3回戦 倫-1
ようやく、駅前にある商店街の本屋、『オシリス』に
スポーツ雑誌のコーナーまで行って、
立ち読みしている数名の人達の間を、
「すみません……」
と
「(えーと……?あっ、あそこだ……)」
目当ての月刊プレイ
人気の雑誌なので、もう最後の一冊のようだ。
「(今月号のは、
と表紙の見出しを見て思いながら、
ボクはその月刊プレイ
と、横から同じようにきれいな手が
「あっ……」
その人と同時に口に出す。
女の子の声だ。
「ご
と女の子が言った。
「えっ……?
すみません。ありがとうございます」
ボクも買いたいので、
でもボクは、
「(『構いませんわよ』
だって?
まるで、どこかのお
と思って、声の主のほうを
絶の妹、本能
キラキラとエフェクトが見えそうな、
気の強そうな目と
流れるような
バッチリと目が合う。
ボクがそのまま固まっていると、
「ワタクシは、こちらの立ち読みなさっているご
お
と言って、別の月刊プレイ
バッとその本を取り上げ、
スタスタとレジのほうへ歩いて行ってしまった。
その後ろ姿を見送ってから、
ハッと我に返ったボクも、
会計を済ませて本屋を出たところで、ようやく
「ちょ、ちょっと待って!
部活は!?」
思わずボクは
絶が
てっきり妹の
その声を聞いた
「あら?ワタクシをご存知なんですの?
ですが……、あの学校のレベルですと、
ワタクシにはちょっと合わないようでしたから……。
「どういう……?」
「どういうことだコラァッ!?」
ボクが
ボクは反射的にビクン!とした後、
先ほど
顔を真っ赤にして、ワナワナと
「有名人だろうが関係ねーぞテメェッ!
調子こきやがってッ!」
そう言いながら、男性はおもむろに
ビュッ!と
念のため言っておくと、
つまり
体の
はたまた口から
ポケットから取り出すようにだったりと、
ここにも、その人の個性が出るわけである。
なお、まだ
モンスターもいないのに
周りの人や物を傷つけてしまって危険なので、
絶対にマネしてはいけない。
法律でも禁止されているぞ。
「ちょ、ちょっと!?
ぼ、暴力はやめましょう!?」
ボクは口ではそう言っているが、内心では
「(そりゃ
と、完全に男性の味方に立っていた。
そのせいか、スッと
男性と
体は正直なのである。
と、
「ハイ」
と言いながら、おもむろに男性の
するとどうだろう。
ボッキン!
という音と共に、男性の
折れた
道にガラン!と音を立てて落下した直後にフワッと消え去る。
「(いきなり中断……!?)」
ボクは、
男性の
『
十分な
『
色々とメリットがあるのだ。
しかし、
『中断』と呼ばれる現象が起こることも、よく知られている。
「(でも今のは、どう見ても
これが、小学生の部とはいえ全国女子シングルス1位になった、
ボクは軽く
中断された男性のほうは、
「あ……?あ……?」
と
まだ何が起きたかよく分かっていないというか、
脳が分かるのを
それはそうだろう。
男性にとって、中断させられるというのは、
それだけ
商店街の
大声を出したせいで周りの注目を集めた
しかも自分よりずっと若い中学生にやられたのだ。
心中お察しする。
男性の中には、中断というものを
『折れない
との願いを
自分の
革のベルトや木の棒で
あろうことかハンマーで
そうすることで、
効果のほどは不明である。
「これで少しは大人しくおなりなさいな」
男性の
なお、まだ
モンスターもいないのに
ましてや
周りの人や物を傷つけてしまって危険なので、
これも絶対にマネしてはいけない。
法律でも禁止されているぞ。
「な……、なんて……、ひ……、ひどい……」
男性は、ようやく
ボクは、すっかり男性がかわいそうになってきている。
「やり過ぎだよ!」
ボクは、その背中に向かって口に出さずには、いられなかった。
「……やり過ぎ?」
声のトーンが低かったので、逆にボクのほうがギクリとする。
「聞き捨てなりませんわね」
その両目は、まるでボクをにらみつけているかのようだ。
「力のある者が、それを行使して何がいけないんですの?」
「逆にお
こちらのお方のほうがお先に、
あろうことか暴力で解決しようとなさったんですのよ!?
それを持てる力で未然に防いだワタクシが、
なぜ非難されなければならないのか、
あなたに説明できまして!?」
強い口調で言いながらツカツカと歩いて来て、
ボクに
「(せ、正論だ……。だけど……)」
ボクはそう思いつつ、
「こ、この人だって本を買うつもりだったかもしれないじゃないか!?
先に持っていた
と何とか反論した。
「!?」
「……そうなんですの?」
「そうだよ……。
買うつもりは少しあった……。
でも……、
もういいよ……。
もう……」
男性は泣きながら言う。
「それはそれは……、悪いことをいたしました……」
「……ですが、そうなると今度は、
あなたが本を持っているのが、おかしいということになりますね?」
「えっ……!?ボク……!?」
ボクは
「だって、そうでございましょう?
ワタクシは、
あなたにその本をお
ワタクシはあなたにお
「そんな!?」
ボクは思わず、本を胸に
「ワタクシのほうが、先にあの場所にいたんですのよ?
何ならお店の方にお願いして、
ご
「(やられた!
手を
順番待ちの理論でいけば、全くその通りだ!
先にあの場所にいたというのであれば、
買う権利は本来、
ボクは本を持った両手でそのまま頭を
「何とか言ったらどうなんですの?」
「(反論することができない……。
もう
とボクが思い、あきらめかけたその時、
「ですが……、一度お
おいそれと
そう言いながら、
「えっ!?」
もうあきらめかけていたので、ボクは逆にびっくりして
ところが、
「勝負と参りましょう」
「えっ……?しょ、勝負って……?
ま、まさか……?」
ボクはそう言うと、ゴックンとツバを飲み
「そう、その通りですわ。
あなたの
そうですわね……」
「あっ。
先ほどの
パン!と両手を
ボクは開いた口が
「(やっぱり!)」
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