27回戦 新人戦-6
新人戦2日目。
天気は昨日に引き続き、快晴。
今日はミックスダブルスの試合が行われる日だ。
昨日と同じ場所にブルーシートと荷物で
試合がすぐにあるペアはウォーミングアップに向かい、
そのペアのもう片方や試合も
思い思いに過ごし始める。
昨日と
第16シードで1回戦が無いボクと
第16アースの1試合目の
ボクが立ち上がって大会本部に向かおうとすると、
「ムロさん。
と
「えっ?本当に?」
ボクは
「じゃあお願いしちゃおうかな……?」
と頭をかきながら、その申し出をありがたく受ける。
「(
本当に良くできた
ボクが思っていると、
「絶くん、私も!
私も
と声がした。
絶のペアで、同じ2年生の頂さんだ。
「本当!?助かるよ!ありがとう!」
絶はニコニコしながら、頂さんにうなずく。
頂さんは、照れたような顔をして少しうつむく。
赤いプラスチック製フレームのメガネをかけていて、
見た目的にはあまりスポーツが得意そうには見えない
細い手足と身体つきでありながら、
一番の火属性の
団体戦でも元々レギュラーだった彼女が、
部内
絶のペアの座を見事に射止めたというわけである。
「
と頂さんが
「はい。参りましょう」
と返事をして、2人で連れ立って大会本部のほうへ歩き出す。
頂さんはどうやら絶に気があるらしく、
ライバルなはずの
輪をかけて仲良くなろうと画策している様子だ。
「(まあ悪い子じゃないし、
絶相手だとライバルも多いだろうけど
部活の後に居残って自主的な
レギュラーの座を勝ち取ったことを知っているボクとしては、
どちらかと言えば
当然のように、
さて、各アースでミックスダブルスの試合が始まった。
そう。
なんと
だが、
『
と言っていて、
ちょうど4月から部活に行っていなかったボクは、
まだ
部活中に使っていたのは水属性が多かったように
まだあどけなさというか幼さが残る感じの中性的な見た目で、
よく女の子に
最初のほうこそ朝練には参加していなかったが、
やる気もあるようだ。
相手
ピー!と
「ゲーム!木石、
とスコアがコールされる。
「いいぞ!いいぞ!
行け!行け!
もう1本!」
とボクは
「(
ボクは少し安心して、チラリと第16アースのほうの様子も見てみる。
第16アースで現在プレイ中の試合の勝者が、
ボクと
「(おや……?)」
第16アースで
何やら険しい表情をしているのがボクの目に入った。
「(何かトラブルかな?)」
とボクは、しばらく第16アースの試合の様子を観察してみる。
しかし、特に試合の進行に問題は無いようだ。
「(一体何だろう……?)」
ボクが思っていると、
ピー!と
「
とスコアがコールされた。
「いいぞ!いいぞ!
行け!行け!
もう1本!」
ボクは再び
○~○~○~○~○~○~○~○~○~○~
「どうかしたの……?」
第16アースの試合が終わって、アースから出て来た
ボクは歩み寄って声を
と、
「あっ……、
と軽く首を横に
先ほどの険しい表情はもう無く、いつもの
だがボクは、
「もしかして、昨日の疲れがまだ残ってる?」
と心配して
昨日の
それだけたくさんの試合数をこなしていたからだ。
だが
「いえいえ……、あのドリンクも飲んでましたから……。
本当に
とニコリとしながらうなずく。
「そう……?それならいいけど……」
ボクは、それ以上は何も言わないでおく。
「(
と納得して。
ボクと
プロテクターを
○~○~○~○~○~○~○~○~○~○~
ピー!と
「ゲームセット!ウォンバイ木石、本能!
と試合結果がコールされる。
ボクと
それぞれ頭のプロテクターを脱ぎ、
「ありがとうございました」
と
「(練習でもそうだったけど、風属性の
ボクは内心、かなり興奮気味だった。
真空のではあるが、立派な
真空
ボクの
「
勝てたけど、なんかアドバイスとか改善点とかあったら……」
とボクは言いながら
頭のプロテクターを
険しい表情で
その顔色は
「ど、どうしたの!?」
ボクは言いながら、右手の
熱はそんなにないようだ。
が、ボクはそうしながら1つ思い至った。
「もしかして、
大会の4日前に
だが
「いえ……、本当に
と、まだうわ言のように言う。
だが、どう見ても立っているのがやっとという感じだ。
先ほどまで試合をしていたのが信じられないぐらいである。
「大丈夫じゃないよ!
そう
そんなことを気にしている場合ではないのは明白だった。
「キャッ!」
と
特に
いや、だんだん顔が赤くなってきた。
「(熱まで出てきたのかもしれない……!)」
ボクは、そのまま小走りでアースを飛び出すと、
「(なんて軽いんだろう……!
こんな女の子に無理させて……!
ボクは大バカ
ボクは心の中で、自分の頭をポカポカ
幸い、下井先生が持っていた救急箱に、
それを飲んで横になった
ボクは、それを見てようやく一安心した。
試合のほうは、ボクと
絶と頂さんのペアは、なんと優勝。
絶がシングルスと合わせて2
○~○~○~○~○~○~○~○~○~○~
「ワタクシとしたことが、体調管理をおろそかにして……。
本当に申し訳ございませんでした……」
夕日で赤々と染まった
暗い顔で
「気にしないで。
本番は中総体だと思って、切り
ボクは
「はい……!」
そう返事をした
やる気と
○~○~○~○~○~○~○~○~○~○~
絶、
「(あれがきっと……、
ボクは自室で
「(『転んでもただでは起きない』
と言うやつだろうか……)」
思いながら、ボクは自分自身の心の変化にも気づいていた。
「(1年生の時にペアだった出来田さん……。
とても心乱れていた……。
ボクは天井をにらんだ。
「(でも、今は
本番は……!
決戦は……、中総体だ……!)」
ボクは両の
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