『囚われる』、囚われていたのは私

 今、連載中の『囚われる』という作品について、少し。

 ネタばらし……にはならないです、多分(笑)。


 このお話にも元ネタがありまして。


 高校生くらいの時だったと記憶しているのですが、何度も何度も同じ夢を見まして。

 それが、この囚われている「曲がり角」だったんですね。詳細図は全く、お話の中の作りと同じでした。


 毎回そこから逃げるんですけど、気がつくと、そこに戻ってるんですよ。全然違う方角に逃げて入った道なのに。さすがにあの川を渡ったら逃げられるだろうと思って逃げたら、いつもの曲がり角を出たところにある「たこ焼き屋台」があって、肩を落とす私。


 まあ、たこ焼きは、さすがにかなりちっちゃく切らないと入らないので、物語の中では、謎肉の屋台にしましたが(そこはまあ本当にネタバレになるので置いといて)(笑)。


 実は、夢の中では、私は、この曲がり角の横にある、お屋敷の周りもウロウロできていて、正面からの様子も見ています。本当に、お城のようなお屋敷でした。


 何回も何回も、歩いていて気付くと「曲がり角」にいて、ずーっとその場所には誰もいなかったのに、ある日突然、そのお屋敷の裏口から老人が出てきて、

「ここからは逃げられんよ」

と言うのです。それで、その老人は、一枚の木の御札を取り出し、

「これを台所の台の上にある型に合わせれば、お前は出られる。でも、誰かに見つかると出られなくて戻されるからな」

と言われます。


 私は屋敷の中に入るのですが、中がとにかく暗い。台所、どこにあるのかわからない。

「ここ開けたらあるかな?」

と思って開けた扉は、サンフランシスコの海に繋がってて、いやいや、サンフランシスコに行ってどうする……と、冷静に閉め、

最終的に、台所の赤い土で作られた、妙な形の台にあった型に、木の札を入れました。


 その後のことは、さっぱり覚えてないのですが、とりあえず、その夢は全く見なくなりました。


 世の中は不思議に溢れておりますな。


 それをモチーフに作ったお話なのでした。

 以上、「ほんとうにあった、あなたの知らない世界」をお送りしました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る