48回戦 お別れ会-2
「あっ……!?
絶もボクの
サクランボカラーのプロテクターの選手を見ると、
目を見開いてそう言った。
『
特に中等部のスポーツが強く、
その中でも
去年の
なんとミックスダブルスを除く、
の3部門で優勝を果たしていて、
他校は
『チェリーガーディアンズ』の2つ名で呼ぶ。
つまり絶が全中の決勝戦で敗北した相手は、
当時
同じく弟で、
『古館
絶と
テレビやネットでも、
たびたび
いや、有名さだけで言えば古館兄弟のほうが、ずっと上かもしれない。
なぜなら、
国内のプロ
『古館
このため、特に古館
ボク達の父親ぐらいの年代では、
『本能兄妹のことは知らないが、
古館
という人が多いのである。
○~○~○~○~○~○~○~○~○~○~
「……というわけで~、全中を前に~、
この古館
先ほどボク達が
大きめのタブレット
部活の最初にやるランニングと基本動作の前に、
3年生も
部室の前辺りに座らされたのだ。
サクランボカラーのプロテクターに身を包んだ
「……ァイッ!ハッ!」
という気合いのこもった
画面にはハッキリと映し出されている。
ボク達は小一時間ほど、
あーでもないこーでもないと意見を出し合ったが、
残念ながら有効そうな対策は見つからなかった。
「う~ん……。
このままじゃマズいわよね~……。
全中までまだ2週間以上あるとはいえ~……」
下井先生は、しばらく考え
「まあ~、ひとまず今日のところは~、
お別れ会を始めましょ~?
まずはランニングからね~!」
とパンパンと両手を
「(変形する聖剣……。
一体どうやって戦えば……?)」
ランニングと基本動作をこなしながら、
ボクはまだ考えを
○~○~○~○~○~○~○~○~○~○~
ガキィン!ボッキン!
折れた
ザクッ!と地面に
フワッと
「うわっ!?
す……、すみません……!」
「いやー、気にすんなって」
ピー!
と
「ウォークオーバー!ウォンバイ木石!」
と試合結果がコールされる。
「ありがとうございました」
「ありがとうございました……」
頭のプロテクターを外した
そう言いながらアースの真ん中の
『*』マークの辺りで
「(なんか
ボクの
ボクが自分の
「オレに勝ったのに、まだ部長やれるかどうか不安なのか?」
と
「それは……」
ボクは
「不安ですよ……。
それに今のもたまたま
と自信が持てないことを素直に打ち明ける。
そう。
県中総体で団体戦が敗退して
3年生の引退試合になってしまったあの日、
なんとボクは
レギュラーの絶か申清が部長になると思い
「ルールはルールで勝ちは勝ちだろ?
それに、そういう
「それに、ここだけの話、
絶ってかなり真面目だろ?
何事にも全力投球って言うのかな?
部長の仕事って雑用なんかもけっこう多いからさ。
そういうのにも全力だと
ムロなら、適度に周りに
それこそ絶とか、申清とかにな」
と少し声色を落とし、
「そういうものですかね……?
でも、こんな
ボクは首をかしげてみせる。
「それだけどな……」
「おーい、申清ー!
ちょっとこっち来てくれー!」
と申清のほうを向いて
呼ばれた申清は、
ボクと
「どうかしましたか?」
と
「今日は3年生のお別れ会だけどさ、
ムロと申清で試合というか、
ムロの全力の打ち
受けてみてくれないか?」
「えっ……?」
ボクは少し
「ああ……。
はい、分かりました」
とあっさり
「じゃあオレは少し
ムロ。全力で、だぞ?」
両手で
『全力で』の部分を強調して言う。
申清は頭のプロテクターを
ビュッと
「縦
と言いながら、
両ヒザをやや曲げた
「あっ……、うん……。その構えでいいよ……」
ボクは少し
「(『全力で』……?
『
でも申清の
と考える。
そう。
申清の
ボクは過去に
ましてやシングルスでは勝ったことすらもないのだ。
もっとも、
まだ数日しか経っていないのもあって、
試合をしたことはなかったが。
「(『今の
ボクはそう考えながら、
全力で申清の
ガキィン!ボッキン!
申清の
折れた
ゴツッ!と申清のプロテクターの顔の辺りに当たって、
ガラン!と地面に落下した直後にフワッと消え去る。
「うわっ!?ごめんっ!」
ボクは、すかさず謝った。
「(『折れるかも』とは思ってたけど、
本当に折れるとは……!)」
だが申清は、
「いや、
と言うか予想通り。ハハハ……」
と軽く笑っている。
アースの周りで見ていた
「オオッ!?」
とか
「ハハハ……」
とか
「すげー!」
とか声が上がった。
パチパチと
「なっ?」
「えっ……?」
ボクは
「ウチの部で一番
『自信が無い』とは言わせないぜ?」
「!」
ボクは目を見開く。
「そうそう。
そんだけ
ある意味無敵じゃん」
申清も同調した。
「すっごく
「はい!」
ボクは力強くうなずいた。
「まあ、まともに当たればだけどな」
申清が
「それな。ハハハ……」
「そうだね……。ハハハ……」
ボクも笑いながら、大げさに
「ハハハ……。
ところで1つ気になってるんだが……」
笑っていた
少し真面目な表情になってボクのほうを見た。
「はい?」
ボクも
「ムロの
「えっ……!?」
ボクと申清が同時に口に出す。
「(言われてみれば……)」
変形する
ボクの知っている限り、
去年までの
一般的な
金色になったボクの
同じように変形するという可能性は確かにありそうだ。
「ちょっと試してみます……」
ボクは半球状の自分の
「(
と、刀のような形状に変化するイメージで強く念じてみる。
しかし何も起こらなかった。
刀身が
「うーん……、ダメみたいですね……」
ボクは首をかしげて言う。
「そうか……。
可能性はありそうだと思ったんだが……」
と、
「は~い!
そろそろ最後のあいさつするわよ~!
と下井先生の声が
ボク達は小走りで下井先生と美安先生の前に集合し、
3年生達は下井先生と美安先生の横に並んで立つ。
下井先生の指名で3年生が順番に最後のあいさつを済ませると、
今度は新しい部長であるボクと
新しい副部長である頂さんのあいさつの番だ。
ボクは、
「3年生は、これから高校受験という
大きな
ぜひその
そして、これから先も
ボク達と過ごした日々を忘れないでください!
短い間でしたが、ありがとうございました!」
と
深々と頭を下げた。
頂さんもあいさつを済ませると、最後に
1、2年生が寄せ書きをした色紙、
全員の集合写真の入ったフォトフレーム、
そして今年は頂さんの発案で花束を
3年生へのプレゼントとして
頂さんからプレゼントを受け取った
「頂ちゃーん……!ありがとー……!
他の
と最後に1、2年生の全員と
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