56回戦 合宿-8
「ムロさん!」
「ラジャー!」
パボン!
シュババ!
加速する火球とショットガンで同時に
ピー!と
「お前達もなかなかサマになってきたな!
だが、まだようやく後ろ足が生えてきたって程度だよ!
もっと今みたいにペア同士で声を
練習の様子を見守ってくれている
パンパンと
『キング
いわゆる
片方のグループは
アースのセンターより
もう片方のグループは
アースの
そこから有利なグループは確実にポイントを
不利なグループは対等な
というのを目標にプレイする練習メニューである。
対等な
上手な選手達にとっては不利な
逆に下手な選手達にとっては一方的にやられてしまうばかりだったり
ということが往々にして起こりやすいので、
こういった練習方法はかなり有効だと言えそうだ。
ボクと
入れ
代わりに絶と頂さんが
「さあラスト1組だ!
終わったらお待ちかねの筋トレだよ!」
と再び
なぜかボクと
「?」
ボクと
「部長のお前のほう。
ムロ……、いや
筋トレの後、食堂に行く前に館長室まで来な。
2階にある
「ボクですか?
はい、分かりました」
ボクは軽く首をかしげながら答えた。
「(なんだろう……?)」
○~○~○~○~○~○~○~○~○~○~
「昨日の筋トレで筋肉痛のとこにさらに筋トレって、
かなり痛いけどなんか効いてる感じするね!」
「オレはそろそろ限界……。
早くメシ食って
筋トレしながら絶と申清が話している。
ウェイトトレーニングの器具が並んだ部屋で
各自が好きな器具を選んで自主的に行う形式ではあるのだが、
専門のコーチらしき
体操選手を思わせるようなハツラツとした見た目で
ハキハキしたしゃべり方の男性が
「はい、もうあと5回やってみましょうね!」
とか、
「少しウェイト増やしてみましょうね!」
とかトレーニング中に声を
意外とよく見ているらしくて、
何とかこなせる程度の負荷を提案してくるので、
ボクは内心でかなり
部屋の
男子の何名かは、それを
負荷を
より力の入れやすいフォームが自然と身につくんだそうだ。
「じゃあそろそろ晩ご飯の時間だから、
各自キリのいいところで切り上げて食堂に移動しましょうね!」
「
ボクは絶と申清に、
「ちょっとボク、館長室に呼び出されてるから、
と伝える。
「えっ……?
それはいいけど……」
と絶が
「呼び出しって何やったんだお前……」
と申清も
そのリアクションを見たボクも
「えっ……。
いや、何もやってないよ……?」
と若干不安になってしまう。
「(そうか……。
さっきは何とも思わなかったけど、
○~○~○~○~○~○~○~○~○~○~
「失礼しまーす……」
館長室のドアをボクがおずおずと開ける。
事務所と応接室が
「よく来たね。待ってたよ」
事務机のほうでA4サイズの書類に目を通していた
「腹が減ってるだろうに呼び出して悪かったね。
まあ、すぐ済む話だからそこに座っておくれ」
と
アゴで応接セットのほうにあるソファみたいな革張りのイスを示す。
「はい……」
ボクは
ギクシャクした感じでゆっくりとイスまで移動して座る。
「それで、お話って何でしょうか……?」
イスに座わったボクが
「ちょっと待っておくれ……。
これでよし」
事務机から立ち上がって移動し、ボクの向かいにあるほうのイスに座った。
そして
応接テーブルに視線を落とした後、
「単刀直入に聞こう。
好きな方向に同時に
とボクのほうを
「えっ……?」
ふいに言われた質問に、ボクが思わず口に出すと、
「とぼけなくていいよ。
練習中に何度かやってただろう?」
と
ボクはどう答えるべきか少し迷ったが、正直に
「そうですね……。
ボクの
と答えた。
「やっぱりそうか……」
「てことは、
と
「キング……?
キングが何か……?」
ボクは話がよく見えずに
「これを……、見てくれるかい……?」
何度かタップしてからボクのほうに差し出してきた。
「……これは!?」
スマホを受け取って画面を見たボクは
そこには、真っ青な
「去年、
「それで先月ここに帰ってきた時に
『あの青い
『
ってさ」
と言うと両目をつぶり、
「『養子にしたいって
とも言ってたね。
ハハハ……」
と少し
「自在に……、曲がる……」
ボクは
「そこに金色の
『こいつも何か
って思ってたら案の定……。
フゥー……」
と
「(色つきの
そして変形する能力……。
これはまるで……)」
ボクの脳裏には、動画で観た古館
「私も色つきの
だが、これも1つの才能ってやつだろう。
分かってるかとは思うが、その才能を生かすも殺すもお前次第というわけだ。
だから、心しておくことだよ?」
再び
その視線も声も、
ボクに。
ボクの
だがボクは、そこから視線を外してテーブルの上を見ながら言う。
「はい……。
ただ……、その……、1つだけ引っかかることが……」
「……なんだい?」
ボクはそんな
意を決して
「ボクの
と告げる。
「!」
それを聞いた
「それは……、つまり……」
とだけ
ボクも、何も言葉が続かない。
『
自分自身が信じていればいつか開花し、
ボクの頭の中には、キング玉木のあの言葉がよぎっていた。
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