第44話 形容動詞(な行)
よみ,漢字,活用,用例,対語,補記,
【ない】
ないがしろ,蔑ろ,な,「親を蔑ろにする」,,あってもないもののように軽んじるさま,
ないない,内内,な,「内内の約束」「内内に処理する」,,表立てないで密かにまた非公式に事を行なうさま・内密・うちわ,
【なお】
なおざり,等閑,な,「なおざりな練習態度」「子どものしつけをなおざりにする」,,いいかげんにしておくさま・本気でないさま・おろそか,
【なか】
なかだか,中高,な,「料理を中高に盛る」「中高な(の)面立ち」,対語「なかびく」,中央が小高く盛り上がって周囲が低くなっているさま、鼻筋が通って整った顔であるさま,
なかなか,中中,な,「色もいいがデザインもなかなかだ」「具体化まではまだなかなかだ」,,予想した程度を上回るさま・かなりなさま、物事が予想したようには容易に実現しないさま,
なかびく,中低,な,「中低になっている土地」,対語「なかだか」,中央部が低くなっているさま・なかくぼ,
ながめ,長め,な,「平日より長めな営業時間」「バットを長めに持つ」,,いくらか長いさま・普通より長いさま,
【なけ】
なげ,無げ,な,「事も無げにやってのける」,,無いように見える,
なげやり,投げ遣り,な,「投げやりな態度」「商売を投げやりにする」,,物事をいいかげんに行なうさま・成り行き任せにするさま,
【なこ】
なごやか,和やか,な,「和やかな過程」「話し合いは和やかに進んだ」,,ものやわらかなさま・穏やかなさま,
【なさ】
なさけしらず,情け知らず,な,「情け知らずな(の)悪党」「情け知らずな(の)仕打ち」,,思いやりのないさま・人情を心得ないさま,
【なた】
なだい,名代,な,「名代な色事師」,,名前を知られているさま・評判の高いさま,
なだらか,なだらか,な,「なだらかな坂」「なだらかな口調」,,傾斜の度合いが緩やかなさま、物事が滞ることなくす進むさま・円滑なさま・滑らか,
【なな】
ななめ,斜め,な,「少し斜めを向く」「帽子を斜めにかぶる」「日差しが斜めになった」「ご機嫌が斜めだ」「世間を斜めに見る」,,垂直や水平面や正面に対し方向がずれているさま・はす・はすかい、日や月が中天を過ぎるさま、普通とは違っているさま・正常でないさま,
【なま】
なま,生,な,「魚を生で食う」「搾りたての生の牛乳」「国民の生の声」「生の舞台」「生の番組」「生を言う」「お生な子」,,,食物などを煮たり焼いたりしていないさま・加熱や殺菌などの処理をしていないさま、作為がなくありのままであるさま、演劇や演奏などを直接その場で見たり聞いたりするさま・録音やロンガなどによらないで直接その場から放送するさま、「なまいき」の略,
なまいき,生意気,な,「生意気な口をきく」,,自分の年令や能力を考えず出すぎた言動をするさま,
なまぎき,生聞き,な,「注意を生聞きにしていて痛い目にあう」,,いいかげんに聞くさま,
なまくら,鈍ら,な,「なまくらな包丁」「なまくらな体」「そんななまくらなことでどうする」「なまくらな芸」,,刃物の切れ味が鈍いさま、力が弱いさま・意気地がないさま、腕前が未熟なさま,
なまじ,憖,な,「なまじなことでは承知しまい」,,完全ではなく中途半端であるさま・いいかげん・なまじっか,
なまじっか,憖っか,な,「なまじっかな知識をひけらかす」,,「なまじ」に同じ,
なまなか,生中(生半),な,「なまなかな心得では太刀打ちできない」,,中途半端なさま・どっちつかず・なまはんか,
なまにえ,生煮え,な,「生煮えな(の)じゃがいも」「生煮えな(の)知識を振り回す」「生煮えな(の)返事」「対応が生煮えだ」,,十分煮えていないさま、未熟なさま、どちらともはっきりせず煮え切らないさま,
なまはんか,生半可,な,「生半可な知識」「生半可な気持ちではダメだ」,,十分でなく中途半端であるさま・いい加減であるさま,
【なみ】
なみだがち,涙勝ち,な,「悲しみに暮れて涙がちな時を過ごす」,,よく涙を流すさま・泣くことが多いさま,
なみたいてい,並大抵,な,「この悪天候に出航するとは並大抵でない」,,(多く打ち消しの語を伴って)普通に考えられる程度であるさま・ひととおり,
なみなみ,並並,な,「並並ならぬ苦労」「並並でない才能」,,(多く打ち消しの語を伴って)なみひととおりであるさま,
なみはずれ,並外れ,な,「並外れな(の)才能」,,なみはずれているさま,
なみひととおり,並一通り,な,「並一通りな(の)努力では成功できない」,,ごく普通であるさま・通り一遍であるさま,
【なめ】
なめらか,滑らか,な,「滑らかな肌触り」「滑らかな話しぶり」「両国間の折衝が滑らかに運ぶ」,,物の表面にでこぼこがなくてすべすべまたつるつるしているさま、物事がすらすらと滞りなく進むさま。「すべらか」と同字,
なれっこ,慣れっこ(馴れっこ),「起こられるのは慣れっこになっている」,,すっかりなれているさま,
【にお】
においやか,匂いやか,な,「匂いやかな春の気」,,よい香りが立ち込めているさま・かぐわしいさま・におやか,
【にか】
にがて,苦手,な,「あいつはどうも苦手だ」「数学の苦手な人」,,扱いにくく嫌なさま・なかなか勝てなくて嫌なさま,
【にき】
にぎやか,賑やか,な,「賑やかな会合」「店がたくさん出来て賑やかになる」「賑やかな笑い声」「賑やかな人」,,人などが多く集まって活気のあるさま、物音や人声などが盛んに聞こえるさま・よくしゃべったりして陽気なさま,
【にく】
にくあつ,肉厚,な,「肉厚な肩」「肉厚のメロン」,対語「にくうす」,肉の分厚いさま・厚みがあるさま,
にくうす,肉薄,な,「肉薄な(の)板」,対語「にくあつ」,肉が薄いさま・厚みの少ないさま,
にくぶと,肉太,な,「肉太な(の)力強い字」,対語「にくぼそ」,文字の線が太いさま,
にくぼそ,肉細,な,「肉細な(の)活字」,対語「にくぶと」,文字の線が細いさま,
【にこ】
にこやか,和やか(柔やか),な,「にこやかなあいさつを返す」,,微笑みを浮かべるさま・ニコニコしているさま。「和やか」は「なごやか」と同字。かな書きに統一,
【にた】
にたりよったり,似たり寄ったり,な,「似たり寄ったりな(の)出来栄え」,,互いに優劣や差異などがほとんどないさま・大同小異・どっこいどっこい,
【にわ】
にわか,俄,な,「天候がにわかに変化する」「にわかには信じがたい噂」,,物事が急に起こるさま・突然,
【にん】
にんげんなみ,人間並み,な,「人間並みの暮らし」「ロボットが人間並みに働く」,,世間一般の人と同じような程度であるさま・人並み、人間でないものが人間と同じであるさま,
【ぬる】
ぬるぬる,ぬるぬる,な,「ヌルヌルになる」「ヌルヌルな手触り」,,粘液状のものがついたりしていてすべりやすいさま・またそのような感じで不快なさま,
【ねあ】
ねあか,根明,な,「,根明な(の)お調子者」,,根っから性格が明るいさま,
【ねく】
ねくら,根暗,な,「人付き合いの悪い根暗な(の)人」,対語「ねあか」,根っから性格が暗いさま,
【ねこ】
ねごろ,値頃,な,「値頃な(の)品」「値頃感」,,品物の値打ちに相応した値段であるさま・買うのにちょうど手頃な値段であるさま,
【ねふ】
ねぶそく,寝不足,な,「寝不足な(の)頭で試験に臨む」,,寝足りないさま・睡眠不足,
【ねほ】
ねぼう,寝坊,な,「寝坊な(の)人」,,朝遅くまで寝ているさま,
【ねん】
ねんいり,念入り,な,「念入りな仕上げ」「念入りに掃除する」,,細かい点にまでよく気をつけて物事をするさま,
ねんごろ,懇ろ,な,「懇ろに弔う」「懇ろなもてなし」「懇ろな間柄」,,心がこもっているさま・親身であるさま、親しいさま・とくに男女の仲が親密であるさま,
【のつ】
のっぺらぼう,のっぺらぼう,な,「のっぺらぼうな(の)顔」「のっぺらぼうでだだっ広い土地」,,一面に平らで凹凸がないさま・なんの変化もないさま,
のっぽ,のっぽ,な,「のっぽな(の)少年」,,背が非常に高いさま,
【のと】
のどか,長閑,な,「のどかな正月気分」「のどかな口調」「のどかな小春日和」,,静かでのんびりとして落ち着いているさま、空が晴れて天候が穏やかなさま・うららかなさま,
のどやか,長閑やか,な,「のどやかな春の日」,,「のどか」に同じ,
【のひ】
のびのび,延び延び,な,「雨で試合が延び延びになる」「返事が延び延びになる」,,物事が何度も先に延ばされるさま,
のびやか,伸びやか,な,「伸びやかな声」「伸びやかな性質」,,心が穏やかで生き生きしているさま,
【のほ】
のほうず,野放図(野方図),な,「野放図な正確」「野放図に振る舞う」「野放図な暮らし」「野放図に金を使う」,,人を人とも思わない図々しい態度・横柄なさま・傍若無人、際限のないさま・しまりがないさま,
【のり】
のりき,乗り気,な,「縁談に乗り気になる」「先方から乗り気な返事がある」,,進んでやってみようという気になるさま・気乗り,
【のろ】
のろま,鈍間(野呂間・野呂松),な,「のろまなやつ」,,動作や頭の働きがにぶいさま,
【のん】
のんき,呑気(暢気・暖気),な,「のんきな人」「のんきに暮らす」,,性格や気分がのんびりとしているさま・こせこせしないさま,
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