63回戦 全中-2
翌日。
それぞれ作ったフルーツポンチのようなものを食べている絶と
美安先生はコーヒーを飲んでおり、ボクのほうはソフトクリームを食べている。
いよいよ全中の本番1日目、
絶と
絶と
いつも通りの
特に絶とは同じ部屋に
改めて
変形する黒い
「通用するかは分からないけど、1つ良さそうな戦法が思い
とアゴに手を当てながら自信ありげな表情で言っていたので、
これはもしかするともしかするかもしれないと期待せずにはいられない。
「(一方でボクのほうも……)」
ボクはそんなことを思いながら、自分のスマホでインランを起動する。
その様子に気づいたのか、
「
とボクに声を
「うん……」
ボクはそれに軽くうなずきながら、
『
あのあと
それによるとあの子も青い
モンスターに
その時のことは無我夢中であまり覚えていないそうだけど、
自分の
命令するような気持ちだったって話だ』
ボクはこのメッセージを読んで、ある出来事を思い出していた。
そう。
県中総体の時に
タッドペルマー達に
「(あの時……、きっとボクはこの金の
だからタッドペルマー達をやっつけることができたんだ……!
その方法がもし分かれば……!)」
と、
そんなことを考えていたボクの横を通りかかった人物が、ふいに
「あっ……!?
と声を上げた。
ボク達は声の主のほうを
そこにいたのは、ベーコンとレタスのサンドイッチを乗せた皿を持つ、
明るめの
「あっ!?複本さん!?」
絶が
なんと、県中総体の
「久しぶり。
同じホテルだったんだね」
複本選手がそう言ったので、ボク、絶、
「お久しぶりです。」
と口を
だが、複本選手の様子は何だかおかしい。
どこかぎこちないような笑顔を
顔色もあまり良くなさそうだ。
絶もそれに気づいたのか、
「
調子が悪そうですが……」
と少し
「やっぱり分かるかい?
実は
ハハハ……」
複本選手は、そう言って苦笑いのような表情になる。
「(あー、なるほど……)」
ボクは心の中でそれにうなずいた。
絶と
ゆめぼしに乗るまではそんな感じだったからだ。
「もし
と複本選手が続け、ボク達を
ボクはすかさず
「もちろん
ね?
と絶、
「もちろんです」
「はい、構いませんわ」
「お前達が良ければ構わんぞ」
絶、
複本選手はパッと明るい表情になり、
「本当かい!?ありがとう!」
と頭を下げてから、
「それじゃあ食事が終わったらすぐロビーに向かって合流させてもらうよ!
また後で!」
と続け、いそいそと自分のテーブルに
○~○~○~○~○~○~○~○~○~○~
ロビーで複本選手、
会場が近づくにつれ、
選手や観客であろう団体や車なども増え、
「(ここか……!)」
『
会場の正面口にボク達は
と、その時
「ゲッ!?」
と横から大きな声がした。
ボク達は声の主のほうに
「まあっ……!?
そう。
そこにいたのは、
ボサボサとした長めの
クルクルとした細かいパーマがかかったコゲ茶の
そして付き
「前立さんと
ボクも口に出すと、
思わずバッ!と頭を下げる。
「!?」
前立選手と
きっと急にボクが頭を下げたので伝わらなかったのだろう。
だが、あの県中総体の決勝戦の時、
前立選手は完全に気を失ってしまっていて、
その後の
危険なあの
ボクはずっと面と向かって謝罪したかったのである。
しかし、ボクが頭を上げて
「決勝戦の時は本当に……」
と口を開くと同時に、
「うるせぇっ!
と前立選手が大声で
「っ……!?」
ボクは
「何のつもりか知らねぇが、あの時のことを思い出させるんじゃねぇ!」
前立選手はボクをにらみつけながら顔を真っ赤にして、
「てめぇには、オレ達の新技
『エレクトイオンディザスター』できっちりリベンジさせてもらうからなぁ!?
絶対に
と右手をピストルのような形でボクの顔に向け、
「行くぞぉ!」
と
スタスタと足早に去ってしまった。
謝罪しそびれたボクと他の面々は、ポカーンとしてその場に取り残されてしまう。
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