第9話 動詞(さ)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【さい】

さいきばしる,才気走る,ラ行五段,自動詞,「控えめで才気走ったところがない」,,,いかにも才気にあふれた様子が見える,


さいする,際する,サ行変格活用,,「出発に際して注意事項を述べる」,,,(多く「に際して」の形で)ある出来事や事態に出合う,


さいなむ,苛む,マ行五段,他動詞,「我と我が身を苛む」「不安の念に苛まれる」,,,叱ったり責め立てたりする、苦しめる・いじめる,


さいはじける,才弾ける,カ行下一段,自動詞,「幼いときから才弾けていた子」,,,小利口で生意気である・利口で機転がよく利く,


さいわいする,幸いする,サ行変格活用,自動詞,「人生、何が幸いするかわからない」,,,都合のよい結果になる・幸運をもたらす,



【さえ】

さえかえる,冴え返る,ラ行五段,自動詞,「月の冴え返る夜」「酔いが冷めて頭が冴え返る」,,,光や音などが非常にくっきりと鮮やかである、頭の働きが非常に良くなる,


さえぎる,遮る,ラ行五段,他動詞,「幕で遮る」「木々に太陽光線が遮られる」「発言を遮る」,,,間に隔てになるものを置いて向こうを見えなくする、進行や行動を邪魔してやめさせる・妨げる,


さえずる,囀る,ラ行五段,自動詞,「カナリアのさえずる声」「よくさえずる女の子だ」,,,小鳥がしきりに鳴く、口数多く早口でしゃべるのを軽蔑して言う・ぺちゃくちゃしゃべる,


さえる,冴える(冱える),ア行下一段,自動詞,「冴えた冬の夜」「冬の夜空に星が冴える」「冴えたバイオリンの音色」「冴えたピンク」「顔色が冴えない」「今日は頭が冴えている」「目が冴えて眠れない」「気分が冴えない」「腕の冴えた職人」「包丁さばきが冴える」「景気の先行きが今ひとつ冴えない」「冴えない格好」,,,寒さが厳しくなる・しんしんと冷え込む、くっきりと澄む・はっきりと見える、楽器の音などが濁りがなく鮮明である、色が鮮やかである・顔色や表情についても言う、頭の働きや体の調子などがはっきりする、腕前や手際などが鮮やかで優れている、(多く打ち消し語を伴って)ぱっとしない・満足できない,


さえわたる,冴え渡る,ラ行五段,自動詞,「冴えわたる青空の下」「冴えわたる笛の音」「冴えわたった包丁さばき」,,,光や音などが一面に澄みきる・隅々まで澄みとおる、腕前や手際などがひときわ鮮やかである,



【さお】

さおさす,棹さす,サ行五段,自動詞,「流れに棹さす」「時流に棹さす」,,,棹を水底に突いて舟を進める、調子を合わせてうまく立ち回る,



【さか】

さかえる,栄える,ア行下一段,自動詞,「国が栄える」「古代文明の栄えた地」「悪徳が栄えはびこる」,,,勢いが盛んになる・反映する・繁盛する,


さがしあてる,捜し当てる(探し当てる),タ行下一段,他動詞,「持ち主をようやく捜し当てる」,,,さがしていた目的物を見つけ出す,


さがしだす,捜し出す(探し出す),サ行五段,他動詞,「電話帳から住所を探し出す」,,,目的の人や物を探して見つける・探して取り出す,


さがしまわる,捜し回る(探し回る),ラ行五段,他動詞,「家中を探しまわる」,,,あちらこちらをさがして歩く・見つけまわる,


さがしもとめる,捜し求める(探し求める),マ行下一段,他動詞,「古書を探し求める」,,,目的の物を手に入れようと方々をさがす,


さがす,捜す(探す),サ行五段,他動詞,「職を探す」「落とし主を捜す」「あらを探す」,,,見つけ出そうとして方々を見たり歩きまわったり人に聞いたりすること・尋ね求める。「捜」は見失った物や人を見つける、「探」は目当ての物を見つけようとする意,


さかだつ,逆立つ,タ行五段,自動詞,「恐怖のあまり髪の毛が逆立つ」,相互「さかだてる」,,逆さまになって立つ・横になっているものなどが上向きに立つ,


さかだてる,逆立てる,タ行下一段,他動詞,「柳眉を逆立てる」「猫が毛を逆立てる」,相互「さかだつ」,,逆さまに立てる・逆立つようにする,


さかのぼる,遡る(溯る・泝る),ラ行五段,他動詞,「川を遡る」「歴史を遡る」「本源に遡って考える」,,,流れに逆らって上流に進む、物事の過去や根本に立ち返る。「溯・泝」は「遡」と同字,


さかまく,逆巻く,カ行五段,自動詞,「逆巻く怒濤」,,,川や潮の流れに逆らうように波が巻き上がる・激しく波立つ,


さからう,逆らう,ワ行五段,自動詞,「風に逆らって進む」「運命に逆らって生きる」「時流に逆らう」「親に逆らって進学する」「命令に逆らう」「神の意志に逆らう」,,,物事の自然の勢いに従わないでその逆の方向に進もうとする、目上の人の意見などに従わないで抵抗する・歯向かう・盾突く,


さかる,盛る,ラ行五段,自動詞,「火が盛る」「燃え盛る炎」,,,勢いが盛んになる。「もる」と同字,


さがる,下がる,ラ行五段,自動詞,「棚からヘチマが下がっている」「燃え盛る炎つららが下がる」「目尻が下がる」「下がった眉」「ダムの水位が下がる」「地盤が下がる」「靴下が下がる」「地位が下がる」「ランクが下がる」「人気が下がる」「業績が下がる」「質が下がる」「物価が下がる」「腕が下がる」「効率が下がる」「気温が下がる」「熱が下がる」,,対語「あがる」,他の端が下へ向かう・垂れる・ぶら下がる、高い位置から低い所や位置へ移る・位置が下の方になる、今でよりも低い段階に移る・低下する,

さがる,下がる,ラ行五段,自動詞,「御前を下がる」「控室に下がって待つ」「奉公人が宿に下がる」「恩給が下がる」「旅券が下がる」「白線の内側まで下がってお待ち下さい」「時代が下がって明治となる」,,,身分の高い人の前や公的な場所や主人のいるところなどから退く、官庁などから金銭や許可などが与えられる・下付される・おりる、後ろへ移動する・後ろへ退く、時が移る・時が過ぎる,



【さき】

さきがける,先駆ける(先駈ける),カ行下一段,自動詞,「春に先駆けて梅の花が咲く」「他社に先駆けて開発をすすめる」,,,他に先んじて事をする。「駈」は「駆」の俗字,


さきこぼれる,咲き溢れる,ラ行下一段,自動詞,「咲きこぼれる萩の花」,,,花が枝や茎からこぼれるようにいっぱいに咲く,


さきそめる,咲き初める,マ行下一段,自動詞,「梅が咲き初める」,,,花が咲き始める,


さきそろう,咲き揃う,ワ行五段,自動詞,「春が花が咲きそろった」,,,花が一斉に咲く,


さきだつ,先立つ,タ行五段,自動詞,「リーダーが先立って登る」「講演に先立って講師の紹介があった」「親に先立つ不幸」「旅行したいが先立つものがない」,相互「さきだてる」,,先頭に立っていく・先頭に立って行動する、ある物事をするより以前に行なわれる・順序が先である、先に死ぬ、何かをするときに始めに必要になる,


さきだてる,先立てる,タ行下一段,他動詞,「旗手を先立てて行進する」,相互「さきだつ」,,先に行かせる・先頭に立てる,


さきにおう,咲き匂う,ワ行五段,自動詞,「一面に咲き匂う桃の花」,,,色美しく咲く・美しく咲き乱れる,


さきのこる,咲き残る,ラ行五段,自動詞,「山道に咲き残るあじさいの花」「咲き残っていた日陰の梅の木が咲いた」,,,他の花が散ってしまったのに散らずに咲いている、他の花より遅れて咲く・他の花が咲いたのに咲かずに残っている,


さきばしる,先走る,ラ行五段,自動詞,「全国に先走って売り出す」「先走った考え方」「あまり先走っては困る」,,,先に立って走る・他より先に物事をする、他に先んじようとして独りよがりの判断をする・他を出し抜いて勝手に行動する,


さきほこる,咲き誇る,ラ行五段,自動詞,「色とりどりのバラが咲き誇る」,,,今を盛りと美しく咲く,


さきみだれる,咲き乱れる,ラ行下一段,自動詞,「野に咲き乱れるれんげ草」,,,あたり一面に花が咲く・盛んに咲く,


さきんじる,先んじる,ザ行上一段,自動詞,「英語では兄に先んじる」,,,「さきんずる」の音変化,


さきんずる,先んずる,サ行変格活用,自動詞,「何事をするにつけても人に先んずる」「技術開発で他社より一歩先んずる」,,,他の人より先に進む・先に何かをする,



【さく】

さく,咲く,カ行五段,自動詞,「大輪の花が咲く」「牡丹が見事に咲く」,,,花のつぼみが開く・開花する,

さく,裂く,カ行五段,他動詞,「布を裂く」「生木を裂く」「魚の腹を裂く」「うなぎを裂く」「二人の仲を裂く」,相互「さける」,,ひと続きのものを強い力を加えて直線的に二つに離す・手で強く引っ張って破る、刃物などを使って切って開く、親しい関係にある者同士を無理に離す,

さく,割く,カ行五段,他動詞,「時間を割く」「紙面を割く」「人手を割く」,相互「さける」,,予定しているものの一部を都合して他の用に充てる,


さくす,策す,サ行五段,他動詞,「謀反を策す」,,,「さくする」の音変化,


さくする,策する,サ行変格活用,他動詞,「改革を策する」,,,はかりごとを考える,


さぐる,探る,ラ行五段,他動詞,「小銭がないかとポケットを探る」「敵情を探る」「探るような目つき」「語源を探る」「事故の原因を探る」「解決の糸口を探る」,,,手足の感覚などを頼りにして目に見えない物を探し求める、相手の考えや様子や動きなどをそれとなく調べる、道の物事を明らかにするために観察したり調査したりする・探求する、考えられる最も良いやり方を探す,



【さけ】

さげすむ,蔑む(貶む),マ行五段,他動詞,「貶むような目つきで人を見る」,,,他人を自分より能力や人格の劣るもの価値の低いものとみなす・見下げる・見下す。「蔑」はあなどる・バカにする、「貶」はおとしめる・けなす・そしる意,


さけぶ,叫ぶ,バ行五段,他動詞,「助けを求めて叫ぶ」「バンザイを叫ぶ」「無実を叫ぶ」「政治改革が叫ばれる」「核兵器廃絶を叫び続ける」,,,大声を発する・大声で言う、世間に対して強く訴える・強く主張する,


さける,裂ける(割ける),カ行下一段,自動詞,「紙が裂ける」「地震で地面が裂けた」「口が裂けても言えない」,相互「さく」,,ひと続きになっていたものが線状に切れて二つに分かれる・切れ目が入る,

さける,避ける,カ行下一段,他動詞,「あの人は避けたほうがよい」「反抗期で父親を避ける」「都会の騒音を避けて暮らす」「避けて通れない問題」「ラッシュ時を避けて出勤する」「人目を避けて会う」「コメントを避ける」「どぎつい表現は避けたほうがよい」「武力衝突は避けたい」「飛び出してきた自転車を避けきれずに衝突する」,,,かかわることで不都合や不利益が生じると予測される人や事物から離れるようにする・そのような人や事物に近寄らないようにする、不都合や不利益をもたらすような言動をしないようにする、よける。「よける」と同字,

さげる,提げる(下げる),ガ行下一段,他動詞,「カバンを手に提げて持つ」「肩からカメラを提げる」,,,物を手や肩や腰などで支えて下に垂らす,


さげる,下げる,ガ行下一段,他動詞,「頭を下げる」「機首を下げる」「目尻を下げる」「一字下げて書く」「役付けから下げられる」「等級を下げて出荷する」「男を下げる」「値を下げて売る」「コストを下げる」「調子を下げる」「腕を下げる」「部屋の温度を下げる」「あまり話を下げるなよ」「人を上げたり下げたりする」「家族の者を下げる」「供物を下げる」「お膳を下げる」,,対語「あげる」,低いところや位置へ移す・位置を低くする、今までよりも低い段階に移す、身分の高い人の前から退ける・人の前などから取り去って片づける,

さげる,下げる,ガ行下一段,他動詞,「風鈴を下げる」「カーテンを下げる」「家の事情で学校から下げる」「洋服を妹に下げる」「鑑札を下げる」「要求を下げる」「訴えを下げる」「貯金を全部下げる」「駐車位置を下げる」,,,一端を固定して垂らす・吊るす・ぶら下げる、奉公人などに暇を出す・退学させる、目上の者から目下の者へ物を渡す・官庁などが許可や金銭などを与える・さげ渡す・交付する、一度自分の手を離れて他に出したものを再び自分のもとに返す・金融機関から預けた金を引き出す、後方に移す,

さげる,下げる,ガ行下一段,他動詞,「五十面下げてそんな真似できるか」,,,「持つ・携える・有する」などの俗な言い方,


さげわたす,下げ渡す,サ行五段,他動詞,「政府が土地を下げ渡す」,,,官庁から民間へ下付する・払い下げる・目上の者から目下の物に物品を与える,



【ささ】

ささえる,支える,ア行下一段,他動詞,「太い柱で梁を支える」「支えられてよろよろ歩く」「一家の暮らしを支える」「地元の人達の声援に支えられて選挙戦を勝ち抜く」「敵の攻撃をかろうじて支える」,,,倒れたり落ちたりしないように何かをあてがって押さえる、ある状態が崩れないように持ちこたえる・維持する、精神的や経済的に支援する、防ぎ止める・食い止める。「つかえる」と同字,


ささくれだつ,ささくれ立つ,タ行五段,自動詞,「ささくれだった指」「ささくれだった心」,,,ささくれた状態になる、感情がすさんでとげとげしくなる,


ささくれる,ささくれる,ラ行下一段,自動詞,「竹竿の先がささくれる」「ささくれた指先」「神経がささくれる」,,,竹や木などの先端や表面が細かく裂ける、爪の生え際の皮が細かく剥けてめくれる・さかむけになる、感情がすさんでとげとげしくなる,


ささける,ささける,カ行下一段,自動詞,「気分がささける」,,,「ささける」に同じ,


ささげる,捧げる,ガ行下一段,他動詞,「優勝カップを高々と捧げる」「賞状を捧げて後ろに下がる」「神前に五穀を捧げる」「この著を亡き母に捧げます」「戦没者の霊に黙祷を捧げる」「変わらぬ愛を捧げる」「伝染病研究に一生を捧げる」,,,両手に持って目の高さより上にあげる、慎みの心をもって神仏や目上の人などに物を差し出す・奉る・献上する、真心や愛情を示して相手に尽くす、自分の持つ全てを惜しみなくある対象につぎ込む,


さざめく,さざめく,カ行五段,自動詞,「弦歌さざめく巷」「笑いさざめく」,,,ざわざわと音を立てる・大勢の人が賑やかに音声を立てて騒ぐ・ざわつく・さんざめく,


ささやく,囁く(私語く),カ行五段,他動詞,「耳元で囁く」「愛を囁く」「まことしやかに囁かれる」「梢に囁く風の音」,,,小声で話す・ひそひそと話す、噂をする、かすかな音を立てる,


ささる,刺さる,ラ行五段,自動詞,「トゲが刺さる」,相互「さす」,,先の尖った物が他の物に突き立つ,



【さし】

さしあげる,差し上げる,ガ行下一段,他動詞,「バーベルを差し上げる」,,,手に持って高く上げる,

さしあげる,差し上げる,ガ行下一段,他動詞,「この花を差し上げます」,,,「与える・やる」の謙譲,

さしあげる,差し上げる,ガ行下一段,他動詞,「荷物を持って差し上げましょう」,,,補助動詞。「してあげる」よりも深い敬意,


さしあてる,差し当てる,タ行下一段,他動詞,「額に手を指し当てる」,,,直接に物に接触させる・じかに押し当てる,


さしいる,射し入る,ラ行五段,自動詞,「射し入る月の光」,,,光などが差し込む,


さしいれる,差し入れる,ラ行下一段,他動詞,「懐に手を差し入れる」「弁当を差し入れる」,,,中に入れる、差し入れをする,


さしうつむく,差し俯く,カ行五段,自動詞,「差し俯いたまま黙り込んでしまう」,,,うなだれて下を向く,


さしおく,差し措く(差し置く),カ行五段,他動詞,「その話はさしおくとして」「何をさしおいてもその会には出席したい」「担当責任者をさしおいて商談を進める」,,,そのままにしておく・放っておく・後回しにする、当然考慮すべき人物などを無視する・なおざりにする,


さしおくる,差し送る,ラ行五段,他動詞,「現地に人を差し送る」,,,ある場所に向けて送る・送ってやる,


さしおさえる,差し押さえる,ア行下一段,他動詞,「喧嘩をしている人を差し押さえる」「財産を差し押さえる」,,,押さえて動かないようにする・押しとどめる、差し押さえをする,


さしかえる,差し替える(差し換える),ア行下一段,他動詞,「花を差し替える」「番組を差し替える」「お茶を差し替える」「誤植を差し替える」,,,あるものを抜いて代わりに別のものを差す・別のよいものと入れ替える。「替」は元に戻せる、「換」は元に戻せない,


さしかかる,差し掛かる,ラ行五段,自動詞,「山道に差しかかる」「農閑期に差しかかる」「事件が山場に差しかかる」「話が本論に差しかかる」「枝が軒に差しかかる」,,,ちょうどその場所に至り着く、ちょうどその時期になる・ある場面になる,

さしかかる,差し掛かる,ラ行五段,自動詞,「枝が軒に差しかかる」,相互「さしかける」,,上から覆いかぶさる,


さしかける,差し掛ける,カ行下一段,他動詞,「傘を差しかける」,相互「さいかかる」,,他の物を覆うように差し出す,


さしかざす,差し翳す,サ行五段,他動詞,「扇を差し翳す」,,,手や扇や傘などをかざす・刀などを振り上げる・振りかざす,


さしかためる,差し固める,マ行下一段,他動詞,「出入り口を差し固める」,,,厳重に警戒する,


さしかわす,差し交わす,サ行五段,他動詞,「枝を差し交わす」「杯を差し交わす」,,,両方から差し出して交差させる、酒をつぎ合う,


さしくる,差し繰る,ラ行五段,他動詞,「予定を差し繰って出席する」,,,予定や時間などをやりくりして都合をつける・繰り合わせる,


さしくわえる,差し加える,ア行下一段,他動詞,「会則に一項を差し加える」,,,後から加える・付け加える,


さしこえる,差し越える,ア行下一段,他動詞,「先輩を差し越えて場を取り仕切る」,,,順序を飛ばして行なう・とくに目上の人などを差し置いて物事を行なう,


さしこす,差し越す,サ行五段,他動詞,「所属長を差し越して異動願いを出す」,,,一定の順序や手続きを踏まないで物事を行なう,


さしこむ,差し込む(挿し込む),マ行五段,他動詞,「プラグをコンセントに差し込む」「本の間に手紙を差し込む」「胃が差し込む」,,,物の中やすき間などに他の物をさしたり挟んだりするようにして入れる・差し入れる、胸や腹が急に激しく痛む・癪を起こす,

さしこむ,射し込む(差し込む),マ行五段,他動詞,「部屋に朝日が射し込む」,,,光が入ってくる,


さしころす,刺し殺す,サ行五段,他動詞,「短刀で刺し殺す」,,,刃物や鋭く尖ったもので突き刺して殺す,


さしさわる,差し障る,ラ行五段,自動詞,「勉強に差し障る」「体に差し障る」,,,差し障りができる・具合の悪いことになる・差し支える,


さししめす,指し示す,サ行五段,他動詞,「問題点を指し示す」「進むべき方向を指し示す」,,,指などを向けて示す・指示する,


さしせまる,差し迫る,ラ行五段,自動詞,「試験日が差し迫る」「状況は差し迫っている」,,,事態や期日などが間近に迫る・切迫する・切羽詰まる,


さしそえる,差し添える,ア行下一段,他動詞,「激励の言葉を差し添えて贈る」,,,付け加える・添える,


さしだす,差し出す,サ行五段,他動詞,「手を差し出す」「食べ物を差し出す」「命を差し出す」「役所に書類を差し出す」「委員会に代理を差し出す」「案内状を差し出す」,,,伸ばして前方へ出す、人に与えるために出す・提供する、提出する、派遣する、送り出す・発送する,


さしたてる,差し立てる,タ行下一段,他動詞,「旗を差し立てる」「使者を差し立てる」「電報を差し立てる」,,,突き刺して立てる、人を差し向ける、送り出す・発送する,


さしちがえる,刺し違える,ア行下一段,自動詞,「刺し違えて死ぬ」「社長と刺し違える覚悟で臨む」,,,互いに刃物で刺し合う、自分を犠牲にして相手に損害を与える,


さしちがえる,差し違える,ア行下一段,他動詞,「整理カードを差し違える」,,,誤って他へ差し入れる,


さしつかえる,差し支える,ア行下一段,自動詞,「明日の仕事に差し支える」,,,都合の悪いことが起こる・支障が生じる・妨げとなる。「つかえる」は「ささえる」と同字,


さしつかわす,差し遣わす,サ行五段,他動詞,「代理人を差し遣わす」,,,目上の者が命じて人を差し向ける・派遣する,


さしつらぬく,刺し貫く,カ行五段,他動詞,「槍で刺し貫く」,,,刺して向こう側まで突き通す・刺し通す,


さしでる,差し出る,ダ行下一段,自動詞,「差し出たことをする」「塀の上に差し出た枝を切る」,,,身の程をわきまえずに出過ぎた行動をする、前へ出る・突き出る,


さしとおす,刺し通す,サ行五段,他動詞,「針を刺し通す」「束ねた原稿に紐を刺し通して綴じる」,,,先の尖ったもので反対側まで穴を空ける・その穴に紐などを通す,


さしとめる,刺し止める,マ行下一段,他動詞,「カレンダーを画鋲で刺し止める」,,,突き刺して動かないようにする,

さしとめる,差し止める,マ行下一段,他動詞,「新聞の発行を差し止める」「出入りを差し止める」,,,ある行為をやめさせる・禁止する,


さしのべる,差し伸べる(差し延べる),バ行下一段,他動詞,「釣り竿を差し伸べる」「救いの手を差し伸べる」,,,ある方向に向けて伸ばして出す、力を貸す・援助する,


さしのぼる,差し昇る(差し上る),ラ行五段,自動詞,「朝日が高く差し昇る」,,,太陽や月が昇る・上の方へあがる,


さしはさむ,挟む(挿む・差し挟む),マ行五段,他動詞,「詩織を本に差し挟む」「口を差し挟む」「異論を差し挟む」「疑念を差し挟む余地のない結論」,,,間に入れる・はさみこむ、他人の話に途中から割り込む・別の意見などを言って干渉する、ある考えを真鍮に含み持つ。「挟む」は「はさむ」と同字。「挟」は物と物の間に差し込む・左右からはさむ・脇に抱える・身につける・頼みとする・自分の頼むところを鼻にかける・威張る、「挿」は間に差し入れる・挿し込む,


さしひかえる,差し控える,ア行下一段,他動詞,「左右に差し控える」「食事の量を差し控える」「飲酒を差し控える」「旅行を差し控える」,,,控える・そばにいる、程度を控えめにする・分量などを少なめにする、悪い結果を招かないように当面それをしないようにする・遠慮する,


さしひく,差し引く,カ行五段,他動詞,「月給から税金を差し引く」「外見の悪さを差し引いても性能は評価できる」,,,ある数量から他の数量を引き去る、ある事柄の過不足などを判断する,


さしひびく,差し響く,カ行五段,自動詞,「一人のミスが全体に差し響く」,,,他に影響が及ぶ,


さしまねく,差し招く(麾く),カ行五段,自動詞,「こちらへ来いと差し招く」,,,手招きをする,


さしまわす,差し回す,サ行五段,他動詞,「迎えの車を差し回す」「使いの者を差し回す」,,,指定の場所などへ行かせる・差し向ける,


さしむける,差し向ける,カ行下一段,他動詞,「明かりを差し向ける」「救援隊を差し向ける」「車を差し向ける」,,,その方向へ向ける、指定した場所などへ向かわせる・派遣する,


さしもどす,差し戻す,サ行五段,他動詞,「書類を差し戻す」「第一審に差し戻す」,,,やり直させるためにもとへ戻す、上級審が原判決を取り消しや破棄して審理をやり直させるため事件の原審に送り返す,


さしゆるす,差し許す,サ行五段,他動詞,「出入りを差し許す」,,,「許す・許可する」を重々しく言う語,



【さす】

さす,刺す,サ行五段,他動詞,「指にトゲを刺す」「短刀で胸を刺す」「魚を串に刺す」「蜂に刺される」「雑巾を刺す」「網を刺す」「鳥を刺す」「棹をさす(差すとも)」「本塁で刺される」「異臭が鼻を刺す」「舌を刺す味」「その一言が私の胸を刺した」,,,先の鋭く尖ったものを中に突き入れる・突き立てる・突き通す・害虫などが針を皮膚に突き入れる、厚いものに針を突き入れて縫う、もちざおで小鳥や虫を捕らえる、舟を進めるために棹を水底に突き立てる、野球で走者にボールをタッチしてアウトにする、目や花屋したなどの感覚器官を鋭く刺激する・心に強い痛みを感じさせる・ショックを与える,

さす,差す(注す),サ行五段,他動詞,「杯をさす」「目薬をさす」「ギヤに油を差す」「花瓶に水を差す」「吹きこぼれないように冷水を差す」「炭を差して火気を強める」「紅をさす」「朱点を差す」,,,酒を勧める、ごく少量の液体をある部分にそそぎいれる、液体を他の液体や容器の中へ少しまたは少しずつ加え入れる、補い加える・つぎ足す、ある部分に色をつける、しるしや訓点などを付ける。「差」は潮が満ちてくる・現れる・光線が入る・水を入れる、「注」はつぐ・水を流し込む・引き入れる・向ける・心や視点を一点に集める意,

さす,射す(差す),サ行五段,自動詞,「西日が射す」,,,まっすぐに光が照り入る・光が当たる,

さす,差す(指す),サ行五段,自動詞,「潮が差す」「氾濫した川の水が床下まで差してきた」「井戸に廃水が差す」「頬に血の気が差す」「景気にかげりが差す」「眠気が差す」「魔が差す」「気が差す(気がとがめる)」「熱が差す」「枝葉が差す」「」,,,潮が満ちてくる・水が増して入り込む・染み込む・何かのしるしや気配などが自然と外に現れる・ある種の気分や気持ちが生じる・兆してくる・平熱より高くなる・熱が出る・枝や根が伸び広がる,

さす,指す(差す),サ行五段,自動詞,「指で指して教える」「後ろ指を指される」「時計の針が七時を指している」「文中のそれは何を指しますか」「生徒を指して答えさせる」「犯人を警察に指す」「南を指して飛ぶ」「将棋を指す」「一局指す」「米俵を指す」「駕籠を指す」「指す手引く手」「右を指す」「指して首の差で勝つ」,,,指などで目標とする物や場所や方向を指す・指さす・人や物をそれと決めて示す・指名する・密告する・その方向へ向かう・目指す、将棋で駒を動かす・また対局する、物を手で持って上げる・両手で高く上げる・傘などをかざす・肩に担ぐ・担う・舞で手を前方に伸ばす・相撲で相手の脇の下に手を入れる・競馬などでゴール直前で先行するものを追い抜く,

さす,挿す(差す),サ行五段,他動詞,「腰に大小を挿す」,,,刀などを帯びの間に通して挟み入れる,

さす,挿す,サ行五段,他動詞,「花瓶にバラを挿す」「かんざしを挿す」「菊を挿す」,,,細長い物を他の物の中に突き入れる・挿し木をする,

さす,鎖す,サ行五段,他動詞,「戸を鎖す」,,,門や戸などを閉める・錠を下ろす・閉ざす・容器の栓をぴったり閉じる,

さす,止す,サ行五段,他動詞,「言い止す」「飲み止す」,,,補助動詞。しかけていた動作を途中でやめる・しかける,


ざす,座す(坐す),サ行五段,他動詞,「一日中書斎に座す」,,,「ざする」の音変化,


さずかる,授かる,ラ行五段,他動詞,「秘伝を授かる」「子宝を授かる」,,,神仏や目上の人などから金では買えない大切なものを与えられる・いただく,


さずける,授ける,カ行下一段,他動詞,「学位を授ける」「勲章を授ける」「秘伝を授ける」「知恵を授ける」,,,目上の者が目下の物に特別に与える、師が弟子に教える・伝授する,


さすらう,流離う,ワ行五段,他動詞,「雪の広野をさすらう」,,,どこというあてもなくまた定まった目的もなく歩きまわる・漂泊する・流浪する,


さする,擦る(摩る),ラ行五段,他動詞,「疲れた足をさする」,,,手のひらなどで体や物の表面を繰り返し軽くこする。「擦る」は「こする・する」と同字,


ざする,座する(坐する),サ行変格活用,自動詞,「座して待つ」「選挙違反に座する」,,,すわる・じっとしている、事件などの関わり合いになる・巻き添えを食う・連座する。「座」はすわるところ・居所・席、「坐」はすわる・いる・とどまる・罪に触れる・関わり合いで罪に陥る・巻き添えの意なので本来は「坐」だが常用の「座」で統一,



【させ】

させられる,させられる,ラ行下一段,他動詞,「子どもの面倒を見させられた」「この映画を観て将来のことを考えさせられた」,,,補助動詞。ある動作をするように他から強制される意・他からの刺激である状態や作用を起こす意,


させる,させる,サ行下一段,自動詞,「子どもに好きなだけ食べさせる」「今月限りで辞めさせていただきます」「答えさせてもらう」「どうしても受験したいなら受けさせるのだな」「好きなだけ食べさせなさい」「神よ、人々に恵みを垂れさせたまえ」,,,補助動詞。使役の意・(「させていただく・させてもらう」の形で)相手方の許しを求めて行動する意を込め相手への敬意を表す、他の行動に対する不干渉や放任の意を表す、(多く「させられる・させたもう」の形で)文語調の表現で高い尊敬の意,



【さそ】

さそいあう,誘い合う,ワ行五段,自動詞,「友人と誘い合って旅に出る」,,,お互いに誘う,


さそいあわす,誘い合わす,サ行五段,他動詞,「誘い合わして出かける」,,,「さそいあわせる」に同じ,


さそいあわせる,誘い合わせる,サ行下一段,他動詞,「誘い合わせて会場へ行く」,,,誘い合って一緒に行動する・また互いに相談して誘い合う,


さそいこむ,誘い込む,マ行五段,他動詞,「車に誘い込む」「悪の道へ誘い込む」,,,誘ってある物の中やある状態に引き入れる,


さそいだす,誘い出す,サ行五段,他動詞,「散歩に誘い出す」「犯人を誘い出す」「発言を誘い出す」,,,誘って外に連れ出す・おびきだす、あることをするように仕向ける,


さそう,誘う,ワ行五段,他動詞,「ボランティア活動に誘う」「ドライブに誘う」「涙を誘うドラマ」「いい陽気に誘われて行楽地に繰り出す」「悪の道に誘う」,,,一緒に行動するように勧める・連れ出す、そのことが原因となってある気持ちを引き起こさせる・促す、好ましくない状況などに引き入れる・誘惑する,



【さた】

さだまる,定まる,ラ行五段,自動詞,「方針が定まる」「運命が定まる」「心が定まる」「話の焦点が定まる」「評価が定まる」「定まった収入」「天候が定まる」,相互「さだめる」,,決定する・決まる、明らかになる・はっきりする、落ち着く・安定する、治まる・静まる,


さだめる,定める,マ行下一段,他動詞,「この地を都と定める」「法の定めるところに従う」「憲法を定める」「態度を定める」「住居を定める」「身を定める」「天下を定める」,相互「さだまる」,,决定する・決める、よりどころや従うべきものとして決める・制定する、はっきりさせる、落ち着かせる・安定させる、静める・治める,



【さつ】

さっきだつ,殺気立つ,タ行五段,自動詞,「誤審から観衆が殺気立つ」,,,殺気が顔つきや態度に現れる、興奮して敵意や憎悪をむき出しにする,


さっしる,察しる,サ行上一段,他動詞,「雰囲気を察しる」,,,「さっする」の音変化,


さっする,察する,サ行変格活用,他動詞,「気配を察する」「察するところ何か隠しているだろう」「苦衷を察する」「彼の悲しみは察するに余りある」,,,物事の事情などを推し量ってそれと知る・推察する、谷の気持ちを推し量って同情する・思いやる,


さっぴく,差っ引く,カ行五段,他動詞,「税金を給料から差っ引く」,,,「さしひく」の音変化,



【さて】

さておく,扠措く(扠置く),カ行五段,自動詞,「費用はさておき、人手が問題だ」,,,ひとまずその事柄を当面の問題から外す・それはそれとしておく,



【さと】

さとす,諭す,サ行五段,他動詞,「諄々と諭す」「不心得を諭す」,,,目下の者に物事の道理をよくわかるように話し聞かせる・納得するように教え導く,


さとなれる,里馴れる,ラ行下一段,自動詞,「イノシシが里馴れる」,,,鳥獣が人里に馴れる,


さとる,悟る(覚る),ラ行五段,他動詞,「芸の真髄を悟る」「危険を悟る」「言外の意を悟る」「失敗を悟られないようにする」「死期を悟る」,,,物事の心の意味を知る・はっきりと理解する、隠されているものまた自分の運命などについてそれと気づく・勘づく・察知する。「悟」は理解する・会得する・迷いがさめる、「覚」は道理を知る・迷いが解ける意,



【さは】

さばく,裁く,カ行五段,他動詞,「罪を裁く」「人を裁く」,,,理非を明らかにする・裁判する,

さばく,捌く,カ行五段,他動詞,「ヒット性の打球を難なく捌く」「手綱を捌く」「会社を一人で捌いている」「揉めごとを捌く」「滞貨を全部捌いた」「髪を捌く」「着物の裾を捌く」「力士が下がりを捌く」「鴨を捌く」,相互「さばける」,,手を使ってものを思いのままに扱う、ごたごたした物事や複雑なことを適切に処理する、品物を売りつくす、くっついたり絡まったりしやすいものを解き分ける・料理で材料に包丁を入れて切り離しバラバラにする,


さばける,捌ける,カ行下一段,自動詞,「在庫が捌ける」「最近はこの手の本がよく捌ける」「捌けた取り計らい」「渋滞が捌けてくる」,相互「さばく」,,品物が売り切れる・またよく売れる、世事に通じていて物分かりがよい、混乱していたものが整理されてきちんとなる。「はける」と同字,



【さひ】

さびつく,錆び付く,カ行五段,自動詞,「ネジが錆びついて回らない」「さすがの神通力も錆びついてしまったようだ」,,,金物が錆びて他の物に付着し離れなくなる・金物がすっかり錆びる、機能が衰えてうまく働かなくなる,


さびる,寂びる,バ行上一段,自動詞,「寂びた武人らしい声」,,,声に渋みが出る・声が低く太い,

さびる,錆びる(銹びる),バ行上一段,自動詞,「錆びた釘」「運動不足で体が錆びてきた」,,,金属の表面にサビが生じる、能力や働きが鈍くなってダメになる,


さびれる,寂れる(荒びれる),ラ行下一段,自動詞,「寂れた冬の浜辺」「寂れた町」「虫の音が寂れる」,,,活気がなくなって寂しくなる・ひっそりする、勢いが衰える,



【さほ】

さぼる,サボる,ラ行五段,他動詞,「仕事をサボる」,,,怠ける・怠けて休む。「サボタージュ」の略の動詞化,



【さま】

さます,冷ます,サ行五段,他動詞,「熱湯を冷ます」「興を冷ます」,相互「さめる」,,熱い物の熱を失わせる、高まった感情や興味を衰えさせる,

さます,覚ます(醒ます),サ行五段,他動詞,「目を覚ます」「眠気を覚ます」「風に当たって酔いを醒ます」「青少年の迷いを醒ます」,相互「さめる」,,眠っている状態から意識のはっきりした状態に戻す、酒の酔いをなくす、迷っている心を正常な状態にする・迷いを解く。「覚」は目をさます、「醒」は酔いがさめる・目がさめる・さとる・迷いが晴れるの意,


さまたげる,妨げる,ガ行下一段,他動詞,「眠りを妨げる」「発展を妨げる」「再任を妨げない」,,,物事の進行や遂行に支障が起こるようにする・じゃまをする・妨害する・阻害する、差し支える・禁止する,


さまよう,さ迷う(彷徨う),ワ行五段,他動詞,「盛り場をさまよう」「奥深い山中をさまよう」「生死の境をさまよう」「雲が空をさまよう」,,,あてもなく歩きまわる・迷って歩きまわる、一箇所にとどまらずあちこち動く,



【さむ】

さむけだつ,寒気立つ,タ行五段,自動詞,「冷気に触れて寒気立つ」「目を覆う惨状に寒気立った」,,,寒気を感じる、恐ろしさに身震いする・ぞっとする,



【さめ】

さめる,冷める,マ行下一段,自動詞,「スープが冷める」「ご飯が冷める」「愛情が冷める」「ゴルフ熱が冷める」,相互「さます」,,熱い物が熱を失う・熱せられたものの温度が下がる、高まっていた感情や興味が衰えたり薄らいだりする,

さめる,覚める(醒める),マ行下一段,自動詞,「朝早く目が覚める」「麻酔が覚める」「酔いがいっぺんに醒める」「悪い夢から醒める」「醒めた目で見る」,相互「さます」,,眠っている状態から意識のはっきりした状態に戻る、眠気や酒の酔いが消える、心をとらえていた迷いが無くなる・正気を取り戻す・冷静になる。「覚」は目がさめる、「醒」は酔いがさめる・目がさめる・さとる・迷いが晴れるの意,

さめる,褪める,マ行下一段,自動詞,「着古して色の褪めた背広」,,,染色などによってつけられた色の度合いが弱まる・色が薄くなる・あせる,



【さや】

さやぐ,さやぐ,ガ行五段,自動詞,「木の葉がさやぐ」,,,ざわざわと音を立てる・ざわめく,



【さら】

さらう,浚う(渫う),ワ行五段,他動詞,「ドブをさらう」,,,川や井戸などの底にたまる土砂やゴミを取り除く・さらえる。「浚」はくむ・くみ出す・井戸や川などの底の土砂などを取り去る・底を深くする・他人の物を奪い取る・かっさらう、「渫」は水底の泥などを除き去る意,

さらう,攫う(掠う・拐う),ワ行五段,他動詞,「波に足をさらわれる」「子どもをさらう」「鳶に油揚げをさらわれる」「人気をさらう」,,,油断につけこんで奪い去る・気づかれないように連れ去る、その場にあるものを残らず持ち去る・関心を独り占めにする。「攫」はかすめとる・(人の油断を見て)急に奪い取る、「掠」はスキを見て奪い去る、「拐」はかどわかす意,

さらう,復習う,ワ行五段,他動詞,「小唄をさらう」,,,教えられたことを繰り返して練習する・復讐する・さらえる,


さらえる,浚える(渫える),ア行下一段,他動詞,「堀の泥をさらえる」,,,「さらう」に同じ,

さらえる,復習える,ア行下一段,他動詞,「三味線をさらえる」,,,「さらう」に同じ,

さらけだす,曝け出す,サ行五段,他動詞,「内情を曝け出す」「弱点を曝け出す」,,,隠すところなくすべてを現す・ありのままを見せる,


さらす,さらす,サ行五段,他動詞,「何をさらす」,,,「する」の意で相手を罵っていうときに用いる・しやがる,

さらす,さらす,サ行五段,他動詞,「とっとと消えさらせ」,,,補助動詞。(主に関西地方で)相手を罵る気持ちを現す・〜しやがる,

さらす,晒す(曝す),サ行五段,他動詞,「布団を日に晒す」「風雨に晒された石仏」「布巾をさらす」「ごぼうをさらす」「恥を晒す」「醜態を晒す」「危険に身を晒す」「敵の脅威に晒される」「新聞に目をさらす」「首を晒す」,,,日光や風に当てて干す、風雨や日光の当たるままにしておく、布などを水洗いしたり日光に当てたり薬品を用いたりして白くする・漂白する、野菜などのアクや臭みなどを抜くために水に浸す、広く人目に触れるようにする、避けることができない難しい事態に身を置く、(「目をさらす」の形で)じっと見る、斬首に処せられた日を路傍に晒して見せしめにする。「晒」は日にさらして乾かす・照りつける、「曝」は日にさらす・日にさらして乾かす意,


ざらつく,ざらつく,カ行五段,自動詞,「砂埃で廊下がざらつく」,,,ざらざらして滑らかでなくなる,


さらばえる,さらばえる,ア行下一段,自動詞,「老いさらばえる」「痩せさらばえる」,,,多く複合動詞として用いる。やせ衰えて骨が目立つ,


ざらめく,ざらめく,カ行五段,自動詞,「ざらめいた感触」,,,手触りが粗く感じられる・ざらつく・ざらざらする,



【さる】

さる,去る,ラ行五段,他動詞,「故郷を去る」「この世を去る」「片時も念頭を去らない」「王位を去る」「舞台を去る」「冬が去る」「青春は去った」「今を去る七年前」「東京を去ること二百キロ」「痛みが去る」「危険が去る」「妻を去る」「雑念を去る」「虚飾を去る」,,,ある場所から離れる・地位や職業などを退く・時が過ぎる・ある季節や時期が遠のく・時間的空間的に隔たる・離れている・いままであった状態が薄らいだりなくなったりする・消える、離して遠くへやる・覗いてなくす・消す,

さる,去る,ラ行五段,他動詞,「忘れ去る」「黙り去る」,,,補助動詞。すっかり〜する・〜しつくす意,



【され】

される,される,ラ行下一段,他動詞,「先生が旅行をされるそうだ」,,,「する」の尊敬,

される,される,ラ行下一段,他動詞,「子どもにイタズラをされる」,,,「する」の受け身,


ざれる,戯れる,ラ行下一段,他動詞,「男女が戯れる」,,,ふざける・たわむれる。「たわむれる・じゃれる」と同字,



【さわ】

さわがす,騒がす,サ行五段,他動詞,「国中を騒がした事件」,,,騒がしい状態にする・乱れさせる・動揺させる,


さわがせる,騒がせる,サ行下一段,他動詞,「世間を騒がせた事件」,,,「さわがす」に同じ,


さわぎたつ,騒ぎ立つ,タ行五段,自動詞,「心が騒ぎ立つ」「風に騒ぎ立つ波」,,,騒ぎ始める・盛んに騒ぐ,


さわぎたてる,騒ぎ立てる,タ行下一段,自動詞,「つまらないことで騒ぎ立てるな」,,,大騒ぎをする・あれこれ言い立てたりして騒ぐ,


さわぐ,騒ぐ,ガ行五段,自動詞,「子どもが騒ぐ」「白波が騒ぐ」「判定を巡って観衆が騒ぐ」「芸者をあげて騒ぐ」「今さら騒いでもどうしようもない」「なんとなく胸が騒ぐ」「血が騒ぐ」「環境問題が騒がれる」「マスコミが騒ぐ」「アイドルとして騒がれる俳優」,,,やかましい音声を立てる・ざわざわと音を立てる、多くの人が一緒になって反対したり要求や不平を訴えて叫んだりして平穏な事態が起きる・騒動になる、酒宴などで賑やかに遊ぶ、落ち着きを失って冷静さに欠けた言動を見せる・あわてる・うろたえる、不安や驚きなどのため気持ちが高ぶったり乱れたりする、(多く「騒がれる」の形で)人々が盛んにもてはやす・評判になる,


さわす,醂す,サ行五段,他動詞,「柿を醂す」「記事を流れに醂す」「醂したお盆」,,,渋柿の渋みを抜く、水を浸してさらす、黒漆をつやのでないように薄く塗る,


ざわつく,ざわつく,カ行五段,自動詞,「その発言を巡って聴衆がざわつきだした」,,,ざわざわする・ざわめく,


ざわめく,ざわめく,カ行五段,自動詞,「会場がざわめく」「風に木々がざわめく」,,,ざわざわと騒がしい様子になる,


さわる,触る,ラ行五段,自動詞,「汚い手で触るな」「ひんやりとしたものが顔に触った」「とかく噂があるので彼には触らないほうがいい」「政治的な問題には触らないでおく」,,,手などをそのものに軽く付ける・何かが体に触れてそのものの存在が感覚的にわかる、関わりを持つ・関係する,

さわる,触る(障る),ラ行五段,自動詞,「神経に障る」「癇に障る」,,,感情を害する,

さわる,障る,ラ行五段,自動詞,「仕事に障る」「出世に障る」「夜更かしは体に障る」,,,差し支える・邪魔になる・妨げとなる、体に悪い影響を及ぼす・害になる,

さんけづく,産気付く,カ行五段,自動詞,「車中で急に産気づく」,,,今にも子どもが生まれそうになる・出産の兆しが現れる,



【さん】

さんざめく,さんざめく,カ行五段,自動詞,「弦歌さんざめく巷」,,,ひどく浮き浮きと騒ぎ立てる・賑やかに騒ぐ,


さんじる,参じる,ザ行上一段,自動詞,「急を聞いて諸所から参じる」,,,「さんずる」の音変化,

さんじる,散じる,ザ行上一段,自動詞,「憂いを散じる」,,,「さんずる」の音変化,


さんする,参する,サ行変格活用,自動詞,「企画に参する」,,,物事の実施や運営などに一員として参加する・携わる・関係する,

さんする,産する,サ行変格活用,自動詞,「女児を産する」「石油を産する」「静岡に産する茶」,,,産む・出産する・産まれる、物を産出する・算出される,

さんする,算する,サ行変格活用,自動詞,「五人の代表の中に算する」「人口は五十万に算する」,,,数える・計算する・ある数に達する,

さんする,賛する(讃する),サ行変格活用,自動詞,「地元の美術展開催に賛する」「法案に賛する」「道徳を賛する」「山水画に自句を賛する」,,,力を添えて助ける・賛助する、同意する・賛同する、褒める・褒め称える・賞賛する、絵画などに賛を書く。「賛」はまみえる・お目にかかる・助ける・助力する・導く・引く・すすめる・出す・告げる・たたえる・褒める・絵画などの傍らに書く、「讃」はたたえる・褒める・明らかにする・たすけるの意。常用の「賛」に統一,

さんする,簒する,サ行変格活用,他動詞,「王位を簒する」,,,奪う・奪い取る・簒奪する,


さんずる,参ずる,サ行変格活用,自動詞,「門下生が急ぎ参ずる」「商工組合に参ずる」「夏行に参ずる」,,,参上する・参る・伺う、一員として加わる・参加する,

さんずる,散ずる,サ行変格活用,自動詞,「聴衆が散ずる」「春嵐が桜花を散ずる」「怒りが散ずる」「憂さを散ずる」「宴が散ずる」「遺産が散ずる」「財を散ずる」,,,散る・散り散りになって無くなる・散らす、不快な感情が無くなる・気が晴れる・気を晴らす、終わる、遺産が無くなる・金を使う,


ざんする,竄する,サ行変格活用,自動詞,「遠島に竄する」「文章を竄する」,,,流罪にする、文章の字句を改め直す,

ざんする,讒する,サ行変格活用,自動詞,「同僚を讒する」,,,讒言する,



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る