4回戦 倫-2
「さあ、あなたの
ちなみに、まだ
あなたの負けってことでよろしいですわよね?」
「い……、
ボクは
「えっ……?それは……?
負けを認めてお
「ち、
見られるのが
ボクは何とか言った。
そう。
商店街の本屋の前でずっと
すっかり人だかりが出来上がっていたのだ。
「(ボクの
それを中断されるところなんて!
ましてや
ボクは、とんでもなく必死だった。
「あら?確かに。
これは気がつきませんでしたわ。
お店の方にもご
「ど、どこか!
こ、この本屋の裏のほうとかでもいいから!」
ボクはそう言いながら
「
結果が気になる方は、後ほどご報告いたしますわ」
ボクに続いて路地裏へ入って来る。
「それにしても……、ちょっと強引なところもあるんですわね。
これなら少しは楽しめそうですわ」
路地裏の
「(『少しは楽しめそう』か……)」
ボクは心の中で、ため息をつく。
「(
きっとろくでもない性格なんだろう……。
見た目や口調なんてアテにならないな……)」
ボクは心底そう思っていた。
学校の授業や、あるいは
男女がペアになって
だがその時に、わざわざ男子の
見たことなんかないのだ。
最初なんか、
「まだ
「もう少しいける?」
「危なかったら言ってね?」
などと、男子に聞きながら
上手に
だが、ボクの心の中には、もう一つの別な気持ちも
「(ボクの
という
正直な話、物理的に無理なレベルで
無理矢理
ボクは、他人の
自分の
「(ましてや、ボクの
ボクは心の中で首をかしげた。
「(折れる姿が想像できない……。
もしも中断で折れるとしたら、
真ん中から真っ二つに割れるとか、
あるいは
と、だんだんと
「コホン……、それでは……。
さあ。
ふいに
「……あっ、うん」
と言いながら、刀を
「……」
「(あっ……!)」
ボクは気がついた。
「これが……、あなたの
「(しまった……!)」
ボクは棒立ちになった。
「(心の準備が、全くできていない……!)」
ボクは激しく
「(もし今……、ボクの
ボクは
男性同士だと、相手の
何も言わないことが多い。
それこそ社会人の男性なんかになると、
接待
『いやあ!ご立派な
とか、
『切れ味が良さそうな
とか、他人の
小学生以下の
『あの人の
なんて
(ボクの
『少しぐらいヘンテコ』
の
そういう、相手の
でも女性、特に若い女の子には、それが無い。
それが無いので、朝に助けた
すごい
つまり、男子の予想を
何なら、
人間性を否定してくるレベルのやつが来る。
『世の中には、
女性に悪口を言われたり
というのは知っているが、
ボクはまだその域には達していない。
「(今の
確実にボクの
ボクは確信していた。
「(ボクは確実に……!
ボクはその現実から目を背けたい一心で、目をギュッ!とつぶった。
「かわいいですわね……」
「……は?」
ボクは目をつぶったままだったが、思わず口に出した。
「すっごくかわいい……」
ボクは
今さらながらよく見ると、
ストラップ、キーホルダー、ぬいぐるみ。
全部が全部、丸い物だ。
ボールや、丸いキャラクターや、丸い毛玉のような物体、
丸い民芸品みたいな物まである。
「(あー、なるほど……。丸い物が好きなんだあ……)」
とボクは納得しかけたが、
「(いやいや……!
とすぐさま思い直した。
「……あっ。
良い意味でですよ?」
と
「(
ボクは心の中で、
「(女子に
たとえ……、
たとえ『かわいい』という
ボクはそう思って、
「あっ……。
でも勝負は勝負でございますからね?
すぐに中断したら負けですから」
「(そうだ……!勝負なんだった……!)」
ボクも思い出した。
「はい、スタート」
「(ちょ……!心の準備まだ出来てないってえええ!)」
ボクは心の中で
「(……)」
「(……)」
「(……?)」
5秒経っても10経っても、何の音もしなかった。
「(まさか……、砂みたいに
ボクは、また
「すごいんですわね……。あなたの
ボクの
メラメラと燃えて、強い熱を放ち始めていた。
火の属性が
「(……勝ったのか?)」
ボクは思った。
「こんなにすごいの初めてですわ……」
「えと……、じゃあ……、ボクの勝ちってことで……、
いいよね…?」
ボクはそう言いながら、
「あ……」
『なえる』というのは、ボクが住む地方の方言なので、
伝わらなかったら申し訳ない。
『たたんだり、小さくしたりして、片づける』
ぐらいの意味である。
『たたんで片づける』とか、
『小さくしてしまう』とか言うべきなのは分かっているが、
文字数が少ないせいか、つい使ってしまうのだ。
許して欲しい。
「ごめん……。
けど、ボクそろそろ帰りたいから……。
キミももう出なよ?」
ボクは、
「(よく考えたら、女子を路地裏に連れ
状況としてはあまりよろしくない……)」
今さらながら、そう思えてきたからだ。
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