第6話 動詞(き)

よみ,漢字,活用,自他,用例,相互,対語,補記,


【きあ】

きあわせる,来合わせる,サ行下一段,自動詞,「ちょうど来合わせたタクシーに乗る」,,,ちょうどやって来てたまたま出会う,



【きえ】

きえいる,消え入る,ラ行五段,自動詞,「消え入るような声」「夜の闇に消え入る人影」,,,次第に消えてなくなる,


きえうせる,消え失せる,サ行下一段,自動詞,「人込みの中に姿が消え失せる」,,,そこにあったものが見えなくなる,


きえさる,消え去る,ラ行五段,自動詞,「跡形もなく消え去る」,,,消えてなくなる・見えなくなる,


きえのこる,消え残る,ラ行五段,自動詞,「山陰に消え残った雪」,,,すっかり消えてしまわないで一部が残る,


きえはてる,消え果てる,タ行下一段,自動詞,「最後の望みも消え果てた」,,,すっかり消えて無くなる,


きえる,消える,ア行下一段,自動詞,「煙が空に消える」「男は人込みの中に消えた」「足音が消える」「臭みが消える」「火が消える」「街の灯も消えた」「日陰の雪も消えた」「やがて噂も消えるだろう」「憎しみが消える」「彼特有の辛辣さが消えた」「初出場の硬さが消える」「帳簿上の赤字はこれで消えた」「宝石が金庫から消えていた」「人影の消えたスタジアム」,,,感覚でとらえられなくなる、そこからなくなる,



【きお】

きおいこむ,気負い込む,マ行五段,自動詞,「気負いこんで交渉の席に臨む」,,,「きおいたつ」に同じ,


きおいたつ,気負い立つ,タ行五段,自動詞,「気負い立って新しい仕事に臨む」,,,物事に立ち向かおうとしてひどく意気込む・勇み立つ・気負い込む,


きおう,気負う,ワ行五段,自動詞,「いいところを見せようと気負う」,,,意気込む・気持ちばかりが逸って勇み立つ,



【きか】

きかえる(きがえる),着替える(着換える),ア行下一段,他動詞,「作業着に着替える」,,,着ていた衣服を脱いで他のものを着る。「換」は二度と着ない、「替」は再び着ることがある意,


きかかる,来掛かる,ラ行五段,自動詞,「店の前に来かかったとき声をかけられた」「こちらへ来かかって引き返した」,,,ちょうどその場所あたりに来る・差し掛かる、来ようとする・途中まで来る,


きかざる,着飾る,ラ行五段,他動詞,「着飾って出席する」,,,美しい衣服を着て身を飾る・盛装する,


きかす,利かす,サ行五段,他動詞,「わさびを利かす」,,,「きかせる」に同じ,

きかす,聞かす,サ行五段,他動詞,「面白い話を聞かそう」,,,「きかせる」に同じ,


きかせる,利かせる,サ行下一段,他動詞,「シーツにのりを利かせる」「顔を聞かせて特別に配慮してもらう」「睨みを利かせる」「気を利かせて準備しておく」「機転を利かせる」,,,効き目があるようにする、機敏に心を働かせる,

きかせる,聞かせる,サ行下一段,他動詞,「とんだ長話を聞かせてしまった」「よく言って聞かせる」「なかなか聞かせるノドだ」,,,聞くようにさせる、言葉で言ってわからせる、話や歌などが上手で思わず聞き入らせる,



【きき】

ききあきる,聞き飽きる,カ行上一段,自動詞,「自慢話は聞き飽きた」,,,何度も聞いていやになる,


ききあやまる,聞き誤る,ラ行五段,他動詞,「客の注文を聞き誤る」,,,事実を誤って聞く・聞きちがえる,


ききあわす,聞き合わす,サ行五段,他動詞,「電話で聞き合わす」,,,「ききあわせる」に同じ,


ききあわせる,聞き合わせる,サ行下一段,他動詞,「所在を聞き合わせる」「演奏の違いを聞き合わせる」,,,いろいろと尋ねて真偽や実態を確かめる・問い合わせる、聞いて比べる・聞き比べる,


ききいる,聞き入る,ラ行五段,自動詞,「虫の音に聞き入る」,,,熱心に聞く・じっと耳を傾ける,


ききいれる,聞き入れる,ラ行下一段,他動詞,「申し出を聞き入れる」「忠告を聞き入れる」,,,人の要求や願いなどを聞いて承知する,


ききおく,聞き置く,カ行五段,他動詞,「参考までに聞き置くにとどめる」,,,人の話を聞くだけにしておく,


ききおとす,聞き落とす,サ行五段,他動詞,「相手の名を聞き落とす」,,,聞くべきことをうっかりして聞かないでしまう・聞き漏らす,


ききおぼえる,聞き覚える,ア行下一段,他動詞,「その話なら聞き覚えている」「テレビで聞き覚えた歌」,,,以前に聞いて記憶している、何度も聞いているうちに自然とおぼえる。「憶」が本意,


ききおよぶ,聞き及ぶ,バ行五段,自動詞,「ご高名はかねがね聞き及んでおります」,,,人づてに聞いて知っている・前々から聞いている,


ききかえす,聞き返す,サ行五段,他動詞,「答えが要領を得ないのでもう一度聞き返した」「テープを再び聞き返す」「僕のことより君はどうなのと聞き返す」,,,繰り返し質問する・問い直す・聞き直す、以前聞いたものをもう一度聞く・聞き直す、相手から聞かれたのに対して逆にこちらから聞く,


ききかじる,聞き齧る,ラ行五段,他動詞,「新しい学説を聞きかじっただけの議論」,,,物事の一部分またはうわべだけを聞いて知る・ちょっと聞いただけの知識を持つ,


ききこむ,聞き込む,マ行五段,他動詞,「どこかで聞き込んだか油断がならない」,,,聞いて知る・情報などを聞き出す、繰り返し十分に聞く,


ききしる,聞き知る,ラ行五段,他動詞,「噂で聞き知ったきがりでは」,,,聞いて知る,


ききすごす,聞き過ごす,サ行五段,他動詞,「人の注意を聞き過ごす」,,,いいかげんに聞いて心に留めないでおく・聞かなかったことにする・聞き流す,


ききそこなう,聞き損なう,ワ行五段,他動詞,「評判の名講義を聞き損なう」「声が低かったので聞き損なう」,,,聞く機会を逃す、聞き間違える,


ききだす,聞き出す,サ行五段,他動詞,「相手の本心を聞き出す」「四月から英会話講座を聞き出す」,,,聞いて探り出す、聞くことを始める・聞き始める,


ききただす,聞き質す(聞き糺す),他動詞,「噂の真偽を聞き質す」,,,不明な点などを聞いて確かめる。「質」は是非を明らかにする・疑問を問いただす、「糺」は正しくさせる・取り調べる・問いただす意で現在は「糾」を用いる。この例では「質・糺」のどちらも可,


ききちがう,聞き違う,ワ行五段,他動詞,「電話番号を聞き違う」,,,「ききちがえる」に同じ,


ききちがえる,聞き違える,ア行下一段,他動詞,「一時を七時と聞き違える」,,,人の言葉や話の内容をまちがって聞き取る・聞き誤る・聞きまちがえる。「ききちがう」,


ききつぐ,聞き継ぐ,ガ行五段,他動詞,「昔から語り継聞き継がれてきた話」,,,人から人へと次々に伝え聞く,


ききつける,聞き付ける,カ行下一段,他動詞,「怪しい物音を聞きつけて外に出る」「噂を聞きつける」「彼の大声は聞きつけている」,,,音声に気づく、偶然聞いて知る・人づてに聞いて知る、聞き慣れる,


ききつたえる,聞き伝える,タ行下一段,他動詞,「評判を聞き伝えて入場者が増える」,,,人づてに聞く・伝え聞く,


ききとがめる,聞き咎める,マ行下一段,他動詞,「失言を聞き咎める」,,,話などを聞いて不審な点などに気づく・それを問いただしたり避難したりする,


ききとどける,聞き届ける,カ行下一段,他動詞,「要請がようやく聞き届けられた」,,,要求や願いなどを聞いて承知する・聞き入れる,


ききとめる,聞き留める,マ行下一段,他動詞,「聞き留めて以来忘れ得ぬ恩師の一言」,,,聞いたことを心に留めておく・聞きとどめる,


ききとる,聞き取る(聴き取る・訊き取る),ラ行五段,他動詞,「早口の英語でよく聴き取ることができない」「関係者から当時の状況を訊き取る」,,,音声や言葉をはっきりととらえその内容を理解する、詳しく話を聞く,

ききなおす,聞き直す,サ行五段,他動詞,「念のため日時を聞き直す」,,,もう一度改めて聞く,


ききながす,聞き流す,サ行五段,他動詞,「そんな噂は聞き流すことだ」,,,聞いても心に留めないでおく・聞き捨てにする・聞き過ごす,


ききなれる,聞き慣れる,ラ行下一段,他動詞,「聞き慣れた小学唱歌」,,,何度も聞いて耳に慣れている,


ききのがす,聞き逃す,サ行五段,他動詞,「講演を聴き逃してしまった」「今回だけは聴き逃してやろう」,,,うっかり聞き損なう、聞かなかったことにして済ます,


ききふるす,聞き古す(聞き旧す),サ行五段,自動詞,「すでに聞き古した話題」,,,何度も聞いて新鮮でなくなる。「古」は古くさせる・見捨てる、「旧」は古くなる・年を経て古びる意,


ききほれる,聞き惚れる(聴き惚れる),ラ行下一段,自動詞,「美しい歌声に聞き惚れる」,,,聞いてうっとりする,


ききもらす,聞き漏らす,サ行五段,他動詞,「大事なところを聞き漏らしてしまう」,,,聞くべきところをうっかり聞かないでしまう・聞き落とす,


ききわける,聞き分ける,カ行下一段,他動詞,「野鳥の声を聞き分ける」「親の言うことを聞き分ける」,,,聞いて音声の違いを区別する、聞いてその意味を理解する・納得して従う,


ききわすれる,聞き忘れる,ラ行下一段,他動詞,「集合時刻を聞き忘れる」「この年齢になるとなんでもすぐに聞き忘れてしまう」,,,うっかりして聞くべきところを聞かないままにする、聞いたことを忘れる,



【きく】

きく,効く,カ行五段,自動詞,「てきめんに効く薬」「宣伝が効いて大評判だ」「腹部へのパンチが効く」,,,効果や働きなどが現れる・期待通りの結果が実現する・効き目がある,

きく,利く,カ行五段,自動詞,「鼻が利く」「麻痺して手足が利かない」「洗濯の利く生地」「無理の利かない体」「学割が利く」「生意気な口を利く」「口も利かない仲」「取引先に口を利いてやる」,,,本来の機能を十分に発揮する、それをすることが可能である・できる、言葉を発する・ものを言う,

きく,聞く,カ行五段,他動詞,「物音を聞く」「見るもの聞くものすべてが珍しい」「鳥の声も聞かれない」「聞くところによると」「君の評判をあちこちで聞いた」「親の言いつけをよく聞く」「今度ばかりは彼の頼みを聞いてやってほしい」「香を聞く」「酒を利く」「板の厚さに聞いて釘を打つ」,相互「きこえる」,,音声を耳で感じ取る、話を情報として受け入れる、人の意見・要求などを了承して受け入れる、においの良し悪しや種類を鼻で感じ取る、酒の味の良し悪しや種類を舌で感じ取る(「利く」とも)、当てて試してみる。「聞」は音声を耳に感じる・聞いて理解する・教えを受ける・あずかり聞く意,

きく,聴く,カ行五段,他動詞,「名曲を聴く」「有権者の声を聴く」,,,注意して耳に留める・耳を傾ける。「聴」は注意深く耳を傾けて受け入れる意,

きく,訊く(聞く),カ行五段,他動詞,「道を聞く」「自分の胸に訊け」「彼の都合を訊いてみる」,,,尋ねる・問う。「訊」は人に物を尋ねる・訪れる・罪を取り調べる・責め咎める意,


きくする,掬する,サ行変格活用,他動詞,「真情を掬する」,,,気持ちを汲み取る・推し量って理解する,


きくずれる,着崩れる,ラ行下一段,自動詞,「帯が緩んで着崩れる」「着崩れたスーツ」,,,着物の着付けが乱れる、長いあいだ来ているために衣服の形が崩れる,



【きこ】

きこえる,聞こえる,ア行下一段,自動詞,「汽笛が聞こえる」「彼が言うと本当らしく聞こえる」「皮肉に聞こえる」「そりゃ聞こえません」「君の噂は重役にまで聞こえているぞ」「世に聞こえた秀才」,相互「きく」,,音声などが耳で感じられる・自然に耳に入る、聞いてそのように受け取られる・そのように理解や解釈される、相手の言うことを納得して認めることができる・物事のわけが理解できる、話があるところまで広く伝わる・評判になる,


きこしめす,聞こし召す,サ行五段,自動詞,「だいぶ聞こし召して真っ赤な顔をしている」,,,酒を呑むことに戯れている,


きこなす,着熟す,サ行五段,他動詞,「派手な色をさり気なく着こなす」,,,衣服を自分に似合うようにじょうずに着る,


きこむ,着込む,マ行五段,他動詞,「下着を着込む」「晴れ着を着込む」,,,たくさん重ねて着る、衣服をきちんと着る・改まった衣服を着る,



【きさ】

きざす,兆す(萌す),サ行五段,自動詞,「新芽が萌す」「日差しに秋の色が兆す」「淡い恋心が萌す」,,,草木が芽を出す・芽生える、物事が起ころうとしている気配がある・心の中にある感情や考えなどが生まれる。「兆」はしるしがあらわれる、「萌」は草や木の芽が出る・事が起ころうとしている・始まろうとしている・先立って現れる意,


きざみこむ,刻み込む,マ行五段,他動詞,「漬物に昆布を刻み込む」「碑に和歌を刻み込む」「強烈な印象が脳裡に刻まれた」,,,細かく刻んで他のものの中に入れる、文字などを彫りつける、心に深く記す,


きざみつける,刻み付ける,カ行下一段,他動詞,「柱に名前を刻みつける」「幼心に刻みつけられた光景」,,,刃物で刻んで物に跡をつける・彫りつける、忘れないようにしっかりと覚え込む・心に強く印象づける,


きざむ,刻む,マ行五段,他動詞,「ネギを刻む」「仏像を刻む」「文字を碑に刻む」「額に刻まれたシワ」「柱時計が時を刻む」「年輪を刻む」「忠告を胸に刻む」「心に刻まれた幼い頃の記憶」,,,刃物で細かく切る、物の形を彫りつける・彫刻する、刃物などで筋状に切れ目を入れる・また彫ったような凹凸をつける、細かく区切るようにして継続や進行していく、心にしっかりととどめる・しっかりと記憶する,



【きし】

ぎしきばる,儀式張る,ラ行五段,自動詞,「儀式張った会合」,,,形式張ってものものしく体裁を飾る,


ぎしきめく,儀式めく,ラ行五段,自動詞,「儀式めいたことをする」,,,儀式のようである・ものものしい様子である,


きします,軋ます,サ行五段,他動詞,「座っている椅子を軋ます」,相互「きしめく」,,「きしませる」に同じ,


きしませる,軋ませる,サ行下一段,他動詞,「車体を軋ませる」「ベッドを軋ませる」,相互「きしめく」,,軋むような音を出させる,


きしむ,軋む,マ行五段,自動詞,「床が軋む」「雨戸が軋んで開けにくい」,,,物と物とが擦れ合ってきしきしやみしみしなどと音を立てる,


きしめく,軋めく,カ行五段,自動詞,「荷車の軋めく音」,相互「きします・きしませる」,,物と物が擦れ合って軋むような音がする・きしきしいう・きしむ,


きしりあう,軋り合う,ワ行五段,自動詞,「荷車の車輪と心棒とが軋り合う」,,,堅い物が互いに強くこすれ合って音を立てる,


きしる,軋る(轢る),ラ行五段,自動詞,「雨戸の軋る音」,,,堅いものが強く擦れ合って音を立てる・きしむ。「軋・轢」は同義,



【きす】

きす,帰す,サ行五段,自動詞,「灰燼に帰す」,,,「きする」の音変化,

きす,期す,サ行五段,自動詞,「将来に期す」,,,「きする」の音変化,


ぎす,擬す,サ行五段,自動詞,「次期社長に擬される」,,,「ぎする」の音変化,

ぎす,議す,サ行五段,自動詞,「十分に議さないまま採決した」,,,「ぎする」の音変化,


きずきあげる,築き上げる,ガ行下一段,他動詞,「城壁を築き上げる」「苦労を重ねて築き上げた会社」,,,土石などを積み上げて建造物を完成させる、財産や体制などを作り上げる,


きずく,築く,カ行五段,他動詞,「堤防を築く」「政界に確固たる地位を築く」「巨万の富を築く」,,,土石などを積み上げてつくる、体制・地位・財産などをしっかりとつくる,


きずつく,傷付く(疵付く),カ行五段,自動詞,「傷ついた足が痛む」「壁が傷つく」「プライドが傷つく」,相互「きずつける」,,負傷する・怪我をする、物の表面に傷ができる・物の一部が損なわれる、人の感情などが損なわれる。「傷」は怪我・傷み・損害、「疵」は体のキズ・物のキズ・欠点・過ち・罪の意なので常用の「傷」に統一,


きずつける,傷付ける(疵付ける),カ行下一段,他動詞,「あやまって相手を傷つける」「レンズを傷つけないよう注意する」「対面を傷つける」「人を傷つける発言」,相互「きずつく」,,傷を負わせる・怪我をさせる、物の表面に傷を生じさせる。物の一部を損なう、人の感情などを損なう,


きすてる,着捨てる,タ行下一段,他動詞,「Tシャツをひと夏だけで着捨てる」「子どもの着捨てた服が散らばっている」,,,衣服を着られるだけ着て惜しげもなく捨てる、脱いだ服をそのままにしておく・脱ぎ捨てる,

きする,記する,サ行変格活用,自動詞,「碑文に記する」「心に記する」,,,書き留める・しるす、しっかりと記憶する,


きする,帰する,サ行変格活用,自動詞,「すべての努力が水泡に帰した」「責任を部下に帰する」,,,あるところに落ち着く・最後にはそうなる、罪や責任などを他の人や物のせいにする,

きする,期する,サ行変格活用,自動詞,「正午を期して決起する」「生還は期しがたい」「必勝を期する」「再会を期する」,,,前もって期限や時刻を定める、期待する、心に誓う・約束する,


ぎする,擬する,サ行変格活用,自動詞,「山水に擬した庭園」「次期総裁に擬せられる」「背に銃を擬する」,,,見立てる・なぞらえる、決定していないことを仮に当てはめてみる、刀などを突きつける・あてがう,

ぎする,議する,サ行変格活用,自動詞,「善後処置を議する」,,,集まって互いに意見を出し合う・相談する,



【きせ】

きせかける,着せ掛ける,カ行下一段,他動詞,「コートを着せかける」,,,衣類を着るために体にかぶせる,


きせる,着せる,サ行下一段,他動詞,「着物を着せてもらう」「銀台に金を着せる」「歯に衣着せぬ批評」「罪を着せる」「恩に着せる」,相互「きる」,,衣類などを身に着けさせる、上からかぶせる、他に押しつけ負わせる・被らせる,



【きそ】

きそいあう,競い合う,ワ行五段,他動詞,「成績を競い合う」,,,互いに負けまいと競争し合う,


きそいたつ,競い立つ,タ行五段,自動詞,「高層ビルが競い立つ中心街」,,,酒を争うように立つ,


きそう,競う,ワ行五段,他動詞,「技を競う」「高さを競う」,,,互いに負けないように張り合う・競争する,


きそづける,基礎付ける,カ行下一段,自動詞,「多年の研究に基礎づけられた理論」,,,物事に基礎や根拠を与える,



【きた】

きたえあげる,鍛え上げる,ガ行下一段,他動詞,「鉄を鍛え上げる」「鍛え上げた肉体」,,,十分に鍛えて仕上げる,


きたえる,鍛える,ア行下一段,他動詞,「刀剣を鍛える」「心身を鍛える」「選手を鍛える」,,,高温で熱した金属を繰り返し打ったり水で冷やしたりして硬度や密度などを高めて良質のものにする・鍛錬、練習や修練を繰り返し技術や身体や精神をしっかりしたものにする,


きたす,来す,サ行五段,他動詞,「支障を来す」「体に変調を来す」,相互「きたる」,,結果としてある事柄や状態を生じさせる・招く,

きたる,来る,ラ行五段,自動詞,「アメリカ大統領来る」「冬来りなば春遠からじ」,相互「きたす」,,やってくる・くる。「くる」と同字なので「来たる」と送れば誤読しづらい,


きたる,来る,ラ行五段,自動詞,「行ない来る」。補助動詞。し続けて現在に及ぶ。「くる」と同字なので「来たる」と送れば誤読しづらい,



【きち】

きちがいじみる,気違い染みる,マ行上一段,自動詞,「気違いじみた振る舞い」,,,言動などが常軌を逸していて正気とは思えないほどである,



【きつ】

きづかう,気遣う,ワ行五段,他動詞,「安否を気遣う」,,,あれこれときにかけて心配する・案じる,


きづく,気付く,カ行五段,自動詞,「誤りに気づく」「忘れ物に気づく」「気づいたらベッドの上だった」,,,気に留めていなかったところに注意が向いて物事の存在や状態を知る、意識を取り戻す・正気に戻る。気がつく,


きつける,着付ける,カ行下一段,他動詞,「和服をうまく着付けるのに苦労する」「洋服を着つけていると和服は面倒だ」,,,衣服を身につける、気慣れる。前者は「着付け」の語から「付」とする,


きっする,喫する,サ行変格活用,他動詞,「茶を喫する」「惨敗を喫する」,,,食べる・飲む・吸う、好ましくないことを身に受ける・こうむる,



【きと】

きとおす,着通す,サ行五段,他動詞,「三年間着通した学生服」,,,同じ衣服をある期間ずっと着る,


きどる,気取る,ラ行五段,自動詞,「人前で気取る」「気取った話し方」「気取らない人柄」「秀才を気取る」,,,体裁を繕いもったいぶったりとりすましたりする、(「を気取る」の形で)そのものになった気でそれらしい振る舞いをする,



【きな】

きなれる,来慣れる(来馴れる),ラ行下一段,自動詞,「来慣れたゴルフ場」,,,ふだんよく来て慣れている・通い慣れる・来つける。「慣」は習熟、「馴」は言うことを聞くようになる・経験を積んで楽にできるようになる意,

きなれる,着慣れる(着馴れる),ラ行下一段,他動詞,「着慣れたユニホーム」,,,ふだんよく着て慣れている・着つける。「慣」は習熟、「馴」は言うことを聞くようになる・経験を積んで楽にできるようになる意,



【きは】

きばむ,黄ばむ,マ行五段,自動詞,「木々の葉が黄ばむ」「黄ばんだ表紙」,,,黄色みを帯びる・黄色くなる,


きばる,気張る,ラ行五段,自動詞,「気張って荷を持ち上げる」「気張って仕事に取り組む」「気張って高級品を買う」「祝儀を気張る」,,,息を詰めて力を入れる・いきむ、気力を奮い起こす・意気込む、格好をつけて見栄を張る・気前よく金銭を出す,



【きふ】

きぶくれる,着膨れる(着脹れる),ラ行下一段,他動詞,「着膨れるほど着込む」,,,厚着して体がふくれるほどになる。「膨」は腫れる・大きくなる、「脹」は腹や物などがふくれる意,


きふるす,着古す,サ行五段,他動詞,「着古した背広」,,,衣服を長い間着て古くする,



【きま】

きまりきる,決まり切る,ラ行五段,自動詞,「そんな決まりきったことを聞くな」「決まりきった文句」,,,当然のことになっている・言うまでもなくはっきりしている、いつも同じで型にはまっている,


きまる,決まる(極まる),ラ行五段,自動詞,「方針が決まる」「有罪と決まる」「毎朝決まった道を通る」「買う店が決まっている」「冬は寒いに決まっている」「そんなことを言われれば誰だって起こるに決まっている」「背負投が決まる」「速攻が決まる」「東土俵で決まる」「背広が決まっている」「花道の七三で決まる」,相互「きめる」,,不確かや未決定だった物事が最終的にはっきりして動かない状態になる・定まる、変わらないで同じである・一定している、(「にまきっている」の形で)疑う余地がなく当然である・きっとそうである、スポーツや勝負事で技がうまくかかったり狙いどおりに運んだりする・勝負がつく、(「決まっている」の形で)物事の型や服装などがきちんと格好良く収まる・さまになる、歌舞伎などで演技が高潮に達するかひと区切りついたとき役者が形を付けたままで動きを止める。「決・極」とも定まる意。「極まる」は「きわまる」と同字なので「決」で統一,



【きむ】

ぎむづける,義務付ける,ガ行下一段,他動詞,「シートベルトの着用を義務づける」,,,義務としてそれをするようにさせる・義務として負わせる,



【きめ】

きめこむ,決め込む(極め込む),マ行五段,他動詞,「できないと決め込んでいる」「ネコババを決め込む」「画壇の大家を決め込む」,,,事実がどうであろうと自分勝手にそうだと決める・思い込む、そうすることに決めて押し通す・意図的にそうする、そのつもりになっていい気でいる。「決」は是非善悪を判断する・きっぱりと定める・決断する・覚悟する、「極」は取り定めるの意。「極め」は「きわめ」と同字なので「決」で統一,


きめつける,決め付ける(極め付ける),カ行下一段,他動詞,「最初から犯人と決めつける」,,,一方的に断定する。「決」は是非善悪を判断する・きっぱりと定める・決断する・覚悟する、「極」は取り定めるの意。「極め」は「きわめ」と同字なので「決」で統一,


きめる,決める(極める),マ行下一段,他動詞,「日時を決める」「方針を決める」「こうと決めたらなかなか変えない」「腹を決める」「代表を決める」「勝ち越しを決める」「勝負を決める」「決めた日に間に合わせる」「彼を犯人と決めてかかる」「朝食はパンに決めている」「横着を決める」「紺のスーツで決める」「舞台中央で片肌を脱いで決める」「スクイズを決める」「かんぬきに決める」,,,不確実や未定であった物事をはっきりさせる、約束する、そう思い込んで疑わない・一途にそう思う、(「にきめている」の形で)そうすることを習慣としている・変えないでいつも同じにしている、意図的に好ましくない行動や態度を取る・決め込む、格好良くぴったりした服装をする、歌舞伎などで演技が高潮に達するかひと区切りついたとき演者が動きを止めて形をつける、スポーツなどである技を成功させる、相撲や柔道などで相手の差した両腕を抱え込んで動きを封じる(格闘技で関節を伸ばす意は「極」をつかうことが多い)。「決」は是非善悪を判断する・きっぱりと定める・決断する・覚悟する、「極」は取り定めるの意。「極める」は「きわめる」と同字なので「決」で統一,



【きゆ】

ぎゅうじる,牛耳る,ラ行五段,他動詞,「党内を牛耳る」,,,団体や組織を支配して思いのままに動かす・牛耳を執る,


きゅうする,休する,サ行変格活用,自動詞,「万事休す」「緑陰に休する」,,,後が続かなくなる・おしまいになる、休息する・休む,

きゅうする,給する,サ行変格活用,他動詞,「学費を給する」,,,金品を与える・支給する,

きゅうする,窮する,サ行変格活用,自動詞,「返答に窮する」「生活に窮する」,,,行き詰まってどうにもならなくなる・困りきる、金品が不足して困る,



【きよ】

きょうじる,興じる,ザ行上一段,自動詞,「遊びに興じる」,,,「きょうずる」の音変化,


きょうす,供す,サ行五段,他動詞,「実用に供さない品」,,,「きょうする」の音変化,


きょうする,供する,サ行変格活用,他動詞,「墓前に花を供する」「茶菓を供する」「参考に供する」「実用に供する」,,,神仏や身分の高い人などに供える・捧げる・差し出す、役立てる・提供する,

きょうする,饗する,サ行変格活用,他動詞,「遠来の客を饗する」,,,酒や食事を出して人をもてなす,


きょうずる,興ずる,サ行変格活用,自動詞,「釣りに興ずる」「笑い興ずる」,,,面白がって熱中する、楽しんで愉快に過ごす,


ぎょうずる,行ずる,サ行変格活用,他動詞,「道を行ずる」,,,修行をする,


ぎょする,御する,サ行変格活用,他動詞,「暴れ馬を御する」「部下を巧みに御する」,,,馬や馬車を巧みに扱う、他人を自分の思い通りに動かす,


きよまる,清まる(浄まる),ラ行五段,自動詞,「身も心も清まる思いがする」,相互「きよめる」,,清らかになる。「清」は「浄」を内包しているので「清」で統一,


きよめる,清める(浄める),マ行下一段,他動詞,「身を清める」,相互「きよまる」,,汚れや汚れを除き去って清らかにする,


きょろつく,きょろつく,カ行五段,他動詞,「不安げに目をきょろつかせる」,,,目を落ち着きなく動かして周囲を見まわす,


ぎょろつく,ぎょろつく,カ行五段,他動詞,「探るように目をぎょろつかせる」,,,大きな目玉を鋭く動かして睨むさま,



【きら】

きらう,嫌う,ワ行五段,他動詞,「世間から嫌われる」「不誠実な人を嫌う」「葬式は友引の日を嫌う」「相手の差し手を嫌う」「塩は湿気を嫌う」「相手嫌わず論争を挑む」「所嫌わずつばを吐く」,,,いやがってその対象と関わりたくないと思う・好ましくないものとして避ける、はばかってそれをしないようにする・そうすることを嫌だと思う、それがあると損なわれやすいので避けるべきである、区別する・別け隔てをする,


ぎらつく,ぎらつく,カ行五段,自動詞,「油でギラついた水面」,,,ぎらぎら光る・ぎらぎらする,


きらめかす,煌めかす,サ行五段,他動詞,「指輪をきらめかす」,相互「きらめく」,,きらめくようにする・きらきらさせる,


きらめく,煌めく,カ行五段,自動詞,「きらめく星座」「きらめく才気」,相互「きらめかす」,,きらきら光り輝く,



【きり】

きりあう,切り合う(斬り合う),ワ行五段,他動詞,「刀で斬り合う」,,,互いに刃物で相手を切ろうとして争う、物と物とが十文字に交差する,


きりあげる,切り上げる(斬り上げる),ガ行下一段,他動詞,「下段に構えて一気に斬り上げる」,,対語「きりさげる」,下から上へ切る,

きりあげる,切り上げる,ガ行下一段,他動詞,「仕事を早めに切り上げる」,,,区切りをつけて終わりにする,

きりあげる,切り上げる,ガ行下一段,他動詞,「小数点以下を切り上げる」,,対語「きりすてる」,計算で端数を一として一桁上の位の数に加える,

きりあげる,切り上げる,ガ行下一段,他動詞,「ドルを切り上げる」,,対語「きりさげる」,通過の対外価値を高くする,


きりおこす,切り起こす,サ行五段,他動詞,「河原で切り起こして畑にする」,,,荒れ地を開墾する,


きりおとす,切り落とす,サ行五段,他動詞,「パンの耳を切り落とす」「堤防を切り落とす」,,,一部を切って本体から離す、堤防の一部を壊して水を流す,


きりおろす,切り下ろす(斬り下ろす),サ行五段,他動詞,「振りかざした刀を一気に斬り下ろす」,,対語「きりあげる」,上から下へ切る,


きりかえす,切り返す,サ行五段,他動詞,「敵の刀を払って素早く切り返す」「皮肉たっぷりに切り返す」,,,切りかかってきた相手に逆に切りつける、言論による批判や攻撃などに素早く言い返す,


きりかえる,切り替える(切り換える),ア行下一段,他動詞,「考え方を切り替える」「テレビのチャンネルを切り替えるヶ「新制度に切り換える」,,,今までのものをやめて別のものにする。「換」は元に戻さない、「替」は元に戻せる,

きりかかる,切り掛かる(斬り掛かる),ラ行五段,自動詞,「刀をかざして敵に斬りかかる」「髪を切りかかったときに来客がある」,,,斬ろうとして襲いかかる、切り始める・切りそうになる,


きりかける,切り掛ける(斬り掛ける),カ行下一段,他動詞,「枝を切りかけてやめる」「袈裟懸けに斬りかける」,,,切り始める・途中まで切る、刃物で相手を斬ろうとする・斬りつける,


きりかわる,切り替わる,ラ行五段,自動詞,「新貨幣に切り替わる」,,,それまでの物事に替わって別のものになる,


きりきざむ,切り刻む,マ行五段,他動詞,「キャベツを切り刻む」「身を切り刻まれる思い」,,,細かく切る,


きりくずす,切り崩す,サ行五段,他動詞,「山を切り崩す」「敵陣を切り崩す」「反対派を切り崩す」,,,削り取って元の形でなくする、相手方の弱点などを突いて全体のまとまりを壊す,


きりくむ,切り組む,マ行五段,他動詞,「床板を格子に切り組む」,,,材木を種々に切って組み合わせる,


きりこむ,切り込む(斬り込む),マ行五段,自動詞,「肩先深く切り込まれる」「敵陣に斬り込む」「議論の核心に切り込む」「野菜を切り込んで煮る」,,,刃物で深く切る、刀を抜いて切って入る・踏み込んで切る、深いところまで鋭く入り込む、切って中に入れる,


きりころす,斬り殺す(切り殺す),サ行五段,他動詞,「一刀のもとに斬り殺す」,,,刃物で切って殺す,


きりさいなむ,斬り苛む(切り苛む),マ行五段,他動詞,「観を切り苛まれる思い」,,,むごたらしくずたずたに斬る・メッタ斬りにして苦しめる,


きりさく,切り裂く,カ行五段,他動詞,「魚の腹を切り裂く」「布を切り裂く」,,,切って開いたり二つに分けたりする・切ってバラバラにする,


きりさげる,切り下げる,ガ行下一段,他動詞,「肩先から切り下げる」「額に切り下げた髪」,,,上から下へと切る・切り下ろす、切って垂らす,

きりさげる,切り下げる,ガ行下一段,他動詞,「為替レートを切り下げる」,,対語「きりあげる」,物価や貨幣価値を低くする・引き下げる,


きりさばく,切り捌く,カ行五段,他動詞,「マグロを切りさばく」「紛争を切りさばく」,,,切っていくつかの部分に分ける、うまく処理する・取りさばく,


きりすてる,切り捨てる(斬り捨てる),タ行下一段,他動詞,「枝を切り捨てる」「弱者を切り捨てる」「過去を切り捨てる」「一刀のもとに斬り捨てる」,,,切り取ってその部分を捨てる、無益なものや不要なものとして捨て去る、人を斬ってそのまま放っておく,

きりすてる,切り捨てる,タ行下一段,他動詞,「小数点以下を切り捨てる」,,対語「切り上げる」,計算で求める位未満の端数を捨てる,


きりそぐ,切り削ぐ,ガ行五段,他動詞,「切り削いだように立つ峰々」,,,先がとがるように切り取る,


きりそろえる,切り揃える,ア行下一段,他動詞,「前髪を切り揃える」,,,切って同じ長さや形にする,


きりたおす,切り倒す(斬り倒す),サ行五段,他動詞,「杉の大木を伐り倒す」「敵を斬り倒す」,,,立っているものを切って倒す、人を斬って殺す。「切」は裂く・刻む、「斬」は刀で切る・切り殺す、「伐」は木などを切る意,


きりだす,切り出す,サ行五段,他動詞,「ノコギリで切りだす」「石を切り出す」「別れ話を切り出す」,,,切り始める、木材や石などを切って運び出す、話や相談事を言い出す・思い切って放し始める,


きりたつ,切り立つ,タ行五段,他動詞,「切り立った崖」,,,山や岩などが鋭い傾斜でそそり立つ,


きりたてる,切り立てる,タ行下一段,自動詞,「多勢に切り立てられる」,,,激しく切ってかかる・切りまくる,


きりつける,切り付ける(斬り付ける),カ行下一段,他動詞,「暴漢に斬りつけられる」「柱に目印を切りつける」,,,刃物を持って襲いかかる・斬りかかる、切って形や印をつける,


きりつめる,切り詰める,マ行下一段,他動詞,「裾を十センチほど切り詰める」「食費を切り詰める」,,,物の一部分を切り取って短くする、経費などを節約する・倹約する,


きりとる,切り取る,ラ行五段,他動詞,「胃を半分に切り取る」,,,一部分を切って取る,


きりぬく,切り抜く,カ行五段,他動詞,「新聞の記事を切り抜く」「紙を丸く切り抜く」,,,一部分を切って抜き取る,


きりぬける,切り抜ける,カ行下一段,他動詞,「敵陣を切り抜ける」「ピンチを切り抜ける」,,,敵の囲みなどを切り破って逃れる、困難な状況や危険な状態からやっとのことで抜け出る,


きりはずす,切り外す,サ行五段,他動詞,「電話線を切り外す」,,,繋いであったもののなどを切って外す,


きりはなす,切り離す(切り放す),サ行五段,他動詞,「貨車を切り離す」「二つの問題を切り離して考える」,,,一つの物や結びついている物を切って離れさせる・切って別々にする。「離」は割く・絶つ・分ける・引き離す・開く・捨てる・離脱、「放」は自由にする・解放・棄てる・捨て置く・追いやる・退ける・発する・飛ばす・つけるの意,


きりはらう,切り払う(斬り払う),ワ行五段,他動詞,「下枝を切り払う」「群がる敵を斬り払う」,,,草木などを切り除く、斬りかかって追い払う,


きりひらく,切り開く,カ行五段,他動詞,「封を切り開く」「丘を切り開いて宅地にする」「血路を切り開く」「運命を切り開く」「新境地を切り開く」,,,切って中を開く、山を崩したり開墾したりして道路や宅地や田畑などにする、敵の囲みを破って進路を作る、困難や障害を乗り越えて進路を開く,


きりひろげる,切り広げる,ガ行下一段,他動詞,「堀を切り広げる」,,,切り開いて中を広くする,


きりふせる,斬り伏せる(切り伏せる),サ行下一段,他動詞,「一刀のもとに斬り伏せる」,,,人を斬って倒す,


きりほどく,切り解く(斬り解く),カ行五段,他動詞,「小包の紐を切りほどく」,,,結んである紐や縄などを切ってほどく。「解く」は「とく」と同字,


きりまくる,切り捲る(斬り捲る),ラ行五段,他動詞,「敵を斬って斬りまくる」「その著書で日本の政治家を切りまくる」,,,手当たり次第に切る、いろいろな側面から相手を論難する・いろいろな相手を論難する,


きりまわす,切り回す,サ行五段,他動詞,「店を一人で切りまわす」,,,中心になって物事を処理する・巧みにやりくりする,


きりむすぶ,斬り結ぶ(切り結ぶ),バ行五段,自動詞,「丁々発止と斬り結ぶ」「論敵と激しく斬り結ぶ」,,,互いに刀を交えて斬り合う・激しく争う,


きりわる,切り割る,ラ行五段,他動詞,「石材を切り割る」,,,物を切って二つ以上に分ける,



【きる】

きる,切る(伐る・截る・剪る),ラ行五段,他動詞,「枝を切る」「爪を切る」「二センチ角に切る」「ナイフで手を切る」「盲腸を切る」「封を切る」「話を切る」「電話を切る」「縁を切る」「スイッチを切る」「ラジオを切る」「行列を切って進む」「ハンドルを切る」「カーブを切る」「波を切って走る」「肩で風を切る」「手刀切って懸賞を受け取る」「面(おもて)を切る」「見得を切る」,,,繋がっているものを断ったり付いているものを離したりする・とくに刃物などで分け離す、鋭利なもので体の一部を傷つける・切開手術をする、塞がっているものや閉じてあるものを開ける、続いている物事をやめたり断ったり関係をなくしたりする・器械を操作して電流を止める・道や列などを横切って通る、ハンドルや舵などを操作して進む方向を変える、一面に広がっているものを分けるようにして勢いよく進む、空中に決まった形を描く、歌舞伎や能で強い感情を表すためにある目立つ表情や動作をする。「切」は裂く・刻む、「伐」は木などを切る、「截」は断ち切る・切断する・遮る・阻むで布や紙などを切る、「剪」は切り揃える・断ち切るで枝や葉や花などを切る意,

きる,切る,ラ行五段,他動詞,「彼がまず口を切った」「攻撃の火蓋を切る」「たんかを切る」「札びらを切る」,,,際立ったまたは思い切った行動や動作をする,

きる,切る,ラ行五段,他動詞,「ネジ山を切る」「囲炉裏を切る」「原紙を切る」,,,溝を掘る・掘って炉やコタツをつくる・謄写版のヤスリの上で鉛筆で文字を書く,

きる,切る,ラ行五段,他動詞,「傘のしずくを切る」「ザルに上げて水気を切る」「カードをよく切って配る」「従業員の首を切る」,,,振り落としたりしたたらせたりして水分などを取り去る、札をよく混ぜ合わせる、免職や解雇や除名をする,

きる,切る,ラ行五段,他動詞,「期限を切る」「先着百名で切る」「百メートルで十秒を切る」「元値を切って売る」,,,物事に区切りをつける・基準の数値以下や以内にする・割る,

きる,切る,ラ行五段,他動詞,「小切手を切る」「クラブのエースを切る」,,,伝票や小切手などを発行する、トランプで切り札を出して勝負に出る,

きる,斬る,ラ行五段,他動詞,「一刀のもとに人を斬る」,,,刃物などで人を傷つける。「斬」は刀で切る・切り殺す意,

きる,鑽る(切る),ラ行五段,他動詞,「火を鑽る」,,,石と金属を打ち合わせたり木と木をこすり合わせたりして発火させる,

きる,切る,ラ行五段,他動詞,「力を出し切る」「売り切る」「疲れ切る」「弱り切る」「引き止めるのを振り切る」「関係を断ち切る」,,,補助動詞。完全に・最後までその行為をする・し終える・し尽くす、限界にきてこれ以上の事態は考えられない状態である。すっかりする、きっぱりする,

きる,着る,カ行上一段,他動詞,「着物を着る」「上着を着る」,,,衣類などを身につける・着用する,

きる,着る,カ行上一段,他動詞,「人の罪を着る」「恩に着る」,,,自分の身に引き受ける,



【きれ】

きれあがる,切れ上がる,ラ行五段,自動詞,「切れ上がった目元」,,,上の方まで切れる・目尻や額の生え際などが上のほうへ上がっている,


きれこむ,切れ込む,マ行五段,自動詞,「海岸線が深く切れ込んでいる」,,,切れ目が者の中に深く入り込む,


きれる,切れる,ラ行下一段,自動詞,「紐が切れる」「緊張の糸が切れる」「ひびが切れる」「手の切れるような札」「縁が切れる」「彼女とはもう切れた」「音信が切れる」「電話が切れる」「切れた雲間から光が差す」「町並みが切れる」「人通りが切れる」「品物が切れる」「油が切れる」「道が左へ切れる」「打球が切れる」「よく切れる刀」「枝が切れる」「頭が切れる」「切れる男」「息が切れる」「痺れが切れる」,相互「きる」,,力が加わってひと続きのもの繋がっているものなどが分かれる、傷ついたり裂け目ができたりする、繋がっていた関係がなくなる、続いていたものが途中やあるところでなくなる、並び続いているものが途絶える、進む方向が横へそれる・左右いずれかへ曲がる、刃物の切れ味が鋭い・見事な効果を示す・頭の働きが速く物事をテキパキと処理する能力に優れる、激しい運動などの後せわしく苦しそうに呼吸する、足が痺れる・待ちくたびれる,

きれる,切れる,ラ行下一段,自動詞,「期限が切れる」「車検が切れる」「麻酔が切れる」「元値が切れる」「目方が切れる」,相互「きる」,,今まであった物がなくなる・有効だった一定の時間や期間が終わりになる・ある基準以下になる・不足する,

きれる,切れる,ラ行下一段,自動詞,「堤防が切れる」「着物の裾が切れる」「靴下が切れる」,,,破れ崩れる・すり減る,

きれる,切れる,ラ行下一段,自動詞,「洗った野菜の水気が切れる」,,,振り落としたりしたたらせたりした結果水分がなくなる,

きれる,切れる,ラ行下一段,自動詞,「こらえきれずに泣き出す」「逃げ切れないと観念する」「食べきれないほどのごちそう」,,,補助動詞。最後までし通すことができる・すっかるすることができる,



【きわ】

きわだつ,際立つ,タ行五段,自動詞,「際立った出来栄え」,,,ひときわ目立つ・良い意味に使われることが多い,


きわまる,極まる(窮まる),ラ行五段,自動詞,「感極まって泣く」「極まるところを知らない征服欲」「退屈極まる話」「進退窮まる(谷まるとも)」,,,ギリギリの状態までいく・限度や限界に達する、このうえなく〜である、動きが取れなくて困り果てる。「極」は尽きる・終わる・やむ・詰まる・なすすべが無くなる、「窮」は終わる・止まる・詰まる・塞がる・苦しむ・尽きる・困る・貧しくなる、「谷」は行き詰まる(中国古典の訳なので通常は用いない)の意,


きわめる,極める,マ行下一段,他動詞,「富士山頂を極める」「頂点を極める」「口を極めて褒める」「理を極めて言う」,,,これより先はないというところまで行き着く、残るところなく尽くす。「極」は尽くす・最後まで至る意,

きわめる,窮める(極める),マ行下一段,他動詞,「贅沢を窮める」「困難を窮める」,,,極点に達した状態になる・この上もない程度までそうなる。「窮」は突き詰めて尋ねる・苦しめる・困らせる・調べる意,

きわめる,究める(窮める),マ行下一段,他動詞,「真理を究める」「道を究める」,,,深く研究してすっかり明らかにする。「究」は最後まで探る意,



【きん】

きんじる,禁じる,ザ行上一段,他動詞,「私語を禁じる」,,,「きんずる」の音変化,


ぎんじる,吟じる,ザ行上一段,他動詞,「漢詩を吟じる」,,,「ぎんずる」の音変化,


きんずる,禁ずる,サ行変格活用,他動詞,「外泊を禁ずる」「痛惜の念を禁じえない」,,,してはいけないと差し止める・禁止する、(多く「禁じえない」の形で)ある気持ちを抑える,


ぎんずる,吟ずる,サ行変格活用,他動詞,「古歌を吟ずる」,,,詩歌に節をつけて詠う・吟詠する・吟唱する,



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