第5話 動詞(か)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【かい】

かいあおる,買い煽る,ラ行五段,他動詞,「電機株を買い煽る」,,,相場を上げるために盛んに買う,


かいあげる,買い上げる,ガ行下一段,他動詞,「農地を買い上げる」,,対語「うりさげる・はらいさげる」,官公庁などが民間から物を買い取る,


かいあさる,買い漁る,ラ行五段,他動詞,「稀覯本を買い漁る」,,,あちこち探し求めて盛んに買う・買い集める,


かいいれる,買い入れるラ行下一段,他動詞,「新型の電化製品を買い入れる」,,,物をたくさん買い入れる・特に品物の値上がりや欠乏を見越して多く買い入れる,


かいうける,買い受ける,カ行下一段,他動詞,「別荘を安く買い受ける」,,,売ろうとしている他人の所有物や権利などを買って手に入れる・買い取る,


かいかえす,買い返す,サ行五段,他動詞,「売った株を買い返す」,,,一度売ったものを再び買いとる・買いもどす,


かいかえる,買い換える(買い替える),ア行下一段,他動詞,「車を買い換える」,,,新しく買い入れて今までの物ととりかえる。戻せないなら「換」、戻せるなら「替」,


かいかぶる,買い被る,ラ行五段,他動詞,「そう買い被られても困る」,,,人物を実際以上に高く評価する,


かいきる,買い切る,ラ行五段,他動詞,「在庫を買い切る」「桟敷を買い切る」「特約店が大量に品物を買い切る」,,,残らずすべて買う、小売業者が返品しない約束で買い取る,


かいくぐる,掻い潜る,ラ行五段,他動詞,「監視の目をかい潜る」,,,巧みにすばやく物の下や間を通る・また困難や危険のあるところをうまく通り抜ける,


かいこむ,買い込む,マ行五段,他動詞,「値上がりを見越して買い込む」,,,多く買い入れる、とくに値上がりや欠乏を見越して,

かいこむ,掻い込む,マ行五段,他動詞,「水を掻い込む」,,,液体をすくい取る,


かいしぶる,買い渋る,ラ行五段,他動詞,「高値が続き買い渋る」,,,買うのをためらう,


かいしめる,買い占める,マ行下一段,他動詞,「周辺の土地を買い占める」「買い占めて相場を上げる」,,,残さずすべて買う・買い切る、意図を持って商品や株式を一手に買い集める,


かいす,介す,サ行五段,他動詞「意に介さない」,,,「かいする」の音変化,

かいす,会す,サ行五段,自動詞,「年に一度ここに会そうと約束する」,,,「かいする」の音変化,

かいす,解す,サ行五段,他動詞,「そんな意味に解さないでもらいたい」,,,「かいする」の音変化。「ほぐす・ほごす」と同字,


がいす,害す,サ行五段,他動詞,「感情を害さないように話す」,,,「がいする」の音変化,


かいする,介する,サ行変格活用,他動詞,「人を介して頼む」「少しも意に介する必要はない」,,,仲立ちとする、心配する・気にかける,

かいする,会する,サ行変格活用,自動詞,「一堂に会する」「すべてこの一点に会する」,,,寄り集まる、一緒になる,

かいする,解する,サ行変格活用,他動詞,「風流を解する」「真意を曲げて解する」,,,理解する、解釈する,


がいする,害する,サ行変格活用,他動詞,「健康を害する」「展望を害する」「人を害する」,,,傷つける・損なう、妨げる、殺す,


かいたす,買い足す,サ行五段,他動詞,「不足分は買い足してください」,,,足りない分を買って補う・現在あるものをさらに買って増やす,


かいだす,買い出す,サ行五段,他動詞,「急に株を大量に買いだした」「生産地から野菜を買い出す」,,,買い始める、問屋・市場・産地などに出向いて商品を買い入れる,

かいだす,掻い出す,サ行五段,他動詞,「船底の水を掻い出す」,,,たまり水などを掻きさらうように外へ汲み出す,


かいたたく,買い叩く,カ行五段,他動詞,「足元を見て買い叩く」,,,不当に値引きさせて買う・売る側の事情につけいってふつうでは考えられないほど安く値切って買う,


かいたてる,買い立てる,タ行下一段,他動詞,「出物を端から買い立てる」,,,むやみにどんどん買い入れる,


かいつくろう,掻い繕う,ワ行五段,他動詞,「襟を掻い繕う」,,,服装の乱れなどを整える・威厳を整える。「かきつくろう」の音変化,


かいつける,買い付ける,カ行下一段,他動詞,「いつも買いつけている銘柄」「原料を買い付ける」,,,ふだんから買い慣れている、大量に買い入れる,


かいつまむ,掻い摘む,マ行五段,他動詞,「掻い摘んで言えば」,,,(多くは「かいつまんで」の形で)要点を大ざっぱにとらえる・概括する,


かいととのえる,買い調える(買い整える),ア行下一段,他動詞,「学用品を買い調える」,,,必要なものを買って用意する・買いそろえる。買い揃える意は「調」,


かいとる,買い取る,ラ行五段,他動詞,「別荘を安く買い取る」,,,代金を払って自分のものにする,


かいならす,飼い馴らす(飼い慣らす),サ行五段,他動詞,「野鳥を飼い馴らす」「部下を飼い馴らす」,,,動物に餌をやるなどしてなつかせる、人をこちらの都合のいいように手懐ける。「慣」は習熟、「馴」は言うことを聞くようになる・経験を積んで楽にできるようになる意なので「馴」が正しい,


かえひかえる(かいびかえる),買い控える,ア行下一段,他動詞,「高値なので買い控える」,,,買うのを見合わせる・また買う量を少なめに抑える,


かいまみる,垣間見る,マ行上一段,他動詞,「カーテンの間から垣間見る」「大人の世界を垣間見る」,,,物の隙間から覗き見る・一端を窺う,


かいもどす,買い戻す,サ行五段,他動詞,「手放した絵を買い戻す」,,,一度売り渡した品物を代金を払って再び自分のものとする,


かいもとめる,買い求める,マ行下一段,他動詞,「探していた名画をやっと買い求める」,,,金を払ってほしい物を手に入れる,



【かう】

かう,支う,ワ行五段,他動詞,「心張り棒を支う」「鍵を支う」,,,棒やくさびなどを当てて支える、鍵やかんぬきなどをかける,

かう,交う,ワ行五段,他動詞,「呼び交う」「行き交う」,,,補助動詞。互いにする・すれ違う意,

かう,買う,ワ行五段,他動詞,「欲しい物を買う」「権利を買う」「売られた喧嘩を買う」,,対語「うる」,代金を払って自分のものにする、進んで引き受ける,

かう,買う,ワ行五段,他動詞,「人の恨みを買う」「反感を買う」「努力を買う」「外交手腕を買われる」「女郎を買う」,,,己の行為で好ましくないことを身に負う、価値を認める、能力や人物などを認められる、売春婦などと遊興する,

かう,飼う,ワ行五段,他動詞,「猫を飼う」,,,食べ物を与えて動物を養い育てる,



【かえ】

かえす,反す(返す),サ行五段,他動詞,「手のひらを反す」「田を反す」「恩を仇で反す」,相互「かえる」,,裏返す・逆にする、恩に報いる・仇に仕返しする・相手のしたことをこちらから行なう。「反す」は「はんす」と同字,

かえす,返す(反す),サ行五段,他動詞,「言葉を返す」「視線を返す」「歌を返す」「寄せては返す白波の」「取って返す」,相互「かえる」,,元へ戻す。他に「返」は改める、「反」は繰り返す意。「反す」は「はんす」と同字,

かえす,返す,サ行五段,他動詞,「借金を返す」「官位を返す」「お金で返す」「話を白紙に返す」,相互「かえる」,,元の所有者に戻す、元通りの状態にする,

かえす,反す(返す),サ行五段,他動詞,「本を読み返す」「糸を巻き戻す」「言い返す」「殴り返す」,,,補助動詞。もう一度何度もしてみる、相手にされたことをこちらから行なう。「反す」は常用読みでないため「返す」に統一,

かえす,帰す(還す),サ行五段,他動詞,「生徒を家に帰す」「使いを帰す」「スクイズで走者を帰す」,相互「かえる」,,元いたところへ戻す、野球で走者が本塁を踏むようにする。他に「還」は持ち主へ返す・償う意,

かえす,孵す,サ行五段,他動詞,「ひなを孵す」,相互「かえる」,,卵を温めてひなにする,


かえりざく,返り咲く,カ行五段,自動詞,「八重桜が返り咲く」「再び当選して政界に返り咲く」,,,春の花が小春日和の暖かさに時節でないのに再び咲く、一度失ったものが再び元の状態に戻る,


かえりつく,帰り着く,カ行五段,自動詞,「やっとわが家に帰り着く」,,,出発したもとの所に戻る,


かえりみる,省みる,マ行上一段,他動詞,「我が身を省みて恥じる」,,,自分のしたことをもう一度考えてみる・反省する,

かえりみる,顧みる,マ行上一段,他動詞,「半生を顧みる」「妻子を顧みない」「後方を顧みる」,,,過ぎ去ったことを思い起こす、気にかける、振り返って見る,


かえる,反る(返る),ラ行五段,自動詞,「裾が反る」「軍配が反る」「漢文を下から反って読む」,相互「かえす」,,裏返る・ひるがえる。「反る」は「そる」と同字,

かえる,返る(反る),ラ行五段,自動詞,「童心に返る」「正気に返る」「忘れ物が返る」「投資した金が倍になって返ってくる」「返事が返ってくる」,相互「かえす」,,元へ戻る。他に「返」は改まる、「反」は「そる」の意。「反る」は「そる」と同字,

かえる,反る(返る),ラ行五段,自動詞,「静まりかえる」「呆れかえる」「むせかえる」,,,補助動詞。すっかりそうする・ひどくそうする。「反す」は常用読みでないため「返す」に統一。「反る」は「そる」と同字,

かえる,帰る(還る),ラ行五段,自動詞,「郷里へ帰る」「まもなく帰ってくる」「客が帰る」「ヒットで走者が帰る」,相互「かえす」,,元いたところに戻る、今いるところを離れて去る、野球で走者が本塁を踏んで得点する。他に「還」は退く・顧みる意,

かえる,孵る,ラ行五段,自動詞,「ひなが孵る」「卵が孵る」,相互「かえす」,,卵がひなや子どもになる,

かえる,変える,ア行下一段,他動詞,「姿を変える」「顔色を変える」「考えを変える」「話題を変える」「戦術を変える」「会場を変える」「予定を変える」,相互「かわる」,,以前と違った状態・内容にする、別のところに移す・別の日時にする,

かえる,代える,ア行下一段,他動詞,「書面をもって挨拶に代えさせていただきます」「ご飯を代えてください」,相互「かわる」,,他のものと同じ役目・働きをさせる、飲食物のおかわりをする,

かえる,換える(替える),ア行下一段,他動詞,「円をドルに換える」「現金に換える」「小銭に換える」「畳の表を換える」「カミソリの刃を換える」,相互「かわる」,,相手と自分のものを交換する、別のものにする・古くなったものを新しくする。一般に「換」は戻せない、「替」は戻せる意,

かえる,替える,ア行下一段,他動詞,「命に替えて子どもを守る」,,,「にかえる」の形で。犠牲にする・引き換えにする,

かえる,換える(替える),ア行下一段,他動詞,「乗り換える」「着替える」「張り替える」,,,補助動詞。今していることをやめて新たに同じことを行なう,


がえんじる,肯んじる,ザ行上一段,他動詞,「そんな提案は肯んじるわけにはいかない」,,,「がえんずる」の音変化,


がえんずる,肯んずる,サ行変格活用,他動詞,「頑として肯んじない」,,,承諾する・聞き入れる・引き受ける,



【かお】

かおる,香る(薫る・馨る),ラ行五段,自動詞,「梅が香る」,,,よいにおいがする・芳香を放つ。いずれもよい匂いがする意,



【かか】

かかえこむ,抱え込む,マ行五段,他動詞,「大きな荷物を抱え込む」「極秘の情報を抱え込む」「難問を抱え込む」,,,抱きかかえるようにして両腕の中に入れる、他人に触れさせないようにする自分の領域内に持ち込む、自分の負担になるものを引き受ける・手に余る多くのことを自らの身に受け持つ,


かかえる,抱える,ア行下一段,他動詞,「膝を抱えて座る」「包を小脇に抱える」「多くの負債を抱えて倒産する」「妻子を抱えて路頭に迷う」「運転手を抱える」「湾を抱えた地形」,,,物を囲むようにして持つ・胸に抱くようにして持つ、自分の負担になる・厄介な・世話しなければならないものを自らの身に引き受ける、人を雇って使う、その範囲のうちに持つ・周りを囲む,


かかげる,掲げる,ガ行下一段,他動詞,「国旗を掲げる」「たいまつを掲げる」「巻頭に掲げる」「スローガンを掲げる」「幕を掲げる」,,,高いところへ上げる、手に持って高く差し上げる、新聞や雑誌などで目立つように載せる、主義や方針などを示して広める,


かかす,欠かす,サ行五段,他動詞,「毎日の練習を欠かしたことがない」「会には欠かさず出席する」「欠かすことのできないデータ」,,,しないで済ます・怠る、無しで済ます・欠く,


かかずらう,係う(拘う),ワ行五段,自動詞,「不正事件に係う」「つまらぬところに係う」「名目に係う」,,,関係を持つ。他に「係」は継ぐ、「拘」はこだわる意,


かがまる,屈まる,ラ行五段,自動詞,「腰が屈まる」,相互「かがめる」,,背や腰などが折れ曲がった状態や姿勢になる,


かがみこむ,屈み込む,マ行五段,自動詞,「気分が悪くなって道端に屈み込む」,,,体を前に曲げてうずくまる,


かがむ,屈む,マ行五段,自動詞,「腰が屈む」「屈んで覗き込む」,,,腰などが前に曲がる、腰や膝を折り曲げて姿勢を低くする・しゃがむ,


かがめる,屈める,マ行五段,自動詞,「腰を屈めて挨拶する」,相互「かがまる」,,体を前に折り曲げてやや低い姿勢をとる,


かがやかす,輝かす(耀かす・赫かす),サ行五段,他動詞,「目を輝かして聞き入る」「世間に名を赫かす」,相互「かがやく」,,きらきらと光らせる。・まぶしいくらいにりっぱにする・また表情などを明るく生き生きとしたようすにする。「輝・耀」は照り光らす、「赫」は明らか・顕す意,

かがやく,輝く(耀く・赫く),カ行五段,自動詞,「ネオンが輝く」「希望に輝く」「栄冠に赫く」,相互「かがやかす」,,まばゆいほどきらめく・きらきら光る・光を放つ、生き生きとして明るさがあふれる、名誉や名声を得て華々しい状態にある・名が上がる・威光が現れる。「輝・耀」は照り光る、「赫」は明らか・顕れる意,


かかりあう,係り合う(掛かり合う),ワ行五段,自動詞,「この事件は彼と深く掛かり合っている」「面倒なことに掛かり合う」,,,関係する・巻き込まれる,


かかりきる,掛かり切る,ラ行五段,自動詞,「この仕事にだけ掛かり切る」,,,一つのことに関係従事する・全力を注ぐ,


かかる,掛かる(懸かる),ラ行五段,自動詞,「壁に絵が掛かっている」「カーテンの掛かっている部屋」「ガスに鍋が掛かっている」「重すぎて秤に掛からない」「四キロ掛かる」「大きな魚が網に掛かる」「凧が木の枝に掛かる」,相互「かける」,,高いところからぶら下がる・吊り下げる、秤に受け止められる、仕掛けなどで捕らえる・捕らえた状態で動きが止まる,

かかる,掛かる,ラ行五段,自動詞,「しぶきがかかる」「埃がかかる」「イチゴにミルクがかかっている」「霧がかかる」「水引のかかった祝いの品」「迷惑がかかる」「疑いがかかる」「税金がかかる」「芸に磨きがかかる」「かさにかかる」「束になってかかる」「攻略にかかる」「体重がかかった姿勢」「揉み消しの圧力がかかる」「老後は子どもにかかる」「医師にかかる」「あの人にかかってはかなわない」「案件が委員会にかかる」「裁判にかかる」,相互「かける」,,液体をかぶる・かぶさる・一面を覆う、紐や縄などが物の周りに渡される、及んでくる・身に降りかかる・課せられる、働きや力が加わる・頭から押さえつけけるような態度に出る、攻撃的に挑む、重みなどが加え乗せられる、物心両面にわたって頼みとする・他を頼る・診断してもらう・扱われる,

かかる,掛かる,ラ行五段,自動詞,「クモの巣がかかる」「小屋がかかる」「見世物がかかる」「評判の映画がかかっている」「錠がかかる」「車のエンジンがかからない」「一晩中ラジオがかかっている」「敵の罠にかかる」「計略にかかる」「暗示にかかる」,相互「かける」,,一時的に張り巡して設営される、興行される・上演や上映される、仕掛けが働いて本体が固定される・装置が作動して機能を発揮しだす、仕組まれた謀に陥る,

かかる,掛かる,ラ行五段,自動詞,「うっかり手がかかってしまった」「枝がかかる」「ちっとも誘いがかからない」「声がかかる」「電話がかかってくる」「気にかかる」「心にかかる日本の将来」「手のかかる仕事」「完成に十年かかる」,相互「かける」,,偶然物に触る、他から及ぶ、送られてきて届く、心にとどまる、費やされる,

かかる,掛かる,ラ行五段,自動詞,「赤みのかかった黄色」「四国犬にマスチフのかかった土佐犬」,相互「かける」,,性質や傾向を帯びる・交配される,

かかる,掛かる,ラ行五段,自動詞,「仕事にかかる」「取り壊しにかかる」「今かかっている仕事」「空海大師の開墓にかかる」,相互「かける」,,し始める・事に当たる,

かかる,掛かる,ラ行五段,自動詞,「鼻にかかった声」「急勾配にかかる」「工事が来春までかかる」,相互「かける」,,あるところにまで及び至る,

かかる,掛かる,ラ行五段,自動詞,「敵の手に掛かる」「魔の手に掛かる」,相互「かける」,,「の手にかかる」の形で。傷つけられたり殺されたりする,

かかる,懸かる(掛かる),ラ行五段,自動詞,「月が中天に懸かる」「雲が懸かる」「高札が懸かる」「磔に懸かる」,相互「かける」,,中空など高いところに位置する,

かかる,懸かる(掛かる),ラ行五段,自動詞,「優勝の懸かった大一番」「商品が懸かる」「この建物には保険がかかっている」,相互「かける」,,成否によって得られるか別の成否が決まる、重大な結果が予想される,

かかる,架かる(掛かる・懸かる),ラ行五段,自動詞,「橋が架かる」,相互「かける」,,空中に一方から他方へまたぐように渡される,

かかる,繋る(掛かる),ラ行五段,自動詞,「船は桟橋にかかっている」,相互「かける」,,つながれる。「繋」はぶら下がる・関係づける,

かかる,罹る(掛かる),ラ行五段,自動詞,「伝染病に罹る」,,,病気や災難を身に受ける。「罹」は被る・遭う意,

かかる,係る,ラ行五段,自動詞,「存否に係る問題」「『青い空』の『青い』は形容詞の連体形で『空』に係る」,,,かかわる・関係をもつ,

かかる,掛かる,ラ行五段,自動詞,「勘当したからは二度と親の目にかかるな」「お目にかかる」,相互「かける」,,(「目にかかる」の形で)目にとまる・見られる,

かかる,掛かる,ラ行五段,自動詞,「溺れかかる」「崩れかかる」「通りかかる」「立ちかかる」「飛びかかる」「寄りかかる」,,,補助動詞。今にもしそうになる・ちょうどする・し始める、動作を他に向ける・向かってする,

かかる,掛かる,ラ行五段,自動詞,「相手を呑んでかかる」「ダメだと決めてかかる」,,,補助動詞。「てかかる」の形で。初めからそのような状態で・そのように思い込んで事に対する意,


かがる,縢る,マ行五段,他動詞,「ボタン穴を縢る」,,,布の裁ち目などがほつれないよう縫い糸やしつけ糸でからげる,


かかわりあう,係わり合う(関わり合う),ワ行五段,自動詞,「面倒なことには係わり合いたくない」,,,関係を持つ,


かかわる,係る(関わる),ラ行五段,自動詞,「研究に関わった人々」「命に関わる問題」,,,関係を持つ、重大なつながりを持つ・影響が及ぶ,

かかわる,拘る(関わる),ラ行五段,自動詞,「つまらぬことに拘っている場合ではない」,,,こだわる。「こだわる」と同字,



【かき】

かきあげる,書き上げる,ガ行下一段,他動詞,「原稿を書き上げる」「残らず書き上げる」,,,書き終える、一つ一つ書き並べる,

かきあげる,掻き上げる(掻き揚げる),ガ行下一段,他動詞,「髪のほつれをかき上げる」,対語「掻き下ろす」,,「上」の意が強い,


かきあつめる,書き集める,マ行下一段,他動詞,「民話を書き集めたノート」,,,多くの事柄を集めて書き記す,

かきあつめる,掻き集める,マ行下一段,他動詞,「庭の落ち葉を掻き集める」「資金を掻き集める」,,,ひと所に掻き寄せる、手を尽くして方々から集める,


かぎあてる,嗅ぎ当てる,タ行下一段,他動詞,「警察犬が毒物を嗅ぎ当てる」「犯人の住居を嗅ぎ当てる」「犯罪の匂いを嗅ぎ当てる」,,,匂いを嗅いでありかや中身を当てる、探り当てる,


かきあやまる,書き誤る,ラ行五段,他動詞,「宛名を書き誤る」,,,まちがって書く・書きまちがえる,


かきあらためる,書き改める,マ行下一段,他動詞,「書類を書き改める」,,,書きかえる・書きなおす,


かきあらわす,書き表す,サ行五段,他動詞,「この感じをうまく書き表すのは難しい」,,,物事を書いてはっきりと示す,

かきあらわす,書き著す,サ行五段,他動詞,「数奇な生涯を書き著す」,,,書物としてまとめて公にする,


かきあわせる,掻き合わせる,サ行下一段,他動詞,「書物の襟元を掻き合わせる」,,,手で物を寄せ合わせる,


かきいだく,掻き抱く,カ行五段,他動詞,「わが子をひしと掻き抱く」,,,抱きかかえる,


かきいれる,書き入れる,ラ行下一段,他動詞,「出典の原文を書き入れる」「住所氏名を書き入れる」,,,文字や文を書き込む,


かきうつす,書き写す,サ行五段,他動詞,「古文書を書き写す」,,,記載されている文字や文章や絵などを別の紙にそのとおりに書く・写し取る,


かきおおせる,書き果せる,サ行下一段,他動詞,「一週間ではとても書きおおせる自信はない」,,,最後まで書き上げる,


かきおく,書き置く,カ行五段,他動詞,「不在なので用件を書き置いてきた」,,,書いてあとに残しておく,


かきおくる,書き送る,ラ行五段,他動詞,「近況を書き送る」,,,用件などを書いて人に送る,


かきおこす,書き起こす,サ行五段,他動詞,「新しい作品を書き起こす」「録音したスピーチを書き起こす」,,,書きはじめる・書きだす、談話や講演などの内容を文字で書き表す、日本画で彩色後改めて線描きをかき入れる,

かきおこす,掻き熾す,サ行五段,他動詞,「炭火を掻き起こす」,,,火鉢などで掻いて熾す,


かきおさめる,書き納める,マ行下一段,他動詞,「連載小説を書き納める」,,,最後まで残りなく書く・書きおえる,


かきおとす,書き落とす,サ行五段,他動詞,「表書きに住所を書き落とす」,,,書くべき事柄を忘れる,

かきおとす,掻き落とす,サ行五段,他動詞,「こびりついた泥を掻き落とす」,,,ひっかくようにして落とす,


かきおよぶ,書き及ぶ,バ行五段,他動詞,「内部事情にまで書き及んだ詳細な報告書」,,,書き進めてある段階まで内容が及ぶ,


かきおろす,書き下ろす,サ行五段,他動詞,「児童演劇のために書き下ろした戯曲」,,,小説や脚本や論文などを新たに書く,

かきおろす,掻き下ろす,サ行五段,他動詞,「屋根に積もった雪を掻き下ろす」,対語「掻き上げる」,,掻いて下のほうへやる,


かきかえる,書き換える(書き替える),ア行下一段,他動詞,「近代史を書き換えるに足る史料の発表」「常用漢字表内の漢字に書き換える」「契約書を書き換える」,,,書き改める・書き直す、通用する別の字を使って書く、期限の切れる証書の代わりに新しい証書を作る。戻す意が薄いので「書き換える」で統一,


かききえる,掻き消える,ア行下一段,自動詞,「その姿は夜の闇に掻き消えた」,対語「かきけす」,,急に見えなくなる,


かききる,掻き切る,ラ行五段,他動詞,「腹を掻き切る」,,,力を入れて物を切る・切り裂く,


かきくずす,書き崩す,サ行五段,他動詞,「書き崩して読みにくい字」,,,字画を省略して書く・草書体で書く,


かきくだす,書き下す,サ行五段,他動詞,「書き下した手紙」「白文を書き下す」,,,順を追って書いていく、漢文を訓読みして仮名交じり文に書き改める,


かきくどく,掻き口説く,カ行五段,他動詞,「子に先立たれて老いた身を掻き口説く」,,,自分の心境を訴えたり相手を説得するためくどくどと繰り返し述べたてる,


かきくもる,掻き曇る,ラ行五段,自動詞,「一天がにわかに掻き曇る」,,,雲や霧で空が急に暗くなる,


かきくれる,掻き暮れる(掻き暗れる),ラ行下一段,自動詞,「嬉し涙に掻き暮れる」,,,(「涙に掻き暮れる」の形で)ひたすら泣く,


かきくわえる,書き加える,ア行下一段,他動詞,「補足的な説明を書き加える」,,,さらに書き足す,


かきけす,掻き消す,サ行五段,他動詞,「爆音に話し声も掻き消されてしまう」「人混みの中に掻き消すように見えなくなった」,相互「かききえる」,,すっかり消す、跡形もなく見えなくなる,


かきこむ,書き込む,マ行五段,他動詞,「欄外に注を書き込む」「申込書に名前を書き込む」「時代背景もよく書き込まれている」「作成したプログラムをHDDに書き込む」,,,行間や余白に字などを書き加える、定められた場所に記入する、コンピュータ用語,

かきこむ,掻き込む,マ行五段,他動詞,「ご飯を掻き込んで飛び出す」,,,大急ぎで食べる。かっこむ,


かきこわす,掻き壊す,サ行五段,他動詞,「掻き壊した跡が化膿する」,,,皮膚を引っ掻いて傷にする,


かきさす,書き止す,サ行五段,他動詞,「書き止したままの原稿」,,,書くことを途中でやめる,


かきしたためる,書き認める,マ行下一段,他動詞,「手紙を書き認める」,,,文字をきちんと書き記す。「認める」は「みとめる」と同字,


かきしるす,書き記す,サ行五段,他動詞,「手紙に予定を書き記す」,,,文字を書きつける・書き留める,


かきすてる,書き捨てる,タ行下一段,タ行下一段,他動詞,「書き捨てた原稿用紙」「身辺雑事を書き捨てただけのもの」,,,気に入らないなどで書く端から捨てる、投げやりに書く・いいかげんに書く,


かきそえる,書き添える,ア行下一段,他動詞,「近況を一筆書き添える」,,,すでに書いてあるものにさらに言葉を添えて書く,


かきそこなう,書き損なう,ワ行五段,他動詞,「賀状の宛名を書き損なう」,,,間違って書く,


かきそんじる,書き損じる,ザ行上一段,他動詞,「最後のところで書き損じる」,,,「書き損ずる」の音変化,


かきそんずる,書き損ずる,サ行変格活用,他動詞,「宛名を書き損ずる」,,,書き誤る,


かきたす,書き足す,サ行五段,他動詞,「説明を書き足す」,,,不十分な点を補って書く,


かきだす,書き出す,サ行五段,他動詞,「小説を書きだす」「正解を黒板に書き出す」「問題点を書き出してみる」,,,書き始める、書いて公表する、必要な箇所を抜き出して書く,

かきだす,掻き出す,サ行五段,他動詞,「船底の水を掻き出す」「痒いところを掻きだす」,,,手や道具で掻いて外に出す、掻き始める,


かぎだす,嗅ぎ出す,サ行五段,他動詞,「警察犬が犯人の居場所を嗅ぎ出す」「企業の秘密を嗅ぎ出す」,,,匂いを嗅いでありかを探し出す、隠れているものを探り当てる・嗅ぎ当てる、嗅ぎ始める,


かきたてる,書き立てる,タ行下一段,他動詞,「事件を書き立てる」「過失を掻き立てて攻撃する」,,,紙面が取り上げて盛んに書く、一項目ずつ取り上げて書き並べる,

かきたてる,掻き立てる,タ行下一段,他動詞,「卵を掻き立てる」「関心を掻き立てる」「灯心を掻き立てる」「囲炉裏の火を掻き立てる」「寒風に襟を掻き立てる」,,,勢いよく掻き回して混ぜる、刺激を与えてそそり促す、灯心を上に引き上げて明るくする、薪や炭火などをつついて火勢を強くする、オーバーなどの襟を立てる,


かきためる,書き溜める,マ行下一段,他動詞,「長年書き溜めたものを本にまとめる」,,,書いた物を手元にためておく,


かきちらす,書き散らす,サ行五段,他動詞,「書き散らした詩を推敲する」「思いついたことを書き散らす」,,,気分に任せて無造作にとりとめもなく次々と書く、あちこちへ順序なく書きつける,

かきちらす,掻き散らす,サ行五段,他動詞,「クモの子を掻き散らすように逃げてしまった」,,,勢いよく散らす,


かきつくす,書き尽くす,サ行五段,他動詞,「感想は手紙で書き尽くした」「手持ちのはがきを書き尽くした」,,,書くべきことを残らず思う存分書く、洋紙などを全部使って書いてしまう,


かきつける,書き付ける,カ行下一段,他動詞,「手帳に住所を書きつける」「毛筆は書きつけていない」,,,心覚えに書き留める、いつも書き慣れている,


かぎつける,嗅ぎ付ける,カ行下一段,他動詞,「猫が魚を嗅ぎつける」「新聞記者が事件を嗅ぎつける」「あまり嗅ぎつけない匂い」,,,匂いでそのものを探り当てる、隠されているものを気配などから察して探り当てる、嗅ぎ慣れている,


かきつたえる,書き伝える,ア行下一段,他動詞,「子孫に家訓を書き伝える」,,,後世に伝えたいことを書いて残す,


かきつづける,書き続ける,カ行下一段,他動詞,「連載小説を書き続ける」,,,筆を止めないで書く・絶え間なく続けて書く・すでに書いてある文章などに続けて書く,


かきつづる,書き綴る,ラ行五段,他動詞,「思いの丈を書き綴った手紙」,,,文章を書く,


かきつらねる,書き連ねる,ナ行下一段,他動詞,「出席者を書き連ねる」「恨み文句を書き連ねる」,,,並べて書く、長々と書く,


かきとどめる,書き留める,マ行下一段,他動詞,「議事録に書き留める」,,,のちのちのために書いて残しておく。「かきとめる」と同字,


かきとばす,書き飛ばす,サ行五段,他動詞,「一気に五十枚の原稿を書き飛ばす」「一行書き飛ばしてしまった」,,,速くどんどん書く、一部分を抜かして書く・書き落とす,


かきとめる,書き留める,マ行下一段,他動詞,「注意事項を書き留める」,,,心覚えに書き記しておく。「かきとどめる」と同字,


かきとる,書き取る,ラ行五段,他動詞,「講演の要点を書き取る」「古い文献を書き取る」,,,人の話す言葉を書き記す、文献などを書き写す,


かぎとる,嗅ぎ取る,ラ行五段,他動詞,「タバコの臭いを嗅ぎ取る」「ただならぬ気配を嗅ぎ取る」,,,匂いを知覚する・匂いを嗅ぎ分ける、その場の雰囲気などから気づく,


かきなおす,書き直す,サ行五段,他動詞,「記事を書き直す」,,,一度書いたものを書き改める・書きかえる,


かきながす,書き流す,サ行五段,他動詞,「いいかげんに書き流した文章」,,,筆に任せてさらさらと書く・あまり深く考えずにざっと書く,


かきなぐる,書き殴る,ラ行五段,他動詞,「書き殴った原稿」,,,乱暴に書く,


かきなでる,掻き撫でる,ダ行下一段,他動詞,「琴を掻き撫でる」,,,弦楽器を鳴らす。「かきならす」に同じ,


かきならす,掻き均す(掻き平す),サ行五段,他動詞,「畑の土を掻きならす」,,,掻き立てて平らにする。「均」は公平にする、「平」はたいらにする意なので「平」が主だが「ならす」で統一,

かきならす,掻き鳴らす,サ行五段,他動詞,「マンドリンを掻き鳴らす」,,,弦楽器を指先などで弾き鳴らす。「かきなでる」に同じ,


かきならべる,書き並べる,バ行下一段,他動詞,「出席者名を書き並べる」,,,並べて書く・次々と書いていく,


かきなれる,書き慣れる(書き馴れる),ラ行下一段,他動詞,「書き慣れた万年筆」「書き慣れたテーマ」,,,「慣」は習熟、「馴」は言うことを聞くようになる・経験を積んで楽にできるようになる意,


かきぬく,書き抜く,カ行五段,他動詞,「参考部分を書き抜く」「病気を押して大作を書き抜く」,,,一部や要点を抜粋する、最後まで書き通す,


かきのける,掻き退ける,カ行下一段,他動詞,「人を掻きのけて歩く」,,,手先で左右に押しのける・手で払うようにして物をどける,


かきのこす,書き残す,サ行五段,他動詞,「遺言を書き残す」「睡眠不足で後半を書き残す」,,,書いて後に残す、書くべきことを書かないで残す,


かきまくる,書き捲る,ラ行五段,他動詞,「あちこちに原稿を書きまくる」,,,非常な勢いで文字や文章などを書き続ける,


かきまぜる,掻き混ぜる(掻き雑ぜる),ザ行下一段,他動詞,「砂利とセメントを掻き混ぜる」「議論を掻き混ぜる」,,,掻き回して一つに混ぜ合わせる、かき乱す・混乱する。「混」は混ぜ合わせる、「雑」は色がまじりあう・入り組む・入り乱れる・純粋でない・まだらである意なので「混」で統一,


かきまわす,掻き回す,サ行五段,他動詞,「風呂の湯を掻きまわす」「机の中を掻きまわす」「彼の発言が会議を掻きまわした」,,,物の中に入れてぐるぐるまわす、中のものをいじって乱暴にする、混乱や揉め事を生じさせる,


かぎまわる,嗅ぎ回る,ラ行五段,他動詞,「鼻を鳴らして嗅ぎまわる」「警察が事件について嗅ぎまわっている」,,,においを嗅いで歩く、知ろうとして探り歩く,


かきみだす,掻き乱す,サ行五段,他動詞,「髪を掻き乱す」「秩序を掻き乱す」,相互「かきみだれる」,,かきまわすようにして乱れさせる、落ち着きのある状態を混乱させる,


かきみだれる,掻き乱れる,ラ行下一段,自動詞,「相次ぐ不幸に心は掻き乱れる」,相互「かきみだす」,,みだれる・混乱する,


かきむしる,掻き毟る,ラ行五段,他動詞,「髪の毛を掻きむしる」,,,つめや指先でひっかくようにしてちぎりとる・またむやみにひっかく,


かきもらす,書き漏らす,サ行五段,他動詞,「お礼の言葉を書き漏らす」,,,うっかりして書くべき事柄を書かずにおく・書き落とす,


かきよせる,掻き寄せる,サ行下一段,他動詞,「落ち葉を熊手で掻き寄せる」「毛布を掻き寄せる」,,,一つのところに寄せ集める、近くに引き寄せる,


かぎる,限る,ラ行五段,自動詞,「期限を十日と限る」「申し込みは一人一枚に限ります」「その件に関する限り、問題はない」「うちの子に限って、そんなことをするはずはない」「夏はビールに限る」「こういうときにはその手に限る」「酒が体に毒だとは限らない」,,,境を定めて範囲を定める、それと限定する、これに勝るものがない。「限らない」はそうと断定できない意,


かきわける,書き分ける,カ行下一段,他動詞,「登場人物を上手に書き分ける」「律令制の官庁は『大宰府』、地名は『太宰府』と書き分ける」,,,区別して書く,

かきわける,掻き分ける,カ行下一段,他動詞,「人波を掻き分ける」,,,手で掻きのけるようにして左右に開く,


かぎわける,嗅ぎ分ける,カ行下一段,他動詞,「香水の名前を嗅ぎ分けて当てる」「真贋を嗅ぎ分ける」,,,においを嗅いで違いを識別する・特定のにおいをかぎとる、わかりにくい違いに気づく,



【かく】

かく,欠く(闕く),カ行五段,他動詞,「茶碗のふちを欠く」「精彩を闕く表情」「決め手を闕く」「水は人間に欠くことができない」「必要欠くべからざる条件」「義理を闕く」「勇気を闕く行為」,相互「かける」,,傷つける・壊す。他に「欠」は足りなくする、「闕」は備えていない・減らす、怠る・疎かにする意。「闕」が常用外なので「欠」に統一,

かく,書く,カ行五段,他動詞,「持ち物に名前を書く」「日記を書く」「本を書く」,相互「かける」,,文字や符号を記す、文章を作る・著す,

かく,描く(画く),カ行五段,他動詞,「眉を描く」「グラフを描く」,相互「かける」,,絵や模様や図をえがく。他に「描」はうつす意。「描く・画く」は「えがく」と同字,

かく,舁く,カ行五段,他動詞,「カゴを舁く」,,,物を肩に載せて運ぶ・担ぐ,

かく,掻く,カ行五段,他動詞,「かゆいところを掻く」「雪を掻く」「手で水を掻いて進む」「寝首を掻く」「氷を掻く」「かつお節を掻く」「からしを掻く」「苗代を掻く」「赤っ恥をかく」「寝汗をかく」「べそをかく」「高いびきを掻く」,相互「かける」,,物をこする、手などを水中で動かす、刃物を引いて切り取る・刃物を押し当てて細かく削り取る、箸などですばやく混ぜ合わせて粘液状にする、鋤などで田畑を耕す、あまり好ましくないものを表面に出す、いびきをたてる,

かく,掻く,カ行五段,他動詞,「欲を掻くな」,,,「する」を罵って,


かぐ,嗅ぐ,ガ行五段,他動詞,「花の香りを嗅ぐ」「人の秘密を嗅いでまわる」,,,においを感じ取る・においの元や種類を識別する、隠れた事実を探り知る,


かくしきばる,格式張る,ラ行五段,自動詞,「格式張った披露宴」,,,身分や家柄や礼儀や作法などを重んじる、形式を重んじて堅苦しく振る舞う,


かくす,隠す,サ行五段,他動詞,「姿を隠す」「両手で顔を隠す」「押し入れに隠す」「身分を隠す」「隠さずに真実を話す」「当惑の表情を隠さない」,相互「かくれる」,,人目に触れないよう・知られないように覆ったりしまい込んだりする・秘密にする,

かくす,画す(劃す),サ行五段,他動詞,「一線を画そうとする」,,,「劃」は旧字。「かくする」の音変化,


かくする,画する(劃する),サ行変格活用,他動詞,「一線を画する」「新時代を画する事件」「会社乗っ取りを画する」,,,物事をはっきり分ける・区分する。「劃」は旧字,


かくばる,角張る,ラ行五段,自動詞,「角ばった字」「角ばらずに話し合おう」,,,四角い形・角ができて丸みがない、しかめつらしく真面目になる・堅苦しくなる,


かくまう,匿う,ワ行五段,他動詞,「犯人を匿う」,,,追われている人などを人目につかないようこっそり隠しておく,


かくれる,隠れる,ラ行下一段,自動詞,「月が雲間に隠れる」「物陰に隠れる」「親に隠れてタバコを吸う」「事件の裏に隠れた謎がある」「山に隠れる」「隠れた人材を発掘する」「隠れた功績」,相互「かくす」,,物陰や遮られて見えなくなる、人目につかないようにする、見えないところに存在する・潜む・隠遁する、世間に名前や力が知られないでいる・官職に就かず民間にいる,



【かけ】

かけあう,掛け合う(懸け合う),ワ行五段,自動詞,「家賃について大家とかけあう」,,,要求について先方と話し合う,


かけあがる,駆け上がる(駈け上がる),ラ行五段,他動詞,「二階に駆け上がる」,,対語「かけおりる」,走って上がる。「駈」は「駆」の俗字,


かけあわす,掛け合わす,サ行五段,他動詞,「ライオンとヒョウを掛け合わしてレオポンをつくる」,,,「かけあわせる」に同じ,


かけあわせる,掛け合わせる,サ行下一段,他動詞,「二と三を掛け合わせると六」「イノシシと豚を掛け合わせる」「彼の発言と行動とを掛け合わせてみる」「黄と青を掛け合わせて緑色を出す」,,,掛け算をする、交配する、照らし合わせる、印刷用語,


かけおりる,駆け降りる(駈け降りる),ラ行上一段,他動詞,「階段を駆け降りる」,,対語「かけあがる」,走っておりる。「駈」は「駆」の俗字,


かけかえる,掛け替える,ア行下一段,他動詞,「応接間の絵を掛け替える」「電話を掛け替える」,,,取り外して別のものを掛ける、場所や相手を替えて掛ける,


かけこむ,駆け込む(駈け込む),マ行五段,自動詞,「軒先に駆け込む」,,対語「かけだす」,走って中に入る。「駈」は「駆」の俗字,


かけずりまわる,駆けずり回る(駈けずり回る),ラ行五段,他動詞,「資金集めに駆けずりまわる」,,,あちこち駆け回る・目的を達成するため方々へ行って尽力する。「かけまわる」を強めた。「駈」は「駆」の俗字,


かけだす,掛け出す(懸け出す),サ行五段,自動詞,「池へ掛け出した濡れ縁」,,,桟敷・縁など建物のいち部を本体から突き出して造る。「掛」は吊り下げる、「懸」は,ぶら下がる意,

かけだす,駆け出す(駈け出す),サ行五段,自動詞,「馬が急に駆けだす」「悲鳴を聞いて通りへ駆け出す」,,対語「かけこむ」,駆け始める、外へ駆けて出る。「駈」は「駆」の俗字,


かけちがう,掛け違う,ワ行五段,自動詞,「かけ違って会えなかった」「話がどこかかけ違っている」「電話をかけ違う」,,,行き違う、食い違う、間違ったところにか掛ける,


かけつける,駆け付ける(駈け着ける),カ行下一段,他動詞,「車で駆けつける」「現場に駆けつける」,,,走ってまたは大急ぎで目的地に到着する・大急ぎでその場に行くまたやってくる,


かけぬける,駆け抜ける(駈け抜ける),カ行下一段,他動詞,「敵陣を一気に駆け抜ける」,,,走って通り過ぎる・また走って通り抜ける。「駈」は「駆」の俗字,


かけはなれる,掛け離れる(懸け離れる),ラ行下一段,自動詞,「都会からかけ離れたところ」「年のかけ離れた夫婦」「現実とかけ離れた理論」,,,遠く離れる・隔てる、両者の間が大きく違う。「掛」は吊り下げる・気にかける・着手する、「懸」は,ぶら下がる・垂れ下がる意,


かけへだたる,懸け隔たる,ラ行五段,自動詞,「現実と理想とはあまりにも懸け隔たっている」,相互「かけへだてる」,,両者の間に大きな違いがある。「かけはなれる」に同じ,


かけへだてる,懸け隔てる,タ行下一段,他動詞,「立場の違いが両者の意見を懸け隔てている」,相互「かけへだたる」,,遠く間を隔てる・大きく差をつける,


かけまわる,駆け回る(駈け回る),ラ行五段,他動詞,「野原を駆けまわる」「資金調達に駆けまわる」,,,走り回る、目的を達成する溜めに方々へ行って力を尽くす。「駈」は「駆」の俗字,


かけめぐる,駆け巡る(駈け巡る),ラ行五段,他動詞,「野原を駆けめぐる」,,,あちこち駆けまわる,


かけもつ,掛け持つ,タ行五段,他動詞,「高校と中学を掛け持って教えている」,,,兼務する・兼任する,


かけよる,駆け寄る(駈け寄る),ラ行五段,自動詞,「互いに駆け寄って再会を喜ぶ」,,,走って近づく・走り寄る。「駈」は「駆」の俗字,


かける,翔ける,ラ行五段,他動詞,「大空を翔けるワシ」,,,鳥や飛行機などが空高く飛ぶ・飛翔する,

かける,欠ける(闕ける),カ行下一段,自動詞,「コップが欠ける」「歯が欠ける」「メンバーが一人欠ける」「百科事典が一巻欠けている」「千円に一円欠ける」「常識に欠ける」「協調性に欠ける」「礼儀に欠ける」「義理に欠ける」「月が欠ける(虧けるとも)」,相互「かく」,,傷つく・壊れる。他に「欠」は足りなくなる、「闕」は備わっていない・減らす、怠る・疎かにする意。「闕」が常用外なので「欠」に統一,

かける,掛ける(懸ける),カ行下一段,自動詞,「すだれを掛ける」「バッグを肩に掛ける」「看板を掛ける」「獄門に掛ける」「帆を掛ける」「ストーブにやかんを掛ける」「秤に掛ける」「鍵をかける」,相互「かかる」,,高いところからぶら下げる・吊るし下げる、目方を量る、仕掛けなどで固定する,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「胡椒をかける」「ホースで水をかける」「布団をかける」「テーブルクロスをかける」「たすきをかける」「リボンをかけた箱」「レコードをかける」「ブレーキをかける」「アイロンをかける」「雑巾をかけた廊下」「苦労をかける」「疑いをかける」「迷惑をかける」「税金をかける」「椅子におかけください」「肩に手をかける」「屋根にはしごをかける」「体重をかけて浴びせ倒す」「揉み消しの圧力をかける」「願をかける」「期待をかける」「病人を医師にかける」「今まで手にかけた仕事の数々」「手塩にかけて育てる」,,,水や粉などを物の上に注いだり打ち当たるようにしたりする・かぶせる・一面を覆う、紐や縄などを物の周りに渡す、操作して作動させる、道具を用いて及ぼす、望ましくない不都合なことを与える・課する、物の上に置いて支える・上端を他のものに支えさせるようにして立てる、重みなどを加え乗せる、頼る・委ねる・診療する、自分でする・扱う,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「うっかり手がかかってしまった」「枝がかかる」「ちっとも誘いがかからない」「声がかかる」「電話がかかってくる」「手のかかる仕事」「完成に十年かかる」「引き戸を手にかける」「電話をかける」「言葉をかける」「教養を鼻にかける」「歯牙にもかけない」「気にかける」「内装に金をかける」「手間暇かけて」,相互「かかる」,,他へ及ぼす・あてがう、送って届かせる、体の一部分で受け止める、心にとどめる・心配する、費やす,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「クモが巣をかける」「小屋をかける」「母物を舞台にかける」「針にかけて釣り上げる」「罠にかける」「ペテンにかける」「催眠術をかける」「暗示にかける」「謎をかける」「情けをかける」,相互「かかる」,,一時的に張り巡らせて設営する、興行する・上演や上映される、仕掛けで捕らえる、企んで陥れる、仕向ける,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「二股をかける」「和歌では多く『海松布』に『見る目』をかけて用いる」,相互「かかる」,,同時に、二つの意味を持たせる,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「馬力をかける」「磨きをかける」「原価に五割をかけた値段で売る」「二に三をかけると六になる」「サーブに回転をかける」「シュートをかけた内角球」「ラバは雌の馬に雄の馬をかけて出来た雑種である」,相互「かかる」,,さらに増し加える、掛け算をする、性質や傾向を与える、交配する,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,,相互「かかる」,,性質や傾向を帯びる・交配される,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「わが子を手にかけてしまった」,相互「かかる」,,「手にかける」「人手にかける」の形で。殺す,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「作品をお目にかける」「今後とも目をかけてやってください」,相互「かかる」,,「目にかける」「目をかける」の形で。目に触れさせる・見せる・面倒を見る・人の世話をする,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「館に火をかける」「敵陣に矢をかける」,,,建物などに火をつける・燃やす、矢を放つ,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「公聴会にかける」「裁判にかける」「ふるいにかける」「印刷機にかける」「取り立ての野菜を朝市にかける」,,,議案などを取り上げるために公の場に持ち出す、処理する・取り扱う,

かける,架ける(掛ける・懸ける),カ行下一段,自動詞,「歩道橋を架ける」,対語「かかる」,,空中に一方から他方へまたぐように渡す,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「神にかけて誓う」「面目にかけても後へ引けない」,,,(「にかけて」の形で)大切なものを証として約束する,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「いくら懇請しても耳にかけてもくれない」,,,(「耳にかける」の形で)聞く,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「ただ今東海地方から関東地方にかけて地震を感じました」「今夜半から明朝にかけて断水します」,,,(「〜から〜にかけて」の形で)あるところからほかのところまでずっと続く,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「外交手腕にかけては定評がある」,,,(「にかけては」の形で)そのことに関する,

かける,掛ける,カ行下一段,自動詞,「言いかけてやめる」「死にかける」「仲間に呼びかける」「押しかける」,,,補助動詞。し始める・途中までする・今にもしそうになる、他へ働きを仕向ける意,

かける,駆ける(駈ける),カ行下一段,自動詞,「駅まで駆けていく」「鹿が野を駆ける」「草原を馬で駆ける」,,,速く走る・疾走する、馬に乗って走る。「駈」は「駆」の俗字,

かける,賭ける,カ行下一段,自動詞,「トランプに金を賭ける」「明日の天気は『晴れ』にかける」「命を賭けた恋」,,,勝負事などで買った者が取り分を得る約束で金品を出す、そのほうを選ぶ、失敗したときはすべて失う覚悟で事に当たる,


かげる,陰る(翳る),ラ行五段,自動詞,「雲が出てにわかに日が陰った」,,,月日が雲などに遮られて前よりも暗くなる,

かげる,翳る,ラ行五段,自動詞,「冬は日の翳るのが早い」「悲しい知らせに表情が翳る」,相互「かざす」,,月日が雲などに遮られて前よりも暗くなる。他に「翳」は日が傾いて夕暮れになる・表情が暗くなる意,


かけわたす,架け渡す(掛け渡す),サ行五段,他動詞,「小川に丸太を架け渡す」,,,向こうへ渡して架ける,



【かこ】

かこいこむ,囲い込む,マ行五段,他動詞,「柵を作って羊を囲い込む」「顧客を囲い込む」,,,囲いを作って中へ入れる・取り込む、手元に集めた資金や資材や人員などを他者に取られないよう確保する,


かこう,囲う,ワ行五段,他動詞,「敷地を塀で囲う」「庭木を囲う」「犯人を囲う」「妾を囲う」「ネギを囲う」,相互「かこむ」,,周りを取り巻いて外と境をつくる、人目から隠しておく、人に知られないよう世話をする、食べ物を蓄える・貯蔵する,


かこつ,託つ,タ行五段,他動詞,「不運を託つ」,,,不平を言う・愚痴をこぼす・嘆く,


かこつける,託つける,カ行下一段,自動詞,「病気に託つけてズル休みする」,,,都合のよい口実にする・他のせいにする・事寄せる。「ことづける」と同字のため「つ」から送る,


かこむ,囲む,マ行五段,他動詞,「恩師を囲む」「山に囲まれた村里」「記事を罫で囲む」「一局囲む」,相互「かこう」,,周囲にぐるりと位置する・中のものが占め得る場所を限る・取り巻く、囲碁や麻雀などをする,



【かさ】

かざす,翳す,サ行五段,他動詞,「ストーブに手を翳す」「小手を翳す」「扇子を翳す」,相互「かげる」,,覆うようにして手などを差し出す,

かざす,挿頭す,サ行五段,他動詞,「野の花を髪に挿頭す」,,,草木などを髪や冠にさす,


がさつく,がさつく,カ行五段,自動詞,「ビニール袋ががさつく」「がさついた奴」,,,がさがさと音を立てる、言動ががさつである・動作態度が落ち着かない,


かさなる,重なる,ラ行五段,自動詞,「人が重なって倒れる」「重なる惨事」「不幸が重なる」「用事が重なる」「日曜と祝日が重なる」,相互「かさねる」,,幾重にも層をなす、同じことが繰り返し起こる、同時に一緒になる,


かさねる,重ねる,ナ行下一段,他動詞,「書類を重ねる」「着物を重ねて着る」「悪事を重ねる」「努力を重ねる」「年月を重ねる」,相互「かさなる」,,幾重にも層ができる、同じことを繰り返す・何度も繰り返す,


かさばる,嵩張る,ラ行五段,自動詞,「荷物が嵩張る」,,,かさが増して場所をとる,


かさむ,嵩む,マ行五段,自動詞,「荷が嵩む」「本代が嵩む」,,,量や数が増える,


かざりたてる,飾り立てる,他動詞,「羽や花で飾り立てた帽子」,,,目立つようにはでに飾る,


かざりつける,飾り付ける,他動詞,「ウインドウに商品を飾りつける」,,,装飾品や商品をそれぞれの場所にうまく配置する・その場所に人目をひくようにきれいに飾る,


かざる,飾る,ラ行五段,他動詞,「食卓を花で飾る」「商品をウインドウに飾る」「雛人形を壇に飾る」「体裁を飾る」「飾らない人柄」「言葉を飾る」「白星で初日を飾る」「有終の美を飾る」「歴史の一ページを飾る」,,,美しく見せようとする、人目につくように置き並べる、表面を取り繕う、価値のあるものにする・華やかさや素晴らしさを添える,



【かし】

かじかむ,悴む,マ行五段,自動詞,「手がかじかんで箸が持てない」,,,寒さで手足が凍えて思うように動かない。かじける,


かしきる,貸し切る,ラ行五段,他動詞,「バスを一日貸し切る」「蔵書を貸し切る」「手持ちの金を貸し切る」,,対語「借り切る」,一定期間専用として貸す、すべて貸してしまう,


かしぐ,傾ぐ,ガ行五段,自動詞,「船が傾ぐ」,相互「かしげる」,,向きが傾く・斜めになる,


かしげる,傾げる,ガ行下一段,他動詞,「首を傾げる」,相互「かしぐ」,,傾ける・斜めにする,


かじける,悴ける,カ行下一段,自動詞,「寒さで手がかじける」,,,手足が凍えて自由に動かなくなる。かじかむ,


かしこす,貸し越す,サ行五段,他動詞,「預金残高以上を貸し越す」,,,一定の限度以上に貸す,


かしこまる,畏まる,ラ行五段,自動詞,「陛下の御前に畏まる」「畏まって挨拶する」「畏まっていないで膝をお崩しなさい」「はい、畏まりました」,,,目上の人の前などで畏れ敬う気持ちを表して謹んだ態度をとる、謹みの気持ちを表し堅苦しく姿勢を正して座る・正座する、命令や依頼などを謹んで承る,


かしさげる,貸し下げる,ガ行下一段,他動詞,「国有地を貸し下げる」,,対語「借り上げる」,政府官公庁から民間に貸し与える,


かしずく,傅く,カ行五段,自動詞,「嫁として姑にかしずく」,,,人に仕えて大事に養い育てる,


かしだす,貸し出す,サ行五段,他動詞,「図書を貸し出す」「資金を貸し出す」,,後者は対語「借り入れる」,物を貸して外部に持ち出すことを認める、公共機関や金融機関が貸し付けのために支出する,


かしつける,貸し付ける,カ行下一段,他動詞,「低利で住宅資金を貸し付ける」,,,資金や物品や権利を貸す,


かしめる,かしめる,マ行下一段,他動詞,「ボイラーの継ぎ目をかしめる」,,,器具などの継ぎ目を工具で固く密着させる,


かしらだつ,頭立つ,カ行五段,自動詞,「各組合の頭立った人々を招集する」,,,人の上に立ち一団を統率する,


かじりちらす,齧り散らす,サ行五段,他動詞,「菓子をかじり散らして残す」「外国語をいくつもかじり散らす」,,,あちこちを少しずつかじる、あれこれと手をつけてはすぐやめる,


かじりつく,齧り付く,カ行五段,自動詞,「大きなフランスパンにかじりつく」「母親にかじりついて甘える」「テレビにかじりつく」,,,勢いよく歯を立てる・食いつく、離れまいとする・しがみつく。「かぶりつく」と同字,


かじる,齧る,ラ行五段,他動詞,「木の実をかじる」「ドイツ語を少しかじったことがある」「聞きかじる」,,,歯で噛む・噛みとる、ほんの一部分だけ学び知る,



【かす】

かす,貸す,サ行五段,他動詞,「友人にお金を貸す」「本を一日貸す」「タバコの火を貸す」「アパートを貸す」「土地を貸している」「手を貸す」「耳を貸そうともしない」「お力を貸してください」,,対語「かりる」,ある期間だけ他人に使わせる、能力や労力などを他人に提供する,

かす,科す,サ行五段,他動詞,「罰金は科さない」,,,(刑罰を)負わせる。「かする」の音変化,

かす,課す,サ行五段,他動詞,「春休みには宿題は課さない」,,,負担させる。「かする」の音変化,

かす,化す,サ行五段,自動詞,「貴重な文化財が火災で灰と化す」,,,(悪い状態に)変化する「かする」の音変化,


かずける,被ける,カ行下一段,他動詞,「罪を人にかずける」「出張にかずけて私用を足す」,,,責任などを押しつける・人のせいにする、かこつける・事寄せる・口実にする,


かすむ,霞む(翳む),マ行五段,自動詞,「霞んだ空」「雨に霞む町」「目が翳む」,,,かすみがたちこめる、かすみがかかったようなぼんやりして姿形がはっきり見えなくなる、目が疲れたり故障があったりして物が見えにくくなる。「翳」は「目が翳む」としか使わないので「霞む」に統一,


かすめとる,掠め取る,ラ行五段,他動詞,「烏が犬の餌を掠め取る」「悪徳業者に土地を掠め取られた」,,,奪い取る・盗み取る、ごまかして奪い取る,


かすめる,掠める,マ行下一段,他動詞,「財布を掠める」「上役の目を掠めてサボる」「ツバメが軒先を掠めて飛ぶ」「不安が脳裏を掠める」,,,スキを窺って素早く盗む、人の見ていないスキにこっそりする、すれすれを通り過ぎる・かする、思いなどがちょっと現れてすぐ消える・よぎる,


かする,掠る(擦る),ラ行五段,他動詞,「弾丸が耳を掠った」「賃金を掠る」,相互「かすれる」,,軽く触れて通り過ぎる・かすめる、上前をはねる,

かする,化する,サ行変格活用,自動詞,「一瞬にして焦土と化する」「地震は町を廃墟と化した」「悪人化して善人となる」「衆を化する」,,,形や状態などが以前とは別物になる・変化する・変化させる、影響で心がけや行ないが変わる・働きかける・感化される・感化する,

かする,科する,サ行変格活用,他動詞,「禁固刑を科する」,,,(刑罰を)負わせる,

かする,課する,サ行変格活用,他動詞,「宿題を課する」,,,負担させる,

かする,架する,サ行変格活用,他動詞,「屋上、屋を架する」,,,架け渡す,


がする,臥する,サ行変格活用,自動詞,「病床に臥する」,,,横になる・寝る,

がする,賀する,サ行変格活用,他動詞,「新年を賀する」,,,祝いの言葉を言う・祝う,

がする,駕する,サ行変格活用,他動詞,「馬に駕する」,,,車や馬などに乗る,


かすれる,掠れる,ラ行下一段,自動詞,「字が掠れる」「声が掠れる」「レコード針の掠れる音」,相互「かする」,,墨やインクなどが十分に付かないで書いた一部分が消え消えになったり切れたりする、声がよく出ないでしわがれる、軽く触ってさっと通り過ぎる,



【かせ】

かせぐ,稼ぐ,ガ行五段,他動詞,「骨身を惜しまず稼ぐ」「学費を稼ぐ」「打点を稼ぐ」「下位力士を相手に星を稼ぐ」「母の手助けをして点を稼ぐ」「支度ができるまで司会者が時間を稼ぐ」,,,生計を立てるために働く、働いてお金を稼ぐ、試合などで得点をあげる、「点を稼ぐ・点数を稼ぐ」の形で評価を高める、「時を稼ぐ・時間を稼ぐ」の形で都合が良くなるまで何かして時間を経過させる,


かせる,痂せる,サ行下一段,自動詞,「傷口がかせる」「漆にかせる」,,,できものや傷の表面が乾く、かぶれる。「痂」はかさぶたの意,



【かそ】

かぞえあげる,数え上げる,ガ行下一段,他動詞,「原因を数え上げる」「倉庫の荷物をやっと数えあげた」,,,一つ一つ数える・一つ一つ取り上げて示す、すべて数える・数え終わる,


かぞえたてる,数え立てる,タ行下一段,他動詞,「欠点を数え立てる」,,,(多く、良くないことを)一つ一つ数える・列挙する,


かぞえる,数える,ア行下一段,他動詞,「人数を数える」「指折り数える」「理由は種々数えられる」「蔵書は五万冊を数える」「候補者の一人に数えられる」,,,数量や順番を調べる・勘定する、一つ一つ上げる・列挙する、数がそれだけになる、その中の一つに加える・数に入れる,



【かた】

かたじけのうする,忝うする,サ行変格活用,他動詞,「ご交誼を忝うする」,,,連語「かたじけなくする」の音変化。もったいないことにしていただく,


かたす,片す,サ行五段,他動詞,「荷物を片す」「机の上を片す」,相互「かたづく」,,他の場所へ移す、散らかっているものを整理する。かたづける,


かたちづくる,形作る,ラ行五段,他動詞,「岩礁が島を形作る」「正確が形作られる」,,,形成する・構成する,


かたづく,片付く,カ行五段,自動詞,「やっと部屋が片づいた」「机の上が片づく」「例の一件が片づいた」「懸案が片づく」「娘が片づく」,相互「かたす・かたづける」,,適当な場所にきちんと納まる、散らかっていたものが整えられた状態になる、面倒な物事がうまく収拾される・問題などが解決される、嫁に行く,


がたつく,がたつく,カ行五段,自動詞,「雨戸がガタつく」「足がガタつく」「遺産分配でガタつく」「この車もだいぶガタついてきた」,,,ガタガタと音を立てる、寒さや恐れなどで体が震える、揉め事が起こり人々の気持ちが乱れる、機械や人体などが時を経て調子が悪くなる,


かたづける,片付ける,「部屋を片づける」「本を物置に片づける」「宿題を片づける」「トラブルを片づける」「三人の娘を片づける」「邪魔者を片づけろ」,,,適当な場所にきちんと入れ納める、散らかっているものをまとめ整える、仕事をすっかり終らせる・物事をうまく処理する、嫁入させる、殺す,


かたどる,象る(模る),ラ行五段,他動詞,「雪の結晶をかたどった模様」「平和をかたどったマーク」,,,似せる・まねる・のっとる。他に「象」はなぞらえる・たぐえる意,


かたまる,固まる,ラ行五段,自動詞,「粘土が固まる」「血が固まる」「五人が固まって走っていく」「何軒かの店が固まる」「事業の基礎が固まる」「考えが固まる」「不信感で固まっている人」「頭が固まらないうちに本をたくさん読む」,相互「かためる」,,次第に固くなる、一箇所に集まる・一団となる、しっかりしたものになる・定まる、このことにだけ夢中になる・凝り固まる、考えなどに柔軟さがなくなり進歩や発展が止まる,


かたむく,傾く,カ行五段,自動詞,「波を受けて船が大きく傾く」「地震で家が傾く」「日が西に傾く」「家運が傾く」「賛成に傾く」「心が彼女に傾く」,相互「かたむける」,,物が斜めになる、日月が沈みかける、勢いが衰え存在が危うくなる、考えや気持ちがその方へ片寄るまたその傾向を示す,


かたむける,傾ける,カ行下一段,他動詞,「首を傾ける」「傘を傾ける」「大杯を傾ける」「道楽から身代を傾ける」「国を傾ける」「耳を傾ける」「愛情を傾ける」「うんちくを傾ける」,相互「かたむく」,,物を斜めにする・かしげる、酒を飲む、衰えさせて存在を危うくさせる、力や注意などをその方へ向ける・心を物事に集中させる,


かためる,固める,マ行下一段,他動詞,「ゼリーを冷やして固める」「拳を固める」「安打を固めて打つ」「荷物を片隅に固めておく」「身を固める」「決意を固める」「選挙の地盤を固める」「国境を固める」「陣営を固める」「嘘で固めた供述」「防寒具に身を固める」「契りを固める」,相互「かたまる」,,固い状態にする・固くする、集中させる、安定させる・強固にさせる、開胸されないように守る、装束などを身につける、しっかりと約束する,


かたよる,偏る,ラ行五段,自動詞,「栄養が偏る」「人口が首都圏に偏る」「愛情が偏らないようにする」「偏った税制」,,,全体の釣り合いを欠いた状態になる、不公平や不公正になる,

かたよる,片寄る,ラ行五段,自動詞,「進路が北へ片寄る」「片寄った考え方」「隅に片寄る」「トラックの荷が一方へ片寄る」,,,一方に寄る・傾く,


かたらう,語らう,ワ行五段,自動詞,「友と語らうひととき」,,,(睦まじく)話し合う。「かたりあう」に同じ,


かたりあう,語り合う,ワ行五段,他動詞,「友と国際情勢を語り合う」,,,「かたらう」に同じ,


かたりあかす,語り明かす,サ行五段,他動詞,「旧友と一夜を語り明かす」,,,話し合って夜を明かす,


かたりつぐ,語り継ぐ,カ行五段,他動詞「古くから語り継がれてきた土地の伝説」,,,次々に語って伝える,


かたりつたえる,語り伝える,ア行下一段,他動詞,「巷間に語り伝えられた事件」,,,世間の人や後世の人に話して伝える,


かたる,語る,ラ行五段,他動詞,「目撃者の語るところによれば」「決意の程を語る」「浪曲を語る」「この惨状が台風の凄まじさを語っている」,,,まとまった内容を順序立てて話し聞かせる、節を付けて朗読する、ある事実が自ずから示す・物語る,

かたる,騙る,ラ行五段,他動詞,「大金を騙られる」「有名人の名を騙る」,,,金品をだまし取る、地位や名前などを偽る・詐称する,



【かち】

かちあう,搗ち合う,ワ行五段,自動詞,「頭と頭がかち合う」「意見がかち合う」「会議が二つかち合う」,,,衝突する、同時に起こる・一緒になる,


かちあがる,勝ち上がる,ラ行五段,自動詞,「トーナメントで決勝まで勝ち上がる」,,,勝って次の段階にすすむ・勝ちすすむ,


かちえる,勝ち得る(贏ち得る),ア行下一段,他動詞,「成功を勝ち得る」,,,勝って自分のものにする・また努力してある成果を得る。「勝・贏」はともに勝る意なので常用である「勝」に統一,


かちこす,勝ち越す,サ行五段,自動詞,「千秋楽でようやく勝ち越す」「一点勝ち越す」,,対語「まけこす」,勝った回数が負けた回数より多くなる、競技などの途中で相手の得点を上回る,


かちすぎる,勝ち過ぎる,ガ行上一段,自動詞,「悲観論が勝ちすぎる予測」「仕事の荷が勝ちすぎる」,,,傾向や性質が強すぎる、負担が大きすぎる,


かちすすむ,勝ち進む,マ行五段,自動詞,「決勝戦へと勝ち進む」,,,勝負に勝って次の段階へ進む,


かちづける,価値付ける,カ行下一段,他動詞,「正当に価値づける」,,,値打ちを定める・評価する,


かちとる,勝ち取る,ラ行五段,他動詞,「出場権を勝ち取る」,,,争いに勝って自分のものにする、努力して自分のものとする,


かちぬく,勝ち抜く,カ行五段,他動詞,「勝ち抜いて優勝する」「苦しい戦いを勝ち抜く」,,,次々に相手を破って勝ち進む、最後まで戦いぬいて勝つ,


かちのこる,勝ち残る,ラ行五段,他動詞,「激戦を勝ち残る」,,,試合や勝負に勝って次の戦いに残る,


かちはなす,勝ち放す,サ行五段,自動詞,「開幕以来勝ち放す」,,,すっと勝ち続ける・勝ちっぱなす,


かちほこる,勝ち誇る,ラ行五段,自動詞,「勝ち誇った顔」,,,勝っておおいに得意になる,


がちゃつく,がちゃつく,カ行五段,自動詞,「サーベルをガチャつかせる」「教室がガチャついている」,,,ガチャガチャと音を立てる、揉め事が起こる,



【かつ】

かつ,勝つ(贏つ),タ行五段,自動詞,「喧嘩に勝つ」「販売競争に勝つ」「ストレートで勝つ」「学力では彼のほうが勝っている」「バクチで勝った金」,,対語「まける」,戦ったり競い合ったりした結果相手より優位な立場を占める・競争相手を負かす・勝利を得る、比べてみて相手よりまさる、利益を得る・もうける。「勝・贏」はともに勝る意なので常用である「勝」に統一,

かつ,勝つ(贏つ),タ行五段,自動詞,「赤みの勝った色」「理性の勝った人」「その仕事は私には荷が勝っている」,,,他より強く認められる・まさっている、力量を越えている,

かつ,克つ(勝つ)「誘惑に克つ」「己に克つ」「難病に克つ」,,対語「まける」,努力して抑える・努力して困難を切り抜ける・打ち克つ。「克」は争いに勝つ、勝ちたがる、私欲に勝つ、責める意,


かつえる,餓える(飢える),ア行下一段,自動詞,「親の愛情に餓える」,,,非常に欠乏を感じてそれをひどく欲しがる。「うえる」と同字,


かつぎあげる,担ぎ上げる,他動詞,「荷物を三階まで担ぎ上げる」「委員長に担ぎ上げる」,,,担いで上へ押し上げる、頼んだり煽てたりして人を表に押し立てる,


かつぎこむ,担ぎ込む,マ行五段,他動詞,「救急病院に担ぎ込む」,,対語「かつぎだす」,人や物をかついで運び入れる,


かつぎだす,担ぎ出す,サ行五段,他動詞,「荷物を部屋から担ぎ出す」「選挙に担ぎ出す」「昔の話を担ぎ出す」,,対語「かつぎこむ」,担いで運び出す、人を表に押し立てる、話題として持ち出す,


かっきづく,活気付く,カ行五段,自動詞,「市場がにわかに活気づく」,,,生き生きとしてくる・陽気でにぎやかな感じになる,


かっきる,掻っ切る,ラ行五段,他動詞,「腹を掻っ切る」,,,力を入れて切る。「かききる」の音変化,


かつぐ,担ぐ,ガ行五段,他動詞,「荷物を担ぐ」「鉄砲を担ぐ」「最年長者を会長に担ぐ」「友人にうまく担がれた」「担ぐ性分」「験を担ぐ」,,,持ち上げて肩に載せ支える・担う、代表者の地位に据えて押し立てる、からかって人をだます・一杯食わせる、縁起を気にする・迷信にとらわれる,


かっこむ,掻っ込む,マ行五段,他動詞,「お茶漬けを掻っ込む」,,,食べ物をせわしそうに口にかき入れる。「かきこむ」の音変化,


かっさばく,掻っ捌く,カ行五段,他動詞,「腹掻っさばいてでも責任は取る」,,,切り裂く・掻き切る。「かきさばく」の音変化,


かっさらう,掻っ攫う,ワ行五段,他動詞,「網棚の荷物を掻っさらう」「川底の土砂を掻っさらう」,,,横合いから素早く奪い取る・スキに乗じて素早く持ち去る、土砂などをすくい上げて除く,


かっする,渇する,サ行変格活用,自動詞,「渇する者は水を選ばず」「湖水が渇する」,,,のどが渇く、欠乏を感じてひどく欲しがる,


がっする,合する,サ行変格活用,他動詞,「支流が本流に合する地点」「諸経費を合する」,,,一つになる・一緒になる、一つに合わせる。「ごうする」と同字,


がっつく,がっつく,カ行五段,自動詞,「たくさんあるからそんなにがっつくなよ」,,,貪るように食う、程度を超えてものを欲しがる,


かっぱらう,掻っ払う,ワ行五段,他動詞,「店頭の品物をかっぱらう」「向こう脛を掻っ払う」,,,人目を盗んで掠め取る、勢いよく横に払う。「かきはらう」の音変化,


かっぽじる,掻っ穿る,ラ行五段,他動詞,「耳の穴をかっぽじってよく聞け」,,,つついて穴を空ける、穴の中をつついて詰まっているものを取り出す,



【かと】

かどだつ,角立つ,タ行五段,自動詞,「角立っている石」「そういう態度では話が角立つ」,相互「かどだてる」,,角張っている・角張る、円満を欠きとげとげしい様子になる・角が立つ,


かどだてる,角立てる,タ行下一段,他動詞,「目を角立てて話す」「事を角立てるようなやり方」,相互「かどだつ」,,角をとがらせる・かどばらせる、感情を刺激する言動をとる・角を立てる,


かどばる,角張る,ラ行五段,自動詞,「角張った顔」「角張った挨拶は抜きにして」,,,角が出っ張っていてゴツゴツする、態度や言葉遣いが窮屈な感じを与える・四角ばる,


かどわかす,勾引かす(拐かす),サ行五段,他動詞,「子どもをかどわかす」,,,人をだましまたは力ずくで他へ連れ去る・誘拐する,



【かな】

かなう,適う,ワ行五段,自動詞,「理屈に適っている」「お眼鏡に適う」「大関に適う地位」,相互「かなえる」,,よく当てはまる・ぴったり合う・適合する,

かなう,叶う,ワ行五段,自動詞,「念願が叶う」「出場が叶う」「叶わぬ恋」,相互「かなえる」,,思い通りに実現する、願っていたことがそのとおりになる,

かなう,敵う,ワ行五段,自動詞,「この天候では登頂は敵わない」「起き上がることも敵わぬほど病が篤い」「語学では彼に敵うものはいない」,,,そうすることができる・可能である・そうすることが許される、対等の力がある,


かなえる,適える,ア行下一段,他動詞,「必要条件を適える」,相互「かなう」,,ぴったり合うように十分に満たす,

かなえる,叶える,ア行下一段,他動詞,「希望を叶えてやる」,相互「かなう」,,思い通りに実現させる・成就させる,


かなぐりすてる,かなぐり捨てる,タ行下一段,他動詞,「上着をかなぐり捨てて身構える」「恥も外聞もかなぐり捨てて懇願する」,,,身につけているものを荒荒しく取って放り出す、全部捨てる,


かなしむ,悲しむ(哀しむ),マ行五段,他動詞,「別れを悲しむ」「道徳心の低下を悲しむ」,,対語「よろこぶ」,悲しく思い心が痛む。「悲」は嘆かわしく思う、「哀」はあわれの意なので「悲」で統一,


かなでる,奏でる,ダ行下一段,他動詞,「ギターを奏でる」,,,楽器とくに管弦楽器を演奏する,


がなりたてる,がなり立てる,タ行下一段,自動詞,「朝っぱらからがなり立てるなよ」,,,あたりかまわず激しくわめく・わめきたてる,


がなる,がなる,ラ行五段,自動詞,「宣伝カーががなる」,,,大きな声で騒々しく言う・わめく・どなる,



【かね】

かねあう,兼ね合う,ワ行五段,自動詞,「需要と供給がうまく兼ね合う」,,,両方がうまくつりあう,


かねる,兼ねる,ナ行下一段,他動詞,「大は小を兼ねる」「書斎と応接間とを兼ねた部屋」「首相が外相を兼ねる」「商用を兼ねて上京する」「気を兼ねる」,,,二つ以上の働きをする、他方まで考える・遠慮する・はばかる,

かねる,兼ねる,ナ行下一段,他動詞,「何とも言いかねる」「悪口も言い出しかねない」,,,補助動詞。しようとしてできない・することが難しい、するかもしれない・しそうだ,



【かは】

かばう,庇う,ワ行五段,他動詞,「いじめられている子をかばってやる」「傷をかばう」,,,他から害を受けないように守り助ける・労り守る,



【かひ】

かびる,黴びる,バ行上一段,自動詞,「餅がカビる」,,,カビが生える・物事が古臭くなる,



【かふ】

かぶさる,被さる,ラ行五段,自動詞,「髪が額にかぶさる」「現実に思い出がかぶさる」「二つの音がかぶさり合う」「余分な仕事がかぶさってくる」,相互「かぶせる」,,かぶせたようになる・覆いかかる、負担がわが身に及ぶ,


かぶす,被す,サ行五段,他動詞,「穴に土をかぶしておく」,,,「かぶせる」に同じ,


かぶせる,被せる,サ行下一段,他動詞,「帽子をかぶせる」「布団をかぶせる」「頭から水をかぶせる」「種に土をかぶせる」「映像にナレーションをかぶせる」「かぶせて言う」「人に罪をかぶせる」,相互「かぶさる」,,上から覆うように物を載せる、全体に注ぎかける、すでにある色や音などの上にさらに加える、間を置かないですぐ次の言葉を言う、人に罪や責任などを負わせる,


かぶりつく,齧り付く(噛り付く),カ行五段,自動詞,「リンゴにかぶりつく」「舞台にかぶりつく」,,,大口を開けて食いつく・勢いよく噛みつく、しっかりと取りつく・かじりつく。「かじりつく」と同字,


かぶる,被る,ラ行五段,他動詞,「帽子をかぶる」「面をかぶる」「毛布をかぶって寝る」「雪をかぶった山」「水をかぶる」「火の粉をかぶる」「人の罪をかぶる」「不況の煽りをかぶる」「この写真はかぶっている」「芝居がかぶる」,,,覆うものを載せる・全体をすっぽり覆う、頭から体全体にかけて受ける・水や埃などを浴びる、本来は引き受けなくてよいものを身に受ける・こうむる、写真が曇ってぼやける、芝居や寄席などが終わる・はねる。「こうむる」と同字,


がぶる,がぶる,ラ行五段,自動詞,「横波に大きくがぶった」「がぶって寄る」,,,波が荒くて船が激しく揺れる、相撲で四つに組んで土俵外へ寄っていくために激しく揺さぶる,


かぶれる,気触れる,ラ行下一段,自動詞,「薬品にかぶれる」「新思想にかぶれる」,,,漆や薬品などの刺激で皮膚が炎症を起こし赤くかゆくなる・まける、影響を受けてそのふうに染まる,



【かま】

かまう,構う,ワ行五段,自動詞,「時間に構わず押しかけてくる」「私に構わないで先に行ってください」「なりふり構わず働く」「費用がかかっても構いませんか」「私のことなんか誰も構ってくれない」「猫を構う」,,,気にかけて規制された状態になる・気にする・気を使う・差し支えが生じる、世話を焼いたり相手をしたりする・弱い者や動物などを相手にしてふざける・からかう,


かまえる,構える,ア行下一段,他動詞,「新居を構える」「店を構える」「一家を構える」「膳を構える」「ストを構える」「カメラを構える」「バットを構える」「事を構える」「言を構える」「来るなら来いと構える」「のんきに構えてもいられない」「あまり構えないで楽にしてください」,,,整った形に組み立てて作り上げる、準備を整える、計画する・企む、ごまかすためにわざと作り上げる、事に備えて姿勢や態度をとる・相手に対して心の備えをする,


かまける,感ける,カ行下一段,自動詞,「遊びにかまけて勉強が疎かになる」,,,気を取られて他のことをなおざりにする,


かます,噛ます,サ行五段,他動詞,「猿ぐつわを噛ます」「くさびを噛ます」「張り手をかます」「はったりをかます」,,,歯の間に押し込んで噛むようにさせる、物と物との間にきっちりと差し込む、相手が怯むように衝撃を与える動作や言葉を加える,


かませる,噛ませる,サ行下一段,他動詞,「顔に一発かませる」,,,「かます」に同じ,



【かみ】

かみあう,噛み合う,ワ行五段,自動詞,「犬が噛み合う」「ファスナーがうまく噛み合わない」「話がなかなか噛み合わない」,相互「かみあわせる」,,互いに噛みつく、歯車などがぴったりと組み合わさる、違う内容をものもの同士がしっくりと合ってうまく事が進む,


かみあわせる,噛み合わせる,サ行下一段,他動詞,「歯を噛み合わせる」「土佐犬を噛み合わせる」「ギアを噛み合わせる」「論点を何とかして噛み合わせようと努める」,相互「かみあう」,,上下の歯を合わせて噛む、互いに噛みつかせる・激しく争わせる、歯車まどをびたりと合うようにする、食い違いのないようにうまく講話をとる,


かみがかる,神懸かる(神憑る),ラ行五段,自動詞,「急に神がかった言動をとるようになる」,,,神霊が体に乗り移る、人が普通と違う様子になることにもたとえていう。「憑」は乗り移る意,


かみきる,噛み切る,ラ行五段,他動詞,「硬い肉を噛み切る」,,,物をかんで切る・食い切る,


かみくだく,噛み砕く,カ行五段,他動詞,「錠剤を噛み砕いて飲む」「趣旨を噛み砕いて説明する」,,,噛んで粉々にする、やさしい言葉を使ってわかりやすくする,


かみこなす,噛み熟す,サ行五段,他動詞,「教えられたことをよく噛みこなしている」,,,噛み砕いて消化する、自分の身につくように十分に理解する,


かみころす,噛み殺す,サ行五段,他動詞,「あくびを噛み殺す」,,,噛みついて殺す、あくびや笑いが出るのを歯を噛みしめて無理に抑える・噛み潰す,


かみさびる,神さびる,バ行上一段,自動詞,「神さびた杜」,,,古びて神々しく見える・荘厳で神秘的である・かんさびる,


かみしめる,噛み締める,マ行下一段,他動詞,「無念さに唇を噛みしめる」「スルメを噛みしめる」「平和の尊さを噛みしめる」,,,力を入れて噛む、よく噛んで味わう、味わい深い意味などを十分に感じ取る,


かみつく,噛み付く,カ行五段,自動詞,「犬が子どもに噛みつく」「上司に噛みつく」,,,歯で食いつく、激しい態度で相手に迫る・食ってかかる,


かみつぶす,噛み潰す,サ行五段,他動詞,「苦虫を噛み潰したような顔」「笑いを噛み潰す」,,,噛んで潰す、で懸かる笑い声やあくびを抑えて我慢する・噛み殺す,


かみわける,噛み分ける,カ行下一段,他動詞,「世の中の酸いも甘いも噛み分ける」,,,食べ物をよく噛んで味の違いを区別する、物事の細かな違いを分別して考え理解する,



【かむ】

かむ,擤む,マ行五段,他動詞,「ハナをかむ」,,,鼻汁を息とともに強く出して取り除く,

かむ,噛む(咬む・嚼む),マ行五段,他動詞,「悔しさで唇を噛む」「よく噛んで食べなさい」「舌を噛む」「蛇に噛まれる」「ギアが噛む」「岩を噛む激流」「計画には彼が一枚噛んでいる」,,,上下の歯で物を挟んだり砕いたりする、歯を立てて傷つける、歯車の歯などがぴったりと合わさる、水流が激しくぶつかる、企てや事件などに関係を持つ。「噛・咬」はかじる意、他に「咬む」はかみつく、「嚼」は噛み砕く・噛みこなす・噛みしめる・味わう・意味を了解する意,


かむさびる,神さびる,バ行上一段,自動詞,「神さびた杜」,,,古びて神々しく見える・荘厳で神秘的である。「かんさびる」と同字で同義,



【かめ】

がめる,がめる,マ行下一段,他動詞,「タバコをがめてきた」「がめるからいつも上がれない」,,,黙って自分のものにする、賭け事で大勝ちを狙う,



【かも】

かもしだす,醸し出す,サ行五段,他動詞,「楽しい雰囲気を醸し出す」,,,ある気分や感じなどを作り出す,


かもす,醸す,サ行五段,他動詞,「酒を醸す」「物議を醸す」,,,こうじを発酵させて酒や醤油などを作る・醸造する、ある状態や雰囲気などを生みだす,


かもる,鴨る,ラ行五段,自動詞,「麻雀でカモられる」,,,賭け事などで相手を簡単に負かして金品を巻き上げる・鴨にする,



【かよ】

かよいつめる,通い詰める,マ行下一段,自動詞,「図書館に通い詰める」,,,同じ所へ絶えず通っていく・しょっちゅう通う,


かよう,通う,ワ行五段,自動詞,「自転車で学校に通う」「病院に通う」「鳥も通わぬ南海の孤島」「電流が通う」「血が通う」「息が通う」「心の通う贈り物」「夏の間だけバスが通う」「江戸へ通う街道」「目鼻立ちに通うところがある」,相互「かよわす」,,何度も行き来する、自由に行き来する、ある場所を通って流れる・止まらないで流れる、気持ちなどが相手に伝わる、道筋が通じる・通じている、似る・共通する,


かよわす,通わす,サ行五段,他動詞,「子どもを大学へ通わす」「互いに心を通わす」「息を通わす」,相互「かよう」,,通うようにさせる,



【から】

からかう,からかう,ワ行五段,他動詞,「子どもをからかう」,,,相手が困ったり怒ったりすることをしておもしろがる・揶揄する,


からがる,絡がる,ラ行五段,自動詞,「糸が絡がる」,,,からまる・こんがらがる,

からがる,辛がる,ラ行五段,自動詞,「唐辛子を食べて辛がる」,,,辛いという様子をみる,


からげる,絡げる(紮げる),ガ行下一段,他動詞,「荷物を麻ひもで絡げる」「裾を絡げる」,,,縄や紐などで結える・くくる、衣服のいち部をまくり上げて帯などに挟む。「絡・紮」は同義,


からす,枯らす,サ行五段,他動詞,「丹精した植木を枯らす」,相互「かれる」,,草木をかれさせる,

からす,涸らす,サ行五段,他動詞,「井戸を涸らす」「泣きすぎて涙を涸らす」「才能を涸らす」,相互「かれる」,,水の枯れた状態にする、持っているものなどを出し尽くす,

からす,嗄らす,サ行五段,他動詞,「声を嗄らして叫ぶ」,相互「かれる」,,声をかすれさせる,


からます,絡ます,サ行五段,他動詞,「塀にツタを絡ます」「今後の処置を絡まして説得する」,,,まといつくようにする、関係づける・関連させる。「からませる」に同じ,


からませる,絡ませる,サ行下一段,他動詞,「垣根に朝顔のツルを絡ませる」「漁業問題に領土問題を絡ませる」,,,「からます」に同じ,


からまる,絡まる,ラ行五段,自動詞,「スクリューに網が絡まる」「ロープに足が絡まる」「私情が絡まる」「酒のせいかしつこく絡まってくる」,相互「からめる」,,物に巻き付いて引き離しにくく鳴る・絡みつく、複雑に結びつく・密接に関係し合う、言いがかりをつける,


からみあう,絡み合う,ワ行五段,自動詞,「毛糸が絡み合う」「利害が絡み合う」「複雑な感情が絡み合う」,,,互いに絡む・互いに巻き付く、もつれるようにかかわり合う,


からみつく,絡み付く,カ行五段,自動詞,「足に紐が絡みつく」「酒に酔って絡みつく」,相互「からみつける」,,物のまわりに巻きつく・まといつく・まつわりつく、無理なことを言って言いがかりをつける,


からみつける,絡み付ける,カ行下一段,他動詞,「足を絡みつけて相手を倒す」,相互「からみつく」,,絡みつくようにする・巻きつかせる,


からむ,絡む(搦む),マ行五段,自動詞,「朝顔が垣根に絡む」「たんが絡む」「金が絡んだ事件」「酔って絡む」,,,物に巻き付いて離れなくなる・まといつく、密接に結びつく、理屈をこねたり無理を言ったりして困らせる・言いがかりをつける,


からめとる,搦め捕る,ラ行五段,他動詞,「犯人を搦め捕る」,,,人を捕らえて縛り上げる・からめる。「搦」は捕らえて縛り上げる意。常用外なのでかな書きで統一,


からめる,絡める,マ行下一段,他動詞,「足を絡める」「人員削減を絡めた合理化案」「団子に餡を絡める」,,,巻きつける、密接に関係づける、粉状や粘りけのあるものを全体によく付ける,

からめる,搦める,マ行下一段,他動詞,「賊を搦める」「がれ場を搦めて登る」,,,紐などで縛る・捕らえて縛る、登山で困難な場所を避けたコースをとる。「搦」は捕らえて縛り上げる意。常用外なのでかな書きで統一,


かられる,駆られる,ラ行下一段,自動詞,「不安に駆られる」「好奇心に駆られる」,,,激しい感情に動かされる,



【かり】

かりあげる,刈り上げる,ガ行下一段,他動詞,「髪を短く刈り上げる」「稲をすっかり刈り上げね」,,,頭髪を刈っていく、残らす刈ってしまう・刈り終わる,

かりあげる,借り上げる,ガ行下一段,他動詞,「民有地借り上げる」,,対語「貸し下げる」,政府や目上の者が民間や目下の者から借りる,


かりあつめる,駆り集める,マ行下一段,他動詞,「手伝いの人を駆り集める」,,,方々から急いで多くの人数を集める,


かりいれる,刈り入れる,ラ行下一段,他動詞,「早稲を刈り入れる」,,,実った稲や麦などを刈り取る・刈って取り入れる・収穫する,

かりいれる,借り入れる,ラ行下一段,他動詞,「銀行から借り入れる」,,対語「貸し出す」,金品を借りる,


かりうける,借り受ける,カ行下一段,他動詞,「資金を借り受ける」,,,借りて手元に受け取る・借りる,


かりかえる,借り換える,ア行下一段,他動詞,「低利のローンに借り換える」,,,借りたものを返してまた新たに借りる,


かりきる,借り切る,ラ行五段,他動詞,「レストランを借り切ってパーティーを開く」「限度額いっぱい金を借り切る」,,対語「貸し切る」,一定期間を通して借りる、借りられるものをすべて借りる,


かりこむ,刈り込む,マ行五段,他動詞,「庭の芝を刈り込む」「愛犬の毛を短く刈り込む」「刈り込んだ無駄のない文章」「麦を小屋に刈り込む」,,,刈って形を整える、文章を推敲して不要な部分を削る、農作物を刈り取って蓄える,


かりたおす,借り倒す,サ行五段,他動詞,「借金を借り倒す」,,,借りたまま返さないでしまう・踏み倒す,


かりだす,借り出す,サ行五段,他動詞,「図書館から本を借り出す」,,,物を借りて外に持ち出す、借り始める,

かりだす,駆り出す,サ行五段,他動詞,「野ウサギを駆り出す」「選挙運動に駆り出される」,,,獲物などを追い立てて出す、促して引っ張り出す・無理に引き出す,


かりたてる,駆り立てる,タ行下一段,タ行下一段,「イノシシを駆り立てる」「学徒を戦場に駆り立てる」「自責の念に駆り立てられる」,,,獲物をとらえるために追い立てる(狩り立てるとも)、意志に関係なく無理に行かせる、そうせずにはいられない気持ちに仕向ける,


かりとる,刈り取る,ラ行五段,他動詞,「麦を刈り取る」「雑草を刈り取る」「悪の芽を刈り取る」,,,刈り入れる、草などを刃物で切って取り去る、不都合なものなどを取り除く,


かりる,借りる,ラ行上一段,他動詞,「友人から金を借りる」「図書館で本を借りる」「アパートを借りる」「年長者の知恵を借りる」,,対語「貸す」,後で返す約束で一時的に自分のもののように使う、知恵や力などの助けを受ける,

かりる,借りる,ラ行上一段,他動詞,「この場を借りて一言お礼を申し上げます」「あなたの言葉を借りて言えば」,,,ある目的のために一時的に他のものを利用する,



【かる】

かる,刈る(苅る),ラ行五段,他動詞,「草を刈る」「髪を刈る」,,,伸び茂っているものを根本を残して切り払ったり切り取ったりする。「苅」は俗字,

かる,狩る,ラ行五段,他動詞,「鹿を狩る」「山を狩る」,,,獲物を追いかけて捕らえる・狩りをする、罪人などを捕らえるために捜し求める,

かる,駆る(駈る),ラ行五段,他動詞,「牛を駆って柵の中に追い込む」「車を駆って現場へ急ぐ」「好奇心が探求へと駆る」「噂が人々を不安へと駆った」,,,追い立てる・急き立てて追う、速く走らせる・急がせる、ある事道をとらなければならないような気持ちにする・ある感情をますます強くする、駆られる。「駈」は俗字,



【かれ】

かれのこる,枯れ残る,ラ行五段,自動詞,「枯れ残っている野菊」,,,他の草木が枯れたのにそれだけが枯れずに残る,


かれはてる,枯れ果てる,タ行下一段,自動詞,「枯れ果てた晩秋の野」,,,すっかり枯れてしまう,


かればむ,枯ればむ,マ行五段,自動詞,「庭の木々が枯ればむ」,,,枯れそうな様子になる・枯れかかる,


かれる,枯れる,ラ行下一段,自動詞,「作物が枯れる」「葉が枯れる」「痩せても枯れても」「芸が枯れる」「枯れた人柄」,相互「からす」,,草木が水分をなくして生命を保てなくなる・花や葉が変色したり落ちたりする、張りやみずみずしさがなくなる・本来の勢いがなくなる、人物や技術が練れて深みが増す・円熟して落ち着いた深い味わいが出てくる,

かれる,涸れる,ラ行下一段,自動詞,「泉が涸れる」「涙が涸れる」「よく涸れた木材」「詩嚢が涸れる」「愛情が涸れる」「資金が涸れる」,相互「からす」,,水がほとんどなくなる・干上がる・乾燥する、感じたり考えたりする力が減って出なくなる・必要なものが不足しがちになる・枯渇する,

かれる,嗄れる,ラ行下一段,自動詞,「歌いすぎで喉が嗄れる」,相互「からす」,,声がかすれる・しわがれる,



【かろ】

かろんじる,軽んじる,ザ行上一段,他動詞,「約束を軽んじる」,,対語「おもんじる」,「かろんずる」の音変化,


かろんずる,軽んずる,サ行変格活用,他動詞,「人を軽んずる」「命を軽んずる」,,対語「おもんずる」,軽く見る・価値や意味があるものとしてみない・大切に思わない,



【かわ】

かわいがる,可愛がる,ラ行五段,他動詞,「子どもをかわいがる」「ひいき筋にかわいがられた役者」「そいつをかわいがってやれ」,,,かわいらしいと思って優しく扱う、ひいきする・目をかけてやる、痛い目に遭わせる・手荒く扱う,


かわかす,乾かす,サ行五段,他動詞,「濡れた服を焚き火で乾かす」,,,日光や火や風などにあててぬれたものや湿ったものの水分を取り去る,


かわく,乾く,カ行五段,自動詞,「洗濯物が乾く」「乾いた空気」「乾いた虚ろな目」,,,湿気や水分がなくなる・干る、感情や生気が感じられなくなる・潤いに欠ける,

かわく,渇く,カ行五段,自動詞,「喉が渇く」「愛に渇く」,,,喉がカラカラで,水分がほしい、満たされる気持ちが苛立たしいほど高まる・心から強く欲しがる,


かわす,交わす,サ行五段,他動詞,「挨拶を交わす」「約束を交わす」「枝を交わす」,,,互いにやり取りする・交換する、互いに交える・交錯させる,

かわす,交わす,サ行五段,他動詞,「顔を見交わす」「堅く言い交わした中」,,,補助動詞。互いにしあう意,

かわす,躱す,サ行五段,他動詞,「身をかわして自動車を避ける」「鋭い追及をかわす」,,,ぶつからないように身を翻して避ける、巧みに避けて逃れる,


かわりあう,代わり合う,ワ行五段,自動詞,「代わり合って休む」,,,互いに代わる・交替する,


かわりはてる,変わり果てる,タ行下一段,自動詞,「変わり果てた姿」,,,以前とすっかり変わったひどい状態になる,


かわる,変わる,ラ行五段,自動詞,「規約が変わる」「顔色が変わる」「月が変わる」「時代が変わる」「住まいが変わる」「別の会社に変わる」「風向きが変わる」「席が変わる」「変わった趣向」「あの人は一風変わっている」「なんら動物とかわるところがない」「所変われば品変わる」「右に変わってはたき込む」,相互「かえる」,,今までと違った状態になる、他の場所や方向へ動く、普通と比べて異なる、物事と物事との間に違いがある・異なる、相撲などで相手にぶつかられないように身をかわす,

かわる,代わる,ラ行五段,自動詞,「市長が代わる」「運転を代わる」「土地が金に代わる」「一同に代わってお礼を述べる」「電車に代わってバスが運行する」,,,今までそこにあった人やもののあとに他のものが入る・入れかわる・交替する、ある役割を他のものがする・代理をする。「かわる」では一般的に用いる,

かわる,換わる(替わる),ラ行五段,自動詞,,「空気が換わる」,,,(主に液体や気体について)古いものが出ていき新しいものが入ってくる。一般に「換」は戻さない、「替」は戻せる意,

かわる,替わる,ラ行五段,自動詞,「二人の席が替わる」,,,取り替わる・交換される,



【かん】

かんがえあわす,考え合わす,サ行五段,他動詞,「あれこれ考え合わしてみればわかる」,,,「かんがえあわせる」に同じ,


かんがえあわせる,考え合わせる,サ行下一段,他動詞,「双方の事情を考え合わせて結論を出そう」,,,比べたり結びつけたりして検討する,


かんがえこむ,考え込む,マ行五段,他動詞,「どうしたらいいのか考え込んでしまった」,,,一つのことに集中して深く考える・また深刻に考える,


かんがえだす,考え出す,サ行五段,他動詞,「画期的な戦術を考え出す」「そんなことまで考えだしたらきりがない」,,,新しい案や方法などを作り出す、考え始める,


かんがえつく,考え付く,サ行五段,他動詞,「うまいこと考えついた」,,,考えが浮かぶ・思いつく,


かんがえなおす,考え直す,サ行五段,他動詞,「始めから考え直してみよう」「今からで遅くないから考え直せ」,,,もう一度考えてみる、今までの考え方を変える,


かんがえる,考える,ア行下一段,他動詞,「こうするのが正しいと考える」「解決の方法を考える」「よく考えてから返事をする」「考えたとおりに事が運ぶ」「考えられないことが起こる」「留学しようと考える」「結婚を考える」「周囲の状況を考えて行動する」「くよくよ考えても仕方がない」「新しいデザインを考える」,,,知識や経験に基づいて筋道を立てて頭を働かせる・判断する・結論を導き出す・予測する・予想する・意図する・決意する、関係する事柄や事情についてあれこれと思いを巡らす、工夫する・工夫して作り出す,


かんがみる,鑑みる,マ行上一段,自動詞,「時局に鑑みて決定する」,,,過去の例や手本などに照らして考える,


かんぐる,勘繰る,ラ行五段,自動詞,「何か裏があるのではないかと勘ぐる」,,,あれこれ気を回して悪い意味に考える・邪推する,


かんけいづける,関係付ける,カ行下一段,他動詞,「非行問題を家庭環境と関係づけて考える」,,,いくつかの物事に何らかの関係をもたせる,


かんさびる,神さびる,バ行上一段,自動詞,「神さびた古代建築」,,,「かむさびる」に同じ,


かんじいる,感じ入る,ラ行五段,自動詞,「感じ入った顔で絵を眺めている」,,,すっかり感心する,


かんじとる,感じ取る,ラ行五段,他動詞,「不穏な空気を感じ取る」「言葉の端々に心の揺れを感じ取る」,,,そこからある感じを受けとる・雰囲気などから察する,


かんじる,感じる,ザ行上一段,他動詞,「寒さを感じる」,,,「かんずる」の音変化,

かんじる,観じる,ザ行上一段,他動詞,「生命の儚さを観じる」,,,「かんずる」の音変化,


かんする,刊する,サ行変格活用,他動詞,「個人の詩文を収録して刊する」,,,板行する・刊行する・出版する,

かんする,冠する,サ行変格活用,他動詞,「企業名を冠した競技大会」,,,名称や称号や文字あるいはそのものを限定する言葉などを上につける、冠を載せる転じて元服する,

かんする,姦する,サ行変格活用,他動詞,「生娘を姦する」,,,婦女子を犯す、姦通する,

かんする,関する,サ行変格活用,他動詞,「将来に関する問題」「映画に関してはょっとうるさい」「我関せず」,,,関係がある・かかわる,

かんする,緘する,サ行変格活用,他動詞,「口を緘して語らない」「固く緘した封書」,,,口を閉じる・黙る、封をする,


かんずる,感ずる,サ行変格活用,他動詞,「空腹を感ずる」「暑さを感ずる」「うれしく感ずる」「必要を感ずる」「感ずるところがあって」「深く感じさせる演説」「善行に感ずる」「地震計に感ずる」,,,感覚器官にある感覚を起こす、ある種の気持ちを持つ、心を動かされる・感動する、計測器などが反応する,

かんずる,観ずる,サ行変格活用,他動詞,「改めて世界の情勢を観ずるに」「人生を無常と観ずる」,,,思い浮かべて静かに観察する、思い巡らして物の心理や本心を悟る・観念する,


かんづく,感付く(勘付く),カ行五段,自動詞,「なにかあるとは薄々感づいていた」,,直観的に気づく。「感」は外物に触れて心が動く・感覚器官によって知る、「勘」は第六感や感覚や推理によらないでわかる心の作用の意なので「勘」が本意,


かんばしる,甲走る(癇走る),ラ行五段,自動詞,「甲走った声」,,,声がキンキンと高く響く。「甲」は声の調子が高い、「癇」は激しやすく怒りっぽい・神経質の俗称の意なので「甲」が本意,


がんばる,頑張る,ラ行五段,他動詞,「一致団結してがんばる」「がんばって自説を譲らない」「入り口に警備員ががんばっているので入れない」,,,困難にめげないで我慢してやり抜く、考えや意志をどこまでも通そうとする・我を張る、ある場所を占めて動かないでいる,



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