくんやろ。地理感覚あいまいなのがこの時代のデフォということを作者さんが表現したかったんだと思います。

★★★ Excellent!!!

本作は多くの人物が各々の目的のために勢力拡大を図る様が淡々と描かれている。

ド派手な合戦や癖の強い仲間、心理描写などがすくないのは個人的な好みから少し外れるものの、重厚な歴史小説の良さというものが本作には凝縮されている。

予備知識があるとなお一層面白い。