25回戦 新人戦-4
「やったね!ムロくん!」
「まずは初戦
アースから出たボクに、絶と
その様子を見ている周りの観客は、ザワザワとしている。
どうやら、2人が本能兄妹だとバレてしまったようだ。
「(あっ……。
こんなところ見られたら、ボクまで強いと
ボクの
とボクは
「(まあ、それでもいいかー……)」
と思い直した。
「(他の誰に何と思われようが、ボクはボクなのだ……)」
と。
「2人共、
なんて言うか、勇気が出たよ」
ボクは2人に向かって、素直に感謝の言葉を口に出す。
「それなら良かったですわ」
「大会って、
重要なところあるからね」
絶もニコニコして言った。
「兄貴!お
遠くから
「(おっ?
ボクは思い、
「
と声を
自分も試合が近かったので、
そして、学生の
負けた選手側がそのアースで次に行われる試合の
いわゆる『負け
つまり、
1回戦を勝利したに
「当然!」
「最初のほう観てたけど、いい感じに
ボクは、うなずきながら言う。
「お!?観てたの!?オレの勇姿!」
立は大げさに言いながら、さらに胸を反らす。
鼻高々という感じだ。
『
相手のガードをかいくぐる位置で改めて
そうすることで、通常ならガードされてしまうような
特にペナルティが無いことを利用したトリッキーなテクニックであり、
ただし、一時的とはいえ
相手に読まれてしまえば
自分がやりやすい
また、ミックスダブルスの場合は、
その
メリットとデメリットを持った、まさしく
試合中に何度か
それを逆手にとって利用するテクニックとして、
ボクが
「実戦で
絶が
「お兄様は
「(ボクとシングルスで対戦した時に、
絶も
あれで『ちょっと苦手』なのか……)」
絶と
「(あんまり
と若干心配なボクであった。
○~○~○~○~○~○~○~○~○~○~
さて、次に
シードである
パボン!
パボン!
立て続けに加速する火球を
1ポイント目、2ポイント目と連取すると、
パボン!
と3ポイント目も危なげなく決めた。
ピー!と
「ゲームセット!ウォンバイ本能!3-0!」
とスコアをコールする。
何もできなかった相手と
アースの真ん中の『*』マークの上で
「お
ボクは、アースから出て来た
「ありがとうございます。
まあ、当然でしてよ」
「ウォーミングアップは、もうよろしいんですの?」
とボクに
「うん。ボクはいつでも行けるよ。
そろそろ来るんじゃないかな?」
ボクはうなずいて、トイレのある方向をチラリと
ボク、
「あの……、ムロさんさえよろしかったらなんですけど……」
と、急に
おずおずと円柱状になったピンクの水玉
「お?何これ?」
ボクは言いながら受け取って、
中にはラベルの
ペットボトルの中には、白っぽく
ペットボトルの表面には、『
「ワタクシ達の両親が作ってくれてるスポーツドリンクなんですの……。
お口に合うとよろしいんですが……」
と
「あっ!
ワ、ワタクシは別のを持っていて、
そちらには口を付けたりはしておりませんから!
ご安心なさって!」
と真っ赤になりながら、
「あっ!
な、なるほどね!
ありがとう!」
ボクもつられて
「自家製なんてすごいね!
せっかくだから飲んでみるね!」
と、その場でいそいそとボトルのキャップを外して飲んでみた。
「ゴックン。
あっ、酸っぱい味なんだね。
ゴックン。
うん、おいしい。
ボクは2口ほど続けて飲んで見せ、素直に感想を口に出す。
「そうなんです……。
クエン酸とアミノ酸入りですから……。
1試合目の
と
「お口に合ったなら良かった……。良かったですわ……」
と
ボクは、その反応が何だか
と、
「ムロくん!
と絶の声がした。
ボクと
絶が右手を大きく
「あっ。
「お、お兄様!シーですわよ!」
ボクは、それを見てまた『?』マークを頭の中に
「分かってる分かってる。
いやあ、ボク達の両親のお手製のドリンクだからなー。
きっと
絶がボクの
「そうだね。
……あっ。
お返しに明日ウチからも何か持って来ようか?
果物とか……」
とボクは思いついて言うが、それを聞いた絶は、
「えっ!?
い、いや!
となぜか
「そ、そうですわ!
そんなもの全然大したアレじゃございませんから!
お返しなんてとんでも!
お気持ちだけで!」
と
「そう?ありがとね」
とボクは素直に受け取るだけにしておく。
それを聞いた2人は、胸をなでおろしたような感じで、
顔を見合わせた。
いや、
絶は頭をペコペコと下げている。
ボクは何度目かの『?』マークを頭の中に
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