52回戦 合宿-4
そこからの試合は、
どちらもホイッスルが鳴るとほぼ同時に飛び出してジャンプし、
パイルスパイクを
精度は、ほぼ
ボクはパイルスパイクを
天賀選手は
1ゲーム目は、
ボクが前転で
すぐさまポイントを取り返されてしまい、
2ゲーム目も、最初の1ポイント目は、
天賀選手がガードに成功したため取られてしまったものの、
2ポイント目はボクが
そこでボクは、あることに気づいた。
色葉選手はどうやら、
色葉選手から見て左側にターゲットが移動すると、
あまりうまく合わせられないらしい。
「もしかして、
前に左手を
左側のほうが
とボクが
「言われてみれば……、そうかもしれませんわ……」
と
そこからボクは、色葉選手がジャンプするまでは
色葉選手がジャンプして頂点に達すると、
色葉選手から見て左側に向かって
ズザッ!と素早く移動してみたりゴロッ!と横転してみたりした。
結果は、どちらも
3ポイント目と4ポイント目も
試合はタイブレイクに
だがここで、2つ問題が起こった。
「無理するな。
最後までは、とてももたないだろう?」
と天賀選手が心配そうに言うと、
「勝手に……、決めつけ……、ないでよ……。
いいところ……、なんだから……」
と色葉選手はゼエゼエしながら答える。
「
とボクが
「正直……、かなり……、キツイ……、ですわね……」
と
そう。
パイルスパイクを
毎ポイントジャンプしている2人の体力が限界に近いのだ。
「(そして、この気温……)」
ボクはサンサンと降り注ぐ太陽をチラリと見上げて、顔をしかめる。
季節は8月。
さらにボク達は、それなりに重量のあるプロテクターを全身に装着している。
ただ
そしてもう1つの問題。
「
ボクが
「次はまだ……、
その次は……、間に合うかどうか……」
と
そう。
真空
ボクと
真空
こんな風に真空
「(以前に
1分間に3ブロック程度という話だった……)」
ボクは考えを
消費したブロックから順に回復していくものなのだ。
つまり、最初に加速する火球で
まず火球の
次に
真空
そしてホイッスルと同時にパイルスパイクを
ポイント間のスタンバイエリアへの移動を
1ポイントあたり20秒程度しか経過していない。
つまり、
たまたまボクが連続で
色葉選手はボクの動きに合わせて修正してくるはずだ。
タイブレイクの4ポイントをそのままスムーズに取れるかというと、
そう上手くは行かないだろうと思われた。
ポイント間に相談しているフリをして時間を
あるいは公式戦ではないので、
『試合中に飲むことをルールで禁止されている
とも考えた。
しかし、『実力を見せてもらう』と
本番の試合を想定するべきな気がする。
「あまり良い案じゃないかもしれないけど、
次のポイントからはパイルスパイクをすぐに
時間を
ボクは
「そうですわね……。
1ポイント毎に1分程度かけることができれば……。
ですが、何か手がございますか……?」
ようやく少し息を整えた
ボクはそれにうなずきながら、
「うん……。
考えたんだけど、
色葉選手を
ボクの前方に火球を
と答える。
「なるほど……。
障害物として火球を使うイメージですわね……?」
そう。
火球と真空
ぶつかればお
色葉選手のパイルスパイクに合わせてボクの前方に火球を
真空
するかもしれない。
「最初のパイルスパイクを外させさえすれば、
その後は加速する火球で色葉選手を
天賀選手を
ボクは
少し顔を
「いいえ……。ありがとうございます……。
今できる最善手だと思いますわ……。
それで行きましょう……」
ボクと
それぞれスタンバイエリアに入ると、
ピー!と
すかさず色葉選手はダッ!ダァン!とジャンプするが、
同時に
「!」
色葉選手の顔が、わずかに
ボクは
シュバ!
「!」
色葉選手がパイルスパイクを
だが、ボクの身体は無傷だ。
「(外した……!)」
火球を
単純に
色葉選手の
パボン!
今度は
「この……!」
ビュオ!
色葉選手が、強風で火球の
すかさず
シュバン!
「くうっ……!」
ピー!と
「
とスコアがコールされる。
「ナイスショットー!」
「ありがとうございます!」
ボクと
「いいぞ!いいぞ!
行け!行け!木石!
もう1本!」
とウチの
「いい感じだね。
これで行けそう?」
ボクが
「はい……。
次も……、これで……、行きましょう……」
「すまん……」
と天賀選手が色葉選手に謝ると、
「平気……。
ハナから……、期待してない……。
それに……」
と色葉選手がゼエゼエしながら言い、
続けて
「次は……、あれ……、やるから……」
と天賀選手に言った。
天賀選手は、
「!
……止めはしないが、
と少し
「仕方ない……、でしょ……?
強敵……、なんだもの……」
色葉選手は答えた。
「何か
ボクは色葉選手のほうを見つめる。
「そのようですわね……」
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