ピタゴラスの折り紙

遠い昔。
まだ数が、整数と小数と分数しかなかった時代。
数学の中心は幾何学だった。

円形都市《コンパス》。
そこに、数学を専門とする機関、図書館《テレリア》があった。
ジオは図書館の司書として、日々を送っていた。

ある日、図書館に少年のキセが、入館試験を受けにやって来る。
ジオは一度は追い返すが、キセは答えと共に戻ってきた。
その熱意と答えであった折り紙に心を動かされ、入館試験を実施する。
同時期。
謎々《エニグマ》の名前で、数学の問題が出題がされた。
それは、門外不出のはずの、図書館の知識に由来するものだった。
知識が盗まれたのか。あるいは、図書館に匹敵する実力の持ち主か。
それを確かめるため、図書館は謎々に対し出題を行っていく。
謎々は想像を越える回答と共に、円周率の問題を出題する。…続きを読む