第25話 動詞(ま)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【まい】

まいあがる,舞い上がる,ラ行五段,自動詞,「ひばりが舞い上がる」「埃が舞い上がる」「すっかり舞い上がって我を忘れる」,,対語「まいおりる」,舞うようにして空中高くあがる、浮かれていい気になる・有頂天になる,


まいおさめる,舞い納める,マ行下一段,他動詞,「神楽を舞い納める」,,,舞い終える・最後の舞をまう,


まいおりる,舞い降りる,ラ行上一段,自動詞,「ハンググライダーで舞い降りる」,,対語「まいあがる・まいたつ」,舞いながら降りる・舞うようにふわりと降りる,


まいくるう,舞い狂う,ワ行五段,自動詞,「木の葉が風に舞い狂う」,,,狂ったように激しく舞う,


まいこむ,舞い込む,マ行五段,自動詞,「粉雪が部屋に舞い込む」「幸運が舞い込む」「差出人不明の手紙が舞い込む」,,,舞うようにして入ってくる、思いもかけないものや人がひょっこり入り込む,


まいたつ,舞い立つ,タ行五段,自動詞,「白鳥が巻い立つ」「砂埃が舞い立つ」,,対語「まいおりる」,舞うようにして高く上がる・まいあがる,


まいもどる,舞い戻る,ラ行五段,自動詞,「古巣へ舞い戻る」「故郷に舞い戻る」,,,元のところに戻る,


まいる,参る,ラ行五段,自動詞,「墓に参る」,,,「行く」の謙譲で行く先方を敬う。神仏に詣でる・参詣する,

まいる,参る,ラ行五段,自動詞,「明日お宅へ参ります」「ご当地に参って初めて知りました」「私の家に弟が参るはずです」「列車が参ります」「飴が降って参りました」,,,「行く」「来る」の謙遜を込めて丁重に表現する丁寧語。「行く・来る」の先方を敬いながら丁寧に、単に「行く・来る」を丁寧に,

まいる,参る,ラ行五段,自動詞,「そう簡単には参らぬぞ」,,,へりくだる気持ちが失せて「行く」を重々しくいう,

まいる,参る,ラ行五段,自動詞,「どうだ、参ったか」「今年の暑さには参った」「とうとうあいつも参ったか」「彼女に参っている」,,,相手に優位を占められる屈する意に変化したもの。負ける・降参する、閉口する・弱る・困る、死ぬ・やや卑しめて言う、異性などに心を奪われる,



【まう】

まう,舞う,ワ行五段,自動詞,「ひと差し舞う」「銀盤に舞うスケーター」「トンビが舞う」「紙吹雪が舞う」「埃が舞う」,,,音楽などに合わせて手足を動かしゆっくり回ったり軽やかに移動したりする、円形を描くようにして空を飛ぶ・空中を漂い動く,



【まか】

まがう,紛う,ワ行五段,他動詞,「海かと紛うばかりの大湖」,,,他のものとよく似ていて取り違える(現在は連体形のみが用いられ「まごう」と発音されることが多い),


まかす,任す(委す),サ行五段,他動詞,「この仕事は君に任す」,,,「まかせる」に同じ,

まかす,負かす,サ行五段,他動詞,「ライバルを負かす」,相互「まける」,,勝負などで相手を負けさせる,


まかせる,任せる(委せる),サ行下一段,他動詞,「経営を任せる」「ご想像に任せます」「身を任せる」「髪の毛が乱れるに任せる」「成り行きに任せる」「口に任せてデタラメを言う」「足に任せて歩く」,,,仕事などを他にゆだねその自由にさせる、相手の好きなようにさせる、そのままにしておく・ほうっておく、(「にまかせて」の形で)自然の勢いのままにする。「任」はまかせる・まかす・ゆだねる・気ままにさせる、「委」はゆだねる・まかせる意。常用読みの「任」に統一,


まかなう,賄う,ワ行五段,他動詞,「寄付で費用を賄う」「夕食を賄う」「親からの仕送りで賄う」,,,費用や人手などを用意する・ととのえる、食事を調えて出す、

事を処理する・切り盛りする,


まがりくねる,曲がりくねる,ラ行五段,自動詞,「曲がりくねった道路」,,,くねくねと曲がる,


まかりこす,罷り越す,「仰せにより只今罷り越しました」,,,「越す(行く・来る)」の謙譲。参上する・参る,


まかりでる,罷り出る,ダ行下一段,他動詞,「御前を罷り出る」,,,「出る」の謙譲。退出する,

まかりでる,罷り出る,ダ行下一段,他動詞,「臆面もなく罷り出る」,,,人前に出る・出てくる・現代語では多く「あつかましい」という非難の気持ちを含む,


まかりとおる,罷り通る,ラ行五段,自動詞,「あんなことが罷り通るとは世も末だ」,,,「通る」「通用する」を強めていう語。我が物顔で通る・堂々と通用する,


まかりまちがう,罷り間違う,ワ行五段,他動詞,「罷り間違えば大惨事になるところだ」,,,「間違う」を強めていう語。ふつう仮定の形で万が一間違うと大変なことになるという気持ちでいう,


まかる,負かる,ラ行五段,自動詞,「これ以上は一円も負からない」,相互「まける」,,負けることができる,

まかる,罷る,ラ行四段,他動詞,「罷り越す」「罷り出る」「罷り通る」「罷り間違う」,,,補助動詞。謙譲・丁寧の意を表す、その動詞の表す動作や作用を強める意を表す,


まがる,曲がる,ラ行五段,自動詞,「雪の重みで竹が曲がる」「背中が曲がる」「土手の手前で道が曲がっている」「次の角を左に曲がる」「ネクタイが曲がっている」「心の曲がっている人」「曲がったことは嫌いだ」「身代が曲がる」,,,まっすぐなものが弓形やくの字形などになる、道の方向が変わる、進行する向きを変える、正しい位置や方向からそれる・傾く・ゆがむ、(「曲がった・曲がっている」の形で)性質や考えなどが正しくない・素直でない、衰える,



【まき】

まきあがる,巻き上がる,ラ行五段,自動詞,「ツルが巻き上がる」「埃が巻き上がる」「毛糸の玉が巻きあがる」,相互「まきあげる」,,巻いて上にあがる、舞うように上にあがる、巻き終わる,

まきあげる,巻き上げる(捲き上げる・巻き揚げる),ガ行下一段,他動詞,「帆を巻き上げる」「釣り糸を巻き上げる」「つむじ風が埃を巻き上げる」「金を巻き上げられる」「糸を一巻き巻きあげる」,相互「まきあがる」,,巻いて上へあげる、くるくる舞うように上へあげる、脅したりだましたりして奪い取る、巻き終える・終わりまで巻く,


まきおこす,巻き起こす(捲き起こす),サ行五段,他動詞,「砂埃を巻き起こす」「センセーションを巻き起こす」,相互「まきおこる」,,風などが巻くように吹き上げる、思いがけないことを引き起こす,


まきおこる,巻き起こる(捲き起こる),ラ行五段,自動詞,「黒雲が巻き起こる」「拍手が巻き起こる」,相互「まきおこす」,,渦を巻くようにして立ちのぼる、多くのものが一時に激しく盛んになる・わきおこる,


まきかえす,巻き返す(捲き返す),サ行五段,他動詞,「巻き尺を巻き返す」「土俵際で巻き返す」,,,巻いて元の状態へ戻す、劣勢から勢いを取り戻して反撃する,


まきこむ,巻き込む(捲き込む),マ行五段,他動詞,「機械に巻き込まれる」「無関係な他人を巻き込む」「内紛に巻き込まれる」,,,巻いて中へ入れる、ある人間関係や自体に引き入れる・巻き添えにする,


まきちらす,撒き散らす,サ行五段,他動詞,「悪臭を撒き散らす」「噂を撒き散らす」,,,あたり一面に広がるようにまく・またあちらこちらに広める,


まきつく,巻き付く,カ行五段,自動詞,「ヘチマのツルが支柱に巻きつく」「網がスクリューに巻きつく」,相互「まきつける」,,他のものの周りに絡んでつく・ぐるぐる巻いてつく,


まきつける,巻き付ける,カ行下一段,他動詞,「ロープを体に巻きつける」,相互「まきつく」,,他の物のまわりに絡んでつくようにする・ぐるぐる巻いてつける,

まきつける,蒔き付ける,カ行下一段,他動詞,「麦を蒔きつける」,,,作物の種をまく,


まきとる,巻き取る,ラ行五段,他動詞,「タコ糸を木片へ巻き取る」,,,巻いて別のものに移し取る,


まきもどす,巻き戻す,サ行五段,他動詞,「フィルムを巻き戻す」,,,巻いて元の状態に戻す,


まぎらかす,紛らかす,サ行五段,他動詞,「寂しさを紛らかす」,,,「まぎらす」に同じ,


まぎらす,紛らす,サ行五段,他動詞,「姿を人混みに紛らす」「気を紛らす」「退屈を紛らす」,相互「紛れる」,,関心を他に移すなどしてそのことがわからなくなるようにする・ごまかす・また気持ちを他に向けてふさいだ気分などを晴らす・まぎらわす,


まぎらせる,紛らせる,サ行下一段,他動詞,「恋の悩みをスポーツで紛らせる」,,,「まぎらす」に同じ,


まぎらわす,紛らわす,サ行五段,他動詞,「水で空腹を紛らわす」,,,「まぎらす」に同じ,


まぎれこむ,紛れ込む,マ行五段,自動詞,「よその郵便物が紛れ込む」「雑踏の中に紛れ込んで姿を消す」,,,間違って入り込む、いつの間にか他の物の中に入り込む・混雑をうまく利用して入り込む,


まぎれる,紛れる,ラ行下一段,自動詞,「人混みに紛れて見失う」「勝負の行方が紛れてくる」「紛れやすい色」「騒ぎに紛れて盗みを働く」「夜陰に紛れて逃げる」「多忙に紛れて返事が遅れる」「気が紛れる」,相互「まぎらす」,,入り混じって区別がつかなくなる・またはっきりしなくなる、似通っていて見分けがつかなくなる、他と見分けのつかない状況などをうまく利用する・混乱などに乗じる、他に心が奪われて本来行なうべきことがおろそかになる、他に心が移って悲しみなどを忘れる,



【まく】

まく,巻く(捲く),カ行五段,他動詞,「包帯を巻く」「グリップにテープを巻く」「反物を巻く」「紙を筒状に巻く」「蛇がとぐろを巻く」「朝顔のツルが巻く」「ゼンマイを巻く」「竜頭を巻く」「錨を巻く」「煙に巻かれる」「歌仙を巻く」「大滝を巻いて沢筋を詰める」「頂上を巻く道」「子どもながらも巧みな演奏に舌を巻く」「飲んでは管を巻いてばかりいる」,,,物のまわりに緩みのないように絡みつける、長い物や平らな物をその一端を軸にするように丸める、渦巻き状にする・また渦巻き状になる、ねじやぜんまいなどをねじり回して締める、物をそれについている綱や鎖を軸に絡ませて包み込む、まわりを取り囲む・包み込む、連歌や俳諧の付合をする、登山でルートの途中にある難所を避け迂回して登る・またそのように道がついている、(「舌を巻く」の形で)言葉も出ないほど驚いたり感心したりする、(「管を巻く」の形で)酒に酔ってとりとめのないこと不平などを繰り返し言う。「巻」は長い物の一方を中心にしてくるくるとまとめる・束ねる・まとめる・収束する・取り巻く・囲む・まきあげる、「捲」はぐるぐるまく意。常用読みの「巻」に統一,

まく,蒔く(播く),カ行五段,他動詞,「籾を蒔く」「騒動の種を蒔く」「自分で蒔いた種」「流水の文様を蒔いた文箱」,,,植物の趣旨を畑などに散らす・また土に散らし埋める、(「種を蒔く」の形で)物事の原因をつくる、蒔絵をつくる。「蒔」は種をまく・粉末を散らして落とす、「播」は種をまく意。常用ではないのでかな書きか感じで書くなら「蒔」に統一,

まく,撒く,カ行五段,他動詞,「玄関先に水を撒く」「塩を撒いて土俵に上がる」「ビラを撒く」「噂を撒く」「尾行を撒く」,,,広い範囲に細かく振るようにして散らす・散布する・ばらまく、散らして大勢に行き渡らせる、話などを周囲に広める、連れの者などの目をくらまし故意にはぐれる,


まくしあげる,捲し上げる,ガ行下一段,他動詞,「袖を捲し上げる」,,,上のほうへ引き上げる・まくりあげる。「めくりあげる」と同字,


まくしたてる,捲し立てる,タ行下一段,他動詞,「日頃の不満を一息に捲し立てる」,,,勢いよく続けざましゃべる。「めくりたてる」と同字,


まくりあげる,捲り上げる,ガ行下一段,他動詞,「袖を捲り上げる」,,,まくって上にあげる。「めくりあげる」と同字,


まくる,捲る,ラ行五段,他動詞,「裾を捲る」「布団を捲る」「後ろから激しく捲られる」,,,物の端を外側へ巻きながら上へあげる、覆っている物や重なっているものをはがす・めくる、追い立てる。「めくる」と同字,

まくる,捲る,ラ行五段,他動詞,「書きまくる」「走りまくる」,,,補助動詞。ずっとその動作を続ける・盛んに〜する,


まくれる,捲れる,ラ行下一段,自動詞,「スカートが捲れる」,,,物の端が外側に巻いたように上がる・めくれる。「めくれる」と同字,



【まけ】

まけこす,負け越す,サ行五段,自動詞,「先場所に続いて負け越す」,,対語「かちこす」,負けた回数が勝った回数より多くなる・また相手の得点より下回る,


まける,負ける,カ行下一段,自動詞,「試合に負ける」「賭けに負ける」「腕力では誰にも負けない」「負けずにやり返す」「誘惑に負ける」「夏の暑さに負ける」「相手の熱意に負ける」「パチンコで五千円負ける」,相互「まかす」,対語「かつ」,相手と戦ったり争ったりした結果力の劣った立場になる・敗れる、他と比べて劣る・圧倒される・劣勢である、欲望や働きかけなどを抑えることができなくなる・また悪い条件や困難な状態を切り抜けられなくなる、金銭を失う・損をする,

まける,負ける,カ行下一段,自動詞,「カミソリに負ける」「売れ残りを負けて売る」「一個負けてもらう」,,,薬品や漆などにかぶれる、値段を安くする・またおまけとして付ける,


まげる,曲げる,ガ行下一段,他動詞,「針金を曲げる」「腰を曲げる」「首を曲げる」「信念を曲(枉)げる」「法を曲(枉)げる」「事実を曲(枉)げた報道」「時計を曲げる」,,,まっすぐなものなどを弓形にする・曲がった状態にする・たわめる、傾ける・傾斜させる、(「枉げる」とも書く)本来の主義や考えや希望などを無理に変える、(「枉げる」とも書く)道理や事実などを意図的にゆがめる、質に入れる,



【まこ】

まごつく,まごつく,カ行五段,自動詞,「大きな駅でまごつく」,,,迷ってうろうろする・うろたえる・まごまごする,



【まさ】

まさぐる,弄る,ラ行五段,他動詞,「バッグの中をまさぐる」「数珠をまさぐる」,,,手先であちこち探す・指先でいじる・もてあそぶ。「いじる」と同字,


まさる,勝る(優る),ラ行五段,自動詞,「実力において勝る」「これに勝る喜びはない」「聞きしに勝る美人」,,,他と比べて価値や能力などが上である・すぐれる・秀でる、他のものよりも程度が上である。「勝」はまさる・すぐれる・すぐれたこと・すぐれたところ(対語「まける・やぶれる」)、「優」はすぐれる・まさる(対語「おとる」)。常用読みの「勝」に統一,

まさる,増さる,ラ行五段,自動詞,「革の水かさが増さる」,,,数量や程度などがしだいに多くなる・増える,


まざる,混ざる(交ざる・雑ざる),ラ行五段,自動詞,「酒に水が混ざる」「カシミアの混ざったウール地」,相互「まぜる」,,性質の異なるものが中には入り込む・まじる。「混」はまじる・まざる・まじいる・入り乱れる・こむ、「交」はまじわる・まじる・まざる・交差する・食い違いになる・あう・調和する・付き合う・交際する・いりまじる・男女が関係する、「雑」はまじる・まざる・まじわる・まぜる・色々の色がまじりあう・入り組む・入り乱れる・純粋でない・まだらである・ぶちの意。一般に「混」に統一,



【まし】

まじえる,交える(雑える),ア行下一段,他動詞,「学生を交えて討論する」「身振りを交えて話す」「私情を交えない仕事上の付き合い」「膝を交えた語り合う」「砲火を交える」「言葉を交える」,相互「まじわる」,,付け加えてひとつにする・加え入れる、入り込ませる・組み合わせる、互いにやりあう・やりとりする。常用読みの「交」に統一,


まじなう,呪う,ワ行五段,自動詞,「日照りが続かぬようまじなってもらう」,,,災いや病気を避けるために神仏などに祈る。「のろう」と同字,


まじめくさる,真面目腐る,ラ行五段,他動詞,「まじめくさった顔つき」「冗談をまじめくさって言う」,,,大まじめな様子をする・いかにもまじめな態度をとる,


まじる,混じる(交じる・雑じる),ラ行五段,自動詞,「黄の混じった緑色」「麦の混じったご飯」「髪に白いものが混じる」「子どもたちに混じって遊ぶ」,相互「まぜる」,,ある物の中に種類や性質の異なる別のものが入り込む・まざる、グループに加わる・仲間に入る・交際する。「混」はまじる・まざる・まじいる・入り乱れる・こむ、「交」はまじわる・まじる・まざる・交差する・食い違いになる・あう・調和する・付き合う・交際する・いりまじる・男女が関係する、「雑」はまじる・まざる・まじわる・まぜる・色々の色がまじりあう・入り組む・入り乱れる・純粋でない・まだらである・ぶちの意。一般に「混」に統一,


まじろぐ,瞬ぐ,ガ行五段,自動詞,「少しもまじろがずにじっと聞き入る」,,,まばたきをする・またたく,


まじわる,交わる,ラ行五段,自動詞,「国道と県道とが交わる所」「友と親しく交わる」「朱に交われば赤くなる」「男女が交わる」「二直線が交わる」,相互「まじえる」,,行き合う・互いに交差する、付き合う・交際する、交合する・性交する、数学で線と線や線と面や面と面などがある点を共有する・また二つ以上の集団が共通の要素を持つ,



【ます】

ます,増す(益す),サ行五段,自動詞,「体重が増す」「秋になると食欲が増す」「不安が増す」「前にも増して元気になる」,,対語「へる」,数量や程度が大きくなる・多くなる・増える・高まる・進む・(「〜にもまして」の形で)あるものよりも程度が上であることを表す。「増」はます・ふえる・多くなる・加わる・重なる・高くなる、「益」は加わる・富む・多くなるの意。常用読みの「増」に統一,

ます,増す(益す),サ行五段,他動詞,「人員を増す」「紅葉が渓谷の景観を増す」「興味を増す」「親しみを増す」,,対語「へらす」,数量や程度を大きくする・加える・また加えて大きくする・ふやす・高める・伸ばす・進める。「増」はます・ふやす・多くする・加える・重ねる・高くする、「益」はふやす・加えるの意。常用読みの「増」に統一,



【ませ】

まぜあわせる,混ぜ合わせる(交ぜ合わせる),サ行下一段,他動詞,「具を混ぜ合わせて炊く」,,,別々のものをまぜて一緒にする,


まぜかえす,混ぜ返す(雑ぜ返す),サ行五段,他動詞,「ご飯に酢を入れてまぜかえす」「茶々を入れて話をまぜかえす」,,,何回も引っ繰り返してまぜる、脇から口出ししたり茶化したりして人の話を混乱させる。まぜっかえす,


まぜっかえす,混ぜっ返す(雑ぜっ返す),「鍋の中の材料をまぜっかえす」「口を挟んで話をまぜっかえす」,,,「まぜかえす」に同じ,


ませる,ませる,サ行下一段,自動詞,「子供のくせにませた口をきく」,,,年齢の割におとなびる,


まぜる,混ぜる(交ぜる・雑ぜる),ザ行下一段,他動詞,「ウイスキーに水を混ぜる」「白と黒を混ぜてグレーにする」「スプーンでよく混ぜる」,相互「まざる・まじる」,,あるものの中に別のものを加えて一つにする・また数種のものを一緒にする・混合する、かきまぜる・撹拌する。「混」はまぜる・まじえる・まぜあわせる、「交」はまじえる・まぜる・組み合わせる・調和させる、「雑」はいろいろの色がまじりあう・入り組む・入り乱れる・純粋でない・まだらである・ぶちの意。一般に「混」に統一,



【また】

またがる,跨がる,ラ行五段,自動詞,「自転車に跨がる」「五年に跨がる大事業」「この山は二県に跨がっている」「吾妻橋は隅田川に跨がっている」,相互「またぐ」,,またを広げて両足で挟むようにして乗る、時間的空間的に一方から他方に及ぶ・わたる・ひろがる,


またぐ,跨ぐ,ガ行五段,他動詞,「水たまりを跨ぐ」「谷を跨ぐ吊り橋」,相互「またがる」,,足を開いて物の上を越える、架け渡す・またがる,


またたく,瞬く,カ行五段,自動詞,「しきりに目を瞬く」「沖に漁り火が瞬く」「瞬く星」,,,まぶたを瞬間的に開けたり閉じたりする・まばたく、光がチラチラする・光が明滅する。「まばたく」と同字,



【まち】

まちあかす,待ち明かす,サ行五段,自動詞,「まんじりともせず一晩待ち明かす」,,,来る人を待ちながら夜を明かす・また非常に長く待つ,


まちあぐねる,待ち倦ねる,ナ行下一段,他動詞,「待ちあぐねた通知がやっと来た」,,,「まちあぐむ」に同じ,


まちあぐむ,待ち倦む,マ行五段,他動詞,「便りを待ちあぐむ」,,,うんざりするほど長く待つ・待ちわびる,


まちあわす,待ち合わす,サ行五段,他動詞,「友人と駅で待ち合わす」,,,「まちあわせる」に同じ,


まちあわせる,待ち合わせる,サ行下一段,他動詞,「喫茶店で待ち合わせる」「特急の通過を待ち合わせる」,,,前もって場所と時間とを決めておいてそこで相手の来るのを待つ,


まちうける,待ち受ける,カ行下一段,他動詞,「敵を待ち受ける」「吉報を待ち受ける」,,,来ることを予期して待つ・心構えをして待つ,


まちがう,間違う,ワ行五段,自動詞,「この手紙は住所が間違っている」「間違っても他言してはいけない」,,,あるべき状態や結果と異なる・違う、(「間違っても」の形で打ち消しの語を伴って)どんなことかあっても・決して,

まちがう,間違う,ワ行五段,他動詞,「勘定を間違う」「一人が間違うと全体に影響する」「誰かが間違って渡した書類」「約束の日時を間違う」,,,「まちがえる」に同じ,


まちがえる,間違える,ア行下一段,他動詞,「計算を間違える」「人の傘と間違える」「道を間違える」,,,し損なう・失敗する・しくじる、他のものと取り違える。まちがう,


まちかねる,待ち兼ねる,ナ行下一段,他動詞,「待ちかねて先に帰ってしまった」「出発の日を今か今かと待ちかねる」,,,待つ時間が長くて待っているのに耐えられなくなる・まちわびる,


まちかまえる,待ち構える,ア行下一段,他動詞,「機械を待ち構える」「報道陣が待ち構える」,,,用意して待っている、待ち設ける,


まちくたびれる,待ち草臥れる,ラ行下一段,自動詞,「待ちくたびれて眠ってしまった」,,,長い間待って疲れる,


まちくらす,待ち暮らす,サ行五段,他動詞,「連絡の電話を連日待ち暮らす」,,,待ちながら日を過ごす・長い間待つ・毎日待ち続ける,


まちこがれる,待ち焦がれる,ラ行下一段,他動詞,「息子の帰省を待ち焦がれる」,,,強く待ち望む・今か今かと一心に待つ,


まちつける,待ち付ける,カ行下一段,他動詞,「いつも待ちつけているので少しくらい平気だ」,,,待つことに慣れる,


まちのぞむ,待ち望む,マ行五段,他動詞,「朗報を待ち望む」,,,今か今かと心待ちにする・期待して待つ,


まちぶせる,待ち伏せる,サ行下一段,自動詞,「待ち伏せて捕まえる」,,,不意に襲うためにめざす相手の来るのを隠れて待つ,


まちもうける,待ち設ける,カ行下一段,他動詞,「来客を待ち設ける」「昇給を待ち設ける」,,,準備して待つ・待ち受ける、そうなることを願う・期待する,


まちわびる,待ち侘びる,バ行上一段,他動詞,「春を待ち侘びる」,,,気を揉みながら待ち続け心が疲れる,



【まつ】

まつ,待つ,タ行五段,他動詞,「回復を待つ」「駅で友達を待つ」「日の出を待つ」「楽屋で出番を待つ」「ちょつと待ちなさい」「向こうの出方を待って対処する」,,,物事や人や時が来るのを予期し願い望みながらそれまでの時間を過ごす・また用意して備える、しようとする動作を途中でやめる・普通相手に要求する形で用いる、相手の反応や態度がわかるまで静観する,

まつ,俟つ(待つ),タ行五段,他動詞,「良識に俟つ」「手腕に俟つ」「言を俟たない」,,,それを頼りにして任せる・望みを託する・期待する、(「をまたない」の形で)〜するまでもない・その必要がない,


まっとうする,全うする,サ行変格活用,他動詞,「本文を全うする」「天寿を全うする」,,,完全に果たす・完全に終わらせる,


まつりあげる,祭り上げる,ガ行下一段,自動詞,「学問の神様として祭り上げる」「委員長に祭り上げる」「功績者に祭り上げる」,,,尊いものとしてあがめる、周囲の人達が連動して否応なしに高い地位に就かせる、おだてあげて特別な処遇と思わせる,


まつる,祀る(祭る),ラ行五段,他動詞,「先祖の御霊を祀る」「死者を祀る」「菅原道真を祀ってある神社」,,,儀式をととのえて神霊を慰めまた祈願する、神とあがめ一定の場所に安置する。「祀」は神として祭る・また祭り、「祭」は神や先祖を物を供えてまつる・またまつりの意。常用外だが「祀」が一般的,

まつる,纏る,ラ行五段,他動詞,「スカートの裾をまつる」,,,まつりぐけをする・まつり縫いをする,


まつわりつく,纏わり付く,カ行五段,自動詞,「濡れたスカートが足にまつわりつく」「子どもが母親にまつわりつく」「助けを求める声が耳にまつわりつく」,,,絡みついて離れない、そばにいて離れない・いつもつきまとっている,


まつわる,纏わる,ラ行五段,自動詞,「足に着物の裾がまつわる」「捨て猫がまつわる」「彼の捨てゼリフがいつまでも脳裏にまつわる」「星にまつわる物語」,,,絡みつく、そばについて離れない・付きまとう、付随する・関連する,



【まと】

まといつく,纏い付く,カ行五段,自動詞,「子どもが母親にまといつく」,,,絡みつく・まつわりつく,


まとう,纏う(絡う),ワ行五段,他動詞,「ドレスを身にまとう」「ボロをまとう」,相互「まとわす」,,身につける・着る,


まどう,惑う,ワ行五段,自動詞,「知らない街角で惑う」「誘惑に惑う」,,,道や方向がわからなくなる・迷う、悪いことに心が奪われる,

まどう,惑う,ワ行五段,自動詞,「思い惑う」「踏み惑う」,,,補助動詞。ひどく〜する,


まとまる,纏まる,ラ行五段,自動詞,「引越荷物がまとまる」「まとまった金額」「計画がまとまる」「考えがまとまる」「交渉がまとまる」「縁談がまとまる」,相互「まとめる」,,バラバラのものが統一のとれたひとかたまりになる、物事の筋道が立って整う、決まりがつく・互いの意志を一致させる,


まとめる,纏める,マ行下一段,他動詞,「作文をまとめて本にする」「一年分まとめて払い込む」「アイデアをまとめる」「紛争をまとめる」「商談をまとめる」,相互「まとまる」,,バラバラのものを集めてひとかたまりのものにする、物事の筋道を立てて整える、決まりをつける・互いの意志を一致させる,


まどろむ,微睡む,マ行五段,自動詞,「しばしまどろむ」,,,少しの間うとうとする,


まとわす,纏わす,サ行五段,他動詞,「体に薄布をまとわす」,相互「まとう」,,まとうようにする,


まどわす,惑わす,サ行五段,他動詞,「巧妙な手口で人を惑わす」「誇大広告で消費者を惑わす」,,,判断や考えなどを混乱させる、だます・あざむく,



【まな】

まなぶ,学ぶ,バ行五段,他動詞,「大学で心理学を学ぶ」「同じ学校で学んだ仲間」「よく学びよく遊べ」「苦労して人間の素晴らしさを学んだ」,,,勉強する・学問をする、教えを受けたり見習ったりして知識や技芸を身につける・習得する、経験することによって知る,



【まに】

まにあう,間に合う,ワ行五段,自動詞,「まだこの靴で間に合う」「コップがなくても茶碗で間に合う」「酒は今間に合っている」「今から行けば列車に間に合う」,相互「まにあわす・まにあわせる」,,役に立つ・その場の用が足りる、物が十分である・足りる、決まった時間に遅れない,


まにあわす,間に合わす,サ行五段,自動詞,「借りて間に合わそう」,相互「まにあう」,,「まにあわせる」の音変化,


まにあわせる,間に合わせる,サ行下一段,自動詞,「時間までに必ず間に合わせる」「夕食は駅弁で間に合わせる」,相互「まにあう」,,一定の時刻までに物事を完了して遅れさせないようにする、代わりの物でその場の役に立てる,



【まぬ】

まぬかれる,免れる,ラ行下一段,他動詞,「戦火を免れる」「責任を免れる」,,,身に受けては好ましくないことから逃れる・また避けてそれにかかわらない。「まぬがれる」とも,



【まね】

まねきよせる,招き寄せる,サ行下一段,他動詞,「店員を招き寄せる」,,,合図して近寄らせる・呼んで近づける,


まねく,招く,カ行五段,他動詞,「手を振って招く」「歓迎会に招かれる」「作家を招いて講演会を開く」「ゲストに招く」「教授として招く」「惨事を招く」「誤解を招く」,,,合図をして人を呼び寄せる、客としてくるように誘う・招待する、ある目的のために礼を尽くして来てもらう・招聘する、好ましくない事態を引き起こす・もたらす,


まねる,真似る,ナ行下一段,他動詞,「父親の口ぶりを真似る」「文体を真似る」,,,他の人や物に似せる・まねをする・模倣する,



【まは】

まばたく,瞬く,カ行五段,自動詞,「まばたいて合図する」,,,まばたきをする・またたく。「またたく」と同字,



【まひ】

まびく,間引く,カ行五段,他動詞,「大根を間引く」「電車を間引いて運転する」,,,野菜などを十分に生育させるために間を隔ててまばらにする・うろぬく、本来あるべきものを省く,



【まふ】

まぶす,塗す,サ行五段,他動詞,「きな粉を餅にまぶす」,,,粉などを全体に付着させる・一面に塗りつける・まぶる,



【まみ】

まみえる,見える,ア行下一段,自動詞,「主君にまみえる」,,,「会う」の謙譲。お目にかかる。「みえる」と同字,

まみえる,見える,ア行下一段,自動詞,「両雄相まみえる」「貞女は二夫にまみえず」,,,顔を合わせる、夫として仕える。「みえる」と同字,


まみれる,塗れる,ラ行下一段,自動詞,「泥にまみれる」「汗にまみれる」,,,泥や汗などが一面にくっついて汚れる。「ぬれる」と同字,



【まも】

まもりぬく,守り抜く,カ行五段,他動詞,「継投策で一点を守り抜く」,,,最後まで守る・守りとおす,


まもる,守る(護る),ラ行五段,他動詞,「犯罪から背少年を守ろう」「身を守る術」「約束を守る」「教えを守る」「ゴールを守る」「外野を守る」,,,侵されたり害が及ばないように防ぐ、決めたことや規則に従う、相手の攻撃に備え守備する。「守」は持ちこたえる・保持する・ふせぎまもる・保護する・見張る・番をする・つかさどる・処理する・大切にする・またつつしむ・見つめる、「護」は助ける・かばう・防ぐ・統率する・大切にする・ふせぎまもる・守備・助けまもる意。常用読みの「守」に統一,



【まや】

まやかす,まやかす,サ行五段,他動詞,「見物人をまやかす」,,,ごまかしあざむく・だます,



【まよ】

まよう,迷う(紕う),ワ行五段,自動詞,「山中で道に迷う」「進学か就職かで迷う」「判断に迷う」「色香に迷う」「迷わず成仏してください」,相互「まよわす」,,まぎれて進むべき道や方向がわからなくなる、どうしたらよいか決断がつかない、心が乱れてよくない方向へ行く・欲望や誘惑に負ける、死者の霊が成仏できないでいる。「迷」は道にまよう・脇道にさまよう・まどう・良い悪いの判断がつかない・決断がつかない・ぼんやりする、「紕」は誤る・間違う・また誤り・間違いの意。常用の「迷」に統一,


まよわす,迷わす,サ行五段,他動詞,「流言に迷わされる」「人心を迷わす」,相互「まよう」,,迷うようにする・まどわす,



【まる】

まるまる,丸まる,ラ行五段,自動詞,「丸まって寝る」「背中が丸まる」,相互「まるめる」,,丸くなる,


まるめこむ,丸め込む,マ行五段,他動詞,「タンスにセーターを丸め込む」「言葉巧みに丸め込む」,,,物を丸めて中に入れる、相手を自分の思うとおりに操る・まるめる,


まるめる,丸める,マ行下一段,他動詞,「紙を丸めて捨てる」「頭を丸めて脱俗する」「うまく丸めて味方に引き入れる」,相互「まるまる」,,丸い形にする、頭髪を剃る・剃髪する、他人を巧みに操る・言いくるめる・まるめこむ,



【まわ】

まわす,回す(廻す),サ行五段,他動詞,「腕を回す」「プロペラを回す」「敷地に柵を回す」「杯を回す」「通知を回す」「総務から営業へ人員を回す」「出先に車を回す」「預金の一部を学費に回す」「敵に回す」「気を回す」「手を回す」「高利で回す」,,,軸を中心として円を描くように動かす・回転させる、周囲を取り巻くようにする・めぐらす、順に送り渡す、人や物を必要とする場所へ移す、その立場に置く、配慮などを行き渡らせる、利益を得るように金銭を運用する。「回」はめぐらす・ぐるぐるまわす・向きを変える・囲いを設ける、「廻」はめぐらす意,

まわす,回す(廻す),サ行五段,他動詞,「いじくりまわす」「追いかけまわす」「引っ張りまわす」,,,補助動詞。全体に〜する・あちこち〜する・またさんざん〜する意を表す,


まわる,回る(廻る),ラ行五段,自動詞,「車輪が回る」「地球は回る」「地球の周りを月が回る」「岬を回る船」「挨拶に回る」「観光地を回る」「危険な沢筋を避けて稜線へ回る」「急がば回れ」「外出のついでに先生のお宅へ回る」「仕事が回ってくる」「週単位で当番が回る」「賛成に回る」「受け身に回る」「酔いが回る」「手が回る」「気が回る」「舌が回る」「頭が回る」「月に三分で回る」「そろそろ三時を回ろうとするところだ」「急に立ち上がって目が回る」,,,軸を中心にして円を描くように動く・回転する、物の周囲に沿って円を描くように移動する、順々に決まった場所などをめぐる、遠くなるほうの道をとる・迂回する、寄り道をする、物事が順に移る、それまでとは異なった立場に変わる、効力などが隅々まで及ぶ・また配慮などが行き届く、よく動く・よく働く、金銭の運用で利益が生じる、ある時刻が過ぎる、(「目が回る」の形で)めまいがする。「回」はめぐる・ぐるぐるまわる・ひとまわりする・へめぐる・あちこちまわる・取り巻く・囲む・向きが変わる、「廻」はめぐる意,

まわる,回る(廻る),ラ行五段,自動詞,「のたうちまわる」「走りまわる」「逃げまわる」,,,補助動詞。そのあたりを〜する・あちこち〜する意を表す,



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