第16話 動詞(て)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【てあ】

であう,出会う(出逢う),ワ行五段,自動詞,「街角で旧友と出逢う」「帰宅途中に事故に出合う」,,,人や事件などに偶然に行きあう,

であう,出合う,ワ行五段,自動詞,「本流と支流が出合う地点」,,,ある場所で一緒になる,

であう,出合う(出会う),ワ行五段,自動詞,「曲者だ、皆のもの出合え」,,,出て立ち向かう,


であるく,出歩く,カ行五段,自動詞,「夜出歩くのは危険だ」,,,家を出てあちこちと歩く・外出する,



【てい】

ていさいぶる,体裁振る,ラ行五段,自動詞,「体裁振った進物」「体裁振ったものの言い方」,,,外見がよく見えるようにする・見栄を張る・偉そうに見せかける・もったいぶる,


ていする,呈する,サ行変格活用,他動詞,「書を呈する」「苦言を呈する」「活気を呈する」「赤色を呈する」,,,差し出す・また差し上げる・進呈する、ある状態を表す・示す,

ていする,訂する,サ行変格活用,自動詞,「朱で訂する」,,,文字や文章などの誤りを正す・訂正する,

ていする,挺する,サ行変格活用,他動詞,「身を挺して実践する」「困難に一身を挺する」,,,(多く「身を挺する」などの形で)他に先んじて進む・またみずから進んで差し出す,



【てお】

でおくれる,出遅れる,ラ行下一段,自動詞,「スタートで出遅れる」,,,出るのが遅くなる・また活動を始めるのが遅れる,


でかかる,出掛かる,ラ行五段,自動詞,「結論が出かかる」「地平線から太陽が出かかる」,相互「でかける」,,もう少しで出るところである・また一部分が出ている,


てがける,手掛ける(手懸ける),カ行下一段,自動詞,「手がけたことのない仕事」「私の手がけた生徒」,,,自らその物事を扱う、心を込めて世話や指導をする,


でかける,出掛ける,カ行下一段,自動詞,「社用で九州へ出かける」「正装して出かける」「買い物に出かける」「出かけたところに客が来る」,相互「でかかる」,,ある目的地をさして出ていく・出発する・また外出する、出ていこうとする・出ようとする・出かかる,


てかつく,てかつく,カ行五段,自動詞,「ポマードで固めた髪がテカつく」,,,てかてかする・てかてか光る,



【てき】

できあう,出来合う,ワ行五段,自動詞,「二人は既に出来合っている」,,,男女がひそかに情を通じる,


できあがる,出来上がる,ラ行五段,自動詞,「注文した服が出来あがる」「五合ばかり飲んですっかり出来あがっている」,,,すっかりできる・完成する・仕上がる、酒を十分に飲んでいい気持ちに酔っている,

てきす,適す,サ行五段,自動詞,「この水は飲用に適さない」,,,「てきする」の音変化,


できすぎる,出来過ぎる,ガ行上一段,自動詞,「稲が出来すぎる」「私にしては出来すぎた試験結果」「出来すぎた話」,,,作物が必要以上に出来る、普通以上にまた能力以上にうまくいく、話が作り話のようにうまく運ぶ,


てきする,適する,サ行変格活用,自動詞,「子どもに適した映画」「寒冷地に適した作物」「教師に適した人物」,,,ある対象や目的などによく合う、条件などにうまくあてはまる・適合する、それにふさわしい素質や能力がある,

てきする,敵する,サ行変格活用,自動詞,「猛攻に敵する者なし」「衆寡敵せず」「語学では彼に適する者はいない」,,,敵対する・対抗する、つりあう・匹敵する,


できそこなう,出来損なう,ワ行五段,自動詞,「ご飯が出来損なう」,,,出来あがりが失敗する・不完全なものに出来あがる,


できる,出切る,ラ行五段,自動詞,「意見も出きったようだ」,,,全部出る・残らず出てしまう・出尽くす,

できる,出来る,カ行上一段,自動詞,「水たまりが出来る」「ニキビが出来る」「急用が出来る」「出来たことは仕方がない」「当地では柑橘類が出来る」「家庭菜園で出来たトマト」「今年は米がよく出来た」「ダムが出来る」「組合が出来る」「合意が出来る」「支度が出来る」「原稿が出来た」「木で出来た橋」「精巧に出来ているおもちゃ」「よくよくそんな役回りをするように出来ている」「彼は仕事が出来る」「和解に似合わず人間が出来ている」「よく出来る生徒」「出来た仲」「二人は出来ている」,,,今までなかった物事が作られて存在する・新しく物事が生じる・発生する・出現する、作物などがつくられる・収穫物が得られる・生産される、建物や組織などが新しくつくられる・成り立つ、まとまったもの完全なのにつくりあげられる・仕上がる、材料が〜である・作りや構造がそのようである、(結果として)そうするように生まれつく、人格や能力や成績などがすぐれている、男女がひそかに結ばれて親しい関係になる,

できる,出来る,カ行上一段,自動詞,「ロシア語ができる」「できるだけ努力します」,,,それをする能力や可能性がある,

できる,出来る,カ行上一段,自動詞,「運転できる」「拝観できる」「スタートできる」「そこへはお通しできません」「のんびりできる」,,,補助動詞。そうする能力や可能性がある・またそうすることか許される・〜しうる,



【てく】

てくる,てくる,ラ行五段,自動詞,「バスが来ないので駅までてくる」,,,てくてくと歩く,


でくわす,出会す,サ行五段,自動詞,「街角で友人に出くわす」「事故に出くわす」,,偶然に出会う・ばったりと会う・でっくわす,



【てけ】

でける,出来る,カ行下一段,自動詞,「最近子どもが出来た」,,,(多く関西地方で)「できる」に同じ,



【てこ】

てこずる,手子摺る(梃摺る),ラ行五段,自動詞,「いたずらっ子に手こずる」「交渉に手こずる」,,,取り扱いかねてもてあます・手に余る・処置に困る・また解決に手間取る,



【てさ】

でさかる,出盛る,ラ行五段,自動詞,「花見客が出盛る」「白菜が出盛る」,,,見物客などが盛んに出てくる・また季節の野菜や果実が盛んに出まわる,



【てし】

でしゃばる,出しゃばる,ラ行五段,自動詞,「関係ないことに出しゃばるな」,,,余計なことを口に出したり手出しをしたりする,



【てす】

ですぎる,出過ぎる,ガ行上一段,自動詞,「ひさしが少し出すぎている」「赤が強く出すぎるフィルム」「出すぎたマネをする」,,,適当なまた決められた限度を越えて出る、差し出がましい言動をする,


てずれる,手擦れる,ラ行下一段,自動詞,「取っ手の手ずれた古いカバン」,,,何度も手が触れたためにその部分がすれて傷む,



【てそ】

でそろう,出揃う,ワ行五段,自動詞,「候補者が出揃う」,,,出るはずのものが全部その場に出る,



【てつ】

でつくす,出尽くす,サ行五段,自動詞,「話題が出尽くす」,,,出るべきものがすっかり出てしまう,


でっくわす,出っ会す,サ行五段,自動詞,「まずい人と出っくわした」,,,「でくわす」に同じ,


てっする,徹する,サ行変格活用,自動詞,「恨み骨髄に徹する」「眼光紙背に徹する」「家業に徹する」「裏方に徹する」「夜を徹して語り合う」,,,奥深くとおる・突き通る、考え方や態度を貫き通す・そのことにいちずに当たる、全部の時間を経過してある時点に至る,

てっする,撤する,サ行変格活用,他動詞,「人を撤して退く」,,,取り除く・引き払う,


てつだう,手伝う,ワ行五段,他動詞,「大掃除を手伝う」「食糧不足のところへ寒さも手伝って犠牲者が増えた」,,,他人の仕事を助けて一緒に働く・手助けをする・助力する、ある原因の上にさらにそれも原因の一つとなる,


でっちあげる,捏ち上げる,ガ行下一段,他動詞,「手柄話をでっち上げる」「宿題の作文をでっち上げる」,,,ないことをあるように作り上げる・捏造する、なんとか形だけは作り上げる,


でっぱる,出っ張る,ラ行五段,自動詞,「二階の出っ張った家」「腹の出っ張ってきた中年男」,,,外のほうに突き出る・突出する,



【てな】

でなおす,出直す,サ行五段,自動詞,「留守でしたら明日また出直します」「過去を忘れて一から出直す」,,,一度引き返し改めて出かける、最初からやり直す,


てなずける,手懐ける,カ行下一段,他動詞,「猛獣を手懐ける」「部下を手懐ける」,,,動物などをなつくようにする、面倒をよく見るなどして味方に引き入れる,


てなれる,手慣れる(手馴れる),ラ行下一段,自動詞,「手慣れた包丁を使う」「手慣れた仕事」,,,使い慣れる・扱いなれる、いつもしていて慣れている・熟練する,



【ては】

ではずれる,出外れる,ラ行下一段,他動詞,「商店街をではずれた所にある病院」,,,町や村などの中心部を通り過ぎて外れに出る,


てばなす,手放す,サ行五段,他動詞,「捕まえた虫を手放す」「家屋敷を手放す」「娘を手放す」「子飼いの選手を手放す」「手放せない仕事がある」,,,手に持っていたものを放す・手元から放す、所有していたものを人手に渡す、目をかけていた部下や子どもを手元から放す、仕事などを一時中止する,


ではらう,出払う,ワ行五段,自動詞,「営業所から社員が出払う」「商品が出払って在庫切れになる」,,,人や物が全部出してしまう,


でばる,出張る,ラ行五段,自動詞,「道に出張った岩」「本社から出張って指揮をとる」,,,外のほうへ突き出る・出っぱる、仕事などをするためにあるところに出向く・主張する,



【てひ】

てびかえる,手控える,ア行下一段,他動詞,「到着時間を手控える」「著書を数冊手控えておく」「批評を手控える」「ドル買いを手控える」,,,心覚えに書き留めておく、予備として手元に残しておく、物事を控えめにする、相場で売買を見送って様子を見る,



【てま】

てまどる,手間取る,ラ行五段,自動詞,「準備に手間取る」,,,思ったよりも手間がかかる,


でまわる,出回る,ラ行五段,自動詞,「旬の果物が出回る」「偽1万円札が出回る」,,,商品が市場へ大量に出る・その物をよく見かけるようになる,



【てむ】

てむかう,手向かう,ワ行五段,自動詞,「上級生に手向かう」,,,相手に逆らって立ち向かう・腕力や武力で逆らう・抵抗する,


でむかえる,出迎える,ア行下一段,他動詞,「客を駅に出迎える」,,,出ていって迎える,


でむく,出向く,カ行五段,自動詞,「取引先へ説明に出向く」,,,自分のほうから目的の場所へ行く,



【ても】

でもる,デモる,ラ行五段,他動詞,「該当でデモる」,,,デモをする・デモ行進をする,



【てら】

てらう,衒う,ワ行五段,他動詞,「才をてらう」「奇をてらう」,,,自分の学識や才能や行為などを誇って言葉や行動にちらつかせる・ひけらかす,


てらしあわす,照らし合わす,サ行五段,他動詞,「伝票と台帳を照らし合わす」,,,「てらしあわせる」の音変化,


てらしあわせる,照らし合わせる,サ行下一段,他動詞,「記載事項を原簿と照らし合わせる」,,,両方を比べて確かめる・参考にするために比べ合わせる・照合する,


てらす,照らす,サ行五段,他動詞,「日に照らされる」「ライトで舞台を照らす」「学則に照らして処分する」「歴史に照らせば明らかである」,,,光を当てる・光を当てて明るくする、基準になるものと比べ合わせる・見比べて確かめる・参照する,



【てり】

てりかえす,照り返す,サ行五段,自動詞,「西日が照り返す」「夏日を照り返すアスファルトの道」,,,光や熱が反射する・また光や熱を反射する,


てりかがやく,照り輝く,カ行五段,自動詞,「朝日に照り輝く水面」,,,明るく光り輝く・美しく輝く,


てりこむ,照り込む,マ行五段,自動詞,「西日が部屋に照り込む」「照り込むと作物の生育によくない」,,,日光が射し込む、日光が強く照りつける・日照りが長く続く,


てりつける,照り付ける,カ行下一段,自動詞,「夏の太陽がじりじりと照りつける」,,,日光が厳しく照る,


てりはえる,照り映える,ア行下一段,自動詞,「夕日に紅葉が照り映える」,,,光を受けて美しく輝く・光が物に当たって輝いて見える,


てりわたる,照り渡る,ラ行五段,自動詞,「満月が耿耿と照り渡る」,,,光が隅々まで照る・光が一面に照る,



【てる】

てる,照る,ラ行五段,自動詞,「日が照る」「降っても照っても散歩に出る」,,,日や月などが光を発する・光り輝く、晴れる・晴天である,


でる,出る,ダ行下一段,他動詞,「校門を出る」「社会へ出る」「迎えに出る」「土俵から足が出る」「この千から前へ出ないように」「旅に出る」「武者修行に出る」「大学を出る」「左へ曲がると大通りに出る」「この製品はよく出る」,,,ある範囲や中から外のほうへ動き移る・そこから外へ行く・境や一定の限度を越える・そこを離れて他のところへ行く・今までいたところから別のところへ行く・卒業する・あるところに行き着く・商品が売れる・はける,

でる,出る,ダ行下一段,他動詞,「今から駅を出る」「悪天候のため連絡船が出ない」「論語から出た言葉」「平氏では桓武天皇から出た家系が有名」,,,その所や起点から移動を始める・そこから出発する・根源がそこに行き着く・由来する・その源から血筋や系統を引く,

でる,出る,ダ行下一段,自動詞,「月が出る」「穂が出る」「穴から出る」「涙が出る」「だしがよく出ている」「貫禄が出てきた」「盗まれた自転車が出てきた」「ギリシア神話に出てくる美青年」,,,隠れていたもの中に入っていたものなどが表に現れる・現れて見えるようになる・姿を現す・なくしたものが見つかる・ある作品や場面などに現れる,

でる,出る,ダ行下一段,自動詞,「会議に出る」「競技大会に出る」「子役で出る」「電話に出る」「選挙に出る」「世に出る」「人前に出る」「下手に出る」「高飛車に出る」,,,ある仕事をするために特定の場所に臨む・行事や集まりなどに加わる・ある活動をするために特定の方面や分野にすすんで働きかける・ある態度をとる・ある態度で相手に対する,

でる,出る,ダ行下一段,自動詞,「テレビに出る」「全集が出る」「夜店が出る」「霧が出る」「シロアリが出る」「水が出る」「犠牲者が出る」「温泉が出る」「石油が出る」「熱が出る」「やる気が出る」「スピードが出る」「妙案が出る」「結論が出ない」「許可が出る」「暇が出る」「ボーナスが出る」「ご馳走が出る」「茶菓が出る」,,,広く人に知られるようにする、新たに生じる・自然現象や出来事などが起きる・発生する・地中から産出される・勢いなどが生まれる・考えなどが生まれる・またいろいろ考えてある結果がもたらされる、与えられる・発令されたり支払われたりする・もてなすために用意される・供される,



【てれ】

でれつく,でれつく,カ行五段,自動詞,「人前で彼女にデレつく」,,,でれでれする,


てれる,照れる,ラ行下一段,自動詞,「あまり褒められると照れる」「冷やかされて照れる」,,,気恥ずかしく感じる・また恥ずかしそうな態度や表情をする,



【てわ】

てわたす,手渡す,サ行五段,他動詞,「一人ひとりに卒業証書を手渡す」,,,手から手へ渡す・直接渡す,



【てん】

でんぐりがえす,でんぐり返す,サ行五段,他動詞,「慌ててストーブをでんぐり返す」,,,でんぐり返るようにする・逆さまにする・ひっくり返す,


でんぐりがえる,でんぐり返る,ラ行五段,自動詞,「畳の上でくるっとでんぐり返る」「天地がでんぐり返るような騒ぎ」,,,手を地について体を前または後ろに一回転させて起きる、さかさまになる・ひっくり返る,


てんじる,点じる,ザ行上一段,他動詞,「聖火台に火を点じる」,,,「てんずる」の音変化,

てんじる,転じる,ザ行上一段,他動詞,「攻勢に転じる」,,,「てんずる」の音変化,


てんずる,点ずる,サ行変格活用,他動詞,「詩句のかたわらに点ずる」「目薬を点ずる」「朱を点じた唇」「送り仮名を点ずる」「茶を一服点ずる」,,,筆の先などで点をつける、しずくを垂らす、書き入れる・さす、漢文に訓点をつける、茶をたてる,

てんずる,転ずる,サ行変格活用,他動詞,「内勤から外勤に転ずる」「話題を転ずる」「禍を転じて福となす」,,,方向や状態などが移る・変わる・また移す・変える,



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