詩について

「詩を書こう」と思ったのは、小学生の時でした。


 学校の図書室で、たまたま手に取った、まどみちおさんの詩集。子供向けになっていて、動物園にいる動物のことを書いていました。別に何も考えることなく読み進めると、一つの詩に物凄い驚きを感じたのです。なんていうか、それこそ、雷にでも打たれたような……。  


 

    シマウマ


 

 手製のおりにはいっている



これだけの詩でした。これだけの言葉で、シマウマを表現してしまうことに驚いて、 この感性に物凄く感動したのを覚えています。


 それと同時に、

「私も詩を書いてみたい!」

という強い気持ちが現れてきました。

 

 私は、学校の教科書で習った、詩の書き方を参考に、幾つか作品を書きました。

 先生に見せると、国語の先生は、 

「う〜ん……」

と、困ったような顔。

「君は、自然を見て、本当にこう思うの?

こう思わなくちゃ、って思ってないかな? ……作ってるんだよね。詩って、そんな感じのものではないんだけどなあ」

と言われました。


 確かに。まどみちおさんの詩は、「作ってる」って感じじゃなかったよなあ。


 詩って難しいや。


 こうして、私は一度、詩を書くことを諦めました。



 本当に書き始めたのは、中学2年生。所謂いわゆる中2病というか(笑)。


 苦しかったり、辛かったり、切なかったりの毎日だったんですね。小学校6年生から酷い「いじめ」にあい、その頃に好きになった人にまで、そのことで嫌われて……。湧き出てくる気持ちを、毎日、ノートに書き綴っていました。それはやがて、自然に詩の形を取るようになります。


 詩は、作るものじゃなかったんですね。自分が感じたことを言葉で表現することだったんです。



 そこから書き続けること40年?! 数字見て、自分でびっくりしましたが(笑)。


 今は、ふわっと頭の中に降りてくるイメージを、言語化して、心地よいリズムになるよう並べています。ちょっとだけ「作る」という作業もできるようになったようです。

 それでも、怒りや悲しみなんかは、そんな作業する余裕もなくて、そのままぶつけちゃったりもしてるんですけどね。


 ここで公開している『月のうた』という詩集https://kakuyomu.jp/works/16816927860544591864

は、わりと綺麗な言葉だけを載せています。短いので、よかったら、覗いてみて下さいね。



 私にとって「詩」って何なんだろう?


 と考えてみると、生きていくための必須アイテムだったのでしょうか(笑)。


 言語化しなければ冷静になれないことがあったり、言語化したい感動があったり……そんな気持ちを置いておく場所だったのかな、と思います。


 私のライフワークなのかもしれませんね。

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