第29話 魏国侵攻3
鄴に、蜀漢軍が襲いかかった。
趙統君と司馬師君が、攻城兵器で襲いかかる。
廖化君は、徐州からの援軍を防ぐために、黄河に陣を張っている。
船まで用意しているよ。流石歴戦の猛者の一人だ。最古参だよね。
「皆、優秀なのね~」
ここで、連絡が来た。
「司馬昭君が、
「はっ! 冀州の渤海郡を目指して、快進撃だとか……。連戦連勝で一直線に冀州を横断している模様です!」
話を聞くと、匈奴と争っていたけど、追い払ったのだとか。
皆、優秀過ぎる人材なのよね~。
でも渤海郡までとれれば、魏国は逃げ場がない。北の逃げ道を塞げる。それは、そのまま包囲することを意味している。
狙ってやってんだろうな。
「なんか……、全員が連動しているのね~。指示することがないよ……」
◇
一年後、鄴が陥落した。
冀州は、司馬昭君が平定している。燕国も匈奴も大人しいらしい。まるで、春秋戦国時代の李牧だ。
楊儀君は……、小沛と下邳を落とした。兵糧攻めだったらしい。
粘り勝ちだね。兵権を与えてみれば、そこそこ動けることが分かった。流石、諸葛丞相の下で学んだだけある。
司馬昭君と楊儀君だけじゃない。各人を褒めないとね。
とりあえず、徐州へ向かった。
「楊儀君、荊州牧だったけど、徐州牧に変更ね~」
「ありがたき幸せ」
守りの将としては、そこそこ優秀だったのかもしれないな~。
ちょっと、呉国との最前線になるけど任せてみよう。
「廖化君。冀州を治めてくんない? 征東将軍にも任命するので」
「お任せを。ありがたき幸せ」
「司馬昭君は、悪いけど并州をお願いね~。征北将軍に任命するので。匈奴と燕国に注意してね~」
「OKっす。任せてください」
「司馬師君は、丞相から相国ね~」
「嬉しいっす」
「羅憲君は、鎮南将軍ね。寿春をお願い」
「嬉しか~」
「若い趙統将軍たちは、兗州の太守ね。城をとったら太守をお願い」
「「「もうすぐ、魏国を滅ぼせそうですな!」」」
うん、大丈夫そうだ。
論功行賞……、心配だったけど、全員納得してくれたらしい。
◇
「対呉国は、どの様な戦術をお考えですか?」
歴史知っている俺だし、考えることもないんだけどな~。
「西から攻めるよ? 柴桑落ちたら長江を渡って建業ね」
史実で、羊祜君が提案して杜預君が実施したのは、蜀からの大船団と北からの歩兵だ。それをベースにして作戦を説明した。
「……流石です。他方向から攻めた魏国は、全て撃退されているので、私も同意見です」
それと、黄河より北の兵士を使わないことだよね。疫病での撤退は避けたい。
襄陽や南陽、寿春あたりで徴兵した兵士を使いたい。
それと、やっぱり短期決戦だ。南方に進軍する場合は、長期戦を避ける。これ大事ね。
◇
「う~ん。襄陽に杜預を置いているけど、羊祜も送っておくか?」
でもな~、寿春だったり、合肥から攻めても欲しい。
合肥は、今は呉国の城だ。それと、南陽もだな~。
「呉国は……、同盟は生きているし……、暫く様子見かな~」
「それがよろしいかと。
「
「そうぼう? そうかん? 誰ですか? 曹芳の子供ですか? 良く知っていますね?」
そうか~、この後に帝位につく人材って、俺しか知らないんだよね。
先回りして、処してしまおう。
それと、司馬炎君だな~。
少し会ったけど、反乱を起こす人物には見えなかった。
司馬師君と司馬昭君も信頼しているし。
大丈夫……かな?
◇
楊儀が、徐州の城を落として行く。
結構城の数が多いんだけど、上手く立ち回っているらしい。
でも、曹家の行方は分からないんだとか。
まあ、気長に待とう。
「玉璽は、どうすっかな~」
もうこうなると、あってもなくてもいい。
正統性とか、父劉備の時点で怪しいし。
「シミュレーションゲームなら、俺の魅力は……70くらいはあんだろうし。……多分」
ゲームの話をしていても仕方ないか。
「魅力なんて、数値化できるモンじゃないしな。今の劉禅の魅力ってどのくらいかな~」
俺の独り言を聞いた司馬師君が、絶句しているよ。
もしかして、理解してんのかね?
それはそれで、怖いな。
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