第24話 動詞(へ・ほ)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【へあ】

へあがる,経上がる,ラ行五段,自動詞,「理事長に経上がる」,,,段々と昇進する・盛り上がる,



【へい】

へいつくばる,へいつくばる,ラ行五段,自動詞,「地面にへいつくばる」,,,平伏する・うずくまる・はいつくばる,



【へか】

へがす,剥がす,サ行五段,他動詞,「絆創膏を剥がす」,,,はがす・へぐ。「はがす」と同字,



【へく】

へぐ,剥ぐ(折ぐ),ガ行五段,他動詞,「皮を剥ぐ」,,,薄く削りとる・またはがす・へぐ。「剥」はへずる・けずる、「折」ははがす・またへぎ・杉などを薄くはいだ板の意。「剥ぐ」は「はぐ」と同字,



【へけ】

へげる,剥げる,ガ行下一段,自動詞,「汗で白粉(おしろい)が剥げる」,,,はげ落ちる・はがれる。「はげる」と同字,



【へこ】

へこたれる,へこたれる,ラ行下一段,自動詞,「これくらいの暑さでへこたれるな」,,,気力がくじけ弱ってしまう・へたばる,


へこます,凹ます,サ行五段,他動詞,「粘土を指でへこます」「子どもにへこまされる」,,,へこむようにする・へこませる、言い負かす・やり込める,


へこむ,凹む,マ行五段,自動詞,「やかんがへこむ」「叱られてへこむようなやつではない」「麻雀で一人だけへこむ」,,,表面の一部が周囲より低くなる・くぼむ、やりこめられて困る・へこたれる、ある基準より少なくなる・損をする,



【へし】

へしあう,圧し合う,ワ行五段,自動詞,「乗客が出口でへし合っている」,,,互いに力を込めて押し合う,


へしおる,圧し折る,ラ行五段,他動詞,「腕をへし折る」,,,物に押しつけるなどして曲げて折る・力を入れて一気に折る,


へしゃげる,拉げる,ガ行下一段,自動詞,「ボール箱がへしゃげる」,,,。「ひしげる・ひしゃげる」と同字,



【へす】

へずる,剥る(折る・削る),ラ行五段,他動詞,「小遣いを剥られる」「売上をこっそり剥る」,,,削って取る・取って減らす、上前をはねる・かすめ取る。「折る」は「おる」と同字、「削る」は「けずる」と同字,



【へそ】

へそくる,臍繰る,ラ行五段,自動詞,「何かに備えて家計からヘソクる」,,,へそくりをする,



【へた】

へだたる,隔たる,ラ行五段,自動詞,「約十キロ隔たっている」「両県は山脈で隔たる」「今を隔たる百年の昔」「双方の実力はかなり隔たっている」「心が隔たる」,相互「へだてる」,,間に距離があって離れる・また距離ができて離れる・遠ざかる、間に物があって遮られる、時間的に離れる・また年月がすぎる・月日が経つ、物事の間に開きや違いがある、関係が疎くなる・疎遠になる,


べたつく,べたつく,カ行五段,自動詞,「手のひらが汗でべたつく」「飴が溶けてべたつく」「人前もはばからずべたつく」,,,べたべたと粘りつく・ねばつく、馴れ馴れしく相手にまといつく・とくに男女が甘えて必要以上にまといつく・いちゃつく,


へだてる,隔てる,タ行下一段,他動詞,「五メートル隔てて杭を打つ」「障子を隔てて話す」「ついたてで部屋を隔てる」「時を隔てること百年」「疑心暗鬼が二人を隔てた」,相互「へだたる」,,物の間に距離をおく、物を間に置く・また置いて遮る、時間的に距離をおく・年月が経つ、関係を疎くする・壁を作る,


へたばる,へたばる,ラ行五段,自動詞,「走るペースが速すぎてへたばる」「たった一度の失敗でへたばるな」,,,疲れはてる・へとへとになる・へばる、気力がなくなる・へこたれる,


へたりこむ,へたり込む,マ行五段,自動詞,「その場にへたり込む」,,,べったりと座り込む・また疲労で立てなくなる,


へたる,へたる,ラ行五段,自動詞,「床にへたる」「へたって動けなくなる」,,,尻をつけてべったり座る・また尻餅をつく、へたばる・また疲労で倒れる,



【へつ】

へつらう,諂う(諛う),ワ行五段,自動詞,「上司にへつらう」,,,人の気に入るように振る舞う・またお世辞を言う・おもねる・追従する。「諂」は他人の気に入るように心にもないことをいう・おもねる・こびる、「諛」はおもねる・人の気にいるようにこびる意。かな書きに統一,



【へと】

べとつく,べとつく,カ行五段,自動詞,「汗で手がべとつく」,,,べとべとする・べとべととくっつく,



【へは】

へばりつく,へばりつく,カ行五段,自動詞,「松ヤニが手にへばりつく」「子どもが親にへばりつく」,,,べったりと貼りつく、ぴったりとくっつく,


へばる,へばる,ラ行五段,自動詞,「暑さでへばる」「強行軍でへばってしまう」,,,へとへとになる・疲れはてる・へたばる,



【へめ】

へめぐる,経巡る,ラ行五段,他動詞,「諸国を経巡る」,,,あちこちをまわって歩く・方々を旅行してまわる,



【へら】

へらす,減らす,サ行五段,他動詞,「負担を減らす」「体重を減らす」,相互「へる」,対語「ふやす・ます」,物の数や量を少なくする・減じる,



【へり】

へりくだる,謙る(遜る),ラ行五段,自動詞,「謙ったものの言い方」,,,「謙」はへりくだる・ゆずる・自分を抑えて人に譲る、「遜」はへりくだる・卑下する意。常用の「謙」かかな書きに統一,



【へる】

へる,減る,ラ行五段,自動詞,「収入が減る」「水かさが減る」,相互「へらす」,対語「ふえる・ます」,数や量や程度などが少なくなる・とぼしくなる,

へる,減る,ラ行五段,自動詞,「タイヤが減る」「靴が減る」「腹が減っては戦はできぬ」,相互「へらす」,,すりへる・摩耗する、(「腹が減る」の形で)空腹である,

へる,経る(歴る),ハ行下一段,他動詞,「二十年の歳月を経て工事が完成した」「アメリカを経てヨーロッパへ行く」「委員会の審議を経る」「多くの困難を経て成功した」,,,時日が過ぎる・時がたつ、その場所を通る・通過する・経由する、ある定まった過程や道筋を通る。「経」は経過する・通る・まためぐる、「歴」は過ぎる・わたる・めぐる意。常用読みの「経」に統一,



【へん】

へんじる,変じる,ザ行上一段,他動詞,「方針を変じる」,,,「へんずる」の音変化,


べんじる,弁じる,ザ行上一段,他動詞,「滔々と弁じる」,,,「べんずる」の音変化,

べんじる,便じる,ザ行上一段,自動詞,「彼に頼めば用が便じる」,,,「べんずる」の音変化,


へんする,偏する,サ行変格活用,自動詞,「考え方が極端に偏する」,,,ある一方にだけかたよる,


へんずる,変ずる,サ行変格活用,自動詞,「心が変ずる」,,,変わる・改まる・変化する,

へんずる,変ずる,サ行変格活用,他動詞,「約束を変ずる」,,,変える・改める・変更する,


べんする,便する,サ行変格活用,他動詞,「今後の用に便する」,,,便利なようにする・役立てる,


べんずる,弁ずる,サ行変格活用,自動詞,「事が弁ずる」,,,解決する・ととのう・済む,

べんずる,弁ずる,サ行変格活用,他動詞,「物事の善悪を弁ずる」「商用を弁ずる」「資金を弁ずる」「一席弁ずる」「父の名誉のために弁ずる」,,,物事をわきまえる・区別する、物事を処理する・取り計らう・済ませる、言う・述べる・話す、弁明する・弁解する,

べんずる,便ずる,サ行変格活用,自動詞,「黙っていては用が便ずるはずがない」,,,用が足りる・また用を足す,







【ほう】

ほうける,惚ける(呆ける),カ行下一段,自動詞,「起き抜けのほうけた顔」「病ほうける」,,,知覚の鈍った状態になる・ぼんやりする・ぼける。「惚」はぼける・ほうける・またとぼける、「呆」はぼける・ほうける・頭の働きが鈍くなる意。かな書きに統一。「惚ける」は「とぼける・ほける・ぼける」と同字、「呆ける」は「ぼける」と同字,

ほうける,惚ける(呆ける),カ行下一段,自動詞,「遊びほうける」,,,補助動詞。そのことに夢中になる意,


ほうじる,奉じる,ザ行上一段,他動詞,「命を奉じる」「職を奉じる」,,,「ほうずる」の音変化,

ほうじる,崩じる,ザ行上一段,自動詞,「皇帝が崩じる」,,,「ほうずる」の音変化,

ほうじる,報じる,ザ行上一段,他動詞,「テレビが異変を報じる」「恨みを報じる」,,,「ほうずる」の音変化,

ほうじる,焙じる,ザ行上一段,他動詞,「茶を焙じる」,,,「ほうずる」の音変化,


ほうずる,奉ずる,サ行変格活用,他動詞,「御前で舞を奉ずる」「君命を奉ずる」「校旗を奉ずる」「職を奉ずる」,,,高貴な人に差し上げる・たてまつる、うやうやしく受け取る・承る、うやうやしく持つ・捧げる、謹んで勤める,

ほうずる,封ずる,サ行変格活用,他動詞,「五万石の大名に封ずる」,,,領地を与えて大名に取り立てる・領主とする,

ほうずる,報ずる,サ行変格活用,他動詞,「人の恩に報ずる」「恨みを報ずる」「新聞の報ずるところによると」「時を報ずる」,,,報いる・かえす、知らせる・告げ伝える,

ほうずる,焙ずる,サ行変格活用,他動詞,「茶を焙ずる」,,,火であぶって焦がし気味にし湿気を取り去る,


ほうむる,葬る,ラ行五段,他動詞,「ねんごろに葬る」「真相を闇から闇に葬る」「業界から葬られる」,,,死体や遺骨を墓所に納める・埋葬する、不都合なことなどを世間に知られないように隠してしまう、社会的立場などを失墜させる,


ほうりこむ,放り込む,マ行五段,他動詞,「紙くずをゴミ箱に放り込む」「暴漢を留置場に放り込む」,,対語「ほうりだす」,投げて中に入れる・勢いよくまたは無造作に入れる,


ほうりだす,放り出す,サ行五段,他動詞,「窓からゴミを放り出す」「酔漢を店から放り出す」「小銭を机の上に放り出す」「仕事を中途で放り出す」「居候を放り出す」,,対語「ほうりこむ」,投げて外へ出す・勢いよく外へ出す、投げるようにして置く・無造作に手から離す、途中でやめてしまう・また手をつけずにそのままにしておく、人をすげなく除外する・追い出す,


ほうりなげる,放り投げる,ガ行下一段,他動詞,「雑巾を放り投げる」「宿題を放り投げて遊びに行く」,,,乱暴にまたは無造作に投げる、途中でやめる,


ほうる,放る(抛る),ラ行五段,他動詞,「ボールを放る」「新聞を放ってよこす」「勉強を放って遊びに行く」「泣いても放っておく」「試験を放る」,,,遠くへ投げる、途中でやめる・またそのまま放置する、あきらめて放棄する。「放」は物を投げる・途中でやめる・放り投げる、「抛」はなげうつ・投げ捨てる・投げ飛ばす意。常用の「放」に統一。「ほる」と同字,



【ほえ】

ほえつく,吠え付く,カ行五段,自動詞,「犬に吠えつかれる」,,,ほえながら追う・ほえかかる,


ほえる,吠える(吼える・咆える),ア行下一段,自動詞,「虎が吠える」「荒海が吠える」「壇上で吠える」,,,獣などが大きく鳴く、風や波などが荒れて大きな音を立てる、わめく・どなる。「吠」は犬が声を立てる・犬が鳴く、「吼」は牛や虎などがほえる、「咆」は獣がほえるの意,



【ほお】

ほおばる,頬張る,ラ行五段,他動詞,「まんじゅうを頬張る」,,,頬がふくらむほど口にいっぱい食べ物を入れる・またそのようにして食べる,



【ほか】

ぼかす,暈す,サ行五段,他動詞,「ボカして描く」「肝心な点をボカして話す」,相互「ぼける」,,輪郭や色の濃淡の境目を際立たせないでぼんやりさせる、意味や内容をはっきり言わずぼんやりさせる・表現をあいまいにする。かな書きに統一,



【ほき】

ほきだす,吐き出す,サ行五段,他動詞,「ぶどうの種を吐き出す」,,,「はきだす」の音変化,



【ほく】

ほぐす,解す,サ行五段,他動詞,「古いセーターをほぐす」「糸のもつれをほぐす」「肩のコリをほぐす」「緊張をほぐす」「魚の身をほぐす」,相互「ほぐれる」,,結んだり縫ったりしてあるものまたもつれたものをといて別々にする・ほどく、凝り固まっているものをやわらかくする、食べ物の固まっているものを細かに分けたりかき混ぜたりする。「かいす」と同字,


ほくそえむ,北叟笑む,マ行五段,自動詞,「してやったりとほくそ笑む」,,,うまくいったことに満足してひとり密かに笑う,


ほぐれる,解れる,ラ行下一段,自動詞,「絡まった糸がほぐれる」「気持ちがほぐれる」「体操で体がほぐれる」「鮭の身がほぐれる」,相互「ほぐす」,,もつれたり固まったりしたものがとけ離れる・ほどける、緊張がとれてやわらぐ、食べ物の固まりが細かくなる。「ほつれる」と同字,



【ほけ】

ほける,惚ける(呆ける),カ行下一段,自動詞,「遊びにほける」「夕もやに景色がほけて見える」,,,草や髪の毛などがほつれ乱れる・毛羽立って乱れる、物の色や輪郭また物事の内容などがはっきりしない状態になる・ぼける・ぼやける。「ほうける」と同字,


ぼける,惚ける(暈ける),カ行下一段,自動詞,「年とともにボケてきた」,,,頭の働きや知覚がにぶくなる・もうろくする,

ぼける,暈ける,カ行下一段,自動詞,「ピントがボケている」「論点がボケている」,相互「ぼかす」,,物の色や輪郭また物事の内容などがはっきりしない状態になる・ぼける・ぼやける。かな書きに統一,



【ほこ】

ほごす,解す,サ行五段,他動詞,「もつれた糸をほごす」,,,「ほぐす」に同じ。「かいす・ほぐす」と同字,


ほこる,誇る,ラ行五段,他動詞,「技を誇る」「輝かしい実績を誇る」「長い歴史と文化を誇る都市」,,,すぐれていると思って得意になる・またその気持ちを言葉や態度で人に示す・自慢する、誇示すべき状態にある・またそのことを名誉に思う,


ほころばす,綻ばす,サ行五段,他動詞,「顔をほころばす」,相互「ほころびる・ほころぶ」,,ほころびるようにする・ほころばせる,


ほころばせる,綻ばせる,サ行下一段,他動詞,「口元をほころばせる」,相互「ほころびる・ほころぶ」,,「ほころばす」に同じ,


ほころびる,綻びる,バ行上一段,自動詞,「袖口がほころびる」「梅がほころびる」「思わず顔がほころびる」,相互「ほころばす・ほころばせる」,,縫い目などがほどける、花のつぼみが少し開く・咲きかける、表情がやわらぐ・笑顔になる,


ほころぶ,綻ぶ,バ行五段,自動詞,「つぼみがほころぶ」「孫の顔を見て口元がついほころぶ」,相互「ほころばす・ほころばせる」,,「ほころびる」に同じ,



【ほさ】

ほざく,ほざく,カ行五段,他動詞,「勝手なことをほざくな」,,,他人がものを言うのをののしっていう語・ぬかす,



【ほし】

ほしあげる,干し上げる(乾し上げる),ガ行下一段,自動詞,「天日で干し上げる」,,,乾かして水分をすっかりなくす。常用読みの「干」に統一,


ほじくりかえす,穿り返す,サ行五段,他動詞,「工事のたびに道路をほじくり返す」「昔のことをほじくり返す」,,,ほじくってひっくり返す・また再びほじくる、済んだことをまた取り上げて追及する,


ほじくりだす,穿り出す,サ行五段,他動詞,「土の下から球根をほじくり出す」「過去をほじくり出す」,,,ほじくって取り出す、隠されているものをあばきたてる,


ほじくる,穿る,ラ行五段,他動詞,「耳をほじくる」「重箱の隅をほじくる」「欠点をほじくる」,,,穴を掘るようにつつく・またつつきまわして中の物を出す、隠されているわずかなものをことさらに追及する。「ほじる」と同字,


ぽしゃる,ポシャる,ラ行五段,自動詞,「旅行の計画がポシャる」,,,つぶれる・またダメになる。「シャッポ(帽子)」を逆さ読みした語とされる,


ほじる,穿る,ラ行五段,他動詞,「耳をほじる」,,,つついて穴をあけたり穴の中からかき出したりする。「ほじくる」と同字,



【ほす】

ほす,干す(乾す),サ行五段,他動詞,「洗濯物を干す」「布団を干す」「井戸を干す」「池を干す」「杯を干す」「役を干される」,,,水分や湿気を取り除くために日光や風や火気などにあてる・かわかす、中の水をすべて除いてからにする、残ることなく飲み尽くす、故意に仕事や役割を与えないで放っておく・また無視する。「干」はほす・かわかす・ひる・かわく、「乾」はかわく・ひる・からびる・かれる・かわかす・ほす意。常用読みの「干」に統一,


ほする,保する,サ行変格活用,自動詞,「安全は保しがたい」,,,たもつ・守る・また保証する,

ほする,補する,サ行変格活用,自動詞,「次官に補する」,,,職務の担当を命じる・職に任じる,



【ほそ】

ほそめる,細める,マ行下一段,他動詞,「目を細めて喜ぶ」「ガスを細める」,,,細くする、声や灯火などの量や勢いが小さく弱くする,


ほそる,細る,ラ行五段,自動詞,「かつお節が細る」「心配で身も細る思いだ」「声が細る」「食が細る」,,,しだいに細くなる、痩せて細くなる、力や勢いなどが弱くなる,



【ほた】

ほだされる,絆される,ラ行下一段,自動詞,「健気な気持ちにほだされる」,,,情に引きつけられて心や行動の自由が縛られる,



【ほつ】

ほつきあるく,ほつき歩く,カ行五段,自動詞,「夜通しほつき歩く」,,,あてもなくあちらこちらと歩く・ほっつきあるく,


ほっする,欲する,サ行変格活用,他動詞,「平和を欲しない者はいない」「おのれの欲するところに従う」「人に勝たんと欲する者は必ず先ずみずから勝つ」「日まさにくれんと欲す」,,,欲しいと思う・願う・望む、(動詞の未然形に付いて「〜んとほっす」の形で)〜しようとする・〜しそうになる,


ぼっする,没する,サ行変格活用,自動詞,「太陽が山の端に没する」「異郷に没する」,,,沈んだり埋もれたりして見えなくなる、(「歿する」とも書く)死ぬ,

ぼっする,没する,サ行変格活用,他動詞,「姿を暗闇に没する」「自我を没する」「功を没する」「資格を没する」,,,沈めたり埋めたりして隠す、なくする・また無視する、所有物を取り上げる・没収する,


ほったらかす,ほったらかす,サ行五段,他動詞,「家業をほったらかして遊びほうける」「脱いだ服をほったらかす」,,,かまわずにそのままにしておく・うっちゃっておく・ほっぽらかす,


ほっつきあるく,ほっつき歩く,カ行五段,他動詞,「繁華街をほっつき歩く」,,,「ほつきあるく」の音変化,


ほっつきまわる,ほっつき回る,ラ行五段,他動詞,「仲間と夜の街をほっつき回る」,,,あちこち歩きまわる・うろつきまわる,


ほっつく,ほっつく,カ行五段,他動詞,「どこをほっついていたのか」,,,あてもなくあちこち歩きまわる・うろつく,


ほっとく,ほっとく,カ行五段,他動詞,「僕のことはほっといてくれ」,,,そのままにしておく。「ほっておく」の音変化,


ほっぽらかす,ほっぽらかす,サ行五段,他動詞,「仕事をほっぽらかして出かける」,,,「ほったらかす」に同じ,


ほっぽりだす,ほっぽり出す,サ行五段,他動詞,「荷物をほっぽり出す」「勉強をほっぽり出して遊び歩く」,,,勢いよく放り出す、無造作に打ち捨てる,


ほっぽる,ほっぽる,ラ行五段,他動詞,「帽子をほっぽる」「約束をほっぽって帰る」,,,勢いよく放る・放り投げる、そのままにして捨てておく,


ほつれる,解れる,ラ行下一段,自動詞,「セーターの袖口がほつれる」「髪がほつれる」,,,「ほぐれる」と同字,



【ほて】

ほてる,火照る(熱る),ラ行五段,自動詞,「熱で体が火照る」「恥ずかしさに顔が火照る」,,,顔や体が熱を帯びて熱くなる・また顔が赤くなる,



【ほと】

ほどく,解く,カ行五段,他動詞,「荷物をほどく」「着物をほどいて洗い張りする」「絡んだ糸をほどく」,相互「ほどける」,,結んだり縫ったりもつれたりしたものをときはなす。「とく」と同字,


ほどける,解ける,カ行下一段,自動詞,「帯がほどける」「緊張がほどける」,相互「ほどく」,,結んだり縫ったりもつれたりしてものがとけて離れる・とける、気持ちがやわらぐ・うちとける。「とける」と同字,


ほどこす,施す,サ行五段,他動詞,「難民に食糧を施す」「医療を施す」「恩恵を施す」「細工を施す」「花木に油かすを施す」「撥水加工を施したスーツ」「策を施す」「施すすべもない」「仕事を成功させて面目を施す」,,,恵まれない人に物質的な援助を与える・あわれみの気持ちで人が困っている状態を助けるような行為をする・恵み与える、飾りや補いのために何かを付け加える、効果や影響を期待して事を行なう、(「面目を施す」の形で)あることを立派に成し遂げて高い評価を保つ,


ほとばしる,迸る,ラ行五段,自動詞,「鮮血がほとばしる」「蛇口から水がほとばしる」,,,勢いよく飛び散る・また激しく流れ出る・噴き出る,



【ほね】

ほねおる,骨折る,ラ行五段,自動詞,「会社の再建に骨折る」,,,大いに労をとる・尽力する・骨を折る,


ほねばる,骨張る,ラ行五段,自動詞,「骨張った顔」「骨張った物言い」,,,骨が出てごつごつしている、意地を張る・角が立つほど主張する,



【ほの】

ほのめかす,仄めかす,サ行五段,他動詞,「不承知の意向をほのめかす」,,,それとなく言葉や態度に表わして示す・におわせる,


ほのめく,仄めく,カ行五段,自動詞,「霧の中に姿がほのめく」「風にほのめく花の匂い」「人のよさがほのめいている」,,,ほのかに見える・かすかに目にとまる、ほのかに香る、それとなく言葉や態度に表れる,



【ほふ】

ほふる,屠る,ラ行五段,他動詞,「獲物を屠る」「対戦相手を軽く屠る」,,,体を切り裂く・またきり殺す、敵を破る・打ち負かす,



【ほほ】

ほほえむ,微笑む(頬笑む),マ行五段,自動詞,「微笑んだ顔」「梅の花が微笑み始める」,,,声を立てずににっこり笑う・微笑する、花のつぼみが少し開く・ほころびる。ほおえむ,



【ほめ】

ほめそやす,褒め称す,サ行五段,他動詞,「口々に褒めそやす」,,,しきりにほめる・ほめちぎる,


ほめたたえる,褒め称える,ア行下一段,他動詞,「完成までの意志と努力を褒め称える」,,,大いにほめる・賞賛する,


ほめたてる,褒め立てる,タ行下一段,他動詞,「日本一の名人だと褒め立てる」,,,盛んにほめる・ほめちぎる,


ほめちぎる,褒めちぎる,ラ行五段,他動詞,「口をきわめて褒めちぎる」,,,これ以上はほめようがないというまでにほめる・絶賛する,


ほめる,褒める(誉める),マ行下一段,他動詞,「勇気ある行動を褒める」「手放しで褒める」「あまり褒めた話ではない」,,対語「そしる・けなす」,人のしたことや行ないをすぐれていると評価してそのことを言う・たたえる。「褒」はほめる・ほめたたえる、「誉」はほめる・たたえる意。常用読みの「褒」に統一,



【ほや】

ぼやかす,ぼやかす,サ行五段,他動詞,「話の核心をぼやかす」,相互「ぼやける」,,あいまいにする・ぼんやりさせる・ぼかす,


ぼやく,ぼやく,カ行五段,自動詞,「仕事がきついとぼやく」,,,ぶつぶつ不平や泣き言を言う,


ぼやける,ぼやける,カ行下一段,自動詞,「論点がぼやける」,相互「ぼやかす」,,はっきりとしなくなる・ぼんやりとする・ぼける,



【ほり】

ほりあげる,彫り上げる,カ行下一段,他動詞,「出品作品を彫りあげる」「葡萄の模様を彫り上げる」,,,彫り終える、浮き彫りに彫る,


ほりあてる,掘り当てる,タ行下一段,他動詞,「温泉を掘り当てる」「有望な新人歌手を掘り当てる」,,,掘っていって埋まっているものを捜し当てる、隠れていたものを見つけ出す,


ほりおこす,掘り起こす,サ行五段,他動詞,「畑を掘り起こす」「球根を掘り起こす」「町の歴史を掘り起こす」,,,掘って土を返す・開墾する、掘って外に出す、今まで隠れていた物事などを見つけ出す,


ほりかえす,掘り返す,サ行五段,他動詞,「田を掘り返す」「道路を掘り返す」「過去を掘り返す」,,,掘って下の土を上に出す、前に埋めた所を再び掘る、一度決着の付いた事柄を蒸し返して問題にする,


ほりこむ,彫り込む,マ行五段,他動詞,「碑に銘を彫り込む」,,,表面を刻んで文字や図形などを記す,

ほりこむ,掘り込む,マ行五段,他動詞,「固い地盤を崩して掘り込む」,,,深く掘っていく,


ほりさげる,掘り下げる,ガ行下一段,他動詞,「井戸を掘り下げる」「問題をもっと掘り下げてとらえるべきだ」,,,下へ深く掘る、深く調べたり考えたりする,


ほりだす,掘り出す,サ行五段,他動詞,「遺跡を掘り出す」「古書展で稀覯本を掘り出す」,,,地を掘って中の物を取り出す, 思いがけず珍しい物や安くてよい物を手に入れる,


ほりつける,彫り付ける,カ行下一段,他動詞,「イニシアルを彫りつけた指輪」,,,彫って文字や形などを刻みつける,


ほりぬく,彫り貫く,カ行五段,他動詞,「門扉に家紋を彫りぬく」,,,石や木をくりぬいて穴をあける,

ほりぬく,掘り抜く,カ行五段,他動詞,「山腹を掘り抜く」,,,土を掘って穴をあける,


ほりめぐらす,掘り回らす,サ行五段,他動詞,「四方に堀を掘りめぐらす」「掘りめぐらされた地下鉄」,,,とりまくように周囲を掘る・また四方八方に向けて掘る,



【ほる】

ほる,放る(抛る),ラ行五段,他動詞,「やりかけで放っておく」「噂なんて放っておけ」,,,捨ててそのままにする。「ほうる」の音変化で「ほうる」と同字,

ほる,彫る,ラ行五段,他動詞,「墓碑に名を彫る」「仏像を彫る」「背中に倶利伽羅を彫る」,,,木や石や金属などに文字や模様や絵などを刻み込む・また木や石などを削って像を作る・彫刻する、入れ墨をする,

ほる,掘る,ラ行五段,他動詞,「トンネルを掘る」「井戸を掘る」「芋を掘る」,相互「ほれる」,,地面に穴をあける、地面に埋まっているものを取り出す,



【ほれ】

ほれこむ,惚れ込む,マ行五段,自動詞,「人柄に惚れ込む」,,,すっかりほれる・深く好意を抱く,


ほれる,惚れる(恍れる),ラ行下一段,自動詞,「女に惚れる」「心意気に惚れる」,,,異性に心惹かれ夢中になる・恋い慕う、人物や物事の魅力に取りつかれ心を奪われる・心酔する。「惚」は恋慕する・心酔する、「恍」はうっとりしているさま。「惚れる」かカタカナ書きに統一,

ほれる,惚れる(恍れる),ラ行下一段,自動詞,「美声に聞き惚れる」,,,補助動詞。そのことに心を惹かれて夢中になる・うっとりする意,

ほれる,掘れる,ラ行下一段,自動詞,「雨垂れで軒下の地面が掘れる」「根が掘れる」,相互「ほね」,,土地などに穴やくぼみができる、地面がくぼんで植物の根などが露出する,



【ほろ】

ほろびる,滅びる(亡びる),バ行上一段,自動詞,「国が滅びる」,,,なくなる・絶える・滅亡する。「滅」はなくなる・つきる・絶える、「亡」はほろびる・またほろぼす意。常用読みの「滅」に統一,


ほろぶ,滅ぶ(亡ぶ),バ行五段,自動詞,「美しい自然が滅ぶ」,,,「ほろびる」に同じ,


ほろぼす,滅ぼす(亡ぼす),サ行五段,他動詞,「国を滅ぼす」「酒で身を滅ぼす」,,,滅びるようにする・滅亡させる・また台無しにする。「滅」はほろぼす、「亡」はほろびる・またほろぼす意。常用読みの「滅」に統一,



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