PCがくれたもの(前編)
私の父は、新しい物の好きな人でした。私達姉弟がまだ小さかった頃、当時最先端の家庭用のテレビゲーム、ブロックくずしやバスケットボールといった単純なゲームのできるもの(わかる人いるかな??)で、ファミコンなんかよりずっとずっと前のゲームなどを買ってくれていました。
その後、自分が仕事で使いたいし、私がPCを覚えられたらいいからと、とうとうPCを買ってしまいます。
当時、本体だけで13万円弱。キーボードとモニターは父が買うので、お前は本体分を出せ、と。中学生に13万出させる親。まあ、お年玉は全く使わず貯金してた子供だったので、買えない値段ではなく、父親の言われるままに購入いたしました。どう考えても、キーボード+モニターの方が安いだろと思うのですが……。
当時のPCは、OSなどございません。電源入れたら、青一色の画面にカーソル1つチカチカしてるだけ。そこから、全部プログラムを入力して初めて、線が引けたり、丸が書けたりするというもの。これを学習しろと? まだ英語も大して習ってないのに?
当時、私が使っていたプログラム言語はBASICといいました。それを覚えて、プログラムを組み立てていくのですが、何せ楽しくない。私や弟たちは、すぐゲームがしたいのです。なのに、ゲームに辿り着くまでにプログラムを1ページ分くらい打ち込まないといけない。ちょっとでもミススペルがあると起動しない。そして、できるのは、大したことない簡単なゲーム。
毎回プログラム打ち込んでるのを見かねて、父がデーターレコーダーを買ってくれました。フロッピーディスクができる前の保存手段です。最近、フロッピーディスクも知らない子供たちもいっぱいいるらしいので、CD以前、USBメモリよりかなり昔、とでも書いておきましょうか。
とにかく、父の買ってきたPCが、私が覚えたら父に教えて欲しかったようで、どちらかと言えばビジネス用PC。本当にゲームソフトが殆どなかったんですね。で、私が中学2年生頃たまたま見つけてきたアドベンチャーゲーム。表示は日本語なのに、入力しないといけないコマンドが英語。しかも、選択肢じゃない! えー、こんなのわかんないー。と言いながら、姉弟3人辞書を引きながら、なんとか解きましたが。
結局PCは、ファミコンの登場に伴い、その後、もう何年も放置されることとなります。私も、大学時代には、英文タイプライターからワープロと実用的に使えるものにシフトしていき、就職してからも、仕事関係でPCは使っていたものの、企画書を書くのはワープロで十分。それで、ずっと個人のPCからは離れておりました。
PCを勉強し直そうと思ったのは、結婚して、子供が保育園に通い始め、再就職を考えるようになった頃でした。中学から仲の良かった友達に、
「PC、勉強し直せばいいやん。全然やってなかったわけやないんやし。Windowsが入ってから断然使いやすくなってるし。いまどき、そのへんのOLでもワードやエクセルくらい使いこなすぞ? やってみ?」
と言われたのがきっかけでした。
そんなに簡単になってるのかぁ。やってみるかな。そう思って、通信講座で半年学習し、ワードもエクセルもできますよ、じゃあネットもデビューしようかな。と。
びっくりでしたね。何、いつの間に、PCこんなに便利で簡単になってんの??
インターネットデビューを果たし、いろいろ彷徨っているうちに、チャットルームに辿り着きます。こんなこともできるようになったのか〜、と思い、暫く通っておりました。が、当時、ダイヤル回線です。利用料金ハンパない!!一度、うっかり1日半くらい回線繋ぎっ放しになってて、翌月の電話代請求額が5万円以上だった時には、流石に元夫には言えず、4万以上自分の貯金から出しました。
その後、別居してからは、父に、自分で選んだPCを買ってもらい、また、ネットの世界にハマっていきます。何気無く書き込んだメル友募集の欄。次の日起きたら、30通以上返信がきてて、慌てて募集欄から名前を消し、6通くらいだけお返事しました。最終的に3人に絞り込み、メールのやりとり。
その中に、私が文章を書くのが好きなんだったらこれ始めてみれば? と、簡単なHPを持てるサイトを紹介してくれた人がいて、そこから、自分の表現したいことを表現する場所ができました。
そこは、SNSの走りのようなサイトでした。個々で作ったHPではなく、例えば「カクヨム」のような横の繋がりがある場です。その中で仲良くなった人たちも沢山いました。
その中でも一番仲良くなった、友達2人と、3人でリアルタイムで話そう、ということになって、その一人が招待してくれたのが、Yahooチャットでした。
さあ、ここから、私の人生が大きく変わる出来事が起こります。
続きは、後編で。
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