15回戦 立-2
ガチャ……、バタン。
ボクは、我が家の
「(まさか……)」
ボクは、
ガチャ……とリビングと
パジャマ姿の
「……」
ボクも
バタン。
ボクはそのままリビングのドアを閉め、自分の部屋へと
「(
それは、ボクの人生には関係ない……)」
ボクは、制服から
「(関係ない……?
ならどうして……、こんなにも悲しい気持ちになるのだろう……?)」
ボクは、泣き出してしまいそうな自分の気持ちに気づいていた。
でも、とても悲しいのだ。
「(ボクより
こんなつまらないことでつまずいているから、
悲しいのだろうか……?)」
ボクは自分がどうして悲しいのか、考えていた。
「(ボクが
ボクは、
「(理解なんてされても、きっと
フフフ……)」
ボクは、自分で自分をバカにした。
「(でも……)」
ボクはベッドの上で
「(
きっとフィクションの主人公になった気分だったんだろうな……)」
ボクは、
「(カッコイイ主人公……。
才能に
努力が必ず報われる主人公……。
夢や目標を達成する主人公……。
最後には必ず勝つ主人公……。
女の子にモテモテな主人公……)」
ボクは、都合の良い設定を並べてみる。
「(
自分がそんな
ボクは思った。
ボクが
そして絶望。
それを今、
「(けれど……)」
ボクは、こうも思った。
「(『
なんて言われても、
ボクはベッドの上で
「(そう言えば、
ボクは思った。
「(子供が考えるような非現実的な夢じゃなくて、もっと現実的な
将来なりたい職業とかやりたい仕事とかってあるのかな……?)」
ボクはベッドにうつ
「(弟のことなのに、分かんないや……。
ハハハ……)」
ボクは、自分で自分を笑った。
「(考えてみれば、ボクは
ボクは、ふと疑問に思う。
それまではずっと仲が良く、
せいぜい子供の
暴力を使うケンカなんかした
○~○~○~○~○~○~○~○~○~○~
「
夕食のおかずの
ボクはおもむろに
「……」
モグモグと口を動かすのに
分かっていた。
「ボクは将来、
ボクは、構わず続ける。
「!?
ゲホッ!ゲホッ!」
これも分かっていた。
「(ボクの夢が一番現実的じゃない。
そんなことは、ボク自身が一番よく分かっているんだ)」
「だからボク、明日から
朝練も、夕練も」
ボクは
「無理だろ……。
「『オレでさえ無理なのに』
ってこと?」
ボクは
「!」
「ボクは、
ボクは、大きくうなずきながら
ウソではない。
ボクは心の底から、
「ならねーよ!
「やっぱりそっか……」
ボクは言った。
「悲しいけど、
これもウソではなかった。
それは、
「お前に、オレが
「そうかもしれないね」
ボクはうなずき、
「だから、ボクが
と続けて
「それは……」
「関係はねーよ……。
関係はねーけど……。
お前がカッコ悪いと弟のオレが
世間体と言うか……」
と不満げに言った。
弁論で
「じゃあ勝負しようよ」
ボクが言うと、
「!?」
と
「明日の部活でボクとシングルスで勝負してよ。
ボクが勝ったら、ボクは部活を続ける。
ボクは、勝手なことを言っていると分かりながら言う。
「なんだよそれ……。
勝ってもオレに大してメリットねえじゃねえか……」
「じゃあ勝負はしない?
ボクの不戦勝ってこと?
ボクが
ボクは、わざとニコニコしながら
「……そんなに現実見てえなら教えてやるよ」
そう言うと
勢いよくイスから立ち上がると、
口をモグモグと動かしながらリビングを出て行った。
「……母さん、ケンカは感心しないな」
「ケンカじゃないから
ボクは母さんを見て、
「男と男の勝負ってやつ。ハハハ……」
と笑い、ようやく夕食の
「(そう……。
この勝負は、ボクにしかメリットが無い……)」
ボクは夕食を食べながら思う。
「(ボクが勝ったら、ボクは好きな
そしてボクが負けたら、
そしてボクは……、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます